草加市 放課後子ども教室の欠陥アルコール消毒液

草加市 放課後子ども教室で使われているアルコール消毒液等のコロナ対策には、様々な問題があります。

  1. 2020年度には、消毒していない共用鉛筆を児童に使い回しさせていました。
  2. 2021年度には、危険なジェルタイプの消毒液を使っていました。
  3. 2022年度には、厚生労働省が推奨するアルコール濃度の基準を満たさない消毒液を使っています。

65%は厚労省のアルコール濃度の基準を満たさない

放課後子ども教室が基準を満たさないアルコール消毒液を使い続けるのであれば、児童・保護者・児童サポーターに、下の画像のような注意喚起をすべき。 放課後子ども教室はアルコール消毒液への注意喚起をすべきのポスター

2020年度放課後子ども教室は共用鉛筆を使い回し

放課後子ども教室ハッピーの出席簿と共用鉛筆放課後子ども教室では、児童は、まっさきに出席簿の自分の欄に鉛筆で○をつけます。この時使う鉛筆は、同じクラスの児童が共用で使います。児童の中に感染者がいた場合、この共用鉛筆を通して、感染が広がります。詳しくは、放課後子ども教室ハッピーは1本の鉛筆を児童が共用

2021年度放課後子ども教室は危険なジェルタイプの消毒液を使用

草加市 放課後子ども教室のサイキョウ・ファーマ社の「HAND GEL」の画像放課後子ども教室で2020、2021年度に使われていたジェルタイプのものはグリセリンが配合されている為、粘性が高く、目に入った時、洗い流しにくいという欠点があります。低学年の児童は、手のひらを振って早く乾かそうとするので、消毒液が飛散し、他の児童の目に入る可能性がありました。

左の画像が、放課後子ども教室で使われていたジェルタイプの「HAND GEL」消毒液。

「消毒剤の取扱いに留意。眼に入る事故の発生が続いています。消費者庁には、『目に入ると刺激があり、皮膚の弱い部分に付着すると炎症を起こすこともあります。眼に入った場合は、眼をこすらないように注意して、直ちに洗眼してください。店舗などに設置されている場合は、子どもの身長によっては、顔の高さで噴霧されることがあります。』と、書かれています。

ところが、新田小ハッピーでは、児童に対して児童サポーターが上記のような注意はしていませんでした。児童がアルコール消毒液を使ったか、どうかの確認だけです。

また、新田小ハッピーを運営する子ども育成課からも、児童に対する注意に関して、何の指示もありませんでした。

2022年度放課後子ども教室は厚生労働省が推奨するアルコール濃度の基準を満たさない消毒液を使用

「手指洗浄用消毒液のエタノール濃度 国民生活センター」には、『「商品にアルコール濃度の表示がない」、「濃度が表示されているが本当だろうか」などといった商品の安全・品質や表示に関する相談情報が、2019年12月以降の約8カ月で689件寄せられています。

商品テストの結果、商品本体の表示等に問題がみられるものがありました。そのほかにも、消費者庁では2020年5月19日、アルコールを主成分とするとされるハンドジェルにおける配合割合が大幅に表示を下回っていたとして、景品表示法に係る措置命令が行われました。』と、書いてあります。

草加市 放課後子ども教室の濃度表示がないハンドスキッシュEXの画像2022年度から放課後子ども教室で使われているハンドスキッシュEXは、アルコール濃度が本体表面に表示されていません。左の画像が、濃度表示がないハンドスキッシュEX。

花王ハンドスキッシュEXのHPには、アルコール濃度が記載されているものの、厚生労働省が推奨するアルコール濃度の基準を満たしていません。70%以下の65%です。

放課後子ども教室を運営する子ども育成課の主張

「『60%台のエタノールを使用した消毒も差し支えありません。』と、厚生労働省・経済産業省・消費者庁特設ページに書いてある。」というのが子ども育成課の主張です。ところが、『70%以上のエタノールが入手困難な場合には』という前提が抜けています。

厚生労働省のロゴ 新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について(厚生労働省・経済産業省・消費者庁特設ページ」には、『<使用方法>濃度70%以上95%以下(※)のエタノールを用いて、よくすりこみます。

(※) 60%台のエタノールによる消毒でも一定の有効性があると考えられる報告があり、70%以上のエタノールが入手困難な場合には、60%台のエタノールを使用した消毒も差し支えありません。』と書いてあります。

「消毒・除菌用アルコール製品のエタノール濃度について-埼玉県」には、『医薬品や医薬部外品は医薬品医療機器等法に基づき、有効成分の濃度が定められており、厚生労働大臣が品質・有効性及び安全性を確認しています。』

『消毒や除菌目的でアルコール製品を使用する場合は、濃度が70%〜95%の製品を使用しましょう。(ただし、入手困難な場合は60%台でも差し支えない)』と、書かれています。

「70%以上のエタノールが入手困難な場合には、60%台の」を検索すると、広告を除く上位10位以内のサイトが、厚生労働省・経済産業省・消費者庁特設ページに記載されている言葉を引用しています。つまり、この知識は日本中全ての自治体等で共有されているのです。

子ども育成課がハンドスキッシュEXを購入した2022年1月以降は、70%以上のエタノール消毒液が入手困難な状況にはなっていません。

何故、放課後子ども教室はハンドスキッシュEXを選ぶのか

「ハンドスキッシュEXとハンドスキッシュの詳しいエタノール濃度は?|花王プロフェッショナル・サービス株式会」には、

『ハンドスキッシュEXのエタノール濃度は、容量基準では約65容量%(vol%)です。またハンドスキッシュのエタノール濃度は、容量基準で79.2容量%(vol%)です。』と、書いてあります。

何故、「ハンドスキッシュ」ではなく、「ハンドスキッシュEX」を選んだのか。「ハンドスキッシュ」は消防法における危険物規制が適用されるからしか理由が見当たらない。しかし、アルコール類の指定数量は400リットルで、少量危険物の場合でも80リットルです。

「ハンドスキッシュ」は、1本800mLですから、草加市の小学校21校に2本ずつ配布しても、33.6Lです。

放課後子ども教室は児童に使用方法を説明しない

花王のHP「ハンドスキッシュEX 本体 ロングノズル 800mL」には「に注意」「子供に注意」と書いてありますが、さらに詳しく、使用方法として、以下のような記載があります。

  1. 小児に使用させる場合には、保護者の指導監督のもとに使用させること。(厚生労働省は、新型コロナワクチンの小児接種の対象者を、5才から11才としています。)
  2. に入らないように注意すること。万一、目に入った場合には、すぐに水またはぬるま湯で洗うこと。なお、症状が重い場合には、眼科医の診療を受けること。

子ども育成課は、ハンドスキッシュEXを購入するにあたり、「組織的に検討した」と主張していますので、花王の製品情報を見ているはずです。にもかかわらず、放課後子ども教室ハッピーには、何の指示もしていません。その結果、実際に現場にいる児童サポーターは、児童に説明していません。また、児童がアルコール消毒液を使用する際に、保護者の代わりに指導監督する事もありません。

草加寺子屋・放課後子ども教室・草加市立病院の対応の違い

草加市教育委員会 管轄の草加寺子屋は、2022年度から、アルコール濃度の表示が75%の消毒液に変えるようです。不適切な草加寺子屋の諸問題 アルコール消毒液

教育委員会は適切な対応をしましたが、放課後子ども教室を管轄する子ども育成課は「濃度表示がなく、厚生労働省が推奨するアルコール濃度以下のものを使い続ける」という不適切な対応をしています。

草加市立病院のアルコール消毒液への対応

草加市情報公開条例に従って、草加市病院事業管理者に「2020年度〜2022年度の新型コロナに対するアルコール手指消毒液について(民間業者に発注する際の仕様書等)という問い合わせをしました。

草加市立病院の回答。『病院関係者にとってアルコール濃度80%は常識なので、特に仕様書を作成していません。(X線装置等の場合は、仕様書がある)2020年度からアルコール濃度80%以上のものを使っている』との事でした。

以上のまとめ

  • 草加市立病院:最初からアルコール濃度80%以上のものを使っている。
  • 草加市寺子屋:最初は70%未満のものを使っていたが、2022年度から70%以上のものに代える。
  • 草加市放課後子ども教室:最初も70%未満のものを使い、今後も70%未満のものを使う。

丸石製薬のウエルフォーム

情報公開請求によって、草加市立病院のアルコール消毒液は、丸石製薬のウエルフォームだという事が判明しました。ウエルフォームのアルコール濃度は80%です。

丸石製薬のHP。ウエルフォームは泡の手指消毒剤として開発しました」に、この泡タイプのものについて、『泡が目に見えるので、消毒範囲が確認できます。また、泡が消えるまでぬり広げることが消毒時間の目安にもなります。』と、書いてあります。

丸石製薬は、麻酔・消毒等に関連する薬品についての取り扱いが多く、麻酔・消毒薬の分野では国内最大手に位置します。つまり、病院関係者の間では有名であり、市立病院の手指消毒剤に採用されたのでしょう。

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。