放課後子ども教室ハッピーがハンドスキッシュEXを使う訳

草加市子ども育成課が運営する放課後子ども教室ハッピーは、花王の手指消毒液ハンドスキッシュを使わずに、ハンドスキッシュEXを使っています。 その理由に、危険物規制があります。ところが、この理由は言い訳にすぎません。濃度79%のハンドスキッシュを使うべきです。草加市長へのEメール 放課後子ども教室ハッピーの手指消毒液

ハンドスキッシュEXとハンドスキッシュの違い

花王のHP ハンドスキッシュEXとハンドスキッシュによると、二つの製品の違いはアルコール濃度とそれに伴う危険物規制です。

  • ハンドスキッシュEXのアルコール濃度は、容量基準で65%、重量基準では57%となり、消防法における危険物規制適用外。
  • ハンドスキッシュのアルコール濃度は、容量基準で79%、重量基準では72%となり、消防法における危険物規制が適用される。

危険物規制

第四類(引火性液体) アルコール類の指定数量は、400リットル(危険物の規制に関する政令 別表第三)で、少量危険物の場合は、その5分の1の80リットルです。

つまり、容量基準でアルコール濃度79%以上の危険物でも、少量なら危険物規制適用外になります。

ハンドスキッシュEXはどこで使われているか

ハンドスキッシュEXは、放課後子ども教室やイオングループの小型ディスカウントで使われています。

危険物規制が適用されるハンドスキッシュは1本800mlですから、100本以内なら、80リットル以下なので危険物規制適用外です。

小型ディスカウントの場合、販売目的なら別ですが、お客の手指消毒用に100本も備蓄する必要はありません。

放課後子ども教室の場合は、どうでしょうか。放課後子ども教室を運営する草加市子ども育成課は、草加市の全小学校分(21校)の備蓄をします。各校、5本分備蓄して、始めて危険物規制適用となります。

実際、子ども育成課が購入したアルコール消毒液は、800ml×40本=32Lです。

ハンドスキッシュを使わなくてはいけない理由

放課後子ども教室ハッピーでは、ハンドスキッシュEXを使う理由がない事を見てきました。それでは、ハンドスキッシュを使う理由はあるのでしょうか。

厚生労働省のロゴ新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について|厚生労働省

『濃度70%以上95%以下(※)のエタノールを用いて、よくすりこみます。

(※)60%台のエタノールによる消毒でも一定の有効性があると考えられる報告があり、70%以上のエタノールが入手困難な場合には、60%台のエタノールを使用した消毒も差し支えありません。』と書いてあります。

令和2年9月以後の消毒液はアルコール濃度70%以上が必要

経済産業省のロゴマスク及びアルコール消毒製品の転売規制の解除(経済産業省)

『令和2年3月15日よりマスク、5月26日よりアルコール消毒製品について、国民生活安定緊急措置法施行令により、いわゆる高額転売が禁止されている。…国民生活安定緊急措置法施行令を改正し、マスク及びアルコール消毒製品の転売規制を解除する。…アルコール消毒液は、5月から7月にかけて、昨年月平均の約6倍の約600万L程度の生産を継続し、今後も増産予定。
3.施行期日等 8月28日(金)公布、8月29日(土)施行』と、書かれています。

「マスク及びアルコール消毒製品の転売規制を解除する」施行令は、8月28日(金)に公布されました。この公布日のはるか前から、アルコール消毒液の品薄状態は解消されていたのです。

今後、アルコール消毒液が品薄で入手困難なになった時は、ハンドスキッシュEXでも可です。しかし、2022年6月時点では、放課後子ども教室ハッピーは、濃度79%のハンドスキッシュを使うべきです。

子ども育成課がハンドスキッシュEXにこだわる理由

草加市長へのEメールの回答 。発番が書いてありますから、公文書ですね。

草成第350号 2021年12月28日 小中 一郎 草加市子ども育成課長。草加市放課後子ども教室のアルコール消毒液について(回答)
現在、各教室で使用しているジェルタイプの商品は、アルコールが品薄状態であった令和2年度(2020年度)に、一定数の確保が可能であったため、子ども育成課として組織的に検討し、購入したものです。当課といたしましては、この既存のジェルタイプを使い切ったのち、液体タイプ(ハンドスキッシュEX)に順次変更していく予定でございました。

この公文書を覆す事はできないので、放課後子ども教室ハッピーに、ハンドスキッシュEXが届けられました。(2022年1月)

上記の公文書で言うジェルタイプの商品とは、サイキョウ・ファーマ社の「HAND GEL」という製品ですが、現在は販売されていません。

ハンドスキッシュEXとハンドスキッシュとウエルフォームの比較

どちらもアルコールを主成分とした手指消毒液です。使用した期間は、情報公開制度を利用して得ました。価格は、楽天で2022年8月22日に調べました。

ハンドスキッシュEX

ハンドスキッシュEXは、一般消費者に名が知られている花王の製品です。アルコール濃度は国の基準以下の65%です。放課後子ども教室ハッピーで、2022年1月から2022年6月まで、使われています。今後は、濃度が不適切なので使われなくなるかもしれません。価格は100mL当り103円。

ハンドスキッシュ

ハンドスキッシュも、花王の製品です。アルコール濃度は国の基準を満たす79%です。草加市内の公共施設では、使われていません。価格は100mL当り123円。ハンドスキッシュEXの1.2倍です。

ウエルフォーム

ウエルフォームは、病院関係費者に名が知られている丸石製薬の製品です。アルコール濃度は国の基準を満たす80%です。草加市立病院で、2020年から2022年の6月でも、使われています。価格は楽天で100mL当り605円ですが、市立病院が340本を直接注文すると、100mL当り222円になります。

EXとハンドスキッシュとウエルフォームのどれが良いか

価格だけで選べば、ハンドスキッシュEXです。ただ、公共施設では好ましくありません。

濃度と価格で選べば、ハンドスキッシュです。ただ、泡タイプのウエルフォームは、「泡が目に見えるので、消毒範囲が確認できます。また、泡が消えるまでぬり広げることが消毒時間の目安にもなります。」という利点があります。

上記のアルコール濃度、価格をまとめると、以下の表のようになります。

製品名容量%濃度100mL当たりの価格
ハンドスキッシュEX65%103円
ハンドスキッシュ79%123円
ウエルフォーム80%605円(222円)

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。