出張専門の鍼灸院です。はり・きゅう専門。東京23区を中心に出張治療を行っております。
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自律神経失調症は、病気らしい症状があるのに、病院で診察や検査を受けても、特にこれといった原因が分からない場合につけられることが多い病名です。
< 原因はストレス!? >
はるか昔、人類が2本足で歩き始めた頃、人間に加わるストレスといえば、暑さ・寒さ・空腹・外敵に襲われる危険など、いたって単純なものでした。それだけに対処法もシンプルなものでした。
ところが、時代とともに社会はどんどん複雑化し、それに伴ってストレスの種類も増え、対処するのも容易ではありません。本来、適度なストレスがあってこそ、人間は進歩するといえます。しかし、過度なストレスが続くと、身体ばかりでなく、心も疲れ病んできます。
< では、ストレスを受けると、人間はどのような経過をたどるのでしょうか? >
1.警告期・・・受けたストレスに反応して、身体が警告サインを発している時期。
・疲れる
・なんとなく体調が悪い
・血圧が上がる、あるいは下がる
・肩こりがする
・イライラする、ミスが増える
2.抵抗期・・・ストレスに対する抵抗や反発が起こる時期。疲労感が興奮に変わったり、逆に脱力状態に陥ることもある。
・血圧の変調が本格化する
・心臓や胃の異常が現れる
・血糖値が上がる
・仕事を抱え込んだりして休まなくなる
3.疲弊期・・・疲れきって、自分ではどうにもならなくなり、本当の病気に移行する時期。
・集中力がなくなる
・ふんばりがきかない
・物忘れがひどくなる
・ストレス性潰瘍などの心身症をおこす
・うつ病や神経症などの心の病気になる
よく耳にする言葉ですが、いまいち何のことだか分からない方も多いと思います。自律神経とは、私達の意志とは関係なく、身体の内外からの刺激に自動的に反応して、心臓や肺・胃腸などの働きを調節している神経のことです。
自律神経には、主に緊張時に働く“交感神経”と睡眠中やリラックス時に働く“副交感神経”の2種類あります。交感神経は、身体を活動状態に、副交感神経は、身体の状態を平常に保つように働きかける神経です。この両者がバランス良く働くことで、初めて身体の調子も良好に保たれます。
ところが、ストレスが強すぎたり、その状態が長く続くと、交感神経と副交感神経のバランスがうまく保てなくなります。
すると、自律神経がコントロールしている臓器や器官の働きが乱れるため、全身に様々な不調が現れるようになります。これが、いわゆる自律神経失調症と呼ばれるものです。
例えば、身体の一部がひどく汗をかいたり、逆にかかなくなったりする発汗異常、立ち上がると血圧が異常に下がり、失神して倒れる起立性低血圧などになったりします。
1.全身症状・・・疲れやすさ、だるさ、のぼせ、冷えなど
2.脳神経系の症状・・・めまい、頭痛、集中力の低下、しびれなど
3.循環器系の症状・・・立ちくらみ、脈の乱れ、胸苦しさ、動悸など
4.呼吸器系の症状・・・息切れ、のどの不快感、あくび、咳など
5.消化器系の症状・・・食欲不振、便秘、下痢、吐き気、嘔吐、げっぷ、胃部不快感など
6.運動器系の症状・・・後頭部の痛み、肩こり、腰痛など
7.皮膚の症状・・・青白い皮膚、発汗の異常(過剰・過少)、手足の冷え、顔面紅潮など
8.泌尿器・性器の症状・・・頻尿、性欲減退など
鍼灸の刺激は、身体内部の自律神経系・内分泌系・免疫系の3つに働きかけ、ストレスに対する抵抗力をつけます。この3系統は、体内で密接に関連しており、鍼灸の刺激によって、入力された脳内インパルスが、大脳辺縁系→視床下部→自律神経へと伝わり、交感神経と副交感神経のバランスを整えることで、内臓の機能を調節します。
また、脳内ホルモンの分泌により、刺激が下垂体へ伝達し、そこから分泌される内分泌ホルモンにより、各臓器の働きが調節されます。最後に、脳内で分泌されたホルモン及び神経ペプチドが、免疫系細胞であるB細胞やT細胞へ作用することにより、免疫力が高まります。
・天柱(てんちゅう)・・・後頭部、盆の窪の左右に走る太い筋肉の外側。他に頭痛や肩こりにも効果あり。
・風池(ふうち)・・・天柱から指1本分外に行った所。片頭痛、不眠などにもよく効く。
・大椎(だいつい)・・・ちょうど背骨の真上で頭を前に倒すとでる骨のでっぱり。他に風邪の引き始めなどにも効果あり。
・大杼(だいじょ)・・・第1と第2胸椎棘突起の間の外1寸5分のところ。肩こりや首こり、咳、ぜんそくなどにも効果あり。
・身柱(しんちゅう)・・・第3と第4胸椎棘突起の間。
・内関(ないかん)・・・手の平側、手首のしわ中央から4センチ肘寄り。ストレスを和らげ、精神を落ち着かせてくれるツボ。
・神門(しんもん)・・・手の平側、手首の一番小指側の下にある小さな骨の内側。神経が高ぶったり、情緒不安定になったら押すと良い。
今のこの現代社会を生きる上で、ストレスが全くないという人はほぼ皆無に近いでしょう。いかにストレスと上手につきあうかです。
ストレスをためやすい人の傾向に、物事を1方向からしか見られない、あるいは1つの考えに捉われやすいという傾向があります。発想の転換をはかり、別方向の角度から見てみるようにしてみましょう。何らかの解決策が見出せると思います。
もう1つ重要なことは「疲れたな」と思ったら、無理をせず、休息をとることです。疲れたという感覚は、心や身体からの重要なシグナルなので、素直にそれに従うことが大切です。