「咲-Saki-」舞台探訪

−長野県内編 その3−



舞台探訪者の心得
 ・探訪先では、地元の人の迷惑にならないように行動する。
 ・観光地でない場所や公共施設でない場所への探訪,撮影には十分注意する。
 ・探訪者の多い場所での行動は控えめに。
 →協賛サイト:舞台探訪ルール


 ('10.01.31 内容を少し整理しました)
 中信エリアの清澄物件が増えたため、ページを分けました。


 知人のひでさん、そしてETAさんから情報をいただいて、第26局の火の見櫓の場所に行って来ました。

第26局[理論] 扉絵(第4巻 P29)

 今までの苦労は一体何だったのかと思うぐらい、あっけなく見つかりました。ETAさんの情報に感謝です。
 民家が正面から写っているので拡大写真は載せませんが、作品と全くそっくりです。ご安心下さい(笑)

 この付近は住宅地です。もし来訪される場合はくれぐれも住民の方の迷惑にならないよう、静かに探訪しましょう。
 大人数,多数の車での探訪を避け、少人数・なるべく少ない台数で移動しましょう。

 扉絵では、この橋を和と咲が渡ろうとしています。
 影が西に伸びているから、登校風景でしょうか?
 やっぱり、原村和の通学路は、『のどかな原村』にあったんですね(笑)

 ちなみに、この撮影場所は、川べりの石垣のがけっぷちの上、幅20cmぐらいの狭い場所です。ハッキリ言って大変危険です。

 もしもこれを読んだ方がこの場所で撮影されて事故を起こしても責任は負えません。
 自己責任でお願いします。

 さて、今度はこの橋を反対側から見てみると…、

第28局[異変] 扉絵(第4巻 P69)

 第28局の扉絵ですね。
 そしてここから100mほど下ると…、

「8月のインターハイへ−−!!」(第4巻 P4-5)

 第4巻カラー口絵でのどっちが歩く場面の場所があります。

 ('10.01.08 追加)

久「顔…?」(第9巻 P68)

 第75局[奪回]に柳沢公民館近くの風景が再度登場しました。

 ('08.09.23 推定場所を若干移動しました)
 そして…、

久「花天月地ね」(第5巻 P79)

 かなりアレンジされてますが、第37局の背景はたぶんここで良いのではないかと?
 この火の見櫓の場所から、2kmほど茅野市(北方向)よりです。

 ブログの方で、森のくまさんという方から「のどっちの家は原村ペンションビレッジにある案内所」、という情報をいただきました。大喜びして行ってみると…、

のどっち家[左右反転](第1巻 P34)

のどっち家[左右反転](第1巻 P154)

 本当にありました! 作中では左右反転して使われています。
 長らく探していた物件がこんなところにあったとは驚きでした。 しかもここは…、


 観光案内所! のどっち家、すごいです(笑)
 一般民家でないため、気兼ねなく撮影出来るのは良いですね。
 森のくまさん、どうもありがとうございました!
 [地図で見てみる]

 ('10.03.27 追加)
 なんと、のどっちハウスに交流ノートが設置されました!

のどっちハウスと交流ノートのBOX

 交流ノートは、専用の木製のBOXに収められています。
 長年舞台探訪をやっている私にとっても、こんな立派な交流ノートのBOXを見るのは初めてです。

交流ノート

 今回の交流ノートは、原村観光協会の方々のご尽力で設置していただきました。原村観光協会の方々、どうもありがとうございます!
 探訪者の皆さま、のどっちハウスに立ち寄られたらぜひ記入して見て下さい。
 (良識ある書き込みをお願いしますね)

 mixiの「咲-Saki-」舞台コミュにて、メンバーの池月つかささんから、第64局で咲とのどっちの上京シーンとして登場した火の見櫓の場所を教えていただきました。

咲とのどっちの上京シーン(第8巻 P55)

咲とのどっちの上京シーン(第8巻 P56)

 まさしくこの場所ですね!
 これまで登場した清澄高校メンバーの背景は、JR七久保駅がある上伊那郡飯島町と諏訪郡原村・茅野地域の2つに分かれているのですが、傾向としてはだいたい自宅が原村付近、学校が飯島町付近、と使い分けられているようです。
 [地図で見てみる]

 ('10.10.11 追加)

第71局[怪物] 扉絵(第8巻 P167)

 mixiの「咲-Saki-」舞台コミュで、VIEWさんに第71局の扉絵の場所を教えていただきました。
 場所は、↑の第64局の上京シーンの、100mほど川下です。VIEWさん、どうもありがとうございました!
 [地図で見てみる]

 そして、第64局の咲とのどっちの上京シーンの後半の背景の場所も、この100mほど川下で発見出来ました。

第8巻 P58-59

 第71局では同じ道を背景にしてのどっちとゆーきの登校シーンが描かれているため、この道は学校や駅のある市街地へ降りていく道という設定なのかも?


 この付近は住宅地です。もし来訪される場合はくれぐれも住民の方の迷惑にならないよう、静かに探訪しましょう。
 大人数,多数の車での探訪を避け、少人数・なるべく少ない台数で移動しましょう。


茅野市 −北山付近− ('08.09.23 追加)
 ↑で見つかった第26局[理論]の舞台と、調査の途中で見つけた「FATALIZER」の舞台を地図上に緑色の線でプロットしてみます。



 ↑上の地図を見れば分かる通り、「咲-Saki-」第26局扉絵の舞台は、「FATALIZER」の2つの舞台のちょうど中間地点に位置します。
 これらから推理すると、

 ・第26局[理論]扉絵は、「FATALIZER」の取材の時に撮影された。
 ・「FATALIZER」の取材から、「咲-Saki-」の『原村和』のネーミングが生まれた?

 という仮説が成り立つのではないでしょうか?
 まぁ、真実は作者のみぞ知る…、なのですが。

 さて、それじゃ、↑上の地図で、「FATALIZER」の士栗とウィルマの足跡をそのまま北に青色の線のように延ばして行くとアレがあるはず、と予想して追って行ってみると…、

第4巻 総扉(第4巻 P1)

 紆余曲折ありましたが、予想通り見つけることが出来ました。第4巻の総扉絵です。(なぜこれがこの周辺にあると予想出来たかというタネ明かしは、ブログの方で)
 [地図で見てみる]

 作品中の赤いトタン屋根の家は既に無くなっていました。
 この背景の担当は、主にカラー背景を担当されているヤオキン氏(巻末参照)で、実際のモデルとぜひ比べて見たかったのですが、残念です。

 ちなみに、作品中でのどっちと咲が立っているこの場所は、今は「芹ヶ沢温泉」という温泉の温泉スタンドになっています。
 これを「のどっちの湯」という名前にして売り出せば、人気沸騰(ごく一部でw)だと思うのですが、いかがでしょうか?>茅野市観光連盟の皆様
 ('09.03.07 追記)
 温泉スタンドは、背景を撮影した時期には既にあったようです。
 情報いただいたJOSRさん、どうもありがとうございました!

 ('09.09.01 追記)
 ↑で温泉スタンドの情報をいただいたJOSRさんから、第1巻目次の背景の場所を発見したとの情報をいただきました。

第1巻 目次

 見つかってみると、第4巻総扉絵の背景からわずか500mほど上流の場所。この対岸の上の道路は何度も通ってましたよorz
 [地図で見てみる]

 そして、原作版ドラマCDのジャケ絵の場所もここですね。

原作版ドラマCD ジャケ絵

 ちなみに、橋の手前の電柱は平成18年製のため、「FATALIZER」の頃(と思われる)の作者の取材時点では、(背景の通り)まだ立ってなかったものと推定されます。
 JOSRさん、情報のご提供どうもありがとうございました!


 ↑の場所から、さらにメルヘン街道ぞいに蓼科高原へ入っていくと…、

第2巻 カラー口絵(第2巻 P3)

 第2巻巻頭カラー口絵で、(超)強化合宿中の咲とのどっちが浴衣姿で散歩するシーンに登場する滝があります。
 滝の名は、“乙女滝”。咲とのどっちにふさわしい名前ですね(笑)
 [地図で見てみる]

 そしてここから50mほど上流に歩くと…、

和「ぜひまたここに…!」(第2巻 P4)

 先の滝の場面の後で、咲とのどっちが県大会で優勝してもう一度ここに来る約束をするシーンの背景があります。


 長らく不明だった、第1巻 P166で咲と和がまこの家に行く途中で渡る橋の場所について、カジさんから情報をいただきました。

「うまくまるめこまれちゃったねぇ」
「うまく…?」 (第1巻 P166)

 カジさんによると、アニメ中の橋に「宮川」と書かれていたため、宮川流域を探して発見したとのこと。実に素晴らしいです!
 これで、アニメがきっかけで発見された最初の物件となったわけで、原作者からアニメスタッフに詳細な情報が提供されていた事が裏付けられました。
 [地図で見てみる]


 第57局[四校]でカツ丼さんと風越コーチの会話シーンで使われる背景の場所を見つけて来ました。

街角の風景-1-(第7巻 P115)

 場所は、茅野駅前でした。打ち合わせ場所がカツ丼さんの地元だとすると、カツ丼さんは茅野市のご出身でしょうか?(はたして、カツ丼はソースカツ丼なのか?w)
 [地図で見てみる]

 会話シーンの最後も、茅野駅の歩道橋の上から東口側を見た光景です。

街角の風景-2-(第7巻 P119)

 ブログでネット知人(舞台探訪の同志)のたちきちさんに、
 「(第1巻P139の湖は)さすがに諏訪湖ってオチはないですよね」
 という指摘をいただくまで、この背景は、ずっと海だと思っていました。
 その理由は、背景にあるようなタイヤが貼りつけてある防波堤を、諏訪湖周辺で見た記憶が無かったからです。

 しかし、その週末に、自宅から1時間の距離にある諏訪湖まで足を延ばしてみると…、

諏訪湖畔

左右反転
和「そう…じゃぁ、お母さんとお姉さんは東京に−」(第1巻 P139)

 なんと、アッサリとありました。
 [地図で見てみる]

 「見たことがない」どころか、ココ、一昨年に実家の家族と泊まった温泉旅館の目の前ですがな…orz

諏訪湖畔

左右反転
咲「私…もっと頑張るから…」(第1巻 P143)

 さて、気をとりなおして現地と背景をよく見比べてみると、興味深いことがわかります。
 それは、対岸の建物が細かく、しかも正確に描き込まれていて、そのために原寸よりも大きく見えることです。

 上の写真をクリックして拡大した写真と原作を見比べて見て下さい。(注:600万画素データの原寸なので非常に重いです!)
 漫画のコマのサイズに一律に縮小すると、対岸の建物はツブれてしまいます。したがって、普通に描くなら、対岸は何も描かなくてもいいぐらいなのです。
 しかし、この背景は、対岸の建物を正確に描くために、わざわざ解像度の高い(おそらく600万画素以上)取材写真を元にして、背景を描き込んで作られた、と考えられるのです。
 言い換えると、単純にトレースなどで作られたのではない、とも言えます。
 この事がわかっただけでも、現地に足を延ばした甲斐があったというものです。


 ちなみに、この漁港(?)は、「関係者以外立ち入り禁止」なので、不法侵入しないと入れません。
 おそらく、のどっちのP137の「私も楽しませて下さい!」発言で、つい頭に血が上った二人は柵を乗り越えて不法侵入してしまったのでしょう。
 若いっていいですね(笑)

和「じゃあもう、手加減とかしないでくださいねっ」(第1巻 P146)

 今回のトリは、咲とのどっちの仲直りの指切りシーンが演じられた階段です。

 P.S.
 最後になりましたが、本件に関する、たちきちさんのご指摘に感謝いたします。


 mixiの「咲-Saki-」舞台コミュメンバーのカジさんから、長らく迷宮物件とされて来た、第1局ののどっちのインタビューシーンの場所を教えていただきました。
 場所は、なんと松本市の旧梓川村地区。初期の舞台設定が固まっていなかったと思われる時期の、貴重な物件です。

のどっちのインタビューシーン(第1巻 P103)

 作品中では消防団の屯所が描かれていますが、現在では無くなって公民館になっています。街灯の場所も若干移動していますね。
 [地図で見てみる]

 そして、以前から予想されてましたが、この場所は他のシーンにも登場しています。

咲と京太郎の登校シーン[左右反転](第1巻 P111)

のどっちパパ運転中[左右反転](第1巻 P210)

 左右反転して使われている背景が少なくないのは、「咲-Saki-」初期の頃の特徴ですね。

第8局[初陣] 扉絵(第2巻 P29)

 第8局の扉絵、よく見ると、カーブミラーの中に火の見櫓が描かれていますが、現在では無くなっています。

 ('11.01.10 追加)

和「宮永さんっ!」(第1巻 P29)

 mixi「咲-Saki-の舞台に行こう!!」コミュメンバーの長官さんから、第8局扉絵から20mほど上流側に、雨の中で和が咲ちゃんを追いかけるシーンの背景があると教えていただきました。
 作中が雨の中のシーンのため鮮明ではないのですが、石段の並び方やガードレールなど、現地とそっくりなのでここで間違いないでしょう。長官さん、どうもありがとうございました!


 第9巻収録の番外編[高遠原]は、のどっちの中学時代のお話。
 前半の舞台は転校前の奈良ですが、後半の舞台は転校後の長野に移ります。
 そして、のどっちとゆーきの運命(?)の出会いの場所は…、

ゆーき「じゃ、私とも友達になれるじぇ」(第9巻 P191)

 富士見町の立場川でした。
 北側から中央東線の新立場川橋梁を見る構図ですね。
 [地図で見てみる]


「それから2か月後−」(第9巻 P192)

 次のページの背景は、↑上の場所の100mほど北側から、今度は中央道の陸橋を見る構図です。
 さて、この二つの場所の間に何があるかというと…、

旧立場川橋梁

 廃線ファンには有名(らしい)な、中央東線の旧立場川橋梁があるのですね。
 以前から「小林先生=鉄道ファン」説がウワサされていましたが、この場所が登場した事からますますその説が勢いを増しそうです(笑)

 ('12.01.08 追加)
 第91局[追補]扉絵に、なんとこの旧立場川橋梁が登場しました。
 ↑とほとんど同じ構図だったのでビックリ。長い間やってると、こういう事もあるんですね〜。

第91局[追補]扉絵 (第10巻 P120-121)

 ↑これが扉絵の構図ですが、雰囲気的には以前に撮った写真の方が夏の感じが扉絵と合ってますね。
 それにしても、この場所が登場したという事は、これはもう、「小林先生=鉄道ファン」説確定で良いのでしょうか?…

 ('13.05.26 追加)
 「咲-Saki-」第11巻のとらのあな特典に旧立場川橋梁が再び登場!

「咲-Saki-」第11巻 とらのあな特典

 これで背景に登場したのは計3回。小林先生のお気に入りの場所なのでしょうね、きっと。

 (以下、'11.10.02 追加分)
 そして、番外編ラストは…、

和「またいつか−」(第9巻 P195)

 立場川の対岸側から見た、甲斐駒連峰の背景で終わります。
 作中ではヒキのちょっとした背景ですが、現地は中央に見える三本のポプラが印象的な場所です。近くに寄られる際はぜひ立ち寄ってみて下さい。
 [地図で見てみる]

 ('11.11.23 追加)
 第90局の扉絵で、この立場川ぞいが再び登場しました。

第90局[嶺上] 扉絵 (第10巻 P103)

 扉絵のアオリ文句は「いつもの通い慣れた帰り道」。咲ちゃんとのどっちの帰り道だったり、のどっちとゆーきの出会いの場所だったり、清澄メンバーにとっては色々と思い出の場所なんですね。
 この場所は、mixiの「咲-Saki-」舞台コミュしにふぃえ さんに教えていただきました。どうもありがとうございました!
 [地図で見てみる]

 ('13.01.14 追加)
 第107局の扉絵で、第90局↑の道ぞいの場所が登場しました。

第107局[開始] 扉絵 (YG '13年No.2 P18-19)

 第90局扉絵では、咲ちゃんとのどっちの通学路として描かれていましたが、そこへ続く道であるこの場所も、1年生3人組の通学風景として描かれてます。毎度のことながら、設定が細かいですね。
 この場所は、mixiの「咲-Saki-」舞台コミュの一休 さんに教えていただきました。どうもありがとうございました!
 [地図で見てみる]


 SUGI氏とひでさんに、第60局[伏兵]の場所を教えていただきました。

第60局 扉絵(第7巻 P165)

 地図で教えられた通りの場所をカーナビに打ち込んで走ったら、気がつくと舞台の前に立っていました。素晴らしい! 情報感謝です>SUGI氏、ひでさん
 [地図で見てみる]

 ちなみにここは、長野県を飛び出して山梨県の旧小淵沢町。今回の発見で、中部地方の舞台の最東端を更新した事になりますね。

 本探訪記内の登場人物のセリフの著作権は小林立先生 にあり、ここでは当該作品の副次的な視点提供を目的として引用しています。

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 「咲-Saki-」の背景について、各巻末のスタッフリストを元に分析してみる事にします。

 まず、全巻を通じて「color background assistant」と紹介されているのが、ヤオキン氏 。ブログも書かれており、時々「咲-Saki-」の担当箇所についてコメントされています。
 このヤオキン氏のブログの情報とコミック巻末のスタッフリスト、そして今まで明らかになった舞台(背景モデル)を表にまとめてみます。
 →「咲-Saki-」舞台地リスト

 この表から推測されるのは、以下の2点です。

 1.「咲-Saki-」のハイクオリティな背景は、複数の担当者による
 ヤオキン氏担当のカラーの背景はいわずもがなですが、ヤオキン氏が担当されてない第3巻,第4巻のモノクロ背景も、異例と言えるほどハイクオリティです。

 2.背景の元資料の提供元は、おそらく小林立先生御本人
 これは、第2巻のヤオキン氏担当のカラー口絵で初出の武蔵野陸上競技場が、ヤオキン氏が担当していないとされる第3巻本編背景に登場していることから、共通の元資料(写真)が存在すると推定されます。
 そしてもう1つの傍証は、第1巻目から「咲-Saki-」に共通して存在する、その背景の構図です。

第1巻 P132
背景担当:ヤオキン氏('10.10.03 追記)
第4巻 総扉第3巻 総扉
背景担当:ヤオキン氏背景担当:今井修氏

 それぞれ背景担当の方が違いますが、表現の手法は一貫しています。
 ('10.10.03 追記 第1巻 P132の背景も、ヤオキン氏のご担当と判明しました)
 そう、『手前側に広い空間を置き、奥の消失点とそこへ続く集中線を配置して、広角めの画角でパースを付けて遠近感を強調する構図』が多用されているのです。
 キャラ萌え作品にもかかわらず、時にはキャラよりも空間描写を優先することにより作品世界観を表現する。そこが「咲-Saki-」の独特の魅力の一つだと思います。(第4巻の総扉の奥に咲ちゃんがいるの、判るかな?)
 この「咲-Saki-」ばかりでなく、初回作の「FATALIZE」(「咲-Saki-」と背景担当が違う)でも同じ構図が多用されているので、これは小林先生の作風と見るべきでしょう。

 そして、こんな作風の統一した背景モデルの写真が大量に存在するとなると、これはもう、小林先生御本人が自分で撮影、すなわち現地取材したと考えるのが自然だと思います。

 この背景の構図の他にも、「咲-Saki-」の中には月の満ち欠けや街灯で時間の経過を表す描写が見られます。
 個人的に、こういう「絵で世界観を語る」作品にはとても惹かれます。
 キャラ萌えという方にばかり目を奪われがちですが、「咲-Saki-」の世界観のセンスも要注目だと思います。

 本探訪記内の「咲-Saki-」画像の著作権は小林立先生 にあり、ここでは当該作品の研究を目的として引用しています。

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