羅生門
（児玉さんの横田弁川柳）
作者より一言
あなたも出雲弁川柳を作ってみませんか
寄稿をお待ちしております
あ行 か行 さ行 た行 な行 は行 ま行 や行 ら行 わ行
☆２００２年１１月１６日
| 〇 かいしょうが やっぱしあーにゃー あっただわ |
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甲斐性がある というのは 働いて成功をつかめる ということと考えます。よくやって成功した人のことを「あの人には やはり甲斐性があったのだ」と羨んでいるのです。
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| 〇 かたぎ悪うに 上目づかいで 人を見て |
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ひがみ根性の人を かたぎが悪いといいます。つねがね そんな人は まともに人のことを考えられない 従って まともに人の顔も見られないようです。よくないですね。
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| 〇 かばちたれ 手先はいつも お留守です |
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かばちたれ とは よくしゃべること。仕事中でも 手先よりも口先の方がよく動いて話題も豊富 職場を賑やかにしてくれますが そのため 迷惑をかけてはいけませんね。
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| ○ かまーかけて こっち向かせて びっくりし |
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かまーかける とは 干渉する からかう ちょっかいをかけるです。知っている人だなと思って声をかけてみたが 違った人だったのでびっくりした。やれやれですね。
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| 〇 がわをはり 見せ場はよーに したけれど |
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見栄をはる 外見を飾ることを がわをはる といいます。見た目はいいようだけれど内容が伴わない 嵩張った費用にあとでは苦しむ。結局 性分でしょうね。
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☆２００２年１１月２３日
| 〇 きくゎせよーに 揃えて上司を 喜ばせ |
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機敏にタイミングよく処理することを きくゎせがよい といいます。職場で最も大切なことです。今日もきちんと結果を報告出来ました。上司のお眼鏡に適ったのでしょう。
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| 〇 きさんじい まいとこやったと 手をたたき |
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漢字だと 気散じい 気が晴れた 痛快だ ということです。テレビでプロレスでも見ているのでしょう。応援している方が勝ったのでしょうね。眼に見えるようです。
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| 〇 きしゃがわりー あの人にゃーもう 会いません |
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きしゃがわりー 胸糞が悪くて腹が立つこと 特有の方言です。折角話し合いをしたのに 余程肌が合わなかったのか 気分を壊していますね。関係修復不可能ですか。
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| 〇 ぎばんでも 今日のことにゃー ならんじね |
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ぎばむ これも特有の方言のひとつです 頑張ること。どうしても このことは今日中に片づけてしまおう と取り組んだけれども 出来なかったね 残念だが仕方ないか。
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| 〇 気前がええ といわれる程でも ないけれど |
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上司の心構えとして 出すべき時にはきちんと出す と心がけ あたり前のようにやっていたのだが それを 気前がええなんていわれて ちょっと心外なのですね。
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☆２００２年１１月３０日
| 〇 くーけんねー もうちょっと待って ごすだわね |
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来ーけん は 行くから なのです 面白いですね。「今行くからねー もうちょっと待って下さいよ」と 相手に頼んでいるのです。忙しいことでもあったのかしら。
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| 〇 くぐちから ひっくり返して みたけれど |
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くぐち は 物の端の方のこと。探しものです。何か知りませんけれど 大事なものだったのでしょう。そこら中 片っ端から ひっくり返して探しているのですが・・・。
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| 〇 くさされて 今更行く気に なりもせず |
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くさす は 悪口をいい けなすこと。「お前 そげなもんに興味があーだかや」と きつくけなされて 折角行こうと思っていたのに 気分を損ねてしまったのでした。
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| 〇 くじをいい 箸も取らない 罰当たり |
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くじをいう とは 不平 小言をいうこと。親の責任もあるかもしれませんが どうも わがまま 偏食ですね。折角出してある食事に手をつけません。罰が当たりますよ。
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| 〇 くどくどと 帰るたんびに 親のぐち |
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くどくど は しつこい様子。よそに住んでいる子どもが 帰ってくる度に親から愚痴をこぼされ 嫌がっています。しかし 暮らし向きや結婚などのこと 大丈夫ですか。
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☆２００２年１２月７日
| 〇 けー忘れた ごめんごめんと 笑ってる |
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けー は ついつい 面白い方言です。「ついつい忘れてしまったよ」と詫びているのですが どうも毎度のことのようで てれ隠し笑い おっちょこちょいなのですね。
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| 〇 けだらんのー もちーとまいとこ できんかね |
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けだらん は 不満足だ ということ。今度こそ いい具合にこしらえてもらおう と思って頼んだのに どうも気に入らない。ついつい 本音が出たのでしょうね。
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| 〇 けちくそーな 格好ですよ 着替えたら |
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けちくそーな は おかしげな とでも言い換えましょうか。折角 二人で外出するのにと ご主人の服装を見て奥さんが嘆いているところです。どこでもでしょうかね。
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| 〇 けっちんを またもくらって 中止です |
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けっちんをくらう は 拒絶されること けちをつけられる が 元かもしれません。何度お願いしても 許可が出ない。何でだろうかと 当事者が困っているのですね。
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| 〇 けんびきで どうもいけんわ 五十肩 |
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けんびきとは 疲れが元で起こる病気 いろいろありますね。五十才くらいになれば 誰でもあります。特に 肩こりはいやになりますね。無理はよしましょう。
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☆２００２年１２月１４日
| 〇 ごーぎなもん 持ってきたねと びっくりし |
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ごーぎな は 豪勢な 派手な きつい ひどい などに当たります。頼んだものを持ってきてくれたけど 思いのほか豪勢なものなので驚いています。値段もはるでしょうね。
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| 〇 こくれ子ちゃん ふくれっ面だね なしてかね |
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こくれる は 怒って機嫌が悪いこと。子どもさんの機嫌が悪いので どうしてだろうかと あやしているのです。気にしなくても じきに直りますよ。
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| ○ こげなもん つまらんもんだも 取っちょいて |
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こげな は こんな ですね。こんなものは まことにお粗末でつまらないものですが どうぞ取っておいてください という意味の 親しい人への 飾らない言い方です。
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| 〇 ここーそどが ないけん止めて 帰らーや |
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ここーそどがない は 心ここにあらず 落ち着きのないことです。楽しそうな催しなので出かけてみたけど あまりの雑踏に嫌気がさして 人を誘って帰るのですね
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| 〇 こそばいい ことかもしれん あなたには |
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こそばいい は くすぐったいこと。ちょっとやましい 弱点を持っている人に対して それを忠告する人の第一声ですね。こそばいい よりも 耳が痛いでしょうね。
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☆２００２年１２月２１日
| 〇 ことくそに ならん筈だよ めげちょーじ |
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ことくそにならん は つまらない，役に立たないこと めげる は こわれる。しまっておいた機械を取り出して動かしてみたが 駄目のようです。壊れていました。
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| 〇 こばやーに すんでしまーた くつろいだ |
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こばやーに は 案外早く とでも言えましょうか。予定していたことが思ったよりも早くすんでしまったので 安心した くろいでいる ということです。
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| 〇 こぼっすらと 持ってきたわね 頼んます |
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こぼっすらと は 内々に そっと ということ。大切な預かり物 あまり人に知られたくないものないので こっそりと持ってきました お願いします だそうです。
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| ○ こまいねえ もちーと大きに ならんかね |
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こまい は 小さい です。作ってくれと頼まれて作った品物が 注文されたお方のお気に召さないようです。おっしゃるように もう少し大き目に作り直してあげますか。
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| ○ こんじゃうえで やったことだが（と） あきらめた |
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こんじゃうえ は 承知の上で ということです。 難しい仕事だと承知の上で引き受けたのでしたが やはりうまく捗りません。残念だがあきらめて 返上しました。
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作者：児玉敏郎
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