役員報酬の支払い方- 利益連動給与

法人税が節税できる役員報酬の支払い方の1つ、「利益連動給与」について説明させていただきます。

利益連動給与とはどんなもの?

利益連動給与とは

同族会社でない会社が、
 その事業年度の利益に関する指標を基準にして、
 業務執行役員に対して支給するもの」
のこと。

ちょっとわかりにくいですね。
先に言ってしまうと、一般的な中小企業がこの利益連動給与を採用することはできません。

まず世間一般の中小企業は、「同族会社」であることが多いからです。

ではその「同族会社」とはどんなものでしょう。

同族会社とは

「同族会社」は、その会社の「株主」の構成で該当するか、該当しないかが決まります。

例えば、一番よくあるパターン。

社長が全額出資して作った株式会社

「株主」は、社長1人 →これは「同族会社」です。

そして次に

社長とその奥さんが出資した株式会社

株主は社長と奥さんの2人 →これも「同族会社」です。

「奥さん」は、社長の「特殊関係者」
そういう人は、何か決めるにも社長と一体であるだろうと税務は考えます。

社長と、その社長が他に作った会社が出資した株式会社

株主は社長1人と、社長の会社1社の2者 →「同族会社」

「社長の作った株式会社」も社長の「特殊関係者」
法人でも同じです。

そういう人や会社が何人集まろうが、社長が考えたとおりに、みんな言うこと聞くでしょう、という考え方が税務の世界です。

役員報酬の支払い方- 利益連動給与

さて、そんな株主グループが3つ以内で、その会社の株を51%以上持っていたら、すなわち「同族会社」ということになります。

つまり、特殊関係者を含めた株主グループが4つ以上で51%以上になってようやく「同族会社でない会社」なのです。

それだけ株主がバラバラなら社長の好き勝手には物事決められないだろうと、それなら「同族会社」とは呼ばないよ、というのが税務の考え方。

「同族会社でない中小企業」は、一般的には数少ないのではないでしょうか。

基準になる「利益に関する指標」

「利益に関する指標」は、有価証券報告書に記載されたものでなければなりません。

「有価証券報告書」は、証券取引所に株式を公開している会社が金融庁に提出するものです。
上場しているような会社で、監査法人や公認会計士の会計監査も受けています。

そのような確固たる「利益に関する指標」であれば、それに連動して金額が決定する役員報酬も、一部の思惑で決められることはないだろうという考えです。

ということで、「利益連動給与」は中小企業にはほぼ関係しないと思われますので、これ以上の説明は割愛させていただきます。

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