−一人ひとり1− 今年は40名近くのクラスを担任しています。つまりこの学年の児童たちは,1年生の時からこれだけの人数で過ごしてきているわけです。最初の1週間で,人数が多い故の弊害と思われる事象に気が付きました。 −一人ひとり2− 最初の1週間で驚いたのは,何か行動を指示した後,何をするのか聞きに来る子が何人もいたということです。また,人が話している時に平気でおしゃべりをしていました。人数が多い故の弊害,それは,「自分はしなくても許される」という感覚です。人数が多いと,何人かが聞いていなくても注意されないし,指示されたことをしなくても,時間の関係でそのままですんできたことがあったのではないかと思われます。 −一人ひとり3− もし,人数が多いという環境のせいで「話を聞こうとする意識」や「学習活動意欲」の減退が起きてきていたとしたら,ここで,よけいに「一人ひとり」への働きかけを確実にしていかなければならないと思いました。 −一人ひとり4− そこで例えば,授業中に説明する時,「では,黒板を見て下さい。」と言った後などは,全員が黒板を見ているか毎回チェックをします。そして,「黒板を見ていない」子が黒板を見るまで待ちます。ここで5秒経っても見ない子は完全に話を聞いていない子です。当然きつく指摘をします。 −一人ひとり5− 「人数が多い故の弊害」に気づいた時から,多いからこそ一人ひとりを意識しようと思いました。宿題はもとより,連絡帳の字まで一人ひとりをチェックし,改善していきます。今年から日記も毎日書かせることに全校で統一されたので,40冊近くの日記に毎日赤ペンを入れています。宿題の計算と漢字の間違いは全てチェックし,必ず全部直すまでチェックを繰り返し,全員が100点になるようにしています。 −一人ひとり6− 音読も全員一人ひとりに場を与えます。一人一文ですが,途中でつまったり間違えると,呼び鈴のチーンが鳴り,最初から読み返すことになっています。社会では例えば日本の周りの4つの海の名前を学習した後では,黒板に描いた日本の周りを指示棒で指しながら,全員一人ひとりを立たせて,4つの海の名前を言わせていきます。 −一人ひとり7− 「一人ひとり」という言葉は「確かな学力づくり」のキーワードになるのではないかと思っています。つまり,全体で答え合わせをするようなことをしていてもほとんど意味がないということです。教科書に書いてあることを綺麗に板書して,綺麗にノートに写させても,練習問題の解答状況を一人ひとりチェックし,直させるような行為をしていなければ,それは何となくお勉強らしいことをしているだけで,子ども一人ひとりを確実に育てるという責任の放棄になるように思います。 −学級懇談1− この学校では,参観日に授業は観てもその後の懇談には残らないという人が半分以上おられます。4月の懇談も少なかったので,今回5月の参観日には,学年である作戦を考えました。 −学級懇談2− 学年で考えた作戦,それは,参観日前に学級懇談に興味を持つ魅力的なキャッチコピーを載せた学年通信を発行するということです。実際,この作戦によって私のクラス以外は参加が格段に増えました。学年通信に載せた文は次のようなものです。
しかし,私のクラスのように,参加の増えない(何と4月より1名減!)結果も見られたので,次回はまた別の作戦を考えています。名付けて「行けばよかった学級懇談」作戦です。 −手書き− 今年の学級通信も全て手書きで出しています。道具は2Bの鉛筆とシャープペンシルと物差しと消しゴムだけです。カット等は一切使いません。しかし,学校評価のアンケートで,大半の保護者は通信をよく評価してくださいます。今は手書きの方が珍しがられて,つい読もうと思ってもらえるのかもしれません。 −問題先生1− 今日,ある子が「問題先生」という題で日記を書いてきました。書き出しが,「私たちの先生は問題先生です。」とありました。ドキッとしました。 −問題先生2− 日記を開いてパッと目に飛び込んできた「問題先生」に,「おいおい・・・」と思いながら中身を読んでいくと,「授業の初めに先生が復習問題をよく出すので,それを楽しみにしている」という内容でした。放課後の教室での一瞬の緊張でした。 6月へ |