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無酸素運動

スキーは,無酸素性エネルギー過程を多く利用するスポーツである。

 スキーで用いられる脚部の筋肉は,短時間での高強度の運動として使われている。
 トレーニングプログラムは,低い強度タイプの運動に,素早いまたパワフルな運動を混合すべきである。


無酸素性運動

 無酸素性の運動とは,筋の酸素需要量が非常に多く,循環系によって十分な酸素量を即座に供給することができない運動のことである。
 無酸素性エネルギーシステムは1〜2分の運動に限定されるのである。爆発的に大きなエネルギーが必衰である短距離走,跳躍,砲丸投げなどのスポーツでは,ほとんどこの無酸素性エネルギーシステムだけが利用されるのである。

無酸素性持久力を向上させる方法
 
無酸素性持久力を向上させるには,10秒から2分間で疲労困意するような爆発的な運動(例えば短距離走,水泳,自転車)を用いてトレーニングする。

ロング・スロー・ディスタンス(LSD)

 
 持久力を高める方法として近年注目されているが、「長い距離をゆっくり走る」という単純ながらも、人の体の理にかなったトレーニング法といえる「ロング・スロー・ディスタンス」だ。
 あまりなじみのない言葉だが、スポーツ・コンディショニングの世界ではすでに広く取り入れられている持久カアッブのトレーニング法で、毛細血管を発達させる有酸素運動である。
 体が疲れるというのは、体内に乳酸がたまることが大きな要因の一つ。「乳酸というのは、運動により筋肉中に生み出される物質ですが、それがたまってしまうと筋肉の活動が低下し、結果として疲れを感じやすくなってしまいます」
 問題は瞬発力を必要とする強度の高い運動(アルペンスキーです)を続けると遅筋より速筋が多く使われるため、そのときに「乳酸がたまる」という現象が起きることなのだ。
 「乳酸への対処法は2つあります。耐性を高めることと除去能力を向上させることです」。耐性を高めるというのは、多くの乳酸を産生しても、高強度の運動を続ける能力を高めること。「たとえば、100mまでしか全力疾走できなかった体を、200mまで走れるようにすることです」。一方、除去能力の向上とは、速筋より遅筋を使う割合を増やし、なおかつ遅筋で使用される乳酸を増やしてあげることをいう。「産生量を抑えるのではなく、乳酸の使用量を増やすことで、トータルとして乳酸を抑えるわけです」
 LSDでは、乳酸の除去能力を向上させることができる。「LSDの目的は毛細血管を太くすることです。まずは血液が流れ込みやすいように毛細血管を太くします。血液が体の隅々にまで行きわたるようになれば、自然と乳酸の除去能力も向上していきます」
 一般の人がLSDを行う場合、どのようにすればいいのだろうか。「最初から無理をせずに、走る時間は一時間程度で、ペースの基本はゆっくりと。二人で一緒に走る場合は「お互い無駄話ができる程度」が目安。あとは「歩く」のではなく、両足がともに空中に浮いている瞬間がある「走る」ことを意識すること、「「歩く」と「走る」では消費エネルギーに格段の違いがありますから」


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