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「本日のお買い物」のナンバー部分をクリックすると、当該書籍の購入画面にジャンプいたしますので、ご利用ください。


2002年11月01日(金)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20021101~.htm#Day01

 深夜1時前後にとーとー100,000Hitを記録いたしました。記念企画を用意しておりますのでちーとお待ちください。いやね、午後7時頃に細々とした修正だけ行ってアップしたら、そのままアンテナに検出されてしまったもんで、改めてお断りのみ掲載してアップしなおし。正式の更新はのちほどー。

 というわけで、予告通りの記念企画はこちら。題して「俺に訊け。」詳細はリンク先を参照ください……題名で見え見えでしょうけど。

 企画の応募受付用フォームに、Justnetが統合されたSo-Netのスペースとサービスを利用してみよう、と各種データを引っ張り出し設定を試みる……が、はっきり言おう、無茶苦茶使い勝手が悪い。シンプルだが返信用の設定が楽だったジャストネットのメール送信フォームに対して、So-Netのフォームの扱いづらいこと。セキュリティのためとは言えサーバに置いていない状態での実験が出来ないばかりか、サーバに転送してもインターネットセキュリティ用のソフトと衝突して、ソフトを切らないと使えないのだ。まだジャストネットの方が使えるとは言え、今更こちらに置くのも癪に障る。そんなわけで、送信フォーム利用の受付は止めてメールのみにしてしまいました。作業が詰まりすぎてこれが限界です何卒御容赦を。
 しかし、Hoops!統合のときも感じたが、なんで統合したほうがサービスが劣悪になるのやら。

 昨日はばたばたしていたために殆ど作業が進まなかった。反省して今日は真面目にパソコンに向かう――が、平生と異なる文体と内容でフラストレーションが溜まったのか、唐突に数年来の腹案に手をつけてしまう。こちらもジャンルとしては私がこれまで書いてきたものとかなり異なるのだが、丁度いま手掛けているものと対極に位置する文体と内容なので、いい具合にバランスが取れるらしく、まあ愉しいこと愉しいこと。実のところ、テーマと主人公まわりの数人ぐらいしか設定が固まってないという問題を孕んでいるのだが、ま、なんとかなるやろ。

 bk1の提携IDを間違えていた所為で、自分で買った分からのバックもありませんでした……しくしくしく……とりあえず解る範囲で修正。

 本日のお買い物
,大乃元初奈『おねがい朝倉さん(2)』(MANGA TIME COMICS/芳文社)
,八木教広『CLAYMORE(3)』(JUMP COMICS/集英社)
,影崎由那『大正小町事件帖 櫻の一番! 四ノ巻』(DRAGON COMICS/角川書店)
,恩田 陸『ロミオとロミオは永遠に』(HAYAKAWA SF SERIES J-COLLECTION/早川書房)

 楽しみにしていた1ですが、……なんかな、ネタの処理がありま巧くない。新人であった1巻のうちは兎も角、もうちょっと消化してから出すべきでなかったか、というネタがあまりに多すぎる。ハリー・ポッターの原書ならそれほど読むのは辛くないだろうし、どこに忘れてきたかだいたい察しのつく忘れ物だって存在する(見つけたあとでなら、「あそこに忘れ物をしたから」という表現にだってなりうる)。ギャグとしてずーっと表のうえに紙を継ぎ足してグラフを作る、というのがあって、基準を変えたら他が低くなった、というのがあるが、この設定も「営業成績を発表するためにグラフを作るのか、成績を順次書き足していくからグラフが足りなくなるのか」によって意味合いが異なり、前者であれば実は継ぎ足して作る、という発想自体が無効になるはず。普通グラフを作る場合、いちばん上位のものがどのラインに達するかをまず考慮するはずなのだから。作者の考察が深いところまで行き届いていないのが解るから、いまいち乗り切れない。そういう点も相俟ってか、朝倉さんの魅力もこの巻ではかなーり説得力を欠くものになってしまった、という印象がある。いや、まだ冒頭30ページぐらいしか読んでませんが、それにしてもなー……。間隔があったせいで期待が大きくなりすぎたのかも知れず。
 1に引っかかっているのでまだ読めてませんが、2はクレアがクレイモアとなる以前の物語になっている模様。3は思ったよりペースが速い第四巻。そういや掲載誌を立ち読みしたら、例の不思議な文字はちゃんと手偏になってた気がしました(ちゃんとは確認してません)。
 4はbk1で予約購入。厚い。厚いぞ。粗筋を見る限り、近未来を舞台に、現代のサブカルチャーを題材とした一風変わった趣の青春小説らしいが。各章のサブタイトルは名画から取ってある。

100,000Hit記念企画
「俺に訊け。」
当サイトの管理人・深川 拓に何か御質問をお願いします。
今回は賞品も御用意いたしました。
(……だいたい想像通りの内容ですが……)
応募詳細はこちらから
(募集期間・11/01〜11/25、発表時期・12月末予定)


2002年11月02日(土)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20021101~.htm#Day02

 最近、日記の内容を細々とチェックしている余裕がありません。ために、本来検証するべきことを省いたり、実につまらない誤字脱字が頻発したりしております。現に昨日も、記念企画のページに肝心の応募先アドレスを書き忘れる、というある意味最強のポカをしでかしておりました。いずれも気づいたときこっそりと訂正していたりしますが、発見した場合は御指摘くださるか寛容に見逃していただければ幸いです。あんましつつかないでね。
 なお、質問例最後の「うまいか?」は阿部寛の声を想定してください。

 昨日の拾遺。
 無駄に興奮していたせいか、思わず11/1から予約受付開始となった某ゲームソフトをメーカーサイトで予約する。その注文画面の末尾に、発売記念イベントに参加を希望するか否か、という選択項目があった。イベント自体は嫌いではないが無意味に濃い人々が集まりそうな内容ゆえ、さほど積極的に参加したいとは思わず一旦はチェックを外したのだが、ギリギリになって「どーせ抽選で弾かれるだろうから、余興として申し込んでみるのもいいだろう」と思い立ち、チェックを入れ直して申込をした。
 その後、夜も更けてから何気なく、自宅に届いていた問題のソフトの通販予約開始を知らせるDMを読んでみたところ――一番下に、こんなことが書いてあった。
「注文受付の完了された方を先着順でご招待致します」
 注文の記録を引っ張り出してみた。――午後7時台。
 普通に考えて外れる可能性の方が低い早さ。どないしよ。

 そして本日は週末。恒例の映画鑑賞である――が、朝、ギリギリになっても何を見に行くか決められない。『ザ・リング』とか『たそがれ清兵衛』は仮に上映期間が短くなっても終了直前に駆け付けられるがミニシアター系列はそうも行かない、ということで、いま観たいものが大挙している渋谷から恵比寿界隈を目指して出発。恵比寿でかかっているほうは既に集合時刻に間に合わないので渋谷で降り、あちこち眺めてから、最終的に鑑賞したのは妙な世界観のフルCGアニメーションTAMALA 2010』(KINETIQUE・配給)感想はこちらから
 ちなみにこの作品、上映館であるシネ・クイントのカウンターでチケット購入時に「招き猫」を提示すると一般1000円で鑑賞できます。念のために用意しておいてよかった、が果たしてこのサービスは世間的にどの程度認知されているのだろう。私がロビーでうろうろしているときには他に見かけなかった気がするんだが。
 帰宅後も例によってだらだら。

 弥生美術館にお立ち寄りの際は是非とも竹久夢二の展示の方も御覧戴きたく。


2002年11月03日(日)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20021101~.htm#Day03

 小松和彦『憑霊信仰論 妖怪研究への試み』(講談社学術文庫/講談社)(bk1)読了。ちなみに記録上5年半かけて読んだことになってます。第三章なんか、三回ぐらい頭から読み直した記憶があるな……。
 京極夏彦氏の『妖怪シリーズ』で鳥山石燕の妖怪画とともに参考文献の筆頭に上がる著書だけあって、馴染み深いテーマが並ぶ。いずれの論文も「過程」であることに自覚的であり、こと資料不足の点は否めないものの、その後の小松氏や京極氏の活動と併せて評価するとやはり意義深い1冊と感じるわけで。随分と時間を費やして読んだのもそれだけ沢山の示唆を受けたからで、現に色々と題材の鍵を拾い上げられたのだけど――初刊からこれだけ時間が経過していると誰かやってそうだな。何はともあれ、美味しゅう御座いました。
 で、もしかしたら間をおかずに『神々の精神史』にも着手した方がいいのだろうか。

 日曜日は何かしなければと思いつつだらだらするのが常なのだが、今日は予定があって午後4時頃に惰眠から脱し、近所の駅前でU氏と落ち合って有楽町まで。珍しく取引先からプレミア試写会の招待状を頂戴したのである。ものは、スティーヴン・スピルバーグ監督、トム・クルーズ主演、フィリップ・K・ディック原作のSF大作マイノリティ・リポート』(20世紀フォックス・配給)
 5時台に会場である国際フォーラムに到着。想像以上に長い列があったが、問題なく座席指定券を入手。開映20分前ぐらいに再度会場入りしたときもまだ換券をしていたようだから、実際には相当余裕があったらしい。
 開映は8時、開場までも2時間ほどあるので、方々で時間を潰す。と言っても毎度のように本屋に立ち寄り、軽い食事をしたあとビックカメラでゲームを中心に散策しただけである。しかも今日の私は自分で何も買わず、同行したU氏にのみ買わせる非道ぶりを発揮したのだった。非道ついでにU氏が購入したのはベニー松山『風よ。龍に届いているか(上)(下)』(創土社)、矢崎存美『幽霊は生死不明』、『ホラー・アンソロジー 悪夢制御装置』(以上2冊、スニーカー・ミステリ倶楽部/角川スニーカー文庫/角川書店)。私はゲーム中心に盛んに薦められたが結局ひとつも買わなかった。ああ剣呑剣呑。
 そして8時から開映。フォックス作品のみの予告編含み2時間半。感想は――日記を書き始めた時間も遅かったし、どーせ書いても公開はまだ1ヶ月も先なので急ぐこともなかろー、ということで。それでも明日明後日ぐらいにはアップしますけど。自分が忘れないうちに。
 帰宅後、野間美由紀さんの今日付けの日記を観たら、どうやら今日だけで三回も試写を行ったようだ。それにしても……私、本当に映画については寛容らしい。

 で、本日のお買い物はゼロなのかというとさにあらず。
,折原 一『倒錯のオブジェ 天井男の奇想 Rooms Unknown』
,加納朋子『虹の家のアリス』(2冊とも、本格ミステリ・マスターズ/文藝春秋)

 いずれもbk1より。無条件に信頼できる作家とシリーズ作品なので楽しみー……と言いつつ、でもやっぱり『アリス』はこのフォーマットで出して欲しくなかったなー。

 そういや冬野佳之さんの日記で東京ファンタジック映画祭のクロージング・シークレット作品の内容を知ったのですが、この『ALEX』って、鑑賞希望一覧にずーっと書いておいた『イリヴァーシブル』のことではなかろーか。サイト全体のアクセス解析で、検索キーワードとしてかなり頻繁に拾われていて訝しがっていた、という経緯があったりする。『ALEX』と『イリヴァーシブル』どちらが邦題として宜しいのか……は中身を観てから判断しようか。ちなみに後者は『不可逆』の意。
 そんなわけで、映画祭での上映手段の是非はさておき、内容的には非常に楽しみにしていたりする。その方向性を知ってなお。来年2月か……

 10万Hit記念企画、応募お待ちしてます〜。現在まだお二方。


2002年11月04日(月)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20021101~.htm#Day04

「俺に訊け。」応募者の表記に単純な勘違いがあったので修正。本家の茗荷丸さんからの応募もいただいて3名です。

 昨晩鑑賞した『マイノリティ・リポート』の感想をアップしました。こちらからどうぞ。昨日ちこっと触れた野間さんの日記で否定要素として挙げていた箇所がまっっったく引っかからなかった私には充分面白かった、というわけです。予備知識をなるべく入れずに鑑賞したいと思われる方は御覧にならぬように。
 ちなみにこれで劇場で鑑賞した作品は77本となります。100は無理だが90には達しそうな勢い。よう観たなぁ……。そしてまだまだ観るのだろう。

 プレミア試写会の招待状が確保できてしまったことで一般での参加も断念した文学フリマだが……行かなくて良かった気がする。この報告を読む限り、私たぶん切れてただろうし……。
 なんでコミケとかから学習しないかなあ。たとえ規模は小さくても、主賓格のブースに人が殺到する可能性ぐらい考慮するべきだろうに。ましてその価格設定って……ページ数とかの情報を見つけてないので判断のしようがないのだが……普通、コピー誌の値段じゃなかろうに。

 で、その文学フリマに出没されたらしい暮三文さんだが……なんか、最近、あちこちで暮と書かれているのを目撃します。うーむ。

 今日は……特記すること何もなし。日記をアップしたあとは、連休いっぱい手付かずになってしまった作業に戻ります。

 とか書いていたら、応募者表記にもーひとつ単純な勘違いがあったので慌てて修正……ああ、私もちょっとぼんやりしすぎだにゃー。年末の大きな山を越えたら少しのんびりしよう……


2002年11月05日(火)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20021101~.htm#Day05

 昨日まで怠けていた分、まじめに作業……が、いまメインで読んでいる本が面白いもので、油断すると浮気しているし、今日のお買い物が漫画中心だったために厭でも消化しないといけないし……厭なら買うなよ、というのが私の場合理屈として成立しないことは周知の通り。

 最近、本業は暇、と書くことにも飽いてきました。もう火曜日まではすっかり駄目です。

 自宅でのBGMは、ここ半月ほどに買ったCDをMP3に変換したものを適当にシャッフルしている。つまり、aiko、さだまさし、中島みゆき、山下達郎、槇原敬之、くず、岡村靖幸と石野卓球、ザ・フォーク・クルセダーズのごたまぜ。中島みゆきが『シャングリラ』で情感溢れる歌声を聞かせたあとで、偽卜全@坂崎の「たぁすけてぇー」という声が響いてきたりするのである。あまりに方向性が違いすぎて却って気楽だったり。
 そして今思い立って、チャーリー・ヘイデンwithマイケル・ブレッカーと『千年女優』サントラも混ぜてみた。まあますます不可解。

 本日のお買い物
,真保裕一『誘拐の果実』(集英社)
,なかじ有紀『ビーナスは片想い(8)』(花とゆめコミックス/白泉社)
七月鏡一・藤原芳秀『闇のイージス(9)』(ヤングサンデーコミックス/小学館)
,『痕 コミックアンソロジー』(DNAメディアコミックス/スタジオDNA)
,巣田祐里子『魔境学園風雲記ハイパーハーフ&ハーフ(2)』
,近藤るるる『黒蘭(4)』(Kadokawa Comics A/角川書店)
,高田裕三『3×3EYES(39)』
, 同 『 同 (40)』(7と8、ヤンマガKCスペシャル/講談社)
,『幻想文学65 特集・神秘文学への誘い』(アトリエOCTA)

 1は書き下ろしの最新作。連続する誘拐事件をモチーフとした、例によって大作である。
 だんだんタイトルの意味が解らなくなってきた2。最初に作者が意図していたであろうカップルの成立が危うくなってきた、と思ったら伏兵を登場させて対応させてました。お陰でまだ当分終わる気配なし。が、どうして男キャラに男を持ってくるのかが……
 注目は3。なんでかというと、収録された最初のエピソードのモチーフは「押し掛け」だからだ。雑誌掲載時にも話題になっていたが、つくづく情報の反映が早いよなあ、七月氏。キャラクター選択と設定の生々しさも出色です。ただし次第に楯の存在感は薄れてきました。
 4は、予定から発売までだいぶ遅くなったような。リニューアル版の登場から何冊めかのアンソロジーである。
 5は……またしても2巻で中絶。またしても雑誌の休刊によって。とほほほほほほ。折角五匹の龍が表面化して面白くなってきたところなのになあ。
 予定表を探しても名前が見当たらないしよく見たらbk1の予約書籍にも挙がってないじゃん、の6。5と同じ掲載誌だったが、こちらは舞台を移して継続である。嬉しさ半分。個人的には近藤るるる氏にはコメディ路線の方が好きなのだけど。
 7と8は遂に、遂に完結の二巻同時刊行。雑誌掲載分に30ページ近い加筆を施したもの(だから別途、雑誌掲載時の体裁で纏めたものを雑誌判で出したわけね)。40巻は限定版も存在するが、正式な発売日は明日なのでそちらは入荷せず。で、帯を見ると……Windows版ソフト3作がDVD−ROMに収録されて復刻だってさ。あはははは。……全部持ってるけど、さあ……。
 9は「神秘文学」という聞き慣れないジャンルへのアプローチもさることながら、日影丈吉の未発表原稿を収録しているのが嬉しい。ところで、bk1ってなんでこの本の予約受けてないんでしょうね。受けてるんだとしたらなんでID発行してくれないんでしょうね。

 天野一さんのところから飛んで、名探偵知名度調査を試してみました。129件。読んだことのある、という条件でしたので、確保だけしたものは省きました。確保したのを入れるとねえ……聞きたい? ん? 
 名探偵のセレクトはなかなか。本格のみならず(って本格だけで探す方が大変だが)合田雄一郎や猟犬探偵、それに宇賀神まで含んでいるあたりがいい。好きだったんだよなー『トラブルバスター』。8人しか投票していない段階ではありましたが、マット・スカダーが0票なのがそこはかとなくむかつきました。読め。巧いんだから。

『密閉教室ノーカット版』はどこだー。

 更新したあとで『誘拐の果実』のbk1IDを発見したのでアップ。


2002年11月06日(水)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20021101~.htm#Day06

 INOさんの日記を見て思いだしてしまいました。今週金曜日、私はロフトプラスワンに「死ね」と言われている気分なのです。だって堤幸彦祭りが夜の日程に入っていて、その直後に新耳袋だぞ。なんか怨みでもあるのか? そしてその直後映画も観に行けってか?!<言ってません
 くわッぱ!

 河井智康『死んだ魚を見ないわけ』(角川ソフィア文庫/角川書店)(bk1)読了。先日の『憑霊信仰論』ほどではないが、これも記録上3年を越えて読み続けたことになっている。つまり、時々そういうのを優先的に読むようにしている、はずなんだが。
 昨日の日記で作業から浮気して、と書いていたあたりから解るように非常に楽しんでました。一時期放り出していたことにはそれなりの理由が毎回あるんだが、読み終わったあとだと自分でも首を傾げたくなることもしばしばだったり。ともあれ、詳しい感想はこちらからどうぞ

 いやね、自分で小説書いているときに、他人様の小説を読むのにどーも抵抗を感じるのだわ、要は。だから資料にも流用できる読み物中心になってしまうわけで。

 本日のお買い物
,ヤングマガジン編集部・監修/草野真一・構成『3×3EYES THE FINAL』(KCDX)
2,高田裕三『3×3EYES(40)[初回限定版]』(プレミアムKC/1と2、講談社)
北条 司『Angel Heart(5)』(BUNCH COMICS/新潮社)
,高畑京一郎『Hyper Hybrid Organization 01-02 突破』
渡瀬草一郎『パラサイトムーンV 水中庭園の魚』(4と5、電撃文庫/メディアワークス)

 1はシリーズ完結を記念した1冊。高田裕三氏のロングインタビューに、ドラマCDとOVAで八雲とパイを演じた辻谷耕史・林原めぐみの対談はじめ関係者のインタビューやエッセイ、年表にその後の彼らというテーマの書き下ろしピンナップを収めた、ある意味定番の構成である。こーいうのはお祭り気分になっているあいだじゃないと読むのが大変だったりするが。
 でもって2は最終巻の初回限定版。附録がWindows用ゲームソフトなので買ってみた……いえ、そうです、ゲームじゃなくても買ってましたーはい買ってましたよ。麻雀と『テトリス』様式の落ちものゲームを組み合わせたようなスタイルで、結構面白そうだったり。
 3はもうすっかり『シティー・ハンター』の続編と化した印象の最新刊、だがあまりにそう言われ続けるのを厭ってか、初めて差別化を図るためのエピソードが登場……って終わってないぞ。次巻に続いてるぞおい。
 4は第1巻が出てから随分と間隔を開けての第2巻。対して5は開始1年目にして第5作。差がつくなあ。

 本日は月に一度の映画サービスデー。安く上げられる日に見に行かずにおくべきか、と意地で映画館に足を運ぶのがここ最近の常だったが、今日はちょっと話が違う。前回の新耳袋トークライブでマスコミ試写会の招待状を頂戴したので、京橋にあるメディアボックス試写室で来年1月公開予定の『呪怨』(東京テアトル+ザナドゥー・配給)を鑑賞。オリジナルビデオとして発表され、口コミで評判が拡がり熱狂的に指示されるに至った作品を映画版に作り直したもの。トークライブの席上で木原氏が「先にビデオの方を見ておくといい」と仰言っていたが、色々あって探す暇もありませんでした。詳しい感想は、のちほどアップします。
 本当は今月にあと二回ほど試写の予定があったのだが、訳あって今週中に見ておきたかったので、サービスデーの恩恵を捨てて会場に足を運んだ。おおよその土地勘はあるあたりだったのだが、既にとっぷりと日が暮れたあとで、しかも参考にした地図がどーも見辛かったために道に迷い、到着したのはギリギリの時刻だった。人で一杯のなか、予備のパイプ椅子に座る。あまりに慌ただしいタイミングだったため、相前後して入場したのがどーも大森望氏だったような気がしてならないのだが確認する暇も無し。日記がアップされたら解るから、いーか。

「俺に訊け。」応募者1名追加。引き続き応募お待ちしております〜。


2002年11月07日(木)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20021101~.htm#Day07

『呪怨』(東京テアトル+ザナドゥー・配給)の感想をアップ。昨晩のうちに書き上がってはいたのだが、ご本の感想も上げてあったし1日ぐらいずらしても大勢に影響ねーや、と思ったもんで。はい。こちらからどうぞ。しかし、「公開予定」とか「制作中」とか、こんなに曖昧な記述の多いデータも珍しい。
 参考のためにコピーフォルダーに頂戴したプレスシートを載せて執筆したのだが、何処をめくっても厭な映像目白押しなのが素敵だ。これを書いている今も睨まれてるのよ、右の方から。

 2日連続で相方は寝坊しやがりました。……てか、生活時間を改めてくれれば問題ないんじゃないか?

 と、ここまでは7日午前3時までに書き上げていて、翌晩の更新時に纏めてアップするつもりだったが、ちと気が変わって就寝前にアップしてみる次第。稀に職場から御覧になる奇特な方もいるらしいのでたまにはサービス……になるのか? この程度で。

 日中は一所懸命書き物。書きたかったシーンだからこそ妙に手間をかける。……これが書きたかったのか、わたしは本当に。

 本日のお買い物
,瀬川ことび『7』
,長江俊和『ゴーストシステム』(1と2、角川ホラー文庫/角川書店)
,横溝正史『比丘尼御殿 お役者文七捕物暦』
, 同 『蜘蛛の巣屋敷  同 』
,山田風太郎『魔天忍法帖 新版』(3から5、徳間文庫/徳間書店)
,栗本 薫『グイン・サーガ外伝17 宝島(下)』(ハヤカワ文庫JA/早川書房)
7,『少女首狩事件』(アルバトロス/パンド/DVD Video)
8,『パーフェクト ワールド』(Warner Home Video/DVD Video)

 ああ、またしても多いってばてば。
 1は短篇ホラーで知られた瀬川ことび氏の、ホラー文庫では初めての長篇書き下ろし。2は作者自体よく存じていなかったが、いじめにチェーンメールという比較的有り体なテーマを扱っているが故に余計興味を惹かれて購入。著者は本来演出家であり、本編も自ら脚本・監督を手掛けた作品の原作というかノヴェライズというか、ともあれそういう作品である。しかし今月のホラー文庫新刊、ぜんぶ横文字なんだがどーだろうそれは。
 3と4は各所で非常に地道に展開している正史生誕百周年記念企画のひとつ。不勉強ながら私も存在を知らなかったシリーズの復刻版である。風太郎の忍法帖シリーズと同様漫画誌に連載された作品で、映像化もなされているそうな(4のみ)。詳しくはそれぞれの解説を参照されたし。
 で5は若干唐突に復刻された忍法帖の一篇。新版とあるがどの辺が異なるのかは解りません。北森 鴻氏の解説というのがちょっと珍しい。6は先月刊行の続刊。あとがきを読む限り、完璧に100巻での完結は諦めてます。そりゃ、外伝で上下巻なんて出しちゃったら……ねえ。
 7は……はいそうですタイトルだけでチェックしてました。どうやらフランスで実際に起きた猟奇殺人事件をもとにした映画らしい。ありきたりだがテーマ・要素ともに私好みだったので購入。同じ会社から、今年前半に観に行くつもりで劇場招待券まで確保したのに見逃してしまった『翼をください』という、こちらもある女子寮で実際に起きた事件に基づく映画も発売されていたのだが、ちょっと猟奇色が欲しかったものでこちらを選択した次第。
 ケヴィン・コスナーが昔好きだった、というのは前にも書いたが、その彼の出演作のなかで特にお気に入りの作品を挙げろと言われた場合、『フィールド・オブ・ドリームス』と共に確実に名前を出す一本がこの8。DVD化を心待ちにしておりました。名優クリント・イーストウッド監督・共演で、初の悪役に挑んだことでも話題になったクライム・サスペンス。モチーフは既にハリウッド映画の定番となったものでしかないが、クライマックスの切なさと空虚な美しさが印象的な名作。ワーナーでは今月、イーストウッド監督作品を一挙四作リニューアル込みで発売しており、作品としてはたぶん『許されざる者』(先日亡くなったリチャード・ハリスも出演)のほうが上出来なのだろうけれど、思い入れを優先してしまいました。

 ここまで書いた午後9時、にわかに家を飛び出して新宿まで駆け付け、前売り券を二種類購入してとんぼ返り。新宿での滞在時間20分くらい。明日はその30倍ぐらい滞在する予定。

「俺に訊け。」新たに応募者おひとり。旅立ち直前の押し込み投稿。引き続きご応募お待ちしております〜〜。


2002年11月08日(金)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20021101~.htm#Day08

 本日もサービス代わりに真っ昼間からの更新を行おうと格闘中。だがしかし、自宅で更新するのと違い職場では通信上色々な制約がある。果たして間に合うのか、乞う御期待!
 ――と言っても、この一文が皆様の目に留まっている現在、結果は出ているわけだが。それ以前に9日以降にこれを読んでいる人には何の意味もない文章だよな。だからいいんじゃない、ねえ。
 尤も急ぐのには理由があって、日中更新できないと8日はブランクになってしまうからだ。昨日も書いたとおり20分の30倍ほど新宿に居座る予定で、いちおうノートPCなど更新に必要な機材は携帯していく(と軽く言えるような分量じゃないが)予定ではあるが、中身を作っている余裕がない可能性も大きい。
 そこまで無理して更新する必要もない、はずなんだけどねえ。本人がそういう状況を楽しんでるから。ともあれ、8日にこれを御覧になっている方へ、本日夜間の更新は基本的にないとお考えください、と通告しておきます。

 昨晩漸く相方が掴まったので、新作のプロット説明と大雑把な打ち合わせ。が、別の作業が切羽詰まっているので、ひとまずそっちに無理矢理協力させることにしたり。別に締切は設けてないのだが、自分で引いた線をオーバーしているので焦っているのだ。キャラクターは掴めてきたんだけど、相変わらず匙加減が微妙で。

 本日のお買い物
,高田崇史『試験に出ないパズル 千葉千波の事件日記九月〜一月』
,西尾維新『サイコロジカル(上) 兎吊木垓輔の戯言殺し』
, 同 『 同 (下) 曳かれ者の小唄』(1〜3、講談社ノベルス/講談社)
,ジェフリー・ディーヴァー『青い虚空』
,藤原伊織『てのひらの闇』
,横山英夫『動機』(4〜6、文春文庫/文藝春秋)

 最近内田康夫氏や西村京太郎氏の復刻があるため「ノベルス新刊ぜんぶ」というネタが使えません。財政事情からすれば悪いことじゃないんだが。
 1はメフィスト掲載作を中心とした、千葉千波シリーズ第三巻。中身については積みっぱなしなので何も言いませんがひとつだけ、カバー袖のクイズは最低です。本気で不愉快になりました。これは止めた方がいいと思う。
 2と3は異常なペースで刊行されている「戯言使い」シリーズ最新作にして初の上下巻。個人的にはこのハイペースが羨ましい。
 4はリンカーン・ライムシリーズと交互で発表する、と著者が約束したノンシリーズ新作。題名はもとが“The Blue Nowhere”、コンピューター・ネットワーク空間を喩えた著者の造語であるとのこと。カバーデザインを見たときに映画『ソードフィッシュ』みたいだ、と思っていたら、解説に因ればその『ソードフィッシュ』の製作者ジョエル・シルヴァーにより映画化が企画されているとか。映画の方は兎も角、シルヴァーが目をつけたなら多分この小説自体は期待してもいいような。
 5は、例によって全作購入を決めた作家ゆえ、親本を持っている持っていないに関わらず、の購入。6のほうは協会賞受賞直後から買うか買うまいか悩んでいて、結局文庫化まで待った……と思うのだが、大丈夫だよな、と買ってから不安になってたり。警察内部での犯罪と捜査を描いた独自の切り口が高く評価され、幾度もテレビドラマ化されていることから一般でも馴染みの作品集である。
 bk1のIDは調べている暇がないので明日以降ということで。さあ、無事更新できるか。

 ――もう一回更新してみようか。 http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20021101~.htm#Day08_2

 まずは18:00開場、19:00時開演のイベント『「堤っ」発刊記念&「TRICK劇場版」非公認公開前夜祭 堤幸彦祭り』である。昨日前売り券を購入してきたので問題なく入場……できるかと思いきや、例によっていまいち手際の悪いプラスワンのスタッフのために、このあとのイベントの整理券配布と微妙に重なってしまい、列が出来ているのに混乱気味になっていた。このとき代表者に「整理券はどうしたら」と確認したら、その場で発行してもらえた。ありなのか。
 入場後、何故か最前列に着いて、本を読んだり注文をしたりして開演を待つ。ここのイベントには幾つか参加しているが、待っている間にも微妙に普段と雰囲気が異なるのが解った。いかにもファンです、という印象が強く、連帯感みたいなものがあった。
 開会後は堤幸彦氏をメインに、TBSプロデューサーの植田博樹氏に堤氏のドラマ最新作『愛なんていらねえよ、夏』の脚本家・龍居由佳里氏、それから「堤っ」はじめ堤氏関連書籍の編集などに携わり今回のイベントの仕掛け人ともなった進行役の木俣冬氏が壇上に上がり、以後たぶんはじめからネタなんて考えてなかっただろ風にまったりと、雑談や裏話中心に淡々と話が進む。『TRICK』に限らず堤作品に登場する小ネタの大半が実は堤氏による改竄だった(コンテではなくコントを作る、というギャグに反応が薄かったのがちょっと悲しかった、個人的に)とか、『愛なんて〜』以前に『ケイゾク』や『Beautiful Life』などに携わった植田氏が実は仲間由紀江の大ファンだった、という事実が発覚したり、と明らかに軌道のない展開が続く。休憩時間も特殊イベントでぶっ飛ばされ、事実上3時間半ぶっ通しとなったが、和やかでいい催しだった――
 と、ここで終わらないのがプラスワンの手際の悪さというか。最前列にいた、と書いたが、堤氏がサービス精神を発揮してサインの要求を拒まず受け付ける、のは予想通りにしても、店員がその列を配慮しなかったから、舞台の前列中央――つまり私の座っていたあたりに人が殺到し、トイレに行くつもりで残っていたらそのまま身動き取れない。詰めかけたファンは隣の席に座っていた女性の飲物をこぼすわコップを落として割るわ、拘束状態でいながらいたたまれなかった。堤氏側のスタッフに問題はなく、店の狭さやコンディションを考慮せずなすがままにさせているのがいけないのだ。本を買って最後の記念撮影に参加するつもりでいたのだが、レジの列が解消しないわ物販の場所が判然としないわでわたわたし、結局撮影に参加するのは諦めて状況を判断しながら支払いを済ませそそくさと店を出た。今回ばっかりは苦情を述べようかと思ったが、その暇すらない。終了間際までいい雰囲気だっただけに、余計に腹立たしい不手際ぶりだった。

 で、いま、プラスワン近くのファーストフード店の座席で取り急ぎこれを書いてアップできるか試そうとしているところ。頃合いが来たら店を出て、次のイベントに向かいます。『新耳袋』ライブ。


2002年11月09日(土)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20021101~.htm#Day09

 まず、昨日のお買い物報告追加。
,鈴木光司『リング』(角川ホラー文庫)
,堤 幸彦/木俣 冬・企画監修『堤っ』(2冊とも、角川書店)

 7は……なんで今更、とお思いでしょう。私もそう思います。無論こんな定番どころ、とうの昔に読んでおります。実は、正確には買い物ではありません。10/18付の日記で、bk1にて『ザ・リング』前売り鑑賞券を購入した、と書き留めたことをご記憶でしょうか。この商品、記念として「原作本プレゼントキャンペーン」というのが実施されていたようで……つまり、それに当たってしまったのです。なんというか、嬉しいよりもただ申し訳ない、という気分。折角だからちゃんとカバーかけて再読するべか。カバー以外は最初の判と全く同じような気がするんだが。
 8は昨日、ロフトプラスワンを一次退出する直前に購入したもの。サインを頂戴する余裕はなかったがまあ致し方あるまい。贅沢なメンバーとの対談から仕事一覧、過去の脚本採録、Web日記の無茶な完全収録に、堤監督の撮影による仲間由紀恵嬢の写真まで含めた豪華版。2800円と些か高めの価格設定だが、ファンには間違いなくそれだけの価値があるはず。
 ついでに、昨日のお買い物のbk1IDも補足。、という具合です(手抜きと言うよりソースの省略と解釈していただければ幸い)。

 で、先月に引き続きの『新耳袋27』である。最近同行することの多い松本楽志さんも流石に金曜日の夜はしんどかったようで結局姿を現さなかった。が、色々な意味でそのことを後悔していただきたい。その代わり今回は、私がこのライブに参加しはじめた頃から、打ち合わせもないのにやたらここで会う機会の多かった知人と並んで拝聴することとした。
 ゲストが多いということで、かなり早い段階から登場し、前説も省略気味にすぐさま本番に突入する。前回は木原浩勝氏単独だったがそれ故に様々な問題が発生したとのことで、それを反省しての処置でもあるらしい。初っ端から中山市朗氏も壇上に上がり、メインゲストはVシネマのリニューアル劇場映画化作『呪怨』の公開を間近に控えた清水 崇監督(前に同じ新耳袋イベントで拝見したときよりも貫禄が出ていたのが面白かった)に、最近俄に怪奇体験づいていたらしい菊地秀行氏が半ば聴き手として列席した。
 まずは珍しく映画の予告編を5本一挙上映。まず受け狙いの自主製作映画『ガメラ4』から始まり、直接関係はしないが新耳袋ライブ常連には見所があるらしいハリウッド映画『プロフェシー』(ちなみにいま私が読んでいるのがこれの原作となるノンフィクション)、ついで実は怪談という側面もある中田秀夫監督最新作『LAST SCENE』、清水監督初の監修作である『もうひとりいる』にとどめは『呪怨』と、このライヴのヘヴィーユーザーなら別に何を今更、というラインナップである。
 が、最初の『ガメラ4』は受け狙いであるが同時に前半の主目的「前回のおさらい」の前振りでもある。前回は木原氏単独でネタ不足ということもあり、この映画で実際に撮影されてしまった怪奇映像とそれに纏わる話題と、それからデジカメによる心霊写真と質問コーナーでの八甲田山事件――あの雪中行軍そのものではなく、それを語ることと山に近づくことの危険に関する話――に入るうえでの取っかかりでもあったのだ。
 しかしまあ、ここでも問題となるのはロフトスタッフの手際の悪さ。前回の心霊写真騒動では、プラスワンにあるMacで画像処理を施したところ判明した様々な事実が焦点となっているのだが、どういう手順で変換を施して欲しいのか予め相談しておいて、段階ごとに異なる画像データを作成して保存しておけば4段階程度の変化を10分ばかりで済ませられたはずなのに、いちいちその場で処理しようとしたために随分と時間を浪費してしまった。同様に、前回木原氏が八甲田山の話題を何故あまり取り扱わないのか、に触れた場面で起きた撮影機材のトラブルを、収録されたデジタル動画をもとに再確認するという作業でも、問題の箇所を確認せずにその場で検索していたから時間がなくなるなくなる。――ただ、その代わりに、凡そデジタルでは考え難い、「再生するたびに音が消えていき、画像も狂っていく」という現象を目の当たりに出来たのだから、怪我の巧妙ではあったが。いちおう本職に「オペレーター」という肩書がつく私は作業中、店員を押し退けて自分でやりたい欲求に駆られっぱなしだった。
 この前回のおさらい部分での、私個人にとってのハイライトはここからだった。前回、アンケートでの質問をきっかけに楽志さんが壇上に呼ばれそのまま居残りさせられたことは御本人の日記にも記録が残っているが、実はこれには理由があったというのだ。
 プラスワンを訪問したことのある方は御存知だろうが、非常に狭く相席当然の店内で、唯一ボックス席というべきものが、演壇に向かって右側奥、というか演壇の通路を挟んで右側に存在する。私などたまーに団体となったときにはここを占有してゆったりと鑑賞しているのだが、前回は普段より客の数も少なく、ボックス席には誰もいなかったのでカーテンを閉めてあったのだ。これは私も記憶している。――にもかかわらず、木原氏は前回、話しているあいだずっとそこに黒い人影があるような気がして仕方なかったのだという。また、ボックス席の手前、一段高くなっている座敷席にいた常連客(尤も新耳袋ライブは新規の客が毎回一桁という異常なリピーター率の高さを誇っているのだけど)が、休憩前までずっとボックス席に人の話し声を聞いていたという事実もあり、どうやら久し振りに本物の客がいたらしい。
 で、何故楽志さんがそのまま水呑み鳥よろしく壇上に残されたかというと、木原氏が楽志さんを壇上に上げたとき、氏は彼のお陰で問題の黒い人影が自分の視界から遮られることに気づいたというのだ。つまり、目隠し代わりに残されていたのである。
 話はこれで終わらない。休憩後の話の途中、演壇左手にある二階席から文字通り転げ落ちるような足音がし、その場で誰だ誰だ、と問い詰めても正体が判明しなかった、という一幕があった。人間じゃなかったら怖いよな、とその場では笑っていたのだが、その後当人から連絡がありちゃんと脚のある人だったと判明したそうなのだが――その理由というのが凄まじかった。二階席にいたその人も例によって常連であり、階下で八甲田山の話が始まったとき、「ああまたこれか、まあ本格的には話さないだろう」と高を括って、プラスワンに大量に置いてある漫画を読み始めたという。あるとき、妙な気配に気づいて壇上を見ると、木原氏の背後を通り階段を登ってくる無数の気配が感じられ、気づくとその人は姿の見えない人の群に取り囲まれていたのだ、という。これはあかん、と見えない人の群を掻き分け(感触はあったそうだ)、まさに転がり落ちるようにしてそのまま自宅に逃げ帰ったあと、終演後に木原氏に連絡した、ということらしい。
 要約しよう。つまり、楽志さんは木原氏の目隠し代わりに利用され、あまつさえその背後を人ならぬ人々が通り過ぎていた、ということである。――全く、事後に聞かされた楽志さんの胸中いかばかりか。それを本人に直接ではなくこんな形で報告している自分もどうかと思うが。
 ともあれ、木原氏も繰り返し警告していることだが、私も自衛のために書き留めておきたい。八甲田山のあの事件にはあまり近づくな。道の真ん中にロープが張ってあると解っていながら転びに行く必要など全くない。
 と、とりあえず楽志さん関連のところだけ抽出して詳述したが、ほかにも清水監督が『呪怨』制作中のエピソードを語ったり、菊地氏がごく最近に初めて体験した怪奇現象について語ったり、実に濃い展開で前半終了。
 そして休憩を挟み、シークレットゲストとして呼ばれていた女優夢野マリア氏を交えて、夢野氏のオカルトの王道を行くが如き体験に始まり清水監督の聞いた話、また木原・中山両氏の新たに取材したエピソードを陸続と積み上げて、もういちど休憩を取る暇もなく終演時間と相成った。
 帰宅後、取り急ぎ体を洗い、早起きした母と入れ違いに泥のように眠る。

 ……と、普段ならそのまま正午近くになって、誰かに起こされるまで目醒めることはないのだが、2時間ほど経つとそれ以上眠れなくなってしまった。体はだいぶ疲れているのだが、テンションが下がっていないらしい。そこで、今週は明日に送ろうかと思っていた映画鑑賞に急遽出かけることにする。
 最初は昨日からの流れで初日から『TRICK劇場版』を鑑賞しようかと思ったのだが、整理券を出しすぎて急遽予定されていた上映館よりも収容人数の多い劇場に切り替え、更に舞台挨拶を二回に分けるという大技を繰り出してもまだ遥かに伸びていた人の列に嫌気が差すとともに、ま、昨日たっぷり話は聞いたからいいか、と同じ建物でかかっている別の作品に切り替える。即ち、ヴィン・ディーゼル主演、ロブ・コーエン監督の新世代スパイ・アクショントリプルX』(東宝東和・配給)。最近ちょっとご無沙汰だった一直線のアクションものということもあって、いずれ観る気ではいたのだが。感想は――上の新耳袋レポートで疲弊しきったので明日に廻します。ただ、私としては珍しくキャラクターグッズ(ストラップ)を購入した、という事実から大筋は察していただけるのでは、と思ったり。
 その後、八重洲ブックセンターに寄って1冊だけ買い物をし、遥かな遠回りをして行き付けの蕎麦屋まで向かう。朝食抜きだったのでただでさえ多いここの大盛りもあっさりとかき込んで、帰宅したあとは漸く深い眠りに就くのだった。

 で、本日のお買い物
,ローレンス・ブロック『過去からの弔鐘』(二見文庫/二見書房)
 積みっぱなしの作品が多いことは無論ながら、初期作品については買い漏らしも数冊ある、はずのマット・スカダーシリーズ。新作も出たし名探偵知名度調査に触れたときも取り上げたし、いい機会だから未購入の分も拾っていこうか――と思ったのだが、いざ店頭で作品を前にすると、どれを読んでいないのかどれが持っていないのかまっっったく解らない。仕方ないので、重複覚悟でセオリー通りシリーズ第一作(最初に訳出された作品ではないのがミソ)を購入。現在のスカダー夫人エレインが既に登場人物一覧に出ていてちょっと驚いた。

 ……今日の新耳袋レポートは流石の私も書いててちょっと怖かったので、上の項を書き上げたあと、新耳袋ライブ特有のお祓いのひとつである柏手をひとり室内で打ってみた。そーいう感覚皆無なので、ちゃんと効いたのか判断しようがないのだが。警告文も含めたということで御容赦願えないでしょうか皆様。って誰。

 そんなことばかりしていたら流石に疲れました。作業も遅れ気味、というか書き直したいポイントが残ったまんまなんですが早めに休みます。ふう。某氏に対してすんげー張り合いたい気分なのだが、封印喰らっているので書けないのもまた疲労感を加速させてたり。ちくしょー。

 ところで「俺に訊け。」、依然募集しておりますのでどーぞご応募ください。増えすぎても大変ですがまだまだ送っていただけると幸いなのれす。


2002年11月10日(日)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20021101~.htm#Day10

 とりあえず何も起きませんでした。ほっ。

 それはさておき、昨日鑑賞したトリプルX』(東宝東和・配給)の感想を仕上げたので速やかにアップ。こちらからどうぞ。このファイル名使いたくて堪らなかったわー。
 ついでに、果たして日本でいつ公開されるのか、それ以前にいったいどこが配給するのかも定かでない作品を幾つか鑑賞希望作品一覧に追加。ちゃんと日本で公開されるかなあ。心配だなあ。

 一昨日は完全徹夜、昨日は強風の中をバイクで移動し続けたために疲れが溜まり、今日は1日何も出来ずじまい。カバーをかけて映画の感想を書いて……なかなか作業に戻れません。

 ネタが殆どないのでひとつだけ漏らしておこう。『Kanon & AIR SS』、私も『AIR』メインで発注されました。で、当初はキャラも決まってたんですけど……と、細かいことはやっぱりものが発売してからということで。ああ意地悪。
 本当のところ、今からどこまで書いていいのかどこは書いちゃいけないのか試行錯誤しているのだけど……ねえ、本当にどこまでなら大丈夫なの?

「俺に訊け。」募集中です。まだ時間があるから、とのんびり構えている方にも出来れば早いうちに送っていただければ、と思っていたり。……何故なら、バラバラに届いた方が回答するのもそれを編集するのも楽だから。宜しくお願いしますー。


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2002年10月下旬
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