万華鏡
(児玉さんの横田弁川柳)
あなたも出雲弁川柳を作ってみませんか
寄稿をお待ちしております
あ行 か行 さ行 た行 な行 は行 ま行 や行 ら行 わ行
☆2004年9月11日
〇 やきやきと ついてそばから 言わんでよ |
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やきやきと とは 気を揉んでいらいらするようす。「傍に付いたようにして あれこれとせきたてられてはたまったもんじゃーない 言わないでよ」と 頼んでいるのです。
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〇 やごが出た 今度はお前 抱いてみて |
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やご とは 子どもが駄々をこねること。孫の守りをしていたところ むずかってきたのです。手に合わんようになったので 誰かに押しつけるのですね。
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〇 やだねったら やだねのしぐさ 受けに受け |
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やだね は いやだね のなまり。宴会での隠し芸で 「箱根八里の半次郎」の ポイント部分のしぐさを 適当に我流で振りつけて踊ったら 拍手喝采なのでした。
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〇 やっぱしだ どうもまいとこ いかんがね |
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やっぱし は やっぱり ということ。農作業中 トラクターが どうしたことか故障のようです。エンジンなど調べてスイッチを入れてみますが どうもやっぱり動きません。
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〇 やまわせと ちぢれ羽織って 山仕事 |
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やまわせ は 襦袢のような形の仕事着 ちぢれ は ぼろ布で織った袖無しのようなもの どちらも 以前の 特に山へ仕事に出かける時などに 着用したのでした。
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☆2004年9月18日
〇 やめくちゃに 詰め込んだてて 危ないよ |
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やめくちゃに は むやみやたらに ということ。トラックに荷物を積みかけていますが制限を無視して詰め込もうとしているようです。言語道断ですね 危ないことです。
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○ 「やる」なのに 「あげる」になって しまってる |
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「〜してやる」を みんな「〜してあげる」と言いますね。納得できません。使い分けしていたからこそ 「あげる」が 敬語として成り立っていた と思うのですけれど。
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〇 やれんのー 期待されても 困るわね |
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やれん とは 堪え切れない ということ。「そんなに期待されては とてもたまったもんじゃーない 困るねえ」と どうも自信がなさそうなのです。
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〇 ゆきあたり ばったりだとは 無責任 |
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ゆきあたりばったり とは 成り行き任せ つまり自分の意志を反映させないで ということです。したがって「それでは無責任ではありませんか」と 言われているのです。
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〇 よーこさーれ(り) 遠いところを ご苦労さん |
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ようこさーれ(り) とは ようこそあれ の なまった言い方。「ようこそようこそ遠いところからはるばる ご苦労さんでした」と お礼を述べているのです。
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☆2004年9月25日
〇 よーむきに なっちゃったげで よかったわ |
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よーむき というのは 病気が快方に向かうこと。心配だった人の病状が どうやら快方に向かったらしい という知らせがあり ひとまず喜んであげているところです。
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〇 よーもよーも また忘れたね 頼んだもん |
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よーも は よくも。「あれほど念を押して頼んでおいたのに よくもよくも また忘れたのですね」と あきれかえっているのです。よっぽど 忘れっぽい人なのですねえ。
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〇 よこぼうを 入れて話の 腰を折り |
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横棒を入れる とは 横槍を入れる 邪魔をすることです。話の最中に 横からいらぬ口を挟み その話題が続けられないように 話の腰を折ってしまったのでした。
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〇 よりかたの 時間ははよう 決めたらね |
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よりかた とは 葬儀の折りに 集まって世話をやく人のこと。皆それぞれ都合を抱えているのだから 取りかかりの時刻など 早く決めて頂きたいのです。
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〇 よんべけか えかったもんだね 無理ないわ |
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よんべけ とは 昨夜の疲れ のこと。新婚さんが からかわれているのです 説明はいりませんね。まあ からかわれているうちが 華 というものなのでしょうね。
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作者:児玉敏郎
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