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2002年01月11日(金)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20020111~.htm#Day11

 今月最大の懸案だった長篇用プロットに、漸く曙光が見えてきた。何せ一番大きなシチュエーション(トリックやロジックですらない)しか決めずに進めてきたので、正直下手をすれば何ヶ月もネタが出ないかも、と思っていたので一安心――とは言えこれから本格的に詰めていくわけで依然不安は尽きないのだが、人物の設定とエピソードとが自然と湧き出してきているので、多分いけるでしょう。期待して待っていておくんなまし>K氏……って大見得切っていいのか俺。

 本業の話。
 昨年暮れ頃から付き合いの出来た某大手。うちの社長と昔から付き合いのある人が現在部長クラスに籍を置いているために便宜を図ってくれた格好だが、如何せん会社同士としては付き合い始めなので互いに不手際が多い。
 しかし、手書きの請求書を「正規のものではないから」と言って受理しないのはどーかと思う流石に。この場合、うちの職場から提示した請求書は、枠線や項目のみをパソコンで出力し、具体的な内容を手書きで記述、そして会社の判子を捺したもの。判を捺したものをコピーして渡した、というものではない。しかも、今回先方が要求しているのは請求書を市販のものにしろということではなく、内容もパソコンで出力しろ、ということらしい。
 それなりに社会経験を積んで、パソコンとの付き合いもそこそこに長い身から言わせてもらえば、パソコンからプリントアウトした書類、というのはそれだけでは正式な書類とは言い難い。厳密には、出力された段階で、たとえ内容は正規のものであってもコピーに近いものだと思っている。少なくとも、提出した手書きの書類が、パソコンで出力したものより非公式なものとはならない筈だが……。
 それにしても、こーいう要求をされてもなお自分でパソコンを学ぼうとしないうちの社長、というか父にも問題はあると思う。出力されたものを見て勝手な要求を出す前に、まず自分で勉強しろー! いい加減最小限の説明で納得してくれないと、取引先以上に私がしんどいんじゃー!!

 本日のお買い物
1,夢枕 獏『陰陽師 龍笛ノ巻』(文藝春秋)
2,秋月りす『OL進化論(13)(14)』(講談社漫画文庫/講談社)

 だけー。1は旧刊が二冊ほど未購入のままなのだが、これだけ嵌ったのなら新刊で買うのに躊躇なし。2は枕頭の書として。

 書き物の方がどうやら軌道に乗ったところで、また余計なことを始めてしまう。鮎川哲也作品を詳細に語るコンテンツの準備作業だ。今年は取り敢えず鮎川作品に限り詳細に語っていく、とは昨年末に予告したことだが、実の処プロフィールに芦辺倶楽部での記録手法に基づいた著作一覧まで作成するつもりでいたのである。無論一朝一夕に出来ることではないので、資料を用意した上暇を見てちこちこと構築していく。
 で、その資料として最も有力なものと考えていたのが、芦辺 拓・有栖川有栖・二階堂黎人の三氏が編集し三年ほど前に出版された『鮎川哲也読本』(原書房)。が、当初記憶していた場所に埋まって(……)おらず、午後から夕方にかけて必死こいて探し回っていたのだった。ちなみに、灯台もと暗しと言うべきか、芦辺倶楽部の書誌作成時に持ってきたままずっと自宅の自室に置いてあったのだけど。DVDなどを眺めつつ、作業を一時的に放擲しつつ、同書を傍らにまずインデックス・プロフィールの雛形から製作を始める。何というか、久々に愉しんでホームページを作っております。
 ああ、そういえば創元推理文庫の『下り“はつかり”』も発掘しておかないと、ああ、それに出版芸術社の鬼貫事件簿もだー!

 三谷幸喜『三谷幸喜のありふれた生活』(朝日新聞社)新保信長『もっと笑う新聞 21世紀初の“ゆるゆる”事件簿』(MFペーパーバックス/メディアファクトリー)読了。感想は前者がこちら、後者がこちら。……同じファイルの中なんだからわざわざ分けてリンクする必要もない気はするがいちおう。


2002年01月12日(土)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20020111~.htm#Day12

 初回から飛ばしすぎです『TRICK2』。何よりも笑ったのは『なんどめだナウシカ』とそれに対する野際陽子の台詞「そこ、もっと怒った感じで」であった……初回を見る限りトリックの話にしたいのか本格ミステリに走りたいのかよく解らないが別にいいか面白いし。ちなみに、矢部たちが満喫していたジェットコースターは、浅草花やしきのものです多分。ついでに言えばカツラも変わった。

 三連休初日、というわけで、ということもないのだが作業はひと休み。出かける前に鮎川哲也ページの製作をちょっとだけ進めた程度。
 週末恒例の映画鑑賞、本日は何とイスラエル発の特異な戦争映画『キプールの記憶』(alcine terran・配給)感想はこちら。感想にもちらっと書いたが、今週で終わるのも納得の観客動員。しかも客層の大半が単独での来場、というのも致命的という気がする。とは言え、次の上映を待っている客の数はそこそこだったのだが……休日だからか?
 今回は出掛けに前売り券を一枚購入する。発表間もなく「自殺の聖歌」と言われて発禁処分を受けた歌曲を巡る愛憎の物語『暗い日曜日』……ああなんか日に日にセレクトがマイナーになっていく。ついでに今後見ようと思っている作品のチラシを大量に掠め取ったりして、その中にはコッポラの『地獄の黙示録 特別完全版』なんてのもあるんだが。

 その帰途、結局買ってしまった。
1,『恋愛シミュレーションツクール2』(enterbrain/Windows95・98・Me・2000・XP対応アプリケーション)
 早速ざっと操作手順を確認してみる。だいたい各所で眺めたレビュー通り、最初は細かすぎる設定項目に戸惑うが、慣れて自分が使う機能と使わない機能とを峻別できるようになれば相当凝ったものも作れそう。――但し、この機能では私の構想は実現できないような気がする。このシステムでどー工夫すれば作れるのだ、マルチサイトAVG。しかし、それはそれとして、自分で打ったテキストがちゃんと枠の中に表示されている様を眺め、選択肢を設定し分岐を練ったりするだけでもなかなかに愉しい。買うときは清水の舞台から飛び降りる心境だったが、これはこれで遊べそうなので万事オーライ。……作業の妨げになるような危険も感じないではないが。


2002年01月13日(日)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20020111~.htm#Day13

 本日は休業します。

 先週の雪辱とバイクで行き付けの蕎麦屋に駆け付けたら、「13日(日)は休ませてください」という貼り紙とともにシャッターが降りていた。うわあああああん。

 昨年末から溜まりに溜まっていた漫画の積読を、本日付けで漸く消化。ちょっと心の痼りが解れた。『エンジェル伝説』のみょにー和むコメディ路線から一転シリアスな雰囲気を纏う八木教広『CLAYMORE』だが、キャラクターデザインは『エンジェル伝説」のそれと結構被ってます。漫画なんてみんなそんなもんだろ、と思われるだろうが、この人はなかなか達者な描き手なので、却って被り具合が気になるのである。

 などと遊びつつ、それでも滾る血は抑えられないらしく新コンテンツ『鮎川哲也研究』、長篇の一覧が出来たところで暫定アップロード。とりあえず『鮎川哲也読本』(原書房)から抽出できるところまで纏めたが、実際にはこれ以降も幾つかの復刻があるので、まだ完全にフォローできておりません。情報や誤記を発見したら是非とも是非ともご一報下さい〜。短篇や作品鑑賞などは追い追い、暇を見て追加の予定。


2002年01月14日(月)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20020111~.htm#Day14

 成人の日だが街を走る車もタクシーも馬鹿ばっかでした。えーい、携帯電話片手にハンドル握ってる奴がタクシーの運転手やってんじゃねー! 二車線のうち一車線を塞いで縦列駐車してるバスなんか撤去しろ警察ーっ!! 一般車の駐車違反よりずっと質が悪いだろがーっ?!

 などと憤りつつも映画鑑賞。父がゴルフに出かけているのをいいことに、私とは別に電車で現地に向かった母と劇場前で落ち合う。本日のものは、本当は昨年のうちに見ておきたかったバンディッツ』(20世紀フォックス・配給)。感想には書きませんでしたが、現時点で今年上半期トップ。たぶんベスト5は確実。『レインマン』と同じ監督なのでまず私にとってハズレということはないだろう、と思っていたが、もう見事にクリーンヒットでした。あと2週間程度ですが、お薦め。
 ついでに今日も出掛けに前売り鑑賞券を一枚仕入れる。スティーヴン・ソダーバーグ監督の『オーシャンズ11』――前回と打って変わって、出演者のギャラだけでもえらい騒ぎの大作。実は『バンディッツ』の次にかかるのがこれだったりして。

 これだけ頻繁に映画館に通い詰めていると、いい加減に飽きてくるのが予告編。これも楽しみのひとつなのだが、近接した劇場に短期間のうちに何度も足を運ぶと、厭でも同じ予告編を何度も見せられる所為なのだが、今日は意外と初見の映像が多く新鮮な気分を味わった。
 原因は、最近よく通っていた劇場と系列が違うから。私がここ暫く足を運んでいたのは大半が単館系か、ロードショーでも東宝系列の劇場が殆どだったのだが、今日訪れたのは丸の内ルーブル――系列としては松竹に属する。最近のロードショーは配給元が同じでもかかる劇場は別の系列だったりするので簡単に説明することは出来ないのだが、いずれにしても基本的に予告編はその劇場及び近辺の系列館でかかることが決まっているものに限られるわけで、系列が違えば内容が一変するのも当然なのだ。ちなみに本日見た予告編、記憶に残っているのはブルース・ウィリスの次回作『ハーツ・ウォー』、シュワちゃん因縁の一作『コラテラル・ダメージ』、これまた因縁のジョン・ウー最新作『ウインドトーカーズ』、よくよく考えると私の映画狂いの原点のひとりデイヴィッド・フィンチャー監督『パニック・ルーム』、そして上記『オーシャンズ11』。……ちなみに殆ど観る予定。馬鹿かい。

 大津 透『日本の歴史06 道長と宮廷社会』(講談社)読了。資料目的だし、まだ提示された情報を処理できるほど平安期の知識が私の中に積み上がっていないので感想はなし。ただ、先入観が音を立てて崩れていく様はけっこう快感だったりする。

 ……復活は解ったからそこまで引っ張るなってば。

 掲示板での滅・こぉるさんの指摘を受けて、『鮎川哲也研究』プロフィールを早速修正……するつもりが、映画感想に手こずったので明日以降。簡単に説明しますと、『ペトロフ事件』以前に発表された作品はミステリとは言い難く、個人的には長篇・あるいは単行本を上梓した段階でデビューと看做した方がいいのではないかな、という認識がある(よって私は未だにちゃんとデビューしたという感覚がない)ために「最初のデビュー」という表現を用い、『ベトロフ事件』以降の活動を同人誌中心、と表現したのは『呪縛再現』のインパクトが強かったことと、『探偵実話』を同人誌と勘違いしていたことが原因でした。もーちょっと誤解を生じない表現に変更予定。

 あ、『バンディッツ』の感想にリンクするの忘れてた。


2002年01月15日(火)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20020111~.htm#Day15

 あるはずの仕事がフロッピーの読込不良で先送りになってしまったため、じっくり空き時間を作業に費やす……つもりが、ノートパソコンのアダプターを自宅に忘れてしまっていた。バッテリーは大容量のものを装備してあるが、これとて保って五時間程度。空き時間も丁度行って帰ってくるのにいい具合だったので、買い物ついでに取りに行ってしまう――で、戻ってから入った仕事を片づけたりしていたら、結局作業する時間はなくなっていたのだった……ばか。

 本日のお買い物
1,高田崇史『QED 式の密室』
2,森 博嗣『捻れ屋敷の利鈍』(以上、講談社ノベルス)
3,瀬戸内寂聴・訳『源氏物語 [新装版] (一)』(以上、講談社)
4,Ronny Jordan『Off The Record』(BLUE NOTE東芝EMI/CD)
5,Keith Jarrett『Inside Out』(ECMUniversal Classic & Jazz/CD)
6,藤田和日郎『うしおととら(10)』(少年サンデーコミックスワイド版/小学館)

 1〜4が午前中のお買い物。
 1と2は巷で話題の講談社ノベルス20周年記念全編袋とじ密室本。デザイン変更も袋とじという企画自体も一種のお祭りなので構わないとして――問題は、袋とじに刷られている応募券を五枚集めて貰えるのが、『メフィスト』巻末にある座談会の総集編だということ。……誰も欲しがらないとまでは言わない。が、折角なんだからもーちょっと一般的な読者層にも楽しめるものを用意するほうがよかったんではないのか。確かに密室本がメフィスト賞受賞作家限定企画であることを思えば、五冊も購入するような層にはそこそこ需要があるとも考えられるのだけど。
 とうとう源氏物語に手を付ける気になりました、の3。1998年までに完成した寂聴氏による新訳を、当時よりも求めやすい一冊1300円(税抜)でリニューアルしたもの。昨年9月から刊行が始まったようで既に5巻まで発売済。……しかしそれでもまだあと五ヶ月出るんだよな。
 で、実はこのうえ『週刊ビジュアル源氏物語』(デアゴスティーニ)なんてのまで買っていたりする。牧美也子氏の漫画版『源氏物語』を軸に、物語の読み解き、当時の生活習慣や風俗、芸術作品などの特集を組んだもの。創刊号のみ(毎度のことだが)190円と安いので、取り敢えず中身をチェックするだけのつもりだったのだが……どーも、いま一番欲しかった類の資料として活用できそうな気配がある。久々に揃えてしまうのか……であごすちーにの場所を取るシリーズを……
 4と5は午前中、秋葉原にてさっさと購入。どちらも昨年発売された中でも評価の高かったもの。4はクラブ系に分類される、ブラック・ミュージックやヒップ・ホップとの融合を目指したスタイルで特に注目を集めるギタリストである。実は発売当時にジャケットに一目惚れしたものの手持ちが寂しく一度は見送り、今月になって『Jazz Life』誌にて高く評価されているのを見て堪えきれずに購入。ヒップ・ホップなどとの融合と言うが、一番近いのはR&Bだろう。打ち込みやDJのリズムに幻惑されず、歌心を留めたフレージングを聴かせる演奏ぶりは間違いなくジャズのそれであり、ちょっとラリー・カールトンあたりとも通じる雰囲気がある。ナイス。
 対する5はもはや押しも押されもせぬ大ベテランピアニスト・キース・ジャレットが20年近く継続しているゲイリー・ピーコック(b)、ジャック・ディジョネット(ds)とのトリオによるスタンダード・プロジェクトの発展型として提示した、一曲を除いて全てインプロヴィゼーション(即興演奏)によったアルバム。その煽り文句の過激さに発売当時は避けていたのだが、これも『Jazz Life』にて、しかも2001年度のプラチナ・ディスクとして紹介されていたので、よーやく意を決して購入した次第。内容は――想像していたよりも枠組みを感じさせるが、しかし如何にもインタープレイらしい強烈な緊張感があり、それでいてフレーズのひとつひとつにはきちんと美意識が窺える。フリージャズと書き込まれた譜面とのあいだを漂うような、不思議な感覚を味わえる、確かに見事な一枚。そしてオリジナルで徹底的に幻惑させたあとに、スタンダードの『When I Fall In Love』を一曲だけ持ってくる気配りも凄い。現代屈指のジャズ・ピアニストという看板に偽りなし。無論、サポートふたりの確かな技術もあってこそだが。

 ――などと長々語っているうちにすっかり夜も更けてしまったので、『鮎川哲也研究』の修正はまた明日に持ち越します御了承下さい。

 ……さて、明日あたり様子窺いにあちこち電話しておこっと。


2002年01月16日(水)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20020111~.htm#Day16

 電話は疲れます。
 ……いや内容的にはどってことないのですが、普段からあまり電話で長々と話すことがないうえに、それなりに必要な話を三件も立て続けにしてしまったので余計に疲れたのでした。日中、仕事らしい仕事がなかったので体力は有り余っていたはずなのに、帰宅後一時間ほどでへろへろになりました。ふにににに。

 本日のお買い物
1,楠田匡介/日下三蔵・編『本格ミステリコレクション(3) 楠田匡介名作選 脱獄囚』(河出文庫/河出書房新社)
2,蘇部健一『六枚のとんかつ』(講談社文庫)
3,赤松 健『ラブひな(14)』(マガジンKC/以上、講談社)
4,皆川亮二『ARMS(20)』(SHONEN SUNDAY COMICS SPECIAL)
5,藤田和日郎『からくりサーカス(21)』(少年サンデーコミックス/小学館)

 1はまたしても日下さんの仕事だ。交通事故で早逝した楠田匡介の『脱獄囚』シリーズを初めて一冊に纏めたもの。全く触れたことがない作家なので迷っていたが、サスペンスと本格ミステリの結合、という言葉に惹かれて購入決意。
 ……えーと、買うつもりはなかったんです、葉山さん。それにしても寿命の歴然としたネタの『音の気がかり』が残っているのにカットされたのは別の作品――基準がよく解りません。いいけど。
 3は漸く完結。これで心置きなく仕舞えます。……冗談にならない冗談はさておき、結局妄想だけで終わった作品であった。個人的に、それが悪いとは思わないが、気持ちの中にきっちりとした線引きが出来るまでは楽しめない、人を選ぶ作品だ、と思うのだが……いやまあ、深く考えるまい。
 4・5は略。どちらもちょっと続けすぎたという気がしてならないが、判断は完結までお預け。

 入浴中にアイディアが降ってくる――八月頭ぐらいに締切の奴のが。なんでーどうしてー降りてくるのに限って順番ぐちゃぐちゃなのかしらー♪ ――ちゃんとメモに書き留めました。思いついたときは小説になるのかと首を傾げたが、ちゃんとネタとして筋を通したら普通の短篇になっていた。不思議だ。本当に不思議だ。

 ……そういえば、私の近辺でもあったわ、女の方で計画的にできちゃった結婚にまで導いてしまったというパターンが。当時は男の方が五十路間近だったことに驚愕したが、後日、女性に入れ知恵したのが私の親父だったと聞いたときには顎が抜けるかと思った。

 某社のシェア第一位が、どーにも納得できない。酒飲みとしての経験は浅いが、あそこの主力商品が売り物になるような味でないのは確信してるぞ。ほんとに、あれを呑んだその時から私はあの会社だけ避けて通っているのに。万一目の前でキャンペーン張っていたら小一時間問い詰めたいと思っているのに。
 ……まあ、人が何と言おうと私はあそこの酒は飲まないぞ、とそれだけの話なんだが。お茶類はそれなりに好きなものもあるんだけど、ね。

 雑談を書き飛ばしてお茶を濁す。ついでに対象限定情報、明日の『とんねるずのみなさんのおかげでした』内の名物コーナー“食わず嫌い選手権”にさだまさしが出演します。相手は映画『バトル・ロワイアル』などで評判の女優・柴崎コウ。私は『金八先生』とどちらを録画で見るか悩んでます。

 そうそう、「ハモネプ」は見るのを止めました。理由は四つ。あまり能力のない審査委員によって恣意的に優劣を定めてしまう本選のシステムにはどーしても納得いかないから(私はいまだに“ぽち”は優勝するほどの器ではなかったと思っている)。司会であるネプチューン三人の増長が一番著しく窺えてしまうのが、『笑う犬の冒険』とこの「ハモネプ」のコーナーだと感じ始めたから。そして、このふたつの条件が二週に亘って重なるような番組構成をされては、積極的に見る気になれなかったから。あとひとつは――裏番組の『オフレコ』でやっていた、エクソシストの特集をどーしても見ておきたかったから。……実際にはこれが一番大きいのだが。


2002年01月17日(木)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20020111~.htm#Day17

 昨日の記述を訂正。柴ではなく柴コウでした。間違えたことを記憶しておくために敢えてそのまま。いい役者らしいのだが、いちどもちゃんとその演技を見ていないのがちと悔しい。そのうち『バトル・ロワイアル』か『GO』のDVDを買うか借りるかして来ようと。

 そして、ページの大半に関連づけているスタイルシートに手を入れて、ちょこっとだけ行間が空くようにしてみる。多少は読みやすくなったでしょうか?

 いま読んでいる資料は危険です。20ページも目を通すとてきめんに眠くなります。面白くない訳でも資料的価値がない訳でもない。ただ、未知のデータがこれでもかこれでもかとばかりに列挙されており、ひとつの事柄について思索を巡らせる余裕がない(んなことしてたら余計に進まなくなる)ので、停止状態に陥った脳味噌がほんの少しの油断で眠気を訴え始めるのだ。今年に入って9冊目なんだが……いつ読み終わるかなあ。折角昨夜、出版芸術社の『鬼貫警部全事件』三冊引っ張り出してきたのに。ちなみに昨年は三桁に遠く及ばなかったのだった。

 本日のお買い物
1,あだち 充『ラフ(7)』(小学館文庫)
2,永坂嘉光『永遠の宇宙―高野山 永坂嘉光写真集』(以上、小学館)
3,伊藤正男・序文/小泉英明・編著『脳図鑑21』(工作舎)
4,山本一力『あかね空』(文藝春秋)
5,唯川 恵『肩ごしの恋人』(hatoyo books/マガジンハウス)

 文庫版もこれで完結の1。あだち作品では『タッチ』に次いで、そして着地の美しさという点では多分一番好きな作品。
 以下は全てbk1に注文。昨晩注文して帰宅後には着いている幸せ……合計額を見るとちとたじろぐが。それ以前に、届いた荷物がこれまでになく重かった。
 2は題名からも察せられるとおり、高野山中の自然や修行僧の姿を撮影した写真集。進行中の企画が通るかどうかしないとわざわざ現地を訪問することも出来ないので、せめて写真から雰囲気を感じ取ろうと思い。だが、約30年間に亘るという作品群はまさに幽玄を湛えた美しさで、見ているだけでも迫るものがある。
 次のも題名通り、脳に関する最新の研究や情報を網羅した一冊である。最近に刊行され、なるべく包括的な内容のものを、と検索にかけて最も適当なものを(取り敢えず価格のことは深く考えずに)購入したものだが、多数に上る執筆陣にあの瀬名秀明氏が名前を連ねていて驚く。それにしてもこれを全部読むのか俺。A5判、704p。
 4と5は……いや、こんだけ沢山注文するならあと二冊増えても同じだろう、と思って……要するに勢いです、の第126回直木賞受賞作二冊。いまの私にそれ以上の紹介をする権利なし。

 ……そして今日も、昨日降ってきたもう一つのネタを記録しておくのだった……本筋とは別に作ろうと考えている、同人誌のネタを。ほんとにどーして本筋のネタがあとまわしになるんだろう……。


2002年01月18日(金)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20020111~.htm#Day18

 眠い。眠い。眠いぞ畜生。あまりにも眠いし、取り敢えず作品に必要な箇所は読み通したので、同じ著者のより重要性の高い資料の方に移ろう、と思ったらどこに仕舞ったのか解らない。解らないので帰宅後、屋根裏倉庫にノートパソコンを持ち込み、中身の記録を取っていない箱を点検しつつ捜す――6時から2時間ほどかけて3箱を調べ上げたが、発見できず。仕方なくもーちょっと続けて読むことにするのであった……
 ……それにしても、在庫リストに記録されていた、“王城舞太郎”って誰でしょう。

 本日のお買い物
1,絵夢羅『七色の神話』(花とゆめコミックス/白泉社)
2,椎名高志『MISTERジパング(8)』(少年サンデーコミックス/小学館)
3,倉田英之・山田秋太郎『R.O.D(3)』(ヤングジャンプ・コミックス・ウルトラ)
4,貫井徳郎『光と影の誘惑』(集英社文庫/以上、集英社)
5,秋田禎信『エンジェル・ハウリング4 呪う約束―from the aspect of FURIU』
6,川崎ヒロユキ『サクラ大戦 活動写真』(以上、富士見ファンタジア文庫/富士見書房)
7,『IN★POCKET 2002年1月号』
8,瀬戸内寂聴・訳『源氏物語 [新装版] (二)』(以上、講談社)

 1は『Wジュリエット』の作者の初期短篇とシリーズ連載とを纏めた作品集。まだちらっと眺めただけだが、表題作のシリーズ連載は現在と大差のない作風のようで……が、デビュー作は流石にすっごい絵だ。2はこれで完結、いまいち面白みのない決着だったなーと。3はまだ目を通してすらいませんが、最初コミック版に覚えていた違和感はだいぶ薄れたような。
 4、解説だけ眺めようと当該ページを捲ったその瞬間に最終話のオチを目にしてしまった。哀しい。ラスト数行が鍵になるような作品だったら少しページ構成考えてくださいようおう。解説なんて、あとがき以上に先に読む確率が高いんだからさあああ。困ったことに、どーでもいい記憶に限って一番いらんときに再生する体質なんですよ私わぁぁ。
 5、は第一巻だけリアルタイムで読んであとは積んだまま。ちゃんと付き合っていかないと面白みのないタイプの話だ、と分析したのにしようのない人間です私は。6は先頃公開された映画のノベライズ。……終わる時期を見計らって刊行したのだろうか?
 8は、そろそろ第一巻が読み終わるので。内心、谷崎潤一郎訳の方が肌に合っているような気がしているのだが、折角なのでこのまま最後まで読み通す。

『TRICK2』後半でバタバタと謎解きが行われ(しかし掛け軸にしても何にしても仕掛けがちゃちすぎるぞ)、このまま二回でepisode1終了か、と思いきや次回に続く。しかも予告編によれば次回は途中からepisode2に突入するらしい。お前は金田○少年か。……あ、そーいや演出家は同じか。
 相変わらず演出と登場人物は突っ走っていたが、今回はだいぶミステリっぽい展開だったのでやや安心。ミステリとしてはどーもちゃちなのも相変わらず。ただ、前シリーズには「奈緒子の父」というキーポイントがあったために全編の統一感が出ていたのだが今回はどう進めるか。あの上田に何か謎がある、というのはその設定自体に無理があるし……やっぱり、また岡田真澄が登場するのか?

 ……いま社長はその人じゃないんだっ! と某氏にツッコミたいがどうしよう。


2002年01月19日(土)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20020111~.htm#Day19

 本日はいつもの週末より若干遅めに出発、築地近辺にて松本楽志さんと落ち合って蕎麦でも食べたのちに『ヴィドック』を鑑賞
 ――のはずが、そんなこんなで朝方がくしさんからギブアップの連絡が入り、いつものように単独で初回上映からの鑑賞と相成った。『ヴィドック』はあちらが見たがっていたので先送りにして、もーちょっと連絡が早かったならカンヌ映画祭パルムドール受賞の『息子の部屋』を観に行くところだったが、『息子〜』同様に本日初日のフロム・ヘル』(20世紀フォックス・配給)を選ぶ。感想はこちら。……どうでもいいけど毎週フォックスの映画を観てるんだよな今月。
 なかなか面白かったので帰宅後即座に感想を――書けない。頭が痛い。電話一本で感染したのかなどと馬鹿なことを思いつつ、仕方なく食後頭痛薬を呑んで横になるがそのまま七時近くまで目も醒まさない始末。その後もだらだらと、パット・メセニー・グループの新作を試聴しようとしてなかなかダウンロードできなかったり漫画を読みながら主人公が一巻の中で一度も活躍してない場合作者から罰金徴収するとかしないとあかんのと違うかなどと考えたりしているうちに時は過ぎ、いつのまにやら午前一時半にもなっているのだった。嗚呼。

 毎週のように映画を観ていると、段々楽しみになってくるのが冒頭、製作会社のロゴの扱いである。本日の『フロム・ヘル』は久々にふつーのロゴだったが(20th FOXの文字を立体にした巨大なモニュメントを、カメラが上から下へ回り込むように遠退きつつ撮している、という奴)、先々週に見た『ムーランルージュ!』は作品そのものが幕の内側にあるという設定も反映して、幕の奥に静止画のロゴが表示され、その手前に指揮者がオーケストラに向かってタクトを振るシルエットがあるという具合。やや遡って『スピード2』では、通常よりやや籠もったBGMとともにいつものロゴが表示されたと思ったら、にわかに画面に細波が立ちロゴが海面に没し、BGMはそのままテーマ曲のオーケストラアレンジに突入する、という塩梅だった。
 無論、こーいう工夫はフォックスの専売特許ではない。ワーナーだと、スティーヴン・セガール主演の『電撃』では通常にロゴを表示しながらも既に冒頭での演説が重なっているという趣向があったり、コンピューター犯罪を題材のひとつとした『ソードフィッシュ』では冒頭のロゴがまるで初期のインターネットで使われていたような画質の粗い動画風に手が加えられていた。
 ただ、こうした趣向はほぼ大作映画に限られたものと言ってもいい。インディーズでの公開をそもそもの目標としていた作品や、上映後に評価が高まり大手の配給会社に引き取られた作品では、ロゴがあとづけになる、という理由もあろうが、監督らクリエイターの余裕や製作会社へのおもねり、というのもあるのだろう。
 ともあれ、映画を観る際にはこーいうところからチェックしてみるのも一興である。……仮に本編が詰まらなくても、多少は慰めになるし。


2002年01月20日(日)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20020111~.htm#Day20

 先々週先週と来て、本日三度目の正直。悔しいので高めの天ぷらうどんを注文してしまう。

 金曜日に引き続き在庫調査。ふた箱調べ、これで屋根裏に運び込んだ箱は全て中身を記録したことになるが、未だに必要な資料は見つからない。となれば、室内に無造作に積み上げられたものと、詰め込んだまま室内に放置しいつしか色んなものの下敷きになって内容をチェックしていない箱のいずれかに埋もれているとしか考えられない。若干うんざりしながら荷物を退けたり新たにゲームの空箱だけ詰めた段ボールを頭上に運び入れたりし、調査を継続する。
 それでも見つからない。もはや箱に詰めたものは、時期的に当該資料を購入する以前に荷造りした分を除いて全てチェックした。あとは、奇怪な並べ方をした棚の何処かに隠れている、ぐらいしか考えられない。しかし棚を調べるとなると、その前に部屋全体を整頓しないと余計にわやくちゃになる――いよいよ途方に暮れているとき、ふとベッドの上を見遣ると。
 ……あった。
 狭い空間を活用するために、私の部屋には簡単に移動できる小さな山が幾つか存在する。当然ながらそれらも大半は本なのだ。基本的に、いつ必要となるか解らない書籍や資料をその山に含めていて、内容はだいたい把握しているつもりだったのだが、その山のひとつの思わぬ一画に、ちゃっかりと潜んでいたのだった……。
 ……まあ、資料捜しに託けて在庫調査が概ね完了したので、良しとする。良しとしよう。良しとさせてくれ。

 が、あまりに発見が遅かったので、もうひとつ早めに読んでおきたかった資料の方に着手してしまっていたりする。

 食事中、八時を廻ってしまったので、やむなく両親に付き合って今年の大河ドラマ『利家とまつ』をさわりだけ見てしまう。
 ……唐沢は構わない。元々こーいう役者である。しかし某夫婦の大根ぶりったらどうしてくれよう。そうでなくとも時代劇特有の言い回しは難しいのに、タイトルロールの妻は台詞にまるで色が付かないし旦那は活舌が悪すぎて単語のひとつひとつが聴き取りづらく、こっちで反芻しないと言葉の内容が理解できない。なまじ脇が無茶苦茶固いので、その駄目っぷりが際立っている。
 所詮私はこーいう時でもないと大河ドラマ自体見ないし、現状のままならあとは凋落するだけの役者と見たので別に構やしないのだが――そもそも、天下のNHK大河ドラマが半端なトレンディドラマみたいな配役をしていることの方が問題という気もする。視聴率とか若者受けなんて狙わずに超然と渋く仕上げていれば固定客は付くだろうに。

 既に一昨日の話になるが、瀬戸内寂聴・訳『源氏物語 [新装版] (一)』(講談社)読了。古文の授業における、取り敢えず文意をそのまま口語文に写してみました、という感覚の文章で、流れは悪くないし雰囲気も忠実に再現しているとは思うのだが、「現代語訳」と言われると首を捻る仕上がり。以前ちらっと眺めた谷崎訳の方が、現代の小説として洗練されていたように感じる――あくまで漠然とした記憶を頼りの話だが。が、原典の印象や平安期の文章表現を現代口語で表現する手法のひとつとして見れば非常に刺激的なので、このまま最後まで読み通すことにする。何にしても若紫よね(謎)。
 ――で、この本を読んだのちに、ふと平安期の男女の恋愛と現代のそれには極めて似た要素がある、と気付いたのだが、言及するとまた日記のバイト数が増大するので正暦もとい省略。だいいち、日記で言及するよりこの思いつきを練り込んでフィクションにした方が面白そうだしー。

 いまだに数日に一通の割でバッドトランスが届きます。いい加減にしてー。


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2002年01月上旬
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