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−渇水2− 8月に「暑い日が続いています。とうとう近くの川では水が一滴も流れなくなってしまいました。」とこの欄に書きました。その後8月最後の日,どうにか水が流れるようになりました。世の中には何を見ても学べる人がいて,「水」から人生訓を得る人もいます。「上善は水のごとし」。人生の最高のあり方は水のように生きることだと昔の人は言ったそうです。 −渇水3− 「人生の最高のあり方は水のように生きること」水はあらゆるものに必要とされながら,自己を主張せず,どこよりも低い所を選んで流れていく。そういう,人に必要とされる能力を持ちながら,あくまで謙虚さを持ち続ける生き方ができればいいなあという憧れを表しています。このように,「水」を見て生き方の哲学を学ぶ人がいれば,「豆腐」を見て学ぶ人もいます。 −渇水4− 次のような詩があります。作者がよく分からないのですが,「豆腐」から生き方を学ぶこともできるようです。
−渇水5− 水を見ても豆腐を見ても哲学できる人は,きっと人生を深く考えている人か,とんでもない失敗をしてきた人か・・・。とにかくしっかり悩んでいるから,その対局にあるものに憧れを持つのでしょう。「水のごとし」や「豆腐信仰」という言葉が生まれるということは,誰もが自分を生きるしんどさと向き合っている証拠。と思い,連帯感で気分を和らげています。 −春風駘蕩− 「春風がのどかに吹くさま。転じて,性格・態度がのんびりしているさま。」と広辞苑に「春風駘蕩」の意味が書かれています。この言葉を体現している人物を描いているのが,「居眠り磐音 江戸双紙」(佐伯泰英・双葉社)です。NHKテレビでもドラマのパート2が始まりました。人としての奥ゆかしさをしみじみ感じさせてもらえる物語です。 −心の元気1− 人生はドラマですから,毎日いろいろな事が起こります。叱責され,失敗し,注文をつけられ,陰口を言われ,自己嫌悪に陥ることもあります。全て自分の環境は自分の心が作るものですから,自分のせいだとは思っても元気がなくなります。 −心の元気2− 職場で元気がなくなって,家に帰ると子育ての悩みが襲いかかってくると二重の苦しみを味わうことになります。全ては自分が招く苦しみです。きっと後になれば,あの頃が一番生きる張り合いがあったなどと思うのでしょうが,ドラマの主人公になっている間はそんな味わいを感じられる余裕はありません。 −心の元気3− 仕事は追いかけろと言われます。やってもやっても報われないのが世の常ではありますが,それでも向かっていくうちはやりがいもあります。どのような評価を受けようと,評価されなくても,自分なりのプラスアルファのある仕事をしていれば,取り敢えず大丈夫なのではないかと思っています。 −心の元気4− 追いかけていても,その仕事が評価されないと,心の元気が出ない時もあります。そんな時は,五木寛之さんの「生きるヒント」にも書いてありましたが,身のまわりの小さな幸せを見つけ,それをしばらくの間反すうしては味わいます。その本には「1日の中に小さな幸せを見つけようと決意する。そう思っていれば,例えば今日食べたラーメンは本当においしかったと喜べるようになる。」というようなことが書いてありました。 −心の元気5− 最近反すうしている小さな幸せの1つは卒業生の一言です。先日卒業生の保護者から,子どもが「あの先生は子どもの心に火をつけるのが得意だ。」と言っていたと教えてもらいました。こんな一言を時々思い出しては心の元気を取り戻します。 −心の元気6− もう1つの最近の小さな幸せは趣味の世界での出来事です。今年は2回ゴルフに誘われて行くことができました。1回目は8月に39,41,2回目は9月で40,40でした。9月に行ったコースは2年前までプロのトーナメントが開かれ,私もよく観に行っていたコースでした。目の前でプロが打っていた場所に自分が立ってプレーをするという感激を味わったことも幸せでしたが,キャディとしてついてくれた若い研修生の一言が心の元気を与えてくれました。 −心の元気7− その研修生は淡々と正確な情報を与えてくれていました。そして,あるホールで打った私の1打目を見て,ここまで飛ばした人を初めて見たと言ってくれました。私はその時,まぐれという意味で「私も初めて見ました。」と言ったのですが,あの研修生の一言を思い出すだけで,その後の何週間は心の底が温かくなるのでした。 10月へ |