−9月−

−くすぐり−
新学期が始まりました。まずは雰囲気作りを気にします。「ほめる」のが一番ですが,下手をするとよけいしらけてしまうこともあります。子ども一人ひとりの持っているプライドをどうにかくすぐることができたらいいなと思っています。

−買い食い−
子どもの頃,学校帰りに物を買って食べる「買い食い」をしてはいけないと言われていました。今,その買い食いをよくしています。学校を出るのはいつもほとんど夜になっています。家までは約36qの道程があり小1時間かかります。疲れた身体にはこの距離を帰る前のおやつが効きます。最初はいろいろなアイスを買って味比べをしていました。最近は気分によってミカンやリンゴになったり,パンや甘栗になったりしています。

−ガソリン−
燃料がいくら高くなっても,まだ買えるうちは助かります。教育界にこの数年,多くの事務的な部分が増えてきましたが,それさえ済ませれば,後は自分のやりたい仕事ができます。状況は変わらなくとも,考え方一つで随分得したり,損したりするものです。もし,自分の子どもが命に関わるような病気をしたとしたら,「元気でいてくれさえすればいい。」と本心から思うようになります。現状は見方をちょっと変えるだけで,すばらしい世界に変身します。すると,新たな力も出てきます。

−税金−
最近,夜は教室で仕事をしないで職員室でするように言われました。夜,教室に電気がついていると,地域から電気代がかかるという苦情がくるとのことでした。なるほどと思いました。節約の世の中です。税金,電気をムダに遣ってはいけません。どうしても教室で用事をしなければならない時のために,これからは懐中電灯を常備しておこうと思っています。紙でも職員室で提案するものは印刷ミスの紙をためておいて,その裏を使うことになっています。時々,どちらが必要なのか迷うこともありますが。

−二人三脚 1−
先日学校の運動会がありました。その中で親子二人三脚があり,私も都合で親が来られていない子と競技をしました。最近はすっかり競技を楽しんでいますが,以前だったら闘争本能に火がついて,つい子どもを引きずってしまうような走りになっていたかもしれません。


−二人三脚 2−
こういう運動会の競技は,する側と見る側では全く違った感覚になることがあります。二人三脚でも,大人の方が無理矢理子どもを引きずって,子どもが宙に浮いていたりします。「見られている」という意識がより競争意識を高めてしまうのでしょう。しかし,見ている方はそんな姿に感動も感心もしないものです。

−二人三脚 3−
見ている方はどの組が速いかより,息を合わせて楽しそうに走っている組に目が行きます。また見ている人がどう思おうが,そういう走り方こそ価値のある走りに思われます。それなのに,走る側になると見られていることを意識し,相手を意識してつい無理をしてしまうこともあります。クラスの経営にこれと同じような現象はないでしょうか。

−Absolute 1−
車会社の作るエンジンには同じ排気量でも出力の違うものがあり,例えばホンダでは出力の高いエンジンを乗せたものをタイプRとかアブソルートとか名付けています。先日交差点で止まると,目の前に1台のアブソルートがいました。どんな走り方をするのだろうと後について走っていると,その車は坂道でも前の車について走り,追い越し車線をビュンビュン飛ばしていくようなことはしませんでした。

−Absolute 2−
車のお尻に「Absolute」のロゴがあるだけで,てっきりビュンビュン行くだろうと思ってしまったのですが,案外おとなしい走りでした。もしかしたら,運転手が交代していたり,他の事情があったのかもしれません。しかし,加速力のある車がおとなしく走っている意外性に,よけいそこに奥深さを勝手に感じてしまいました。

−Absolute 3−
走る能力の高い車を駆っていながら,必要以外の場ではその身の処し方を心得ていて,いたずらにこれ見よがしの走り方はしない。追い抜こうとすればすぐ追い抜ける性能でありながら,窓の景色を楽しむ走りをしている。本当に力があるものは,それを誇示するようなことはしない・・・うーん,かっこいいなぁ〜・・・と,その車の後ろを走りながら,勝手に生き方の美学にまで思いを馳せていました。ちょっと褒められたからといって,喜んでそれをすぐ一筆箋に書くようなことをしていてはだめですね。

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