出張専門の鍼灸院です。はり・きゅう専門。東京23区を中心に出張治療を行っております。
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顔面神経麻痺とは、ある日突然顔の表情筋が麻痺してしまい、口や眼が歪んでしまい閉じることができなくなってしまう病です。大きく分けて中枢性顔面神経麻痺と末梢性顔面神経麻痺の2つに大別されます。
中枢性顔面神経麻痺は、脳梗塞や脳卒中・脳内出血・脳腫瘍などが主な原因で末梢性顔面神経麻痺よりは重篤になりやすく治療にも時間がかかります。中枢性と末梢性の区別としては、額のしわ寄せができるかどうかが主な判断基準になります。中枢性の場合は、しわ寄せができ、末梢性の場合はしわ寄せができません。
次に末梢性顔面神経麻痺ですが、これも大きく分けてベル麻痺とラムゼイ・ハント症候群の2種類に分けられます。一般に末梢性顔面神経麻痺の約70%をベル麻痺が占め、鍼灸院で最もよく見られる症状です。ベル麻痺の原因としては、疲労や睡眠不足などにより抵抗力が弱っているところにクーラーなどの冷たい風にあたったり、寒冷刺激などにより血行障害が起こり、それにより引き起こされると考えられています。
ハント症候群は、主に帯状疱疹ウイルスが原因で麻痺の他に耳や口の周りに疱疹ができたり、めまいや耳鳴りなどの症状も併発したりします。中枢性顔面神経麻痺とハント症候群は西洋医学を優先するのが望ましく、ベル麻痺が主な鍼灸の治療対象となります。
東洋医学的には、疲れや疲労などで身体が弱っている時に冷たい風にあたったり、顔面を冷やしたりして、いわゆる風寒の邪が顔面の経絡へ侵入し、気血の流れが阻害されることによって麻痺が起こると考えられています。
なので、鍼や灸を使ってツボを刺激することによって、これらの流れをよくすれば自然と麻痺は改善されます。経絡では、特に陽明経や大腸経が主に顔面を支配しているので、これらの経絡のツボを使います。また、顔面以外でも首や肩まわり・背部などの凝りをとることも重要です。なお、怒りやストレス(精神的な抑圧)も症状を悪化させるので要注意です。
・太陽(たいよう)・・・眉毛の末端と目尻を結んだ中点から耳に向けて1寸いったところ。目の開閉がしづらい時によく使うツボ。
・迎香(げいこう)・・・小鼻の両横。手の陽明大腸経。鼻疾患や花粉症にも効果的なツボ。
・下関(げかん)・・・頬骨弓中央、口を開けた時、くぼみができる所。麻痺があると特にここが硬くなる。
・地倉(ちそう)・・・口角の端から5分いった所。口の開閉がしづらい時に特に有効。
・翳風(えいふう)・・・実際は、耳たぶに隠れているところで、頭蓋骨のすぐ横の大きなくぼみ。顔面神経がちょうど内耳道を通って茎乳突孔に出てくる所。
・天柱(てんちゅう)・・・後頭部、盆の窪から指2本分、外側にいった所。麻痺があるとこの辺りも非常に硬くなるのでよくほぐすことが重要。
・風池(ふうち)・・・天柱からやや上で指1本分外にいった所。頭部の血行を良くし、頭痛やめまいの予防にも役立つ。
上記以外では、手の合谷穴や足三里のツボはよく使います。
顔面神経麻痺は、発症から早ければ早いほど治りも早くなります。また“冷え”は禁物です。これは外からの冷えはもちろん冷たい飲食物などで身体の中から冷やすこともよくありません。なるべく温かいものを召し上がるようにしましょう。