会社を設立する- 法人の種類と比較
会社にはいろいろな種類があります。
自分がやろうとしている事業は、どの法人形態が適しているのか、比較して検討してみてください。
5種類の法人に限定しています
このサイトでは、すべての法人形態を網羅しているわけではありません。
一般的に考えられる法人4種類(株式会社、合同会社、NPO法人、一般社団法人)と、1つだけ特殊な法人(社会福祉法人)の計5種類に限定して記載しています。
それらの比較について、このページをご参照ください。
それぞれの法人形態についての内容は、各法人形態を個別にとりあげた下記のページをご参照ください。
営利目的の会社と非営利目的の法人
この5つの法人は、大きく2つのグループに分けられます。
1つは、「営利を目的とする」株式会社と、合同会社
もう1つは、「非営利活動を目的とする」NPO法人、一般社団法人、社会福祉法人
「営利を目的とする」とは、事業で得た利益を、配当などによって分配することができる、ということです。
「非営利活動を目的とする」とは、営利を目的としない、つまり、利益を分配することができない、ということです。
そこでまずグループごとの比較表をそれぞれ掲載します。
その下に5種類すべての法人の比較表を掲載します。
[営利目的の株式会社と合同会社の比較表]
株式会社 | 合同会社 | |
事業目的 | 自由 | 自由 |
設立手続き | 登記のみ | 登記のみ |
所轄庁 | なし | なし |
資本金 | 1円以上 | 1円以上 |
定款認証費用 | 40,000円 (電子認証の場合は0円) |
0円 |
定款認証手数料等 | 約52,000円 | 0円 |
登録免許税 | 最低150,000円 (資本金額×7/1,000) |
最低60,000円 (資本金額×7/1,000) |
設立必要人数 | 1人以上 | 1人以上 |
役員の任期 | 2年~10年 | 任期なし |
決算の公開 | 公告義務あり | 公告義務なし |
税制 | 全所得に課税 |
全所得に課税 |
信用力 | 取引相手として高め | 取引相手としてやや低め |
特徴 | 所有と経営の分離 配当の金額は原則として持ち株数に比例する 上場の途がある 「代表取締役」を名乗れる |
所有と経営が一致 配当について、持分(出資額)に関係なく割合を決定できる 身内経営の小規模イメージ 会社設立や維持にかかるコストが最も低い |
[非営利目的のNPO法人、一般社団法人、社会福祉法人の比較表]
NPO法人 | 一般社団法人 | 社会福祉法人 | |
事業目的 | 主として20種類の特定非営利活動 (収益事業も可) |
自由 (公益事業、収益事業など可) |
社会福祉事業 (その他、公益事業、収益事業など可) |
設立手続き | 登記と、所轄庁の認証 | 登記のみ (認証は不要) |
所轄庁の認可後、2週間以内に登記 |
所轄庁 | 都道府県 政令指定都市 |
なし | 都道府県 政令指定都市 中核市 |
資本金 | 0円 | 0円 | 0円 |
定款認証費用 | 0円 | 0円 | 0円 |
定款認証手数料等 | 0円 | 約52,000円 | 0円 |
登録免許税 | 0円 | 60,000円 | 0円 |
設立必要人数 | 10人以上 | 2人以上 | 理事6名以上 監事2名以上 理事2倍超の評議員 |
役員の任期 | 原則2年 | 理事:2年以内 監事:4年以内 |
2年以内 |
決算の公開 | 決算書類等を所轄庁に提出 | 公告義務あり | 財務諸表を含む現況報告書を所轄庁に提出 |
税制 | 原則非課税 住民税均等割は原則課税 収益事業には課税 |
「非営利型法人」は原則非課税 住民税均等割は原則課税 収益事業は課税 「営利型法人」は全所得に課税 |
原則非課税 収益事業には課税 |
信用力 | 取引相手としてやや劣る | 取引相手として低くはない | 取引相手として高め |
特徴 | 利益を配当することはできない 役員報酬について独自の規制がある 儲け主義でない清廉潔白なイメージ お金がないイメージも 設立時や毎年、所轄庁への提出書類が膨大で時間やコストがかかる |
利益を配当することはできない 役員報酬について独自の規制はない 中身と関係なく利潤追求型でないイメージを持たれやすい |
利益を配当することはできない 設立には人的要件や財産的な要件など厳しい規制がある 運営についても厳しい監督がある 公的な支援や助成が手厚い 社会福祉会計が求められる |
5種類の法人の比較
上記2つの比較表をつなぎ合わせたもので、記載内容は同じです。
[株式会社、合同会社、NPO法人、一般社団法人、社会福祉法人の比較表]
株式会社 | 合同会社 | NPO法人 | 一般社団法人 | 社会福祉法人 | |
事業目的 | 自由 | 自由 | 主として20種類の特定非営利活動 (収益事業も可) |
自由 (公益事業、収益事業など可) |
社会福祉事業 (その他、公益事業、収益事業など可) |
設立手続き | 登記のみ | 登記のみ | 登記と、所轄庁の認証 | 登記のみ (認証は不要) |
所轄庁の認可後、2週間以内に登記 |
所轄庁 | なし | なし | 都道府県 政令指定都市 |
なし | 都道府県 政令指定都市 中核市 |
資本金 | 1円以上 | 1円以上 | 0円 | 0円 | 0円 |
定款認証費用 | 40,000円 (電子認証の場合は0円) |
0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
定款認証手数料等 | 約52,000円 | 0円 | 0円 | 約52,000円 | 0円 |
登録免許税 | 最低150,000円 (資本金額×7/1,000) |
最低60,000円 (資本金額×7/1,000) |
0円 | 60,000円 | 0円 |
設立必要人数 | 1人以上 | 1人以上 | 10人以上 | 2人以上 | 理事6名以上 監事2名以上 理事2倍超の評議員 |
役員の任期 | 2年~10年 | 任期なし | 原則2年 | 理事:2年以内 監事:4年以内 |
2年以内 |
決算の公開 | 公告義務あり | 公告義務なし | 決算書類等を所轄庁に提出 | 公告義務あり | 財務諸表を含む現況報告書を所轄庁に提出 |
税制 | 全所得に課税 | 全所得に課税 | 原則非課税 住民税均等割は原則課税 収益事業には課税 |
「非営利型法人」は原則非課税 住民税均等割は原則課税 収益事業は課税 「営利型法人」は全所得に課税 |
原則非課税 収益事業には課税 |
信用力 | 取引相手として高め | 取引相手としてやや低め | 取引相手としてやや劣る | 取引相手として低くはない | 取引相手として高め |
特徴 | 所有と経営の分離 配当の金額は原則として持ち株数に比例する 上場の途がある 「代表取締役」を名乗れる |
所有と経営が一致 配当について、持分(出資額)に関係なく割合を決定できる 身内経営の小規模イメージ 会社設立・維持にかかるコストが最も低い |
利益を配当することはできない 役員報酬について独自の規制がある 儲け主義でない清廉潔白なイメージ お金がないイメージも 設立時や毎年、所轄庁への提出書類が膨大で時間やコストがかかる |
利益を配当することはできない 役員報酬について独自の規制はない 中身と関係なく利潤追求型でないイメージを持たれやすい |
利益を配当することはできない 設立には人的要件や財産的な要件など厳しい規制がある 運営についても厳しい監督がある 公的な支援や助成が手厚い 社会福祉会計が求められる |
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