個人事業から法人化するメリットとタイミング
法人化するメリットは? そして法人化のタイミングは?
起業・開業をする場合、税制面だけに着目すると、規模が小さいうちは個人事業、利益が大きくなったら法人化するのがよいと一般的にはいわれています。
一定規模になってから法人化する最大のメリットは、「事業に対する税金」を安く抑えられることでしょう。
法人税と個人所得税の税率の違い
その理由はいくつかありますが、その1つは個人にかかる所得税と、会社の事業にかかる法人税の「税率」の違いです。
会社が支払う法人税は、税率が一定です。
いくらたくさん儲けが出ても税率は変わりません。
(中小企業の場合、800万円までは低い税率が適用されるという、二段階の税率があります。)
一方、個人が支払う所得税は、所得が増えると税率が段階的に上がる超過累進税率が適用されています。
つまり、
儲けが低いうちは、
↓
所得税率のほうが < 法人税率より低いので
↓
個人事業
そして
儲けが高くなったら、
↓
所得税率が > 法人税率より高くなってしまうので
↓
法人化
というわけです。
消費税の免税点制度
消費税についても、個人事業から法人化すると節税メリットがあります。
消費税法には、小規模事業者の事務負担に配慮した「免税」のしくみがありあります。
まずは消費税の免税のしくみとして「会社設立時の資本金と消費税」のページ冒頭から「消費税の納税義務のしくみ」の箇所をご参照ください。
この「免税点制度」により、個人事業のみを続ける場合は、開業当初から最長で2年間、消費税の納付が免除されます。
なお、確実に消費税の納税が免除されるのは個人事業を始めた年のみで、翌年はケースにより免税になります。 (参照「消費税:事業者免税点制度の見直し(23年6月改正)」
同じく、法人としてのみ事業を続ける場合は、会社設立後から最長で2期。
これも同じく、確実に消費税の納税が免除されるのは法人設立1期のみで、翌期はケースにより免税になります。
(参照「消費税:事業者免税点制度の見直し(23年6月改正)」
このしくみにより、個人事業から法人化すると、最長で4年間、消費税納付が免除されます。
確実に消費税の納税が免除される期間は、個人事業を始めた年と法人設立1期目の2年間で、あとはケースにより、それぞれ個人事業開業の翌年と、会社設立の翌期が免税になります。
(参照「消費税:事業者免税点制度の見直し(23年6月改正)」
これは、消費税における個人事業から法人化する場合のメリットの部分です。
その他の個人事業と法人形態の違い
個人事業から法人化に移行する場合に限った話以外に、個人事業と法人形態の比較として次のページもご参照ください。