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腸管逆蠕動間置術について

小腸内での食物停滞時間の延長を図り、自己残存小腸での消化吸収の効率を高める


約5cm-7cmの分節小腸を逆蠕動に利用する。
また分節小腸の中央に血管柄を配置する事により、180°の回転を容易にする。
両側の断端の血流を確認した後に端々縫合を行なう。
出来るだけ回盲部付近の小腸を利用することが望ましい。
術後はしばらく下痢症状が続く為、経静脈栄養の併用とともに、止痢剤や消化剤も必要です。

手術はこのような感じです

分節小腸の中央に血管柄を配置して、約5cmを利用します。

小腸の両側を断端します。

中央に血管柄を配置させ、180°回転します。
小腸の胃側の切断端が大腸側に、大腸側の切断端が胃側に
配置することになります。

出来るだけ回盲部付近の小腸を利用して、血流を確認した後に
端々縫合を行ないます。

雰囲気的にはこんな感じだと思います


通常の小腸です [図.1]

C〜D間を逆蠕動間置した小腸です [図.2]

小腸[図.1]標準では、[A.]〜[E.]へ食物を次々に送ることができます。
しかし小腸逆蠕動間置術では、[C.][D.]間を間置することにより[図.2]になります。
[図.2]では[B.]から[D.]へ食物を送るつもりですが、[D.]の入り口は[×]なので、
門を締め切っています。
つまり受け取りを拒否しています。
そんな訳で[A.][B.]間では食物が貯留する事になります。
これが小腸内で食物の停滞時間の延長となります。
私の考えでは
手術直後に下痢が多いのは、[D.]の門がまだ受け取り拒否がまだ機能し
ていない為に、食物を素通りさせます。
時間が経つにつれ、[D.]の門が機能しはじめて門を閉じます。
[A.]〜[B.]間の貯蔵庫が一杯になりどうしようもなくなると、[D.]さんの門は
堪え切れなくなり、門を開けるために[E.]さんへ食物を送りこみます。
食物は大腸に運びこまれます。
間違っていたらごめんなさいm(_ _)m
K.Kさんの意見を元に訂正しました。ありがとうございました。

蠕動運動とは

蠕動運動とは、筋肉の収縮によって生じたくびれが波のように徐々に伝わっていく運動のことです。

デメリットもあります

食物を強制的に、留置する為に腹部の膨満感があること。
腸閉塞を考えなければいけないこと。
症例が少ない為、実験的証明がなされていないこと。
私の場合は、食事開始後は強度の下痢でした。
10日-20日間は、下痢の激減。しかし食後には腸閉塞並の痛さ。
1ケ月-3ケ月は下痢の回数は手術前に戻りました。
その後なぜかダメもとでヨーグルトを食べると下痢の回数は減少しました。(^○^)