肘の痛みは、テニスやゴルフ、野球など肘や手首の動きに大きな力や捻りが加わることで発生します。スポーツ以外では、家事で買い物袋を持つ、フライパンを持つ、雑巾をしぼるなどの動作、デスクワークでパソコンのマウスを長時間使用することで肘の筋肉や関節、靱帯などに負荷がかかり、痛みがでます。
原因は?
痛みが発生する場所は、大きく分けて肘の外側と内側になります。外側が痛む場合は、上腕骨外側上顆炎という症状で、手の平を内に戻すときのように手首を内反回転させる動きの負荷によって起こります。逆に内側が痛む場合は、上腕骨内側上顆炎という症状で、手の平を外に向けるときのように手首を外反回転させる動きの負荷によって起こります。
なぜ痛みがでるかというと、肘には手指と手首を動かす筋肉が付着しており、このため、手指・手首を動かすと、この上腕骨外側上顆に引っ張られる力が加わります。この動作を繰り返し行うことで、上腕骨外側上顆に負担がかかり、やがて炎症が起きます。
鍼灸治療では、肘の痛む部分にハリや灸をすることで、患部の筋肉や関節、靱帯などを柔らかくし、血流を良くすることで痛みを改善していきます。また、局所以外にも経絡のつながりで、上腕や肩周り、肩甲骨間なども合わせて治療ポイントとなります。
自分でできる対策法としては、肘や手首のストレッチ、パソコンを長時間使用する方は、マウスを使う時 肘の位置を手首の高さと同じにすると肘に負担が減り、痛みが軽減されます。
効果的なツボは?
・曲池(きょくち)・・・肘を曲げたときにできるしわの外側。気の流れや自律神経の働きを調整するツボでもある。肘の痛みにはもちろん手首の腱鞘炎などにも効果あり。
・肘兪(ちゅうゆ)・・・肘関節の背面で肘頭と橈骨頭の間のくぼみ。
・曲沢(きょくたく)・・・肘の内側のくぼみにあるツボ。「曲」は曲がること、沢は草と水が接するくぼみのこと。関節の周りは曲がり目なので気血が滞りやすい。従って痛みも出やすい。
・小海(しょうかい)・・・上腕骨内側上顆と肘頭の間のくぼみ。手や肘の痛み、前腕の痛みやしびれ、こわばり、炎症を抑え、関節の動きを滑らかにする。
・肩井(けんせい)・・・首の根元と肩先の間の真ん中。他に肩こりや首のこり、頭痛、腕の神経痛などに効果あり。