−講座(その2)8− [2]では「50年」の長さについて問いました。発問のポイント3は「思わず本文を読み返さざるを得なくなるもの」というものです。 −講座(その2)9− [2]の部分では「50年は長いか,短いか。」と問いました。本当はこういう部分は,発問をしなくても,子どもたちの方から,「分かること」として,「50年の前に(せいぜい)と書いてあるから,ここでは50年では短いんだと思われていることが分かります。」というような「言葉にこだわって,分かることを発言する」学習パターンをつくっていきたいところです。 −講座(その2)10− [3]では,発問ポイント1,2,3の全てを満たす発問を考えました。本当に本文を読んだかどうか完璧に分かる発問です。 −講座(その2)11− 講座では,この発問づくりをその場で行っていくのですが,講座を受けている先生の中に一人,私と同じ発問を考えた先生がいました。それは,「古代の釘を絵に描きましょう。」というものです。
ノートに描いて持って来させると,約3分の1の子はよく本文を読まずに描いているということが分かります。 −講座(その2)12−
この[4]でも,子どもたちがついひっかかる発問が考えられます。そして答えを聞くと,間違った子は「あーそうかー!」と納得し,注意深く言葉にこだわって考え正解した子はちょっと鼻を高くします。 −講座(その2)13− [4]では「職人としていやなことの順番は?」と発問しました。子どもたちには1,2と番号をつけて,いやな順にノートに書いて持って来させます。すると,見事にひっかかる子が現れます。 −講座(その2)14− 「よく読まない子」が分かるのはこういう時です。そういう子は1番を「下手くそだと思われること」,2番を「笑われること」と,書かれている順番に並べてしまいます。言葉にこだわることのできる子は「もっと」に気づき,逆にします。正解した子を大袈裟にほめ,言葉にはいろんなヒントが隠されていることを,こういう問題を通して説明していきます。この授業では,この後学習作文を書きました。今回の講座では,演習プリントによる発問づくりの後,その紹介もしました。 −講座(その2)15− 講座で紹介した子どもたちの書いた学習作文は次のようなものです。この作文には2時間かけました。1時間は子どもたちが授業中にノートに書いた「出された発問」と自分の「答え」を見て,作文のプロット作りをしました。子どもたちには「授業中に考えたことを作文に書きます。自分のノートを見て,作文に書けそうな所を思い出して,その小見出し(作文の中で太字にしている言葉)だけをどんどん箇条書きにしていきましょう。」と伝えました。 −講座(その2)16− このような流れで,2時間半のミニ講座を行っていきました。そして8月には講座(その3)を行いました。この時は(その2)できいた希望に合わせて,「発問作り」を中心に行い,気が付いたら3時間経っていました。その時のレジメは次のようなものです。
−上司1− 上司に対して不平,不満を持ち,それを口にするのは世の常のようです。 −上司2− 自分に厳しく,人に優しく,判断力があり,寛容で,人の良さを認め伸ばしてくれる,立派な上司であってほしいと誰もが思うものです。 −上司3− しかし,いつもここで思うのは,もし,「自分に厳しく,人に優しく,判断力があり,寛容で,人の良さを認め伸ばしてくれる,立派な上司」がおられたとしたら,そういう上司は部下だった時,いちいち上司について陰で不平,不満を言っていただろうか,ということです。 −上司4− 上司に対していちいち文句を言っているような人は,自分が上司になった時,同じような上司になるような気がします。 10月へ |