−10月−

−集会1−
「表現朝会」とか「音楽朝会」等,全校で集会をする時,隣同士のお喋りがあったり,話や発表を聞く態度がとれなかったりすることがあります。集会に参加する前に学級で注意をしても,なかなか浸透しない児童もいます。

−集会2−
最近の指導で効果があったのは,「集会中後ろを向かない」という約束です。そのチェックとしては,「後ろに教師が立ち,後ろを向いた子を記録する」「児童に,自分の前の人が後ろを向いたかどうかを後で聞く」等の方法をとり,守れなかった子には「なぜ集会中に後ろを向くのか」という題で作文用紙1枚全部にレポートを書いてもらうことにします。この1つの約束だけで,随分集会中の態度は変わってきます。

−ジオラマ1−
ある日,女の子が友達と「先生,問題があります。」と言ってきました。その出来事を話した後,「みんなで話し合って下さい。」と言うのです。

−ジオラマ2−
その出来事とは,自分(A)が友達といっしょに行動しようとしたことに対して,ある子(B)がBの方にきてくれないことを嫉んでAの腕をきつくつかんだということでした。そういうことがよくあるので,これを話し合ってくれと言うのです。

−ジオラマ3−
大きな行事が2つ続いてあり,この問題への対応が少し遅れました。Aはいつ話し合ってくれるのかと言ってきます。私は話を聞いた時から,これは「話し合う問題」ではないと思っていました。

−ジオラマ4−
「自分の方へ来てくれない嫉みから,その子の腕をきつくつかむ」というような行動は生理的な行動です。この行動の持つ本当の意味に,まだ小学生であるAもBも気付いていません。そこで,「話し合い」より,「説明」をした方がいいと思いました。

−ジオラマ5−
そこで,ある日の学活で「B→A→C」と黒板に書き,次のような説明をしました。「最近,こんな問題が起きました。(図を指しながら)Bという人がAを気に入っていて,いつもいっしょに遊ぼうとしていたら,AがCの人たちといっしょに行こうとしたので,怒ってBはAの腕を強くつかんでしまったのです。BはAが好きだからこそ,自分の方を向いてくれなかったAに痛い思いをさせてしまいました。でも,そんなことをすれば,よけいAは自分から離れていくことは,ちょっと考えればすぐ分かることです。でもやってしまった。体が自分の考えとは違うことをついしてしまうことを生理的な行動と言います。思わず感情的になって相手に痛い思いをさせてしまったのです。生理的な行動とは「おならをする」「おしっこをする」というようなことです。つまりこの人は,人前でついおならをしてしまったようなものです。普段は人前でやってはいけないと思っていても,生理的についやってしまったのです。」

−ジオラマ6−
「BがやったことをAは話し合ってくれと言いますが,これは人前でおならをした人に対して,なぜあなたはおならをしたのですか?と聞くようなものです。このように,生理的に我慢できずに人に対して醜い行動をする人は,これからも時々みんなの周りに現れてきます。いろんな性格を持った人達の中で,みんな生きていかなければなりません。」

−ジオラマ7−
「でも,一番大変なのは,このBという人です。BはAと仲良くしたいために,つい自分の思うようにしようとしてしまいました。そして結果,よけいAはBから離れていっています。BはAをどうにかしようと思い,Aを相手にしているつもりですが,実はBが本当に相手をしているのは,Aという人ではないのです。」

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