会計の勉強会ではありません。
 派遣法の講習会でもありません。
 会計 と 派遣法 の両側面から
 人材派遣業の経営のヒントをつかみましょう。

部門管理

 もともとの本業がある会社が、派遣業に進出する場合、
 ・ 既存会社で、派遣業を行うか、
 ・ 別会社で、派遣業を行うか、
 という選択があります。
 (「人材派遣業への新規進出」参照)

 ここでは、既存会社で派遣業を行うケースの話し。
 このケースで、会計上、やるべきことがあります。

 それは、「部門管理」をすることです。
 部門管理をすることにより、
 本業と派遣業の利益構造を区別して把握しましょう。
 そうしなければ、派遣業が独立して採算がとれるのか分かりません。

 会社によっては、本業よりも
 派遣業のほうが、業績が上回るケースもあります。
 そのとき、経営資源の業間シフトや、完全な派遣業への移行、
 といった経営判断の重要な資料として、
 部門別に会計処理した財務諸表が大いに役立つのです。

 部門管理は、P/L項目(収益・費用)のみでも可能です。
 そしてそれは、いくらかシンプルにできます。
 一般的な、例えば、支店ごとの業績を把握するような場合の
 部門管理は、P/L項目のみを部門設定することも多々あります。

 しかし、人材派遣業の場合、
 派遣許可の財産基準の目安も見ることができることから、
 B/S項目(資産・負債・資本)も部門管理したほうが
 ベターだと思います。
 (「派遣・許可基準」参照)

 B/S項目も分けるとなると、
 会計処理の手間は少し増えることになります。
 自社の処理能力やコストバランス等を考慮して
 判断してみてください。



与信管理

 特に派遣業に限ったことではありませんが、
 与信管理、つまり、顧客の支払能力の把握は、
 経営の重要項目の1つです。

 中小・ベンチャー規模の企業は、
 この与信管理がまったくなされていない会社が多いものです。
 売るだけ売って、代金が回収できない。
 派遣業なら、派遣社員が働くだけ働いて、派遣料金が回収できない、
 という状態です。

 こんなときでも派遣社員をタダ働きさせるわけにはいきません。
 給料は支払います。
 すると、費用がけかかって売上がたたない。
 このダメージは、「派遣社員の年休取得」の比ではありません。

 どんなに大きいか、ご説明しましょう。

 例えば、1人派遣して、1日16,000円の派遣料金をもらえる取引が
 あったとします。
 1ヵ月 20日稼動とします。
 すると1ヵ月の売上は、320,000円です。
 この1ヵ月分が回収不能になりました、というケースです。

 この回収不能分を、穴埋めするには、
 別にどのくらい売上げが必要でしょうか?

 売上代金が回収できないことは、損失です。
 「貸倒損失」といいます。
 決算書(のうちP/L)上、回収できなかった金額が、
 マイナスされます。
 すると見かけでは、その回収不能金額だけが、損失に見えます。

 ところが。
 回収不能の売上は、さまざまな費用をかけた結果、売り上げたもの。
 だから実態は、その売上のためにかけた費用も、まるまる損になった
 ということです。
 その分、本来あるべき利益がごっそり削られているのです。
 だから、穴埋めのためには、かけた費用分も取り返さなければ、
 つじつまが合わないことになります。

 利益率を5%としましょう。
 すると損失(=利益からマイナスされた分)は
 320,000円 ÷ 5% = 6,400,000円
 売り上げなければ、取り返せないことになるのです。

 利益率が高かったとして10%としても、3,200,000円です。
 普通、貸倒れは、1ヵ月では表面化しません。
 早くても2ヵ月はかかるでしょう。
 大抵その間も、取り引きし続けるものです。
 その場合は、640,000円の回収不能。
 穴埋めの売上は、12,800,000円。

 怖いですね。

 もう1つ。
 売上がたって、代金が回収できない、となると、
 会計上は貸倒れ処理ができます。(=利益が少なくなる)
 が、税務上は、そうはいきません。
 最近の判例でハタ色が少し変わったとはいえ、
 税務上、貸倒れ処理はクセモノです。
 実務では難しい。
 (=利益が少なくならない=納める税金が減らない)

 そうなると、売上(=収益)だけたって、現金(=収入)はナシ。
 対する費用の支払いはアリ。
 そして税金はかかる。
 というトリプルパンチです。
 キャッシュフローは、とたんに悪化です。

 こんな事態を防ぐ方法
 ・ 相手先の財務規模や社歴など、情報の収集
 ・ 予兆の察知
 ・ 契約のしかたの工夫
 ・ 毎月の売掛金管理の徹底

 直近3年くらいの決算書など見られたらいいですねぇ。
 まずないでしょう、見せてくれる会社は。
 ならば、相手先と接する営業担当が、
 商談のなかで、それとなく聞き出すしかありません。
 支払能力に関わることを。
 いつでも、情報収集を心がけるのです。
 営業が相手先の支払いに対して、関心を持たなければいけません。
 敏感でなければなりません。

 営業だけに限ったことではありません。
 派遣業は、派遣社員が相手先にいます。
 重大な内情を知った場合、派遣社員から派遣会社に
 伝えてもらうことも手段の1つです。
 秘密漏洩の危険もあります。
 当然ながら第三者には口外しないように。
 でも、自社への情報提供は、
 損失を最小限にとどめ、適正な取り引きを続けるための
 正当な行為として許されるのではないでしょうか。
 (「派遣契約」参照)

 初めて取り引きする相手先の場合には、
 いきなり大口にしないことです。
 短期契約、少人数派遣を鉄則とするのです。
 また、支払いサイトを極力短くしてもらいます。
 特に、数日間のイベントや短期間の催事に派遣をする場合などは、
 前金や内金の交渉もしたほうがいいでしょう。
 それらを渋る相手先とは契約しない勇気をもつことです。
 売上に目がくらんで、冷静な判断を失ってはいけません。
 売上は、それだけでは何の意味もない数字。
 お金をもらって、はじめて経営です。

 少しずつでも実績ができた顧客に対しては、
 徹底した売掛金管理をすることです。
 売掛金は相手の会社ごとに管理します。
 このように個々に管理する項目を「人名勘定」といいます。
 売掛金を人名勘定ごとに、毎月管理していくのです。
 ・ 約定どおりに支払いが行われているか。
 ・ 未回収のまま放置されているものはないか。

 このチェックは、経理の仕事の重要な仕事の1つです。
 ぜひ社長直結の業務としてください。
 そして滞留情報は、最低でも、
 経営陣、経理部、営業部、コーディネーター部の共有情報にします。
 危険なニオイのする相手先は、
 取り引き減少や、取り引き中止の判断を下すのです。
 これは、新規顧客を獲得するのに比べたら、
 ずっとラク、かつ、コストをあまりかけないで済む、
 利益確保の手段です。



派遣会社の経営

 ここまで、長々とお付き合いくださいまして、
 ありがとうございます。
 派遣法と会計を、部分的ではありますが、見てきました。
 派遣会社の経営として、やらなければならないことの
 イメージだけでも持っていただけたら幸いです。

 人材派遣業は、人に働く場を提供する、素晴らしい仕事だと
 思っています。
 そんな業種に、これから仲間入りするあなたの会社を、
 心から歓迎します。
 これから生まれ変わろうとしているあなたの派遣会社を、
 心から応援します。


派遣業の会計と派遣法から、派遣会社の経営のヒントを得る
部門管理・与信管理
メニュー
次世代法・支援サービスメニューへ→

派遣業・支援サービスメニューへ→

助成金・支援サービスメニューへ→

企業支援サービスメニュー↓ ほかへ→

残業・代エット
残業代を減らしたいと思いませんか? それも社員にメリットのある方法で。
適格退職年金の廃止で、せっかく退職金問題を退治できるのに
退決で行こう!
あっせん期日の通知が来た!そのとき社長はどう対応しますか?

派遣業支援サービス
派遣会社の設立
人材派遣会社を設立する
資本金と消費税
許可申請
人材派遣業
人材派遣業を始める前に
 許可申請の流れ
 許可基準
 申請必要書類
紹介予定派遣
職業紹介業
 職業紹介業を始める前に
 許可申請の流れ
 許可基準
 申請必要書類
派遣会社の経営
派遣業の会計と派遣法から派遣会社の経営のヒントを得る
 派遣法からの経営ヒント
 派遣業会計からの経営ヒント
 部門管理・与信管理
派遣会社の2つの契約と派遣会社の通知
 派遣契約
 派遣社員雇用契約・通知
派遣社員の就業規則
派遣会社の社会保険
 派遣社員の社会保険適用
 派遣健康保険組合
 社員と派遣スタッフの社会保険を分ける
 派遣会社の税金
 派遣社員の給与
 派遣社員と育児介護休業
人材派遣業へ新規進出
派遣会社の成功事例

資料請求・問い合わせ(総合)
!ご注意!送信できない場合
★それでも★送信できない場合はコチラへどうぞ

無料
電話相談
 受付中
無料電話相談予約は、コチラからお申込みいただけます。

数事と人事株式会社
所在地・連絡先
小俣和生事務所
 税理士
 社会保険労務士
トップ 税理士・社会保険労務士 数事と人事の小俣事務所

社員教育(クライアントさんの声)

プロフィール
数事と人事の経営

リンク


メールマガジン
就職人気企業になりたい、
10年後の勝負に勝ちたい
会社必見!
次世代育成支援対策推進法は、21世紀の経営資源の紹介ページへ
無料登録ができます。

メールマガジン
登録
メールアドレス:

メールマガジン
解除
メールアドレス:

Powered by まぐまぐ


派遣業会計からの経営のヒント ← / 派遣契約 →


派遣業・支援サービスメニューへ →


資料請求・問い合わせページ(総合版)へ →
!ご注意!送信できない場合 →
★それでも★送信できない場合はコチラへどうぞ →


このページの先頭へ ↑


ホームページ トップへ →


Copyright:(C) 2005 Kazuo Omata All Rights Reserved.