ハンドスキッシュとハンドスキッシュEXの違い
ハンドスキッシュはアルコール濃度が高く、ハンドスキッシュEXはアルコール濃度が低いという事です。その結果、ウイルス・細菌に対する効果に違いがでます。また、消防法上の危険物に該当するかどうかの違いがあります。表にまとめると、以下のようになります。
製品名 | アルコール容量%濃度 | 重量%濃度 | 対ウイルス効果 | 消防法 |
---|---|---|---|---|
ハンドスキッシュ | 高い79% | 72% | 高い | 危険物 |
ハンドスキッシュEX | 低い65% | 57% | 低い | 危険物でない |
アルコール濃度が低いハンドスキッシュEXが、スーパー等でも使われていますが、ウイルス対策として使用するのであれば、濃度が高いハンドスキッシュが、おすすめです。
対ウイルス効果の違い
消毒用アルコール製品のエタノール濃度について-埼玉県
医薬品や医薬部外品は医薬品医療機器等法に基づき、有効成分の濃度が定められており、厚生労働大臣が品質・有効性及び安全性を確認しています。消毒や除菌目的でアルコール製品を使用する場合は、濃度が70%〜95%の製品を使用しましょう。(ただし、入手困難な場合は60%台でも差し支えない)
日本薬局方(局方):除菌・消毒に使用されるエタノール(アルコール)の殺菌効果の至適濃度範囲(有効範囲)は、76.9%〜81.4容量%と、なっています。
以上の観点から言えば、ハンドスキッシュとハンドスキッシュEXのアルコール濃度設定は、以下のような結論に至ります。
ハンドスキッシュとハンドスキッシュEXの対ウイルス効果の結論
ハンドスキッシュは79容量%ですから、至適濃度範囲(76.9%〜81.4容量%)の中に入っており、適切な濃度設定です。一方、ハンドスキッシュEXは65容量%ですから、アルコール濃度が低く、ウイルス対策としては不適切な濃度設定です。
消防法上の違い
消防法では、消毒用アルコールについて、アルコールの濃度が60重量%以上の製品が危険物に該当すると定めています。
危険物の規制に関する政令 別表第三で定める数量(指定数量)以上の危険物は、市町村長等の許可を受けなければ取り扱えません。アルコール類の指定数量は400リットルで、その5分1の80リットル(少量危険物)以上を扱う時は、消防署長に届け出なければなりません。
ハンドスキッシュEXとハンドスキッシュの詳しいエタノール濃度はによると
ハンドスキッシュは危険物
ハンドスキッシュのエタノール濃度は、容量基準で79容量%です。重量基準では60重量%を超えるため、消防法における危険物規制が適用されます。
ハンドスキッシュEXは危険物でない
ハンドスキッシュEXのエタノール濃度は、容量基準では約65容量%です。重量基準では約57重量%となり、消防法における危険物規制適用外になります。
少量危険物
アルコール類の少量危険物量は80リットルで、ハンドスキッシュは1本800mlです。つまり、ハンドスキッシュが100本未満ならば、消防署長に届け出る必要は、ありません。
どちらの製品を使うかは状況次第
100本未満ならば、ハンドスキッシュを使うべきです。100本以上を使う、あるいは、アルコール消毒液が入手困難な場合は、最善ではありませんが、60%台のハンドスキッシュEXを使うのもあり得ます。ただ、アルコール消毒液が入手困難な場合というのは、2021年以降、生じていません。
花王のホームページハンドスキッシュの成分・使い方・ご注意などには、以下のように書かれています。
- 小児に使用させる場合には、保護者の指導監督のもとに使用させること。
- 目に入らないように注意すること。万一、目に入った場合には、すぐに水またはぬるま湯で洗うこと。なお、症状が重い場合には、眼科医の診療を受けること。
厚生労働省は、小児を5才から11才と定義しています。
どちらの製品を使うにしろ、小学校や学童などでは注意が必要です。
2022年5月の状況
アルコール消毒液は、入手困難な状況にはなっていません。また、2年間のコロナ経験を通して政府も対策を考えていますから、将来も入手困難な状況になる事は考えにくいです。
通常のスーパーで、消毒液を100本使用している所は、見た事ありません。また、公立の小学校でも100本使用する事はないでしょう。
ところが、放課後子ども教室新田小ハッピー、新田小近くのスーパーでは、2022年5月でも、濃度の低いハンドスキッシュEXを使っています。
何故、ハンドスキッシュEXを使うのでしょうか
下の画像は、花王のHP ハンドスキッシュの製品情報に載っているものです。上部に「危険物」と書かれています。これを見て、消毒液の購入担当者は、良く考えずに敬遠してしまうのです。
ところが、このハンドスキッシュの製品情報の下の方には、「危険物とは」というリンクがあり、そこには消防法と指定数量についての説明が書いてあります。よく読むと、放課後子ども教室では、国の基準を満たすハンドスキッシュが使える事が判ります。
放課後子ども教室の消毒液購入担当者
放課後子ども教室を運営するのは、子ども育成課ですから、消毒液の購入担当者は当然、子ども育成課です。草加市放課後子ども教室推進事業は問題が多い。推進事業実施要綱 第16条に「子ども教室の庶務は、子ども未来部子ども育成課において処理する。」と書いてあります。
2022年5月でも、濃度が低いハンドスキッシュEXを使っているのは、問題ですが、問題はまだあります。
子ども育成課は組織的に検討し、ハンドスキッシュEXを購入しました。その時、消防法、埼玉県が「濃度が70%〜95%の製品を使用しましょう」と、言っている事を検討しているはずはありません。子ども育成課子ども教室係の係長は「容量%濃度と重量%濃度」の違いを知りません。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。