一日目
成田からローマへ
 
二日目
バチカン美術館
 
三日目
パラティーノの丘

フォロ・ロマーノ
コロッセオ

サンピエトロ寺院
カラカラ浴場

 
 四日目
トレヴィの泉
アラ・パチス
スペイン階段
マッシモ宮
 
五日目
真実の口
オスティア・アンティカ

スペイン階段
パンテオン


>>フランス旅行記
フォロ・ロマーノ
古代ローマ史ファンの聖地、フォロ・ロマーノは今回のローマ旅行最大の目玉です。
万全の状態で望む・・・はずでした。
しかし・・・あ、あつ〜〜い!!時間はちょうど正午。一体何度あるのかというほどの暑さです。日陰には人が一杯。みんなちょうど日陰の形に寄り添うように座っています(^-^;)
 
まずはパラティーノの丘からフォロ・ロマーノに向かう階段を下ります。
フォロ・ロマーノ地図
すると、どこからか涼しげな音が。なんと、パラティーノの丘から小さな滝のように水が流れて小さな池を作っていました。
金魚が泳ぐ池は透明で本当にきれい。金魚がいなければ飲みたいぐらいです。奥には屋内の小さな神殿のような物があり、水の流れの周りに彫像が置かれ、少し神秘的な感じでした(*^_^*)
降りればマクセンティウスのバジリカです。これはすごかったです。写真で見るのと全然違う。想像よりはるかにおおきくて、びっくりしました。写真の人と比較してください。これを鉄骨など無い時代に作ったなんて信じられない。すごい技術ですよね。
ツタがからまり涼しげ(でも暑い) マクセンティウスのバジリカ
 水がなければ死ぬ〜(>_<)!
それにしても暑い。夫はマクセンティウスのバジリカの所では、ビデオを撮るのが精一杯で、肉眼で見た覚えが無いそうです(^-^;)どれだけギリギリだったか分かりますねー!
という訳で、出口そばの日陰で一休み。周りにも暑さでバテバテの人が休んでいます。のどももうカラカラ。でもフォロ・ロマーノ内には売店一つ無いんですね〜(T_T)
 
手前の日陰で大勢休んでました〜(^^ゞ
しばらく休んでいたものの、一向に楽にならず、むしろ喉の渇きは増すばかりです。これは、熱中症になっちゃいそう。なんとしても水を確保しないと。
いったん外に出ようと思って出口を探すと、なんと柵があります。
実は、何度か出てきているのですが、事前調査ではフォロ・ロマーノは無料、出入り自由のはずだったんです。でも、有料になっていて、そのため出入り口はチェックがあるんですね〜。
この時初めて分かりました。一度出ると、再度入場料取られそう。でも、もう限界〜〜。ということで、母だけ外に出て水を買ってくることに。
でも、やっぱりもったいないなぁ。パラティーノ、コロッセオとの共通入場券だから、2000円近いんですよね・・・。ダメもとで入り口のお兄さんにお願い。「こ、子供が喉が乾いて・・・(ヨロヨロ)。お水を買いたいのですが、外に出られませんか・・・(・_・、」
するとお兄さん、「再入場する時は僕に言って!」と笑顔。おお〜、哀れっぽさが効いたか♪
 
出口を出ると、10歩先にはもう売店がありました。足元見られすぎです。値段は3ユーロ。カチンコチンに凍っています!おおおー、夢にまで見た冷たい水(おおげさ)、高いけど、もう値段なんて問題じゃありません〜!(>_<) 四本購入して再入場です。
フォロ・ロマーノ内のフォンタネッラ
入り口では先ほどのお兄さんがすぐに気付いてくれて、自分が持っているチケットのバーコードで入場させてくれました。危ない危ない、お兄さんの親切が無ければ、一気に23ユーロ(その日のレートで3910円!)のお水になるところでした(^^ゞ
 
中を見ると、家族がヘロヘロになって座っています。手に持った水を掲げると皆笑顔!よかった、よかった!
これからはこのペットボトルにフォンタネッラのお水を入れて持ち歩けば、怖いものなし!(^。^)v
氷水で元気百倍!早速、フォロ・ロマーノ観光の続きに出発です〜♪
 カエサル神殿
カエサル神殿
まず向かったのは古代ローマ史上最大のヒーローカエサルの神殿です。ここはカエサルが暗殺された後、荼毘に付された場所なんですね。今でもお花が供えられていました。
 
カエサルは様々な戦争をしましたが、征服した国を支配する時、力を使いません。その土地土地の風習や信仰を許し、徐々にローマ化させていくことによって支配するんですね〜。古代ローマ人が大切にした「クレメンティア(寛容)」の精神を体現したような人です。結局はその寛容さでかつて許した政敵から、暗殺されることになるのですが、暗殺者たちは暗殺実行から2年後には全員不遇の死を遂げています。
ローマ市民や実力者が、愛すべきカエサルを暗殺した人たちを許さなかったんですね。
 
カエサルが荼毘に付されたところ
今もいろんな戦争がありますが、どこも自分達の常識を相手に押し付けているような気がしますよね。なぜ、お互いの違いを許しあわないのかなぁって思います。
そういう意味でも、カエサルは今でもヒーローなのだと思います(*^_^*)
 
長男は「カエサル神殿を見たら泣いてしまうかも」と予告していました(笑)彼にとって古代史上最大のヒーローなのです。この日も「俺、感無量」という顔をしていました。この暑さが無かったら、ホントに泣いてたかも〜(^^ゞ
目の前に歴史が・・・
「よってカルタゴは滅ぼさねばならない!」
カエサル神殿を見終え、フォロ・ロマーノを反時計回りにまわっていきます。
まず目に付くのはクーリア(元老院)。古代ローマの政治の中心だったところです。アウグストゥスが皇帝になるまで、元老院議員が共和制ローマの最高機関でした。ここで議員達が政策を論議し、実行に移していったわけです。とても二千年前の話とは思えませんね。
ただ、このクーリアは近年復元されたものです。どうなんでしょ。復元しすぎじゃないのかなぁ(^^ゞ
でも、この建物の中には、実際議員たちが意見を述べる時に立った演台が残されているとのこと。ぜひ見たいと思ったのですが、門が閉じていて見られませんでしたー(>_<)
つづいてその奥にはセヴェルスの凱旋門があります。この凱旋門がローマで初めて建てられたものです。203年のセヴェルス帝、即位10周年と東方遠征勝利を記念して建立されました。左右のアーチのうえにはパルティア人と軍神マルスが描かれています。
とてもキレイな凱旋門です。アーチの天井はかわいらしい花柄。戦勝記念にはあまりふさわしくないかも(^-^;)
となりにはサトゥルノの神殿の円柱です。この神殿は古代ローマでもっとも神聖な場所とされたカンピドーリオへ続く道に作られました。サトゥルノとは奴隷制の無い平和な世界を築いた伝説の神です。
「奴隷制の無い世界」を作った神をたたえるというところにも、古代ローマ人のすごさが出てるなぁと思います。
奥はサトゥルノの神殿の円柱 天井
清き一票をという感じだったんでしょうかね〜
つづいて左側に見えるのが演台(ロストリ)です。ここで市民に対して支持を訴えたり、政策を演説したりしたんですねー。とても分かりやすい直接民主制です(^-^)
この旅行に出る前に塩野七生さんの「ローマ人の物語」を読みました。その本の中で、よくこの演台の上で、市民に向かって演説をする場面が出てくるんです。
ローマの最高権力者、執政官ですら、市民の投票で選ばれる社会ですから、ここからの演説もさぞ、熱が入ったことでしょうね。
2000年過ぎていますが、これほどキレイに演台が残っていると、その当時の歓声まで聞こえてきそうです!(*^_^*)
 
ローマでは必ず都市の中心に広場(フォロ)があり、そこで集まって、様々なことが決められました。この後行くオスティア・アンティカという都市も、町の中心はフォロ、そして雨の時にも集まれるように、隣には屋根つきのバジリカ(集会場)があります。
建築資材になっちゃったんでしょうか
演台の前にはユリウスのバジリカがあります。これはカエサル(ユリウス・カエサル)が作り始め、アウグストゥスが完成したバジリカです。でも、ほとんどのものは略奪され、今は19世紀の柱のみが残ります。
帝政時代はここが政治の中心でした。
 
写真左すみ見えるのはヴェスタ神殿です。火の女神ヴェスタを祭る神殿で、ここの巫女は皇帝に次ぐ高い地位とされていました。傍らには巫女の像があるのですが、そのうち一つ(クラウディア)の首が取れているのはキリスト教に改宗したためといわれています。
その前にはアントニヌスとファウスティーナの神殿があります。五賢帝の一人アントニヌス・ピヌス帝が皇后ファウスティーナを祭るために作った神殿です。アントニヌス・ピヌス帝自身もここに祭られています。11世紀にサンロレンツォ・イン・ミランダ教会が円柱の中に建てられました。なんか妙にマッチしていますよね。
アントニヌス・ピヌス帝といえば、エジプトに行ったとき、メディネトハブ(ラムセス三世葬祭殿)で写真のような美しい浮き彫りを見ました。アントニヌス帝が作ったものです。なんか「また会ったね」という気分(?)です(笑) 
メディネト・ハブの旅行記はこちら
妙にカッコイイ メディネトハブのレリーフ
フォロ・ロマーノをぐるりと一回りしました。それにしても、ものすごい重要施設が目白押し。ここが古代ローマの中心だったことがよく分かります。今は観光客だらけですが、このフォロの中心を走る「聖なる道」にはトーガを着た元老院議員や貴族、そして市民達が行き交っていたのでしょうね〜。
ここも、そしてこれから行くコロッセオも、中世に建築資材として略奪され、往時とは比べ物にならない状態なのでしょうが、それでもやはり、実際の歴史の舞台だったという迫力があります♪
素晴らしい場所でした(*^_^*)
 コロッセオへ
資材はあちこちから剥がしてきたものとか(^-^;
フォロ・ロマーノの出口を出ると、目の前にコンスタンティヌス帝の凱旋門があります。
コンスタンティヌス帝は東西ローマの再統一を果たし、ローマに入城、先ほど見たフォロロマーノの演台に立って演説を行いました。その戦勝を記念して作られたのがこの凱旋門です。コンスタンティヌス帝はキリスト教を公認したことでも知られ、聖人に列せられています。サンピエトロ寺院にも像がありました。
パリのエトワール凱旋門のモデルになったのはこの凱旋門だそうです。
保存状態も良く、とてもキレイな凱旋門でした。
迫力があるうえに美しい
凱旋門を過ぎるとゆっくりとした下り坂で、目の前に大きなコロッセオが見えます。大きすぎて全体像がつかめないほど!大迫力です。
近づいて行くと、おおっ!ローマ兵がいます!このローマ兵、実は有名なんですね〜。あちこちのガイドブックに、ぼるので注意と書かれています。ちなみに2005年版の地球の歩き方だと2万円取られた人がいると書いてあります。ひぇ〜、恐ろしいですねぇ。
 
・・・でも、ちょっといいですよね、これ♪コロッセオの前でローマ兵と記念撮影。ミーハーな我が家にとっては、こたえられないイベントです!ちょっと様子をうかがってみましょう。
 
地球の歩き方を見ていない外国人旅行者は臆せず値段交渉しています。おお、さっきの家族連れは15ユーロ、次の二人連れは10ユーロで決定かな。
10ユーロならいいかも。でも、今ユーロ高いから1700円になるんですよね〜。うーむ、ちょっと交渉してみましょう。
 
出たーって感じですね(笑)
いくらなのー?と聞くと10ユーロ。予想通りの答えです。じゃあ、いいわと帰る振りをすると、「日本人か?」との問い。そうだと答えると、「じゃ、5ユーロでいい」 おおー?ユーロ高を知っているのでしょうか。それとも親日家?(笑)
ラッキーと思いつつも、もう少し!と言ってみたら、4ユーロにしてくれました(^_^)v
忘れずに、「全員で4ユーロね?」と確認。しっかり記念撮影しました♪撮影後、4ユーロにしてくれた彼は、ボスみたいな年配者から、クレイジー呼ばわりされてましたが、まあ、いい値段ですよねぇ(*^_^*)
悪徳なローマ兵もいるでしょうから注意するに越したことはありませんが、我が家はいい記念ができました♪
一階の通路
撮影終了後、コロッセオ入場口に向かいます。この日は100mほどの列ができていました。でもこれはチケットを買うための列。私達はローマパスを持っているので、列を横目にどんどん中へ入っていけます。ローマパス所持者が間違って列に並ばないように、係員が何度も「ローマパスなどのチケットを持っている人はこちらへ並んでください〜」と声を上げていました。
チケットを持っている人の列は、列というほどのものではなく、流れに沿って歩いていると入り口になります。あっさりと入場することができました。
コロッセオはウェスパシアヌス帝の命により紀元80年に完成しました。収容人数は5万人(一説では7万人以上!)。完成記念のイベントでは2000人の剣闘士と9000頭の動物の命が失われたといわれています。残酷ですね。
 
 
当時、一階は貴賓席、二階は市民席、三階は立見席になっていました。周囲の入り口の各アーチには番号が刻まれ、観客席の周りに環状の通路を配することで、観客の入退場をスムーズに行えるよう工夫されていたそうです。
 
とにかく巨大(コロッサーレ)です〜 コロッセオのフロアプラン
 
猛獣がせり上がっている所の模型
外観は大理石が持ち去られ、すっかり地がむき出しになっていますが、中の廊下や階段は立派なものです。幅4m以上ありそうな重厚な階段を上ると、視界が開けアレーナの部分が見えました。
ものすごーく広いです。中央のアレーナの部分を取り巻く観客席が聳え立つようです。これはすごい。こういう建築物は実物を見るとやはり迫力が違いますね〜!
 
アレーナ部分は床が抜け落ち、下の猛獣を入れておくところや剣闘士が待機する部屋などがむき出しになっています。観客席部分も椅子などはまったく残っていません。でも、十分に往時を偲ぶことができました。