草加市 放課後子ども教室の欠陥消毒液の改善

世界保健機関が、2020年3月11日に新型コロナウイルス感染症をパンデミックと表明して以来、放課後子ども教室の欠陥アルコール消毒液は改善されませんでした。草加市 放課後子ども教室の欠陥アルコール消毒液

そこで、草加市長へのEメールを3度、公文書公開請求書を1回しました。その結果、草加市 新型コロナウイルス対策課から、『国の基準を満たすアルコール消毒液の使用につきまして、市役所の各部署に周知します。』という回答を得、放課後子ども教室の欠陥消毒液の改善がなされました。

2021年12月26日の草加市長へのEメール

Eメールの内容。
『初めに。消費者庁では2020年5月19日、アルコールを主成分とするとされるハンドジェルにおける配合割合が大幅に表示を下回っていたとして、景品表示法に係る措置命令が行われました。厚生労働省は、アルコール濃度70%以上の製品を推奨しています。11月から、放課後子ども教室で児童が使っているアルコール消毒液は、株式会社サイキョウ・ファーマの「HAND GEL」という商品です。サイキョウ・ファーマの商品について。成分表にはエタノールと書いてありますが、濃度が表示されていません。放課後子ども教室では、GELタイプのものを使っています。GELタイプのものは、その粘性のために、に入った時洗い流しにくいという欠点があります。実際、低学年の児童は、手のひらを振って、早く乾かそうとするので、消毒液が飛散します。』

『【提案】1月からは、濃度が表示されている液状のものを使うようにして下さい。【質問】どういう理由で、この製品を採用したのですか。(値段・使いやすさ等)採用を決定したのは、部・課・係等、どのレベルですか。』

草加市 放課後子ども教室のサイキョウ・ファーマ社の「HAND GEL」の画像上記の草加市長へのEメールでの指摘を受け、草加市子ども育成課は、サイキョウ・ファーマ社の「HAND GEL」(GELタイプ)を液体タイプのハンドスキッシュEXに変更する事になります。

サイキョウ・ファーマ社のHAND GELについて、詳しくは放課後子ども教室ハッピーの危険なアルコール消毒液

2021年12月26日の草加市長へのEメールの回答

草成第350号 令和3年(2021年)12月28日(火曜日) 子ども育成課長 小中 一郎。草加市放課後子ども教室のアルコール消毒液について(回答)

現在、各教室で使用しているジェルタイプの商品は、アルコールが品薄状態であった令和2年度(2020年度)に、一定数の確保が可能であったため、子ども育成課として組織的に検討し、購入したものです。

当課といたしましては、この既存のジェルタイプを使い切ったのち、液体タイプ(ハンドスキッシュEX)に順次変更していく予定でございましたが、いただいたご意見を放課後子ども教室で共有し、改めて導入時期を検討してまいりたいと思います。なお、液体タイプ(ハンドスキッシュEX)は、濃度表示がありませんので、あらかじめご了承ください。

草加市 放課後子ども教室の濃度表示がないハンドスキッシュEXの画像草加市長へのEメールの回答にあるとおり、子ども育成課は、濃度表示がないハンドスキッシュEXに変更します。『1月からは、濃度が表示されている液状のものを使うように』という提案は無視しました。これが子ども育成課の体質です。草加市子ども育成課は公務員の資質を欠いている

公文書公開請求書 令和4年5月23日

草加市情報公開条例第6条第1項の規定により、次のとおり公文書の公開を請求します。

令和2年度~令和4年度の新型コロナに対するアルコール手指消毒液について(公立小学校、放課後子ども教室、草加市寺子屋、公民館、市役所庁舎内で使用するもの)

  • 民間業者に発注する際の仕様書。
  • 受注を決定した理由がわかる公文書。(理由の例:ジェルタイプか液状か、アルコール濃度、メーカーの信頼性、価格、有効期間等。文書不存在の場合は、その理由)
  • 納品時期

2021年12月26日の草加市長へのEメールの回答(草成第350号 2021年12月28日)では、「アルコールが品薄状態であった令和2年度(2020年度)に、一定数の確保が可能であったため、子ども育成課として組織的に検討し、購入したものです。」と、書いてあります。組織的に検討したのなら、公文書はあるはずですが、公文書公開請求書に対し 子ども育成課は「文書不存在」という回答でした。

2022年6月22日の二度目の草加市長へのEメール

4つの質問と提案です。内容は以下のリスト。

  1. これまでの経緯:2021年12月26日の市長へのEメールで、「2021年1月からは、濃度が表示されている液状のものを使うようにして下さい。」と提案しましたが、子ども育成課の回答は『なお、液体タイプ(ハンドスキッシュEX)は、濃度表示がありませんので、あらかじめご了承ください。』というものでした。そこで、花王のHPで確認したところ、ハンドスキッシュEXのアルコール濃度は、65%で、国の基準を満たしていない事実が判明しました。 埼玉県のHP「消毒・除菌用アルコール製品のエタノール濃度について-埼玉県」には、『医薬品や医薬部外品は医薬品医療機器等法に基づき、有効成分の濃度が定められており、厚生労働大臣が品質・有効性及び安全性を確認しています。消毒や除菌目的でアルコール製品を使用する場合は、濃度が70%~95%の製品を使用しましょう。』と書いてあります。
  2. ジェルタイプからハンドスキッシュEXへ変更した理由は何ですか。
  3. ハンドスキッシュEX4.5Lの用途は何ですか。
  4. ハンドスキッシュEXは国(埼玉県)の基準:アルコール濃度70%~95%を満たしていないのに、ハンドスキッシュEXへ変更したのは、何故ですか。
  5. 草加市放課後子ども教室推進事業実施要綱 第9条 2 で規定される『運営委員会』は、SPアルコールハンドジェルSの採用、ならびに、ハンドスキッシュEXへの変更に関わっていますか。
  6. 提案:仮に今後も、ハンドスキッシュEXを使い続けるのであれば、『この花王のハンドスキッシュEXは、アルコール濃度が国の基準を下回るので、消毒時間を倍の1分にする。目に入らないように注意すること。万一、目に入った時は、すぐに水またはぬるま湯で洗うこと。症状が重いときは眼科医の診療を受けること。』を、児童・保護者・児童サポーターに説明するように、提案します。

花王のHPには以下の注意書きがあります。

  • 消毒時間を倍の1分にする
  • 小児に使用させる場合には、保護者の指導監督のもとに使用させる
  • に入らないように注意すること

花王のHPに掲載されている上記の項目を具体化したのが下の画像。発売元の花王が言っているのですから、もっともな提案です。放課後子ども教室ハッピーで児童・保護者・児童サポーターに説明する項目

2週間ほど経って回答のメールが届きました。

2022年6月22日の草加市長へのEメールの回答

草成第216号 令和4年(2022年)7月5日 子ども育成課長 小中 一郎。草加市の放課後子ども教室のアルコール消毒液と草加市放課後子ども教室推進事業実施要綱で規定する運営委員会の対応について(回答)

  1. まず、はじめに「ジェルタイプからハンドスキッシュEXへ変更した理由」についてですが、有効性や価格、購入の容易さを考慮し、ハンドスキッシュEXに変更しました。
  2. 次に「ハンドスキッシュEX4.5Lの用途」についてですが、ハンドスキッシュEX本体の詰替え用として、購入しました。
  3. 続いて「ハンドスキッシュEXは国(埼玉県)の基準:アルコール濃度70%~95%を満たしていないのに、ハンドスキッシュEXへ変更した理由」ですが、国の基準では、60%台のエタノールによる消毒でも一定の有効性があると考えられる報告もあることから、当該商品につきましても、有効と判断し、購入したものです。
  4. 続いて「SPアルコールハンドジェルSの採用、ハンドスキッシュEXへの変更に草加市放課後子ども教室運営委員会が関わっているか。」についてですが、感染症対策全般については説明しておりますが、当該商品の採用及び変更には関わっておりません。
  5. 最後に、ご提案内容に関しましては、当該商品の使用方法をコーディネーター連絡会等で改めて周知するか検討してまいります。

検討するだけで、周知しないというのが、よくある役人の回答です。

国の基準の但し書き

厚生労働省のロゴ新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について|厚生労働省 70%以上のエタノールが入手困難な場合には、次のように書いてあります。

『濃度70%以上95%以下(※)のエタノールを用いて、よくすりこみます。

(※)60%台のエタノールによる消毒でも一定の有効性があると考えられる報告があり、70%以上のエタノールが入手困難な場合には、60%台のエタノールを使用した消毒も差し支えありません。』

子ども育成課の回答は、『70%以上のエタノールが入手困難な場合には』という但し書きを、意図的に省いてあります。

2022年10月13日の三度目の草加市長へのEメール

2022年10月13、二度目の草加市長へのEメール(国の基準を満たすアルコール消毒液について)を送りました。以下、その内容(前置と質問と提案)。

前置

草成第216号(令和4年7月5日)
『「ハンドスキッシュEXは国(埼玉県)の基準:アルコール濃度70%~95%を満たしていないのに、ハンドスキッシュEXへ変更した理由」ですが、国の基準では、60%台のエタノールによる消毒でも一定の有効性があると考えられる報告もあることから、当該商品につきましても、有効と判断し、購入したものです。』と、書かれています。

草成第370号(令和4年10月5日)
国の基準では、60%台のエタノールによる消毒でも一定の有効性があると考えられることから、子ども育成課としては、草加市放課後子ども教室で使用しているハンドスキッシュEXにつきましても、有効と判断しています。』と、書かれています。

一方、「70%以上のエタノールが入手困難な場合には」を検索すると、多くの国の機関や自治体のHPに次のように書かれています。
『濃度70%以上95%以下のエタノールを用いて、よくすりこみます。 60%台のエタノールによる消毒でも一定の有効性があると考えられる報告があり、70%以上のエタノールが入手困難な場合には、60%台のエタノールを使用した消毒も差し支えありません。』

入手困難な状況ではない
入手困難な状況は、2020年9月以降生じていません。

質問

新型コロナウイルス対策課は、上記の『70%以上のエタノールが入手困難な場合には』について、知っていますか。

提案

本庁舎西棟にあるスポーツ振興課でも、数か月前、国の基準を満たさない60%台のエタノールを使用していました(来庁した市民向け)。

草加市役所が管轄する全ての施設で、国の基準を満たすアルコール消毒液を使用してください。

2022年10月13日の草加市長へのEメールの回答

2022/10/17 草加市 健康福祉部 新型コロナウイルス対策課より回答。

現在、新型コロナウイルス対策課では、国の方針に基づきオミクロン株対応ワクチンの接種を進めておりますが、これから、冬を迎え、第8波による感染の再拡大の恐れもあり、ワクチン接種以外の基本的な感染対策も引き続き徹底することが重要と考えております。

このため、今後は、ご提案頂きました国の基準を満たすアルコール消毒液の使用につきましても、市役所の各部署に周知し、市民の皆様が安心して公共施設を利用できるよう取り組んで参りたいと考えております。

2022年10月13日の三度目の草加市長へのEメールの効果

『「70%以上のエタノールが入手困難な場合には」について、知っていますか。』についての回答は、あえて避けたようですが、当然、新型コロナウイルス対策課は、知っているはずです。今回、公務員の資質を欠いている子ども育成課ではなく、新型コロナウイルス対策課に回答を求めたのが良かったようです。市役所の各部署に周知してくれました。

10月23日、草加市では市長選挙があり、選挙管理委員に「新型コロナウイルス対策課から、消毒液のアルコール濃度について、何か指示はありましたか」と、尋ねると、うなずいていました。投票所に置いてあったアルコール消毒液は、国の基準を満たす濃度75%のものでした。放課後子ども教室の欠陥消毒液も、濃度75%のものに替えるようです。

2年以上にわたり、不適切なアルコール消毒液を使い続けた責任は、子ども育成課だけではありません。この事を看過してきた草加市放課後子ども教室推進事業運営委員会やコーディネーター連絡会にも責任があります。放課後子ども教室推進事業運営委員会の会議録とコーディネーター連絡会の会議録を情報公開請求していきます。

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。