韓国のユネスコ世界遺産
韓国には今日まで9つのユネスコ世界文化遺産と1つのユネスコ世界自然遺産がそれぞれ指定されている。
特に世界文化遺産はいずれも歴史的にも価値の高いものばかりで、一見に値する。
それらは以下の通りである。
 
*불국사와 석굴암(仏国寺・石窟庵)
*해인사 장경판전(海印寺 蔵経板殿)
*종묘(宗廟)
*창덕궁(昌徳宮)
*수원화성(水原華城)
*경주역사유적지구(慶州歴史史蹟地区)
*고창・화순・강화 고인돌유적(高敞・和順・江華 支石墓遺跡)
*조선왕릉(朝鮮王陵)
*하회・양동 역사마을(河回・良洞 歴史村)
*제주 화산섬과 용암 동굴(済州 火山島と溶岩洞窟)
 
これらはいずれも、韓国の歴史とその文化を辿るには貴重な財産である。幸いにして、世界遺産として保存・保護されているおかげで、いつでも当時に触れることができよう。
以下に、個別に若干の説明を加えておきたいと思う。
 
ユネスコ世界遺産の位置
まず9ヶ所のユネスコ世界文化遺産と、1ヶ所のユネスコ世界自然遺産の、それぞれの地理上の所在地を示しておきたい。
地図上印で示した位置が、当該遺産の所在地であるが、目安として表示したものであって、必ずしも、正確な地理を表してはいないことをご承知いただきたい。
また、조선왕릉(朝鮮王陵)は、ソウル・京畿道(경기도)・江原道(강원도)にまたがる40基が対象としなっているため、地図上には表示しなかった。

地図上の名称をクリックしていただくか、右側のメニューから名称をクリックしていたたくと、下にその世界遺産の概要をご覧いただくことができる。
世界遺産マップ

 
韓国のユネスコ世界遺産
 
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불국사와 석굴암(仏国寺・石窟庵)は慶尙北道(경상북도)の慶州市(경주시)にあり、1995年12月に世界文化遺産に登録された。
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불국사와 석굴암(仏国寺・石窟庵)は慶尙北道(경상북도)の慶州市(경주시)にあり、1995年12月に世界文化遺産に登録された。
 
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해인사(海印寺)は、慶尙南道(경상남도)の합천군(陜川郡)にあり、新羅時代の802年に創建された韓国3代寺刹の一つである。 1995年12月にユネスコ世界文化遺産に指定された。
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해인사(海印寺)は、慶尙南道(경상남도)の합천군(陜川郡)にあり、新羅時代の802年に創建された韓国3代寺刹の一つである。 1995年12月にユネスコ世界文化遺産に指定された。
 
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종묘(宗廟)は、朝鮮王朝歴代の王と王妃、およびに没後に位を贈られた王と王妃の신위(神位:位牌)が安置されている王室の霊廟である。 1995年12月、ユネスコ世界文化遺産に登録された。
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종묘(宗廟)は、朝鮮王朝歴代の王と王妃、およびに没後に位を贈られた王と王妃の신위(神位:位牌)が安置されている王室の霊廟である。 1995年12月、ユネスコ世界文化遺産に登録された。
 
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昌徳宮には多くの建物があるが、これらが比較的当時の原型をとどめた姿のまま残されており、朝鮮時代の宮廷様式を伺い知ることができる点で価値が高い。 1997年12月、ユネスコ世界文化遺産に登録された。
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昌徳宮には多くの建物があるが、これらが比較的当時の原型をとどめた姿のまま残されており、朝鮮時代の宮廷様式を伺い知ることができる点で価値が高い。 1997年12月、ユネスコ世界文化遺産に登録された。
 
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수원화성(水原華城)は、朝鮮王朝第22代王정조(正祖)が1796年に創建した城である。 1997年12月、ユネスコの世界文化遺産に登録された。
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수원화성(水原華城)は、朝鮮王朝第22代王정조(正祖)が1796年に創建した城である。 1997年12月、ユネスコの世界文化遺産に登録された。
 
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BC69年、혁거세거서간 (赫居世居西干)は、신라 (新羅)を建国し、初代の王についた。その首都が경주(慶州)。 935年경순왕( 敬順王)の時代に新羅が滅亡するまでの約1000年間、首都慶州を中心として、仏教文化の華を咲かせる。 2000年12月、ユネスコの世界文化遺産に登録された。
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BC69年、혁거세거서간 (赫居世居西干)は、신라 (新羅)を建国し、初代の王についた。その首都が경주(慶州)。 935年경순왕( 敬順王)の時代に新羅が滅亡するまでの約1000年間、首都慶州を中心として、仏教文化の華を咲かせる。 2000年12月、ユネスコの世界文化遺産に登録された。
 
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韓国では青銅器時代を代表する代表的な墓の形態で、全国に3万墓あまりの支石墓が分布している。 そのうち、고창(高敞)、화순(和順)、강화(江華)の3地域の支石墓群が、2000年12月にユネスコ世界文化遺産に登録されている。
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韓国では青銅器時代を代表する代表的な墓の形態で、全国に3万墓あまりの支石墓が分布している。 そのうち、고창(高敞)、화순(和順)、강화(江華)の3地域の支石墓群が、2000年12月にユネスコ世界文化遺産に登録されている。
 
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朝鮮王朝500年の間に27代の王が統治してきたが、王陵として保存管理されているものは、40墓ある。 それは、王のほか、王后、추존왕(追尊王)とその王后が含まれているからである。 これら40墓は、ソウル、京畿道、江原道の40km内に点在している。 そして、これらすべてが、2009年6月、ユネスコ世界文化遺産に登録されている。
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朝鮮王朝500年の間に27代の王が統治してきたが、王陵として保存管理されているものは、40墓ある。 それは、王のほか、王后、추존왕(追尊王)とその王后が含まれているからである。 これら40墓は、ソウル、京畿道、江原道の40km内に点在している。 そして、これらすべてが、2009年6月、ユネスコ世界文化遺産に登録されている。
 
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韓国の最も古い代表的な氏族村である하회마을(河回村)と양동마을(良洞村)は、양반문화(両班文化)が華開いた韓国영남(嶺南)地方に位置している。 これらは、合わせて2010年8月、ユネスコ世界文化遺産に登録された。
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韓国の最も古い代表的な氏族村である하회마을(河回村)と양동마을(良洞村)は、양반문화(両班文化)が華開いた韓国영남(嶺南)地方に位置している。 これらは、合わせて2010年8月、ユネスコ世界文化遺産に登録された。
 
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2007年6月、韓国に「제주 화산섬과 용암동굴(済州 火山島と溶岩洞窟)」という名称のユネスコ世界自然遺産が誕生した。もちろん、韓国南西部に位置する最大の島、제주도(済州島)に広がる自然遺産である。 韓国で唯一の世界自然遺産であることはいうまでもない。
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2007年6月、韓国に「제주 화산섬과 용암동굴(済州 火山島と溶岩洞窟)」という名称のユネスコ世界自然遺産が誕生した。もちろん、韓国南西部に位置する最大の島、제주도(済州島)に広がる自然遺産である。 韓国で唯一の世界自然遺産であることはいうまでもない。
 
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韓国の全10ヶ所のユネスコ世界遺産をまとめてご紹介しよう。

불국사와 석굴암(仏国寺・石窟庵)

불국사와 석굴암(仏国寺・石窟庵)は慶尙北道(경상북도)の慶州市(경주시)にあり、1995年12月に世界文化遺産に登録された。
新羅の五岳の一つと数えられた토함산(吐含(トハム)山)の中腹に建てられている。
불국사(仏国寺)は528年に創建されたと伝えられており、6つの国宝をはじめ統一新羅時代の貴重な文化財をたっぷりと味わうことができる。
1000年にわたって繁栄をつづけたが、1592年の임진왜란(壬辰倭亂)(文禄・慶長の役)によって、多数の建物が焼失、現在見ることができるのは1973年に復元されたものである。

석굴암(石窟庵)は、불국사(仏国寺)から更に奥に入ったところに作られた石窟寺院である。
751年の創建と伝えられており、불국사(仏国寺)に付随する庵として建てられたものとされている。
中には、本尊として高さ3.4mの巨大な如来坐像が安置されている。そして、その周囲には、仁王像、四天王像、菩薩像などが配置されており、石窟とは思えない立派な寺院そのものである。
もちろん国宝に指定されている。

なお、불국사와 석굴암(仏国寺・石窟庵)に関する詳細は。下記ウェブ・サイトに詳しいのでご覧いただきたい。

また、불국사(仏国寺)の公式ホームページは下記であるのであわせて参考にされたい


해인사 장경판전(海印寺 蔵経板殿)

해인사(海印寺)は、慶尙南道(경상남도)の합천군(陜川郡)にあり、新羅時代の802年に創建された韓国3代寺刹の一つである。その境内にある建物の一つが해인사 장경판전(海印寺 蔵経板殿)である。1995年12月にユネスコ世界文化遺産に指定された。

해인사(海印寺)には高麗時代に仏教をまとめた高麗大蔵経(고려대장경)が保存されているおり、これが文化財の対象である。実は、経板の数が八万余りの板に及ぶことから、팔만대장경(八万大蔵経)と称されている。
この팔만대장경(八万大蔵経)は、お釈迦様の教えを集大成したもので、現存している木板大蔵経の中では世界最古であり、750年余りの長い歳月を経て今でも完璧な木板本として保存されている。
ユネスコ世界文化遺産に登録されているものは、この팔만대장경(八万大蔵経)と、これら膨大な量の経典を保存している장경판전(海印寺 蔵経板殿)の4棟である。
いずれも韓国の国宝に指定されている。
なお、해인사(海印寺)に関する詳細は。下記ウェブ・サイトに詳しいのでご覧いただきたい。

なお、해인사(海印寺)の公式ホームページは下記であるので、合わせて参考にされたい


종묘(宗廟)

종묘(宗廟)は、朝鮮王朝歴代の王と王妃、およびに没後に位を贈られた王と王妃の신위(神位:位牌)が安置されている王室の霊廟である。
1394年、朝鮮王朝が한양(漢陽、現在のソウル)に遷都したときに、同時に着工され、翌1395年に完成した。その後、奉納する位牌も増加するにしたがって、建物を増築しながら、現在の規模に至ったものである。
儒教思想に基いた建築で、東西に細長く伸び、単一木造建築としては世界最大規模を誇るものである。
朝鮮王朝の祖先祭祀場となっている。
1995年12月、ユネスコ世界文化遺産に登録された。

宗廟には位牌を祀る建物が二つある。
一つは、宗廟創建のときに作られた정전(正殿)である。この建物は宗廟の中心的なもので、この中には、태조(太祖)をはじめとする19人の王とその王妃の位牌、合計49位が安置されている。
一方もう一つの建物は영녕전(永寧殿)と呼ばれる建物で1421年に建てられたものである。
この中には、태조(太祖)の4代祖[목조(穆祖)、익조(翼祖)、도조(度祖)、환조(桓祖)]とその王妃の位牌など、全部で34位が安置されている。

アクセスは地下鉄1号線종로삼가(鍾路3街)駅下車、11番出口を出て、徒歩約3分。
종묘(宗廟)の公式ホームページは下記であるので参考にされたい


창덕궁(昌徳宮)

창덕궁(昌徳宮)は、1405年に正宮である경복궁(景福宮)の離宮として建築された宮殿で、第15代王광해군(光海君)以降、約270年にわたって朝鮮王朝の政務が行われてきた場所である。
景福宮の東側に位置しているという意味で、동궐(東闕)とも呼ばれていた。

総面積約135万㎡の大宮殿で、その北半分が후원(後苑)と呼ばれる美しい自然の宮廷庭園となっているのが大きな特徴の一つである。
昌徳宮には多くの建物があるが、これらが比較的当時の原型をとどめた姿のまま残されており、朝鮮時代の宮廷様式を伺い知ることができる点で価値が高い。
1997年12月、ユネスコ世界文化遺産に登録された。

なお詳しくは本サイト内の、
 
にある창덕궁(昌徳宮)の項をご覧いただきたい。

また、昌徳宮の公式ホームページは下記であるので合わせて参考にされたい


수원화성(水原華城)

수원화성(水原華城)は、朝鮮王朝第22代王정조(正祖)が1796年に創建した城である。
正祖王の父사도세자(思悼世子)が非業の死を遂げたことに対する孝心の表れとして築城されたもので、非常にモダンで独特の建築様式を採用している。
水原華城の設計・施工に大きな役割を果たしたのは、実学の大成者、정약용(丁若鏞)である。
弱冠30才の若さであった。彼は、それまでの城と比べて城壁が低く、初めてレンガを採用した。

水原華城の総面積は130ha、城壁の全長は5.7kmに至る広大なものである。
10年はかかると見られていた工事を、わずか28ヶ月で完成させた裏には、丁若鏞の卓越した工事手法やクレーンの発明によるものである。

1997年12月、ユネスコの世界文化遺産に登録された。
水原華城iに関する詳細は、下記ウェブ・サイトをご覧いただきたい。

また、수원화성(水原華城)の公式ホームページは下記であるので参考にされたい


경주역사유적지구(慶州歴史史蹟地区)

BC69年、혁거세거서간 (赫居世居西干)は、新羅六部を基として신라 (新羅)を建国し、初代の王についた。
その首都が경주(慶州)である。
935年경순왕( 敬順王)の時代になって新羅が滅亡するまでの約1000年間、56代の王によって統治された新羅は、首都慶州を中心として、ここに仏教文化の華を咲かせることになる。
今日に伝えられてきた歴史と文化は、いずれも貴重なものばかりで、仏教とその美術をはじめ、王宮、古墳など数知れない。

慶州の歴史史跡地区はその性格によって、次の5つの地域に分類される。
これらの各地域に点在する指定文化財は、合わせて52個に及ぶ。
*월성지구(月城地區):王宮地域
*황룡사지구(黃龍寺地區):新羅仏教の中心地域
*산성지구(山城地區): 王都防御施設の中心地域
*남산지구(南山地區):仏教美術の中心地域
*대릉원지구(大陵苑地區):新羅王朝の古墳群が分布する地域

慶州は、2000年12月、ユネスコの世界文化遺産に登録された。
慶州市一帯に散在する新羅時代の遺物がすべて包含されていることはいうまでもない。

なお、慶州歴史地区に関する詳細は、下記ウェブ・サイトをご覧いただきたい。

また、경주(慶州)の公式ホームページは下記であるので参考にされたい


고창・화순・강화 고인돌유적(高敞・和順・江華 支石墓遺跡)

고인돌(支石墓)は、古代の巨石墓の一種で広く世界的に分布しており、その形態は地域や時代によって異なっている。
韓国では青銅器時代を代表する代表的な墓の形態で、全国に3万墓あまりの支石墓が分布しているといわれている。
そのうち、고창(高敞)、화순(和順)、강화(江華)の3地域の支石墓群が、2000年12月にユネスコ世界文化遺産に登録されている。

고창 고인돌 유적(高敞支石墓遺跡)は、전라북도 고창군(全羅北道高敞郡)の東西1.7kmの範囲に440墓あまりの支石墓が集中的に分布している遺跡である。
世界で最も規模が大きく広範囲にわたって集まっている支石墓遺跡地域である。現在までに専門家によって調査され認定されたものは447墓と言われているが、高敞郡全体では2000墓以上存在するのではないかとみられている
探訪コースは6つに分かれていて、운곡고인돌(雲谷支石墓)と呼ばれる韓国最大級の支石墓は第3コースにあり、高さが5mを超える巨大なものである。
最近の研究では、あちこちに散在しているように見える群落地ではあるが、一定の配列をなして存在していることがわかってきた。未だ研究途上ではあるが、興味深いものがある。

また、화순 고인돌 유적(和順支石墓遺跡)は、전라남도 화순군(全羅南道和順郡)の渓谷にそって約10kmの範囲に560墓あまりの支石墓が集まっている遺跡である。
比較的最近になって、1996年に発見された支石墓群であり、非常に大きな岩が多いことが特徴である。100トンを超えるものが数10墓もあり、中でも、핑매바위(ピンメ岩)と呼ばれる支石墓は重さが260トンもあるそうである。
現在知られている中では、世界で最も重い岩の支石墓である。
一帯が山の中にあるせいか、保存状態も良好で、今後の研究で支石墓の築造過程などが解明される期待もある。

更に、강화 고인돌 유적(江華支石墓遺跡)は、인천광역시 강화군(仁川広域市江華郡)の고려산(高麗山)の麓に沿って点在する約120の支石墓群である。ここには、長さ7.1m、高さ2.6mの韓国最大の북방식고인돌(北方式支石墓)があることで有名である。
韓国を代表する支石墓であり、ソウルから1時間くらいでアクセス可能であるので、訪れる人も多い。

なお、各地の公式ホームページは下記でご覧いただくと参考になる。
 
 


조선왕릉(朝鮮王陵)

韓国の王陵は風水地理説に基き、배산임수(背山臨水:後に山、前方に海・湖沼、河川の水が配置されていること)の地形を備えた비산비야(非山非野:山でも野原でもない土地)がよいとされ、王陵域として選ばれてきた。
したがって、一般に緑豊かな静かな場所が選ばれた。

王陵は一定の基本的構造を有している。
一般的な構造は次の通りである。
まず王陵の近くには、재실(齋室)があり、ここで제사(祭祀)を行うためのものである。ここを過ぎるとその先に홍살문(紅箭門)と呼ばれる朱塗りの門をくぐる。
ここからが王陵の中心部で、土を丸く盛り上げた墓の周囲には、さまざまな物や石像などが供えられている。

朝鮮王朝500年の歴史の中で、27代の王が統治してきたが、王陵として保存管理されているものは、40墓ある。
それは、王のほか、王后、추존왕(追尊王:死後に王の称号を与えられた人)とその王后が含まれているからである。
これら40墓は、ソウル、京畿道、江原道にまたがっているが、当時の首都한양(漢陽:現在のソウル)から40km以内に存在している。
そして、これらすべてが、2009年6月、ユネスコ世界文化遺産に登録されている。


なお朝鮮王陵の公式ホームページは下記であるので参考にされたい。40墓のすべての王陵について、一つずつ詳しい説明がある。


하회・양동 역사마을(河回・良洞 歴史村)

韓国の歴史村の形態は、씨족마을(氏族村), 읍성마을(邑城村)など多様であるが、씨족마을(氏族村)が全体の80%を占めており、現在でもその流れを受け継いでいる代表的な歴史村である。
その氏族村は朝鮮時代初期に形成されはじめたものである。
韓国の씨족(氏族)は、성씨(姓氏)と본관(本貫)が同じ父系血族集団、即ち동성동본(同姓同本)集団と、これとは異なる血液集団である配偶者の女性たちによって構成されている。
そして、そのような一つまたは少数の氏族が全体の住民の多数を占めたり、意思決定において主導的な役割をする村のことを 씨족마을(氏族村)という。

韓国の最も古い代表的な氏族村である하회마을(河回村)と양동마을(良洞村)は、양반문화(両班文化)が華開いた韓国영남(嶺南)地方に位置している。
いわゆる배산임수(背山臨水)(山を背景にし前面に水が流れる地形)の形態をしており、儒教の礼法に立脚した家屋構造をしている。
そして両班氏族村に特徴的な要因である종가(宗家), 살림집(住居), 정자(亭子), 서원(書院)、서당(書堂)や農耕地、自然景観などのほとんどがそのまま残されている。
それだけではなく、当時の芸術品がきちんと保管され、伝統的な儀礼・儀式などが、今日まで保存されて受け継がれている。

하회・양동 역사마을(河回・良洞 歴史村)は、合わせて2010年8月、ユネスコ世界文化遺産に登録された。

なお안동하회마을(安東河回村) については、次のウェブ・サイトに詳しいので参考にしていただきたい。
 

更にそれぞれの歴史村の詳細は下記公式ホームページに詳しいので参照されたい。


제주 화산섬과 용암동굴(済州 火山島と溶岩洞窟)

2007年6月、韓国に「제주 화산섬과 용암동굴(済州 火山島と溶岩洞窟)」という名称のユネスコ世界自然遺産が誕生した。もちろん、韓国南西部に位置する最大の島、제주도(済州島)に広がる自然遺産である。
韓国で唯一の世界自然遺産で、한라산천연보호구역(漢拏山天然保護区域), 거문오름용암동굴계(拒文岳溶岩洞窟系), 성산일출봉(城山日出峰)の3地区を包含している。

한라산(漢拏山)は、済州島に位置する韓国最高峰の山で、標高1950mである。
現在はすでに死火山であるが、かつての火山活動によって成長した楯状火山である。その頂上には性質の異なる2種類の溶岩からなる噴火口をもち、いわば複合火山体である。백록담(白鹿潭)という火口湖をもっている。
特徴的なことは、高度によって、寒帯、温帯、暖帯の植物が垂直分布しており、90種類あまりに及ぶ多様な特産植物が見られることである。
特に世界最大規模の朝鮮白檜(チョウセンシラベ)の森林や高山植物の多様性は、世界でも他ではなかなか見ることのできないものである。
自然の為す圧巻は、火口湖백록담(白鹿潭)、奇岩絶壁の神秘的な霊室、40個あまりに及ぶ오름(寄生火山)が織りなす絶景である。

거문오름(拒文岳火山)は、標高456mの小さな単性火山体である。この火山が数回にわたる噴火活動により、大量の玄武岩質の溶岩が流れだし、この溶岩流が作り出した洞窟系が거문오름용암동굴계(拒文岳溶岩洞窟系)である。
済州市の조천읍(朝天邑)から행원리(杏 園里)に達する溶岩洞窟系で、できた年代ははっきりしないが、およそ30万年~10万年前の間であろうと推定されている。
現在まで全部で9個の洞窟が発見されている。中でも、벵귀굴(ペングゥイ窟)、만장굴(万丈窟)、용천동굴(龍泉洞窟)、당처물동굴(ダイチョムル洞窟)は格別な魅力にあふれており、歴史も古く保存状態も優れている。

성산일출봉(城山日出峰)は、今からおよそ5000年ほど前、水深の浅い所の海底で海底火山が噴火してできた噴火口である。
特に鉢の形をした噴火口と海岸の絶壁に沿って見られる多様な内部構造、北西部を除く全面が波で浸食されて現れた堆積断面などが調和して実に優れた景観を見せてくれる。
また、過去の火山活動と水性火山の堆積過程を研究するベースとして活用され、学術的価値が高く評価されている。

なお、제주 화산섬과 용암동굴(済州 火山島と溶岩洞窟)の公式ホームページは下記であるので参考にされたい


 
 
 
韓国のことわざ
 
 
発行 : 韓国文化研究所
(発行:2013-10-01)
(改訂:2013-10-13)