−1月−

−猟師問題1−
給食時間子どもたちと話している中で,問題を出すこともあります。新しいクラスを持つと,一度は出している問題があります。昔受験勉強をしている時にラジオの深夜放送で聞いて,何故かそこだけ鮮明に覚えているものです。

−猟師問題2−
その問題は「猟師から横に100メートル離れた所に鳥がいました。猟師の鉄砲は弾が1メートルしか飛びません。しかし,猟師がその鉄砲で撃つと,100メートル離れた所にいる鳥に当たりました。なぜでしょう。」というものです。

−猟師問題3−
この問題の答えはいくつもあります。ここでは1つの例を紹介します。
C「鉄砲の長さが99mあったから。」
T「正解!では,鉄砲は普通の長さでした。でも当たったそうです。なぜでしょう。」

−猟師問題4−
しばらく待って答えが出されなければ,あまり間を空けず2番目の答えを言います。つまり問題というより,問いと答えがセットになった1つのトークととらえた方がいいように思います。発想のリズムを楽しむという感じです。
(子どもから2,3考えが出された後)
T「弾の長さが99mあったからです。」
C「えー!?そんな弾ないよー!!!」
T「うん,そんな弾はないよね。じゃあ,弾も普通の長さでした。でも当たったそうです。なぜでしょう。」

−猟師問題5−
2つ答えを出した後の3つ目は比較的早く答えを出します。次のようなテンポです。
T「じゃあ,鉄砲も弾も普通の長さでした。でも当たったそうです。なぜでしょう。」
C「鳥が飛んで来たから。」
T「おしい!鳥は100m先にいました。でも,鳥のおなかが99mあったんです。」
99mが「鉄砲」,「弾」の次に「鳥のおなか」と続いていくリズムを楽しめたら成功です。もちろんこれ以外の物を99mにする答えもいろいろ考えられますから,全て正解として楽しみます。

−動機付け1−
人がある行動をする場合の動機には,大きく分けると3種類あるように思います。1つ目はただ単にやりたいからというもので,ここに第三者は介在しません。2つ目はその行動をしたいとは思わないが,しないと誰かから注意されたり叱られるからするというもの。3つ目はその行動自体をしたいと思わないのは2つ目と同じでも,例えばアルバイトのようにそれをすることが後に自分の収入という利益になったり,それをすることで自分が満足できたり,ほめられたり感謝されたり感心される心地良さを得ることができるからというものです。

−動機付け2−
学校は,子どもたちに「したいとは思わないけどしなければならない」ことを「させなければならない」所です。それは教え,育てるために必要なことです。しかし,同じ行動をさせるにしても,「しなさい,しなさい。」(して当たり前,した後のフォロー,評価なし)という事務的な指示ばかりが多くなってしまうと,子どもたちは「しないと注意されるから」という意識で行動するようになります。

−動機付け3−
子どもが嫌なことを嫌々させられている姿に,良心の呵責を覚える教師は,どうにかしてほめて動かそうと思います。しかし無理矢理ほめているばかりでも,掃除をサボる子はやはりサボります。

−動機付け4−
世の中にはいろんな人がいて,叱られた方が動く人もいれば,ほめられても動かない人もいます。しかし,ほとんどの場合はほめられると,ドーパミンが分泌され動くことになっています。問題はそのほめ方にあります。

−動機付け5−
ほめ方に対する1つの提案は,このHPで既に紹介している「おほめ言葉」より「感心言葉」というものです。そして,もう1つはほめるという「賞状」につける「副賞」の提示です。

−動機付け6−
「副賞」とは,「お祝い」です。子どもたちの態度の望ましい小さな変化,成長を敏感に取り上げ,全体に知らせ,価値付けを行い,共に喜ぶイベントを「お祝い」として行います。それはほんの些細なことでも,子どもたちは日常生活の中のイレギュラーを新鮮な喜びとして受け取ってくれます。

−動機付け7−
「お祝い」にはとにかく子どもたちが喜ぶものを用意します。例えばこのHPで紹介している「ストロートンボ」や「風船バレー」「風船ゲーム」「各種ゲーム」「科学手品」等です。百人一首大会をするだけでも大変喜びます。また私は学期に2,3度行うことがありますが,「宿題なし」も「お祝い」の1つになります。これは,タイミングと演出方法によっては大きな効果を生みます。

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