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2003年05月21日(水)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20030521~.htm#Day21

 映画の公開初日には様々なイベントが催される。オーソドックスなものは出演者・主要スタッフの舞台挨拶だが、中には色々と奇妙なものがあるのも道理であり。以下に私が記憶する変わったものを羅列してみる。
 昨年末――某消費者金融のCMで有名になった女性タレントがサンタクロース姿で登場。ちなみに彼女は映画そのものと何の関係もない。(作品名『GOOD BOYS』。ちなみに本日DVDが発売されたが、題名は『ゲット・マネー!』に変更。察しの通り原題はまるで別物)
 今年2月――水着ショー。(『プール』。まんまっちゃまんま)
 今月24日――このあいだここでも言及した、女王様による鞭の洗礼。どうせ内容に添うならさあ――以下自粛。(『発禁本 SADE』)
 今月31日――来場者にはコンドームのプレゼント、初回終了時にはフェロモン全開のタトゥー美女登場。(『バンガーシスターズ』70年代末にグルーピーをやっていた女性達の約20年後。確かに彫り物は定番なんだが……)
 なお、これらは全部同じ劇場で行われている。凄いぞ銀座シネパトス

 本日のお買い物
1,ニック・ヘイステッド/立神和依、河原希早子[訳]『ダークストーリー・オブ・エミネム』(SHO-PRO BOOKS/小学館プロダクション) [bk1amazon]
2,八神 健『ななか6/17(11)』(少年チャンピオンコミックス/秋田書店) [bk1amazon]
3,『竜馬の妻とその夫と愛人』(東宝博報堂/DVD Video) [amazon]

 1は映画公開&初来日に合わせたのだろう、日本で初めて刊行されたバイオグラフィ。音楽的な資質だけでも十分評価に値する人物だと思いつつ、プライベートにあれだけ騒動の種があるなれば、いちどとっくりとその事情を知ってみたくなるのも自然というものでしょう。誕生からハリウッド映画『8 Mile』に至るまでの経緯を扱っている。
 2はクライマックス、どんどん深刻になっていく第11巻。来月刊行の12巻で完結予定。この作者、チャンピオンに移って正解だったと思う。ジャンプの頃のような無理がありません。
 3は三谷幸喜原作脚本・市川準監督のラブコメディ映画。昨年劇場で鑑賞したときの感想を御覧戴ければお解りのよーに、お気に入りの作品なので手許に置いておくのです。劇場ではあまり感じなかったのだが、映像が美しいのだなこれが意外にも。DVDとしては、字幕がついていないのと……ちと価格が高いのがマイナス。ほんっとに、どうして邦画は高めになるのか。


2003年05月22日(木)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20030521~.htm#Day22

 相変わらず地味に忙しくて散髪に行く機会も見出せず。あー毛先が鬱陶しいっ。

 本日のお買い物
1,相原大輔『首切り坂』(Kappa-one) [bk1amazon]
2,黒田研二『阿弥陀ヶ滝の雪密室』 [bk1amazon]
3,田中芳樹『アルスラーン戦記3・4 落日悲歌 汗血公路』(1〜3、カッパ・ノベルス) [bk1amazon]
4,折原 一『模倣密室 黒星警部と七つの密室』(以上、光文社) [bk1amazon]
5,あさりよしとお『るくるく(2)』(アフタヌーンKC/講談社) [bk1amazon]

 1は久々のKappa-oneシリーズ新刊、今度は月一冊で三ヶ月連続、ミステリはこれひとつらしい。明治末を舞台にした本格もの。ノベルスは二段組だから幸せという私には微妙に納得のいかない造本だが。2は『ふたり探偵』の二作目、題名を見たとき「歌野晶午?」という言葉が頭の中を過ぎりました。
 ひとつ飛ばして4は久々の黒星警部シリーズ最新刊。『ジャーロ』掲載作品を中心に短篇七本を収録している。
 5は世直しを望む悪魔と不遇の高校生の同居生活を描いた漫画の第2巻……他に説明の仕様ないよな。相変わらず「るく」の愛らしさが犯罪的だが、そんなことより思いっ切りいいところで終わっているのは何とかしてくれ。

 CMで流れているジミー・スコットの歌声を、たびたび綾戸智絵と錯覚する。


2003年05月23日(金)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20030521~.htm#Day23

 髪、切りました。ほっといたらどえらく短くされてしまいました。ま、これでまた半年近く保つだろうしいいか。

 本日のお買い物
1,小山 正・日下三蔵[監修]『越境する本格ミステリ』(扶桑社) [bk1amazon]
2,若竹七海『製造迷夢』(徳間文庫/徳間書店) [bk1amazon]
3,『火山高 VOLCANO HIGH [初回限定版]』(東芝デジタルフロンティアAmuse Pictures) [amazon]
4,『たそがれ清兵衛 [初回限定版]』(SHICHIKU HOME VIDEO/松竹) [amazon]
5,『マイノリティ・リポート 特別編』(20世紀フォックス ホーム エンターテイメント/3〜5、DVD Video) [amazon]

 ようやく買いました、の1はダリオ・アルジェントに多めの紙幅を割いてくれているのが個人的に嬉しい。2は若竹作品の未入手分を拾ったもの。評価の高いもののほうが残りがちなのが不思議だ。……なお、この二冊を同時に買ったことに他意はありません。単なる偶然。
 3以下はお気に入りの映画のDVDばかり。劇場公開で見落としたものを、と思ってもどうも躊躇ってしまうのが現実で。
 3は古田新太のナレーションと異様な映像、それからBGM目当て。いま観ながらこれを書いているが……劇場で観た当時に言及したとおり、映像も行動も凄いのに中弛みするのが困りものなんだよなあ。それにつけても、生徒の人生終わらせる教師ってどうかと思うが。
 4は昨年度の邦画賞を事実上総なめにした名作。初回販売分に限り、写真集を同梱した豪華版である。家庭のテレビでどれほどあの映像美が堪能できるか少々心許ないのだが、丁寧な時代考証と深みのある物語を改めて確認したかったのと、家族で唯一観ていない父のために購入、と言い訳してみる。劇場で鑑賞したときの感想はこちら
 でもって5は、どー考えても劇場で観た方が感動する映像なのだけど、いちおうSFミステリだしトム・クルーズも結構好きだし、ということで購入。スピルバーグ監修による映像特典、というのは兎も角、吹替版が二種類収録されているのが変で素敵。オリジナルはクルーズの声を堀内賢雄、サマンサ・モートンを根谷美智子が当てているのに対して、特別版は前者を須賀貴匡、後者を水樹奈々が担当しているのだそうだ。劇場鑑賞時の以下略
 ちなみに、DVDは全部二枚組でした。狙ったわけでもないのに。そもそもそんなに沢山特典があっても観られ(以下自粛)

 明日は『発禁本 SADE』の初日です。しつこいようですが私は行きません

 浅暮三文さん日本推理作家協会賞受賞おめでとーございます。同時受賞は有栖川有栖『マレー鉄道の謎』。……不思議な組み合わせだ。

『中居正広の金スマ』にジャズシンガーの綾戸智絵が出る、というので頭から見る。頭からしまいまで、大阪のおもろくて凄いおばさんさらしまくりだった。やっぱりこの人はいちど生で観たい、いやいや聴きたいねえ。ラスト、珍しく日本語で歌う綾戸と中居のセッションも素晴らしかった――というか、最後まで中居を弄んでたなこの人。


2003年05月24日(土)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20030521~.htm#Day24

『マイノリティ・リポート 特別編』(20世紀フォックス ホーム エンターテイメント) [amazon]をスペシャル版吹き替えで鑑賞してみる。うーん、クルーズに声を当てている男性、途中までは良かったのだが、犯罪を予知されて逃走し始めるくだり、クルーズの感情が爆発し始めるあたりから声の演技の拙さが際立って聞き苦しい。対してサマンサ・モートン演じるアガサに声を当てた水樹奈々のほうはオーソドックスな演技でそつがないのが却って詰まらなかったり。
 ついでに『火山高 VOLCANO HIGH [初回限定版]』(東芝デジタルフロンティアAmuse Pictures) [amazon]の韓国公開版もちょこっと鑑賞……してみて唖然。音楽が違う。日本版はDAITAが監修しているのだが、どうやら本国では現地のアーティストを起用していたらしい。なんでそんなことを……と話だけ聞くと思ってしまうのだが、実際に音楽を聴いてみると納得する――いまいち鋭さに欠ける。解りにくいたとえだが、なんだか低予算のゲーム音楽を聴いているような感覚なのだ。半端にシンセサイザーを取り込んでいるため、全体に軽い。割り切ってエレキギターの音をメインに持ってきた日本版のほうが格段にいいのだ。
 映画そのものも、余計な描写を取り払っているので日本版のほうが完成度が高まっている。話のタネに観るなら兎も角、普通に楽しみたいなら日本版、それも吹き替え版で観るべきでしょう――それでも中盤、かなりゆるゆるなんだけどね。

 それはさておき週末恒例の映画鑑賞。本日初日、私にとって待ちに待ち焦がれた一本、トミー・リー・(その年でよく走るなおっさん)ジョーンズ&ベニチオ・デル・トロ主演、ウィリアム・フリードキン監督のハードアクションハンテッド』(日本ヘラルド・配給)感想はこちら、に明日以降書き留めておきます。とりあえず、私の期待はまったく裏切られませんでした、とだけは明言しておこう。大満足。
 毎度の如く帰途に買い物をし、一眠りしたあとふたたび家を出て、高校のクラス会に参加する。前回はまだ20世紀、しかも私は当時のアルバイトの都合で出席できなかったので楽しみにしていたのだが、35人も顔を揃えると流石に驚く。しかも担任の先生もお見えになっていた。
 ネットとも仕事とも関わりのない人々と話すのは久し振りだったので、非常にいい気分転換になった。結婚してたり子持ちになってたり(……そういや最近の付き合いでは全然聞かない話だ……)はいいとして、どうも男で結婚したのは全員できちゃった結婚だった気がするのはどうだろう。

 本日のお買い物
1,芦原すなお『嫁洗い池』(創元推理文庫/東京創元社) [bk1amazon]
2,ブリジット・オベール/藤本優子[訳]『異形の花嫁』(ハヤカワ文庫HM/早川書房) [bk1amazon]

 ……あ。全然意識してなかったけど嫁繋がりだ。1は『ミミズクとオリーブ』に登場した主婦探偵の第二作品集、2はトランスセクシャルというありそうであまり見なかった設定の主人公が殺人事件に巻きこまれる、異形の本格ものらしい。
 それと、05/16に購入した東野圭吾『おれは非情勤』(集英社文庫/集英社) [bk1amazon]のbk1IDをよーやく確認したので追記。ただ単にチェックするのを数日間忘れていただけだけど。


2003年05月25日(日)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20030521~.htm#Day25

 昨日鑑賞したハンテッド』(日本ヘラルド・配給)の感想をアップ。こちらからどうぞ。……今日はこれが精一杯でした。

 先週のリベンジとばかりにふたたび行き付けの蕎麦屋へ。テーブル席が埋まっていたので座敷に行ってみると、お店の子供達が五人ばかり、宿題をやりながら蕎麦を食べていた。それを眺めているうちに、そういやこの子たち全員、店の人達におんぶされたりだっこされたりしているのを見届けていたことに思い至る。……長いなあ。

 本日のお買い物
1,『SNOW アンソロジーコミック』(Magi-Cu COMICS/enterbrain) [bk1amazon]
 別の本のついでにbk1で注文。冒頭からネタバレ全開気味な話が多かったり、アンソロジーものの自家中毒に近い話が目立ったり、とあんまり目新しさがないのが残念。まあ、芽依子が沢山登場しているので個人的には良し。


2003年05月26日(月)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20030521~.htm#Day26

 喜国雅彦・国樹由香ご夫妻が仮親となっていた小猫は、模様の具合からして我が家の猫にそっくりでした。国樹氏の日記によれば、本日付で新しい飼い主の元に引き取られた模様ですので、本日から我が家の猫は「みうらじゅんの飼い猫にそっくり」と説明することにします。解ってもらえるかどうかは二の次で。

 本日のお買い物
1,さだまさし『まほろばの国で』(毎日新聞社) [bk1amazon]
2,倉知 淳『壺中の天国』(角川文庫/角川書店) [bk1amazon]
3,新井理恵『うまんが(3)』(FLOWER COMICS SPECIAL/小学館) [bk1amazon]
4,犬威赤彦『こみっくパーティー(3)』(電撃コミックス/メディアワークス) [bk1amazon]
5,『To Heart コミックアンソロジー Vol.20』(DNAメディアコミックス/スタジオDNA) [bk1amazon]
6,竹本 泉『ある日のツヴァイ』(TOKUMA COMICS/徳間書店) [bk1amazon]

 1は毎日新聞連載のエッセイ『日本が聞こえる』の単行本化第2巻。確か公式ホームページですべて読めたはずなので無理に本を買う必要はない、と言えばそうなのだが、どちらかと言われれば本の形であった方が読むわけで。
 2は色々と物議を醸す本格ミステリ大賞の第一回受賞作。とか言う以前に、倉知氏の本も何だかんだと揃えているのです。
 3から5は飛ばして、6。珍しいところから珍しい題名で発売された本書は、竹本泉氏自身の愛猫・ツヴァイを描いた漫画ばかり集めた単行本。つまり、恐竜モチーフじゃない竹本氏が出ずっぱりという意味においてもとっっっても珍しい一冊である。猫好きとかそういう問題を別にしてファン必見。


2003年05月27日(火)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20030521~.htm#Day27

 本日のお買い物
1,渡瀬悠宇『天晴!じぱんぐ(3)』(少コミフラワーコミックス/小学館) [bk1amazon]
2,綾戸智絵『To You』(ewe records) [amazon]
3,Pat Metheny『One Quiet Night』(Warner Music Japan/2と3、CD) [amazon]
4,Pat Metheny Group『Speaking Of Now Live』(Videoarts Music、コロムビアミュージックエンタテインメント/DVD Video) [amazon]

 帰宅後わざわざ雨の中を電車で出かけてねえ。くすくすくす。
 店頭で見つけて俄に「あーそういやこんなんも読んでたよ俺」と思い出し、慌てて購入した1。この人の作品は数年振りに買った気がする。『妖しのセレス』以来まったく合わなくなって敬遠していたのだが、このシリーズはお馬鹿で好き。……てか、このシリーズ自体四年振りだった。
 2は先日のテレビ出演があまりに素敵だったので、久々に購入してみた新作。リクエストの多かった名曲ばかりをカヴァーした、弾き語り中心のアルバムである。『Imagine』とか『Without You』とか『The River of No Return』とか、更には『Oh My Darling Clementine』に『My Way』まで歌ってしまっている。まだ聴いていないのだが、およそどんな歌だろうと関係なく自分のものにしてしまうこの人のこと、まあ大丈夫でしょう。ちなみにSACDとのハイブリッド仕様。CCCDよりは抵抗がないのだが……パソコンでかからなかったらどうしよう。
 3は待望の日本盤。パッケージデザインや基本構成は輸入盤と同じだが、ライナーノートと日本盤のみのボーナス・トラックを収録している。まだ聴いてません。
 そしてそしてそして、4こそ本日最大の目玉、パット・メセニー・グループの最新ライブ映像である。予め知っていた曲目から推測していた内容は、同名アルバムの楽曲を中心にグループの定番曲を新メンバーの編成に合わせてブラッシュアップしたぐらい、だったのだが、いきなり頭からメセニーがギター一本でステージに現れ『One Quiet Night』スタイルでの『Last Train Home』を披露すると、続いて新メンバーのアントニオ・サンチェス(ds)と二人きりでグラミー賞受賞曲『Go Get It』をバトル形式で演奏し、三曲目『As It Is』からようやくフルメンバーとなる。編成からまあいい意味で裏切ってくれるったら。
 まだまともに観たのは半分程度だが、最大の魅力は間違いなくアルバムの時より洗練されたサンチェスのドラムワーク。前任者に較べると鋭さに欠くが、音の広がりと力強さがいい。定番曲のアレンジも意表を衝いたものばかりで、なかなか興味深い。また、ライブ映像では何よりも手許を気にするわたしには、独奏しているミュージシャンを中心に見せる演出も嬉しい。
 正直に言えば不満も既に多々見つけている。一般的な音響システムでは籠もって聴こえるとか、映像が若干粗いとか、ヴォーカル場面で明らかにリチャード・ボナばっかり撮しすぎ(クン・ヴーもちゃんと撮せ――って、まあ、楽曲構成の都合上、ヴーはトランペット独奏があるのでメインを張る機会がボナよりも多く、そこでバランスを取っているのかも知れないが)とか。
 が、今のところほぼ納得の出来。こと、ライナーノートでは何故か忘れられているが、あの徹底した裏方スティーヴ・ロドビー(b)が『Insensatez』で非常に長いソロを弾いている点でも貴重な音源だと思う。それにしてもステージ後方のふたりは相変わらず(メンバーが替わっても)こき使われてます。

 というわけで今夜はこのあと映像と音を堪能するのです。

Pat Metheny New Album
『One Quiet Night』
Solo Baritone Guiter
In store now

↓購入ページ↓
日本盤US輸入盤
Pat Metheny Group Live DVD
『Speaking of Now Live in Japan』
も同時発売!
↓購入ページ↓
日本盤


2003年05月28日(水)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20030521~.htm#Day28

 というわけであれ以降ずーっと堪能してましたPat Metheny Group『Speaking Of Now Live』(Videoarts Music、コロムビアミュージックエンタテインメント/DVD Video) [amazon]。固定メンバー三人の技巧と新メンバーの柱(と言い切ろう)アントニオ・サンチェス(ds)の才能は言うに及ばず、後半に進むに従って残るふたり、いわゆる“なんでも楽器隊”にも驚かされっぱなしでした。
 グループとしては初めてまともなトランペッターとして起用された(マーク・レッドフォードらもこなしていたが、やはりどちらかというと余技という感覚だった。実はライル・メイズも吹いた時期があったが問題外)クン・ヴー、前半では食われがちだったが後半ではがんがんと頭角を顕すようになり、ライブの定番『Scrap Metal』と『Are You Going With Me?』の2曲では事実上メインを張ってしまった。前者では、最初のほうから使っていた、トランペットの呼気音で風を演出する小技に、ディレイを細かくいじりながらの演奏をプラスして、本来の前衛音楽家らしい側面を見せつけ、後者では従来のアレンジとは異なるメセニーのピカソ・ギターとのデュオで濃密なバラードを聴かせている。
 そしてリチャード・ボナである。メセニーのメンバー紹介で「on everything」と紹介されている時点でとんでもないが(ヴーはトランペット&ヴォーカル)、中盤でのサンプリングを使ったひとりアカペラも大したものだが、何よりも凄まじいのはラスト一曲、ほとんどサービスで披露したと思われるベース演奏である。パーカッションを捜していたメセニーに自ら志願して参入した彼だが、元々ジャズの世界で注目されるきっかけは「ジャコ・パストリアスの再来」と謳われたベースの超絶技巧によってだった。各種CDに収録されている映像でその技量はよく知っているつもりだったが、こうして映像で見せられると改めて衝撃を受ける。しかもこの男、ベースを弾きながら同じ旋律をスキャットでも奏でているのだ。……簡単だと思うか? だと思うなら試してみるといい、アドリブでベースを弾きながら、同じ音を声で表現するには、自分の手が次にどんな音を出すのか完璧に把握していなければ無理なのだ。そこまでならプロとして不可能ではないだろうが、16連符ぐらいの高速で演奏しながら同時にスキャットで表現するなんて普通出来るか?
 ……とまあ、終始痺れっぱなし感動しっぱなしで延々鑑賞し続けている私であったとさ。しかし本当に凄いのは、それだけの技術のうえに、全員細やかな表現力も兼ね備えているということだと思う。ただ聴いているだけでも心地よいんだもの。
 唯一気がかりなのは、ライル・メイズがちょっと痩せすぎぢゃねーか、ということだったり……。

 ――ひと段落した、と思ったのになあ。いや、納得ずくだったからいいんだけどさあ。準備もしてあったし。
 そんなわけで、日中気晴らしに書いた↑が今週最後の大きなネタになる可能性大です。勘弁してください。

 本日のお買い物
1,横山秀夫『真相』(双葉社) [bk1amazon]
2,大井昌和『ひまわり幼稚園物語 あいこでしょ!(4)』(電撃コミックス/メディアワークス) [bk1amazon]
3,『月姫 コミックアンソロジーVol.7』(DNAメディアコミックス/スタジオDNA) [bk1amazon]

 1は色々と話題を提供してくれる著者の最新作品集。個人的にはこのところ言動が前に出すぎていないか、というのが作品以上に気になる。
 2はお楽しみの第四巻。のんびりとしたペースで話が進んでいたが、ここに来て初めて季節が一致したよーです。そして問題のある三角関係が加速しております。

 更新後の買い足し。主目的はお金を崩すことだったんだけどね。
4,毎日新聞旧石器遺跡取材班『発掘捏造』(新潮文庫/新潮社) [bk1amazon]
 2000年11月05日に日本の考古学会を震撼させた一大スクープに至るまでの過程とその後の展開を記録したルポルタージュの文庫化。非常に興味を惹かれたので購入。


2003年05月29日(木)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20030521~.htm#Day29

 近所の烏が子作りの時期を迎えたようで、騒々しくて困る。この辺の烏は比較的フレンドリーなので攻撃してきたり積極的に迷惑をかけることはないのだが、朝っぱらから騒いで人を起こすのだけは勘弁してくれないものか。

 色々と立て込んでいるため、活字の本はおろか漫画本も読むのがままなりません。26日に購入した竹本 泉『ある日のツヴァイ』(TOKUMA COMICS/徳間書店) [bk1amazon]をようやく読み終えたのも今日。猫好きならば頷けるエピソード満載でファンならずともお薦めの一冊なのだが――最後のページにさりげなく、1989.3〜2003.11.30と書いてある。本文ではおくびにも出さないのが切ない。
 ……それにしても、新井理恵『うまんが(3)』(FLOWER COMICS SPECIAL/小学館) [bk1amazon]って本当にこれで終わりなのか。物語的にはだだ崩れやん。面白いけど。

 本日のお買い物
1,やぶうち優『少女少年VI -NOZOMI-』(てんとう虫コミックススペシャル/小学館) [bk1amazon]
2,西澤保彦『神のロジック 人間のマジック』(本格ミステリ・マスターズ/文藝春秋) [bk1amazon]
3,鮎川哲也『サムソンの犯罪』(創元推理文庫/東京創元社) [bk1amazon]

 1はすっかりやぶうち氏のライフワークっぽくなったシリーズ第六弾。以前はあとがきにもうじき終わるようなコメントがよく出ていたのに、今回は普通に「またVII巻でお会いしましょう」になってるし。
 2は西澤さん久々の新刊、しかもノンシリーズ書き下ろし長篇。アメリカ南部にあると思しい謎の学校で行われる実験、となんとなく『CUBE』を思わせる設定のハード・パズラーのようです。期待大。
 3は東京創元社流の三番館シリーズ復刻2冊目。

 いやー、今夜の『奇跡体験!アンビリバボー』は久々に酷かった。『聖書の暗号』なんて既に風化しかかったネタを使っている点もさることながら、当事者の言動がツッコミどころありまくりのうえ終盤は不出来なSF未満の話が続いて、しまいには飽きてしまった。どうせ反証を挙げるなら、文章の拾い方そのものが恣意的であることをまず指摘してもらわなきゃ駄目だろーに。とりあえず乗っかっておいて、純朴な一部の視聴者を怖がらせようとしているだけという意味で久々に昔に戻った雰囲気の回ではあったが、だとしたらそちら方面の演出技量が低下した事実を露呈しただけとも言える。どっちにしても駄目だろ、これは。
 第一ねえ、本当に滅亡まであと三年しかないんだったら、暗号に頼って回避しようとするより現実の災害や戦争を防ぐ方策を講じた方が遥かに建設的だと思うんだけど……。死海近辺の発掘・研究自体はやり方次第で成果を上げるだろうから止めはしないけどー。
 発掘した挙句、見つかった解読法通りに解いたら「人に頼ってんじゃねーよばーか」とでも書いてあったら楽しい。てか書いてあっても不思議じゃないと思う。


2003年05月30日(金)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20030521~.htm#Day30

 大車輪。
 目的はただひとつ、明日アレを心置きなく鑑賞するために。いーんだよ多少出来は悪くても。いや、私自身の話でなくてね。
 朝方、烏のあまりの騒がしさに睡眠時間を極端に削られながらも全速力で疾走する。……比喩じゃなかったら倒れているだろうな確実に。

 本日のお買い物
1,東 雅夫・編『ホラー・ジャパネスクを語る』(双葉社) [bk1amazon]
2,高瀬彼方『ディバイデッド・フロント [I]隔離戦区の空の下』(角川スニーカー文庫) [bk1amazon]
3,しかくの『爺さんと僕の事件簿(四) 閉鎖書庫の神様』(あすかコミックスDX/2と3、角川書店) [bk1amazon]
4,渡瀬悠宇『天晴!じぱんぐ(1) [新装版]』 [bk1amazon]
5, 同 『 同 (2)』(4と5、少コミフラワーコミックス/小学館) [bk1amazon]

 うーん、今日あたり『新耳袋』が入るんじゃないかと楽しみにしてたんだけどー。行き付けの本屋の人間が棚卸しにかまけて真面目に捜して来なかったらしい。ちくしょ。bk1ではもう入荷してるぞっ。
 1は東編集長による、ホラー・ジャパネスクの旗手たちへのインタビュー集。福澤徹三さんにも触手を伸ばしてます――実際に取材が行われたのがかなり前のようで、現状とはややズレが生じている雰囲気があるのがちと残念。ちゃんと補記はなされているようですが。
 2は『カラミティ・ナイト』の著者の新シリーズ。ミリタリー風味のバイオホラーとはまた奇態な。
 久々の新刊である3は、100ページ近い長篇がメイン。まだちゃんと読んでいないが、表題作は書物にまつわるミステリである。てゆーか第一話の扉で逸実が抱えてるの『黒死館殺人事件』のハードカバーだぞおい。
 4と5は……なんと言いますか、オリジナルを再読しようと思ったらきっちり行方不明になってやがったもので……。

 私も滅・こぉるさんと同じ宿命を背負っているはずなのですがぶっちゃけた話捜すのが面倒なんです。

 通販で注文したCDがなかなか届かないのは台風のせいなのでしょうか。えーん。


2003年05月31日(土)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20030521~.htm#Day31

 流石に間に合わず。でも仮にモノだけ観ても、締め切りまでには確実に仕上がるペース。そんなこんなで未だに大いに迷ってたりして。本当の初日、僻地のオールナイトで鑑賞するのがいちばん無難という気がしてきたが――うううむ。

 ま、何はともあれ、週末であることには違いないので例によって一本は鑑賞してきました。……台風が接近し風も雨足も強まる中を。ものは、業界最長老マノエル・ド・オリヴェイラ監督最新作『家宝』(alcine terran・配給)感想はこちら――に、来週あたりアップします。現実問題として、日曜日までは絶対に無理です。とりあえず簡単に言うと、美しく企みに満ちた演出だけどどーしても眠気を催す映画。演出や表現としての映画に興味があるならば繰り返し見る価値はあるが、そうでない方には……といったところ。
 こんな陽気でわざわざ映画を見に来る奴なんかそう多くないだろ、と思っていたら案外それなりの人の入り。翻って、他に行き場のない客が流れ込んでいるようだった。まあそれは構わないのだが、盛んに咳払いをしたり席を立ったり、いびきをかく客がいるのにはちと閉口する。……多少は映画の内容のせいもあるだろーけど。

 本日のお買い物
1,THE UNITED JAZZ ORCHESTRA『NEW CINEMA PARADISE』(CASBA RECORDS/CD)
 昨日言及した、通販で注文したCDがこれ。無事に届きました。ブラスの一員兼MC(!)として田中啓文氏が参加し、帯には何故か恩田陸氏の推薦文(でも推薦しているようには見えない)が記されたアルバムです。河内実加さんの日記で初めて存在を知って、前記の情報プラス一曲目がジャコ・パストリアス編曲をベースにした『SOUK INTRO〜TH CHICKEN』だと解った段階で躊躇なく注文してました。
 いま初めてちゃんと聴きながらこれを書いてますが……MC飛ばしすぎです。演奏は、私の好みからすると若干もたついている印象ですが、音の纏まりがいいので聴き心地は良好。ちなみに今(ジャケット表記が間違いじゃなければ)田中啓文氏(ts)のソロが聴こえてます。素直だ。前がとんでもねーソロを披露していた分、余計素直に聴こえる……

 ……さ、作業に戻ろっと。

 といいつつ、残り30ページ程度だったので、のんびり読んでいた本を片づける。スタニスワフ・レム/飯田規和[訳]『ソラリスの陽のもとに』(ハヤカワ文庫SF/早川書房) [bk1amazon]読了。これの感想も、後日。ああ感想が溜まる溜まる。


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