出張専門の鍼灸院です。はり・きゅう専門。東京23区を中心に出張治療を行っております。
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当院では、東洋医学をベースに鍼灸治療を行っております。そして、治療に際して最も重要なのが、八綱弁証にある「陰陽・虚実・寒熱」の3点です。まずは、陰陽から説明していきたいと思います。
この世のあらゆるもの、現象は全て“陰”と“陽”という相反する二極構造から成り立っているという考え方です。
陰は、ものごとの静的側面を表し、“水”に代表されるように寒さや静けさなどの性質をもちます。陽は、ものごとの動的側面を表し、“火”に代表されるように熱や活動といった性質をもちます。
例をあげると「天と地、太陽と月、右と左、男と女」などです。これらは、全てお互いが密接な関係にあり、どちらかが一方でも欠けてしまうと自然界のバランスが崩れてしまいます。
そして、これは人や病気に対してもいえ、陰陽の調和が乱れ、どちらかに偏ってしまうことで、人は病気になるのです。なので、鍼灸でこの陰陽の過不足を整え、中庸にしてやれば病気は治っていくのです。
従って、まずはその病が陰病なのか、陽病なのかを判別していくことから始まります。例えば、同じ頭痛でも陰病の頭痛と陽病の頭痛では治療法が全く逆になります。
さらに、脈を診て沈んでいればその人は現在陰性の状態にあり、浮いていれば陽性の状態にある、とこのようにして治療の証(あかし)を決めていくのです。
◆ 「虚」に対しては補し、「実」に対しては瀉す..
“虚”とは、足りない・不足している・弱々しいという意味です。つまり、生体が弱っている状態のことを指します。 例えば、肌に弾力やツヤがない、患部を押すとなんだかフニャフニャして力がない、こういう状態を「虚」しているというのです。
そこへ“補”(つまり補う)の手法で鍼や灸をして、適度な弾力やツヤをだし、元気な状態にもっていくのです。“実”の場合は、これとは全く逆のことをします。「瀉」とは、取り去る・除くといった意味です。このようにして、生体が弱った状態や機能が亢進しすぎたのを、元の状態にしてやれば健康になっていくのです。
◆ 「寒」に対しては温め、「熱」に対しては冷やす..
寒熱は、体内の陰陽の気が偏ることで生じます。これは、ちょうど追い焚きした直後のお風呂と考えてよいでしょう。表面の上の方だけが熱く、下の方は冷たい水のまま、これではとても入れません。必ずかき混ぜてから入りますよね。
人体もこれと同じことがいえます。偏った寒熱を鍼や灸でうまく循環させてあげればよいのです。冷え性で手足が冷たい、という方はお灸で温めてあげれば血行が良くなり、冷えが改善します。逆に、ほてりやのぼせといった熱の症状には、冷やす作用のあるツボに鍼をして熱をとります。これが寒熱に対しての治療法です。
病は、必ず五行(肝・心・脾・肺・腎)のどれかが虚した状態、つまり弱った状態で起こります。たとえ、首や肩、腰が痛いといってもその原因は必ず内臓にあるのです。
最近、イライラしたり、怒りっぽいという人は、肝の疏泄作用が低下していたり、あるいは疲れや寝不足が原因で、腎が弱っていたり、とその症状があくまでも首や肩にでているだけなのです。
だから、まずこの虚している臓を治療し、おおもとを治すことが重要なのです。患部のみを治療しても、その時は良いが、またすぐに元に戻ってしまいます。結果(痛むところ)だけを見るのではなく、その原因(五臓)をしっかり見ることが大切なのです。
以上が、私が治療に際して常に心がけていることです。人の身体は千差万別で1人1人違います。いかにその人に合った治療法を見つけ出すことがキーポイントとなります。