韓国の宗教文化
韓国の歴史を見るとき、宗教の影響を考えないわけにはいかない。王朝の中にも、民衆の中にも、宗教は、いろいろな形で入り込んで生活に大きな影響を与え、また、独特の文化を築いてきた。
それは、あるときには国家をあげて奨励され、またあるときには、迫害されて惨めな運命を辿ってきた。
 
韓国に伝わり、あるいは入り込んできた宗教は、特に特異なものがあるわけではない。
主なものは、仏教であり、キリスト教であり、儒教である。儒教を宗教と呼んでよいかどうかは、意見も多いことと思うし、確かに、今自然な形で国民の生活の中に生きていることを考えると、宗教と呼ぶのは相応しくないかも知れない。
しかし、ここでは、一応歴史上の経緯を踏まえて、宗教というカテゴリーに含めておくことにしたい。
 
宗教とそれが伝えている文化的側面を知ることによって、韓国をより理解する援けになるのではないかと期待する。 実際、王朝政治と宗教とは、切っても切り離せないほど、密接に関係していた部分が多い。歴史上、よくも悪くも、お互いに影響し合ってきた。
本サイトで王朝政治の部分に触れるつもりはない。単に、王朝文化の一環として宗教を見ていきたいと考える。
 
韓国の宗教
世界にあまたある宗教の中で、韓国で多数を占めるのは仏教とキリスト教である。現在、この二つで韓国全国民の50%を超える国民が信仰をもっている。
もともと、無宗教という国民も47%であるから、圧倒的に、この二つの宗教が支持されているといってよい。
下のグラフは2013年5月現在の韓国の宗教別人口比率である。
宗教別比率
ところが、韓国の歴史を辿ってみると、実は、儒教とシャーマニズムを除いては韓国宗教を語ることはできないと言っても過言ではない。この儒教とシャーマニズムが、果たして宗教と呼べるかどうかは議論のあるところであるが、しかし、これほど国民の生活に浸透し、今なお深く根付いていることを考えると、ある種の宗教性を否定することはできないであろう。

ここでは、この4つをとりあげて、少しまとめてみたいと思う。
右のメニューをクリックしていただくと、該当する項目の説明を、この下部にご覧いただくことができる。
 
韓国の宗教文化
 
仏教
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三国史記によると、高句麗の第17代王소수림왕(小獸林王)のとき、中国から伝来したのが、韓国における仏教のはじまりとされている。
 
キリスト教
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キリスト教にもいろいろな宗派があるが、韓国ではカトリック教とプロテスタント教で全人口の30%近い信者がいる。これは仏教を抜いて韓国最大の宗教である。
 
儒教
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儒教は、朝鮮王朝時代、500年以上にわたり、国教として浸透した思想である。この当時は王朝の強力な推進策によって、確かに民衆の間で信仰されていたようである。
 
シャーマニズム
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韓国シャーマニズムはやや異色の宗教である。仏教伝来より古くこの地に根付いている土着信仰、あるいは民間信仰とでも言うべきものであり、神がかり的宗教の側面を否定できない。
 
 
 
 
 
 
韓国のことわざ
 
 
発行 : 韓国文化研究所
(発行:2013-10-01)
(改訂:2013-10-13)