−3月−

−待ち時間−
人間ドックに行ってきました。こういう時,私は必ず読みかけの文庫本を持っていきます。これで全く待ち時間が気にならなくなります。気がついたらドックが終了していたという感じでした。最近道路工事で,待ち時間が最長7分という所が近くにできましたが,これも全然長く感じません。

−縄跳び1−
先日確かめてみると,クラスの子は全員二重跳びができるようになっていました。それも普通の前,後ろだけでなく,綾跳びの前後,更に交差跳びの前後も全員が二重跳びできるのです。連続で跳んでいる姿は美しく,芸術的に見えます。

−縄跳び2−
縄跳びで今までこんなに全員がレベルの高い状況に出合ったことはありません。ですから確かめてみてこちらが驚いています。今年のクラスの実態もあるのかもしれませんが,実は今年から縄跳びの練習方法を変えてもいます。ひょっとしたらこの方法がいくらか効果的だったのかもしれません。この方法は細かい縄跳び表やカルテ等を作成しての緻密な指導ではなく,いたってシンプルなものです。しかも縄跳びの練習は,週3回の体育の最初10分程度と金曜日の朝15分間の全校縄跳び(11月〜3月)以外には一切していません。

−縄跳び3−
去年までは様々な縄跳び進級表を作ってきました。B5版のレベルアップカード7枚組を作ったこともあります。これは10回連続跳びを10回繰り返して1段階上がっていくパターンが1枚に10段階あります。これ1枚で計1000回跳ぶことになります。それが7枚目まで続きます。なぜ7枚かというと,その時はドラゴンボールの様々なキャラクターが各段階に印刷してあり,1枚をクリアする度に1つのドラゴンボールを手に入れていくという設定だったからです。この時はカラーケント紙に白黒で印刷していましたが,その次はカラー刷りのポケモンシリーズを作りました。各段階をクリアする度にキャラクターシールを貼っていきます。他に,どの跳び方でも自分で選んで跳んで,回数毎に級が設定してある表を使ったこともあります。

−縄跳び4−
今年の縄跳びは表を渡さず,いつもまず前跳び100回連続から始めました。基本的な縄を回す感覚をどんどん鋭くしていきたいと思ったからです。次に後ろ跳び50回連続と続きますがその前に必ず全員にインターバルを入れます。勝手に練習させていると,足を痛める子が出てきます。縄跳びには様々なバリエーションがありますが,基本的な駆け足,綾,交差,二重の前と後ろがどれもできるようになれば十分だと思います。そこでしばらく経ってから,練習回数とパターンを統一しました。これだけで全員が全ての二重跳びをするまでになりました。

−縄跳び5−
今年の練習パターンは次のようなものです。
前跳び(10回×学年数で,6年なら合計60回跳んだら次に移ります。)→後ろ跳び→前駆け足跳び→後ろ駆け足跳び→前綾跳び→後ろ綾跳び→前交差跳び→後ろ交差跳び→前二重跳び(二重跳びは合計10回跳んだら次に移ります。)→後ろ二重跳び→前綾二重跳び→後ろ綾二重跳び→前交差二重跳び→後ろ交差二重跳び
綾跳びより交差跳びの方を苦手とする子が多いので,綾跳びの方を先にしましたが,ここは個人によって得意な方を先にしていいことにしています。それぞれの段階を連続でなくてもいいから,とにかく合計で規定数跳んだら時計を見て,必ず1分以上休んで次に移ることにしています。これを毎回最初から始めます。時間がきたらそこで終わりにします。特別なことは何もない平凡な方法ですが,何故かこれが今までで一番技術の向上がみられた方法でした。

−縄跳び6−
交換授業で3,4年生にも体育を教えていますが,この方法でどちらの学年にも後ろ交差二重跳びまでできるようになった子がいます。また運動が苦手で最初は交差跳びもなかなかできなかった子が,前二重跳びを連続で何回も跳ぶまでになり,今後ろ二重跳びに挑戦しているところです。表を使っていた時と比べて,この方法の違うところは,すぐに目標の跳び方をしないということです。いつも前跳びから始めていきます。これで縄を連続で回す回数が増えます。また前跳びの次は必ず後ろ跳びをすることになっているので,どうしても後ろ跳びのバランスも身に付いていきます。よく跳ぶ子を見ていると,縄をムチのように扱っています。簡単な跳び方から繰り返すことで,この感覚を自然に身に付け,回す速さも速くなっていくはずです。

−縄跳び7−
表を使わないと,子どもたちにとって一々それを持って行かなければならないという煩わしさがなくなります。今回のパターンは1,2度実際にやってみればすぐ覚えられるものですから,縄1本持って行けばすぐ始められました。途中でシールを貼ったり色を塗ったりということもしなくてすみます。今日前回紹介した子は後ろ二重跳びができるようになりました。2日前には一度もできていませんでした。その後練習もしていません。今日やはり前跳び40回(4年生)から始めて後ろ二重まで行き,最初の1回目で跳べました。合計4回できていました。これが最初から後ろ二重の練習を始めていたら,たぶんできていなかったと思います。

−縄跳び8−
今年は表を使わない方法を使いましたが,もちろんこれがベストだとは思っていません。児童の実態というものがあります。去年良かったからといって,今年もそれが同じように効果があるとは限りません。またマンネリ化も意欲を減退させる大きな要因になります。その年その年の児童の体力や傾向に対して,自分にできる精一杯の適切な方法を毎回新たに開発していくことが必要です。ただその方法は教師の方が一生懸命頑張るだけでは空回りすることもあります。また同じ方法でも普段の子どもとの関係,かかわり方で効果は随分変わってきます。空気を読んで柔軟に対応する粘り強さも必要とされます。そういう様々なハードルをクリアしていくことを意地でも楽しんでいく姿を学校では見せていきたいものです。

−親心1−
「テストを綴じたファイルを見せてもらいました。先生の「一言」に感動しました。子どもが伸びる言葉だなぁーって思いました。」
これは,先日家の方が連絡帳に書いて下さった言葉です。以前「新採日記」にも書きましたが,私はある時から子どものテストを返す時,必ず一言書いて返すようになりました。43人のクラスを持っていた時は,ほんの一言でも時間がかかりました。しかし,それだけでもただのテストに少し温もりが加わるのではないかと,続けてきています。

−親心2−
普段あまり意識していないものですが,時々家の方から連絡を受けたり話したりする時,子どもたち一人ひとりの背景にある大きな親心を改めて感じることがあります。新採の頃「結婚して子どもを持たなければ・・・」というようなことを言われて,教育の仕事にそれが必要なのか?親にならなければいい教育はできないのか?と反発を覚えたことがありました。そして今,その頃と立場が変わって思うのは,教育にかける情熱や子どもたちに対する教育的愛情は自分が親であろうとなかろうと全く関係ないということです。ただ1つ,昔と違って分かるのは「子どもを思う親心」の深さです。理屈ではない情念の濃さです。

−親心3−
例えば,クラスの児童40人分の採点をし,40人分の日記の返事を書き,40人分の漢字練習帳の間違いを直していくような時,一人にかける時間はそれぞれ40分の1になります。しかし当然ですが,子どもやその家庭にとってはどれも1分の1です。時間が無限にあれば一つひとつ丁寧に扱えるでしょうが,決まった時間の中ではどうしてもそれなりのものになってしまいます。それでも,マルの仕方,点数の書き方,漢字のチェック,日記の返事等一つひとつに対するちょっとしたこだわりを持てるかどうかは,子どもに対する誠実さによって微妙に変わってくるはずです。それは結局,その子の背景にある大きな親心にも響き,教師に対するイメージや評価にもなっていきます。

−親心4−
親心を考えれば,学級通信に子どもの日記,作文,エピソード等を載せるとき,1年間で全員の掲載回数にあまり差がないようにチェックしていくことは当然のことです。しかし,回数を気にして無理に載せると内容的に問題があったり,子どもや家の方に不快な思いをさせてしまうこともあります。また他の子の文章と比べられて落胆されたり,その反応から子どもにプレッシャーがかかったりする恐れもあります。

−親心5−
家庭で一番よく読まれる学級通信は自分の子の話題が載っているものです。逆にほとんど読まれないのが,教師の考えを長々と書いているものです。クラス全体がどうだというのもあまりインパクトがありません。はっきり個人名を出して,こういう優れた面が見られたという話題なら読んでもらえます。しかも,それがもれなく全員にわたって,本人も親も言われて改めて気づくようなものだと,楽しみに待ってもらえるようになります。日記の紹介にしても,その価値をはっきり説明しておくことが必要です。それは,せっかく自分の子の日記が載っても,その内容の良さに気づいてもらえず,他の子と比べられて落胆されないようにするためでもあります。

−親心6−
手書きの学級通信が以前は当たり前でした。しかし,この何年かでワープロからパソコンの使用が急激に広まり,今では機械文字だらけになってきました。事務的な内容のものは,整然とした文字が分かりやすくていいでしょうが,有機的な内容を伝える通信は手紙と同じで,やはり手書きに意味があるように思います。書きなぐったような字で出すくらいなら機械を使った方がまだましでしょうが,へたでも丁寧に書いていればその方が親心に温かみが伝わるはずです。

−親心7−
という訳で,通信だけは今までずっと手書きで出してきました。最近は写真入りやカラー刷りをするようになりましたが,これもまず写真の部分やカラーの部分だけを必要枚数印刷し,文字の部分はファックス原稿用紙に書き,それを印刷機で写真入りの用紙に再度印刷していきます。非能率的ですが,ささやかなこだわりです。

−親心8−
もう随分前のことですが,ある年の新学期,学級懇談で「9時には寝よう」という超具体的な学級P目標を決めたことがありました。脳の成長には睡眠が大事だと私が提案しました。その時はすんなり決まり,度々子どもに前の日の就寝時間を聞いて意識付けをしていきました。家の方もその指導が子どもの健康と成長の役に立つと喜ばれ,家庭でも取り組まれると思っていました。しかし,年度末の反省で「夜9時からテレビ映画をすることもある。それを家族で見ることの方が大事。」「先生も9時には寝ていないだろう。」等の批判が出されてしまいました。大体教師の方から学級Pの目標案を出す事自体が間違いでした。そして,保護者の価値観,親心の多様さに気づけていなかった自分の浅はかさを反省しました。

−人間相手−
小学生でも高学年になると,教師に対して服の色から始まって行動パターンに至るまで様々なチェックが入ってきます。教師は子どもを評価しているつもりで,実は逆に子どもから辛辣で鋭い評価を受けているものです。先日は帰りの会が終わって,子どもたちが出た廊下から,「先生って,ブラックジャックのタイプに似ているよなー。」という声が聞こえてきました。どういう意味で言っているのか気になるところですが,こういうことを一々気にしていたら病気になってしまいます。人間相手の仕事に携わる時は,繊細な部分と敢えて鈍い部分を使い分けなければならないこともあります。

−BGM−
卒業式の中で「お別れの言葉」とか「旅立ちの言葉」といって,卒業生が思い出や決意を発表することがあります。毎回この場面のBGMを何にするか悩みます。以前,「ヘッドライト テールライト」を使ったことはこの一筆箋でも書きました。「雪の華」を使ったこともあります。雰囲気を盛り上げ,親には子どもの6年間の成長の跡を思い出しながら感動してもらいたいと思っています。今年は「マイメモリー」にしています。あまりにベタかもしれませんが,そこは雰囲気で,またそれなりの効果を生み出すのではないかと思っています。

−スライド−
卒業式に卒業生が「旅立ちの言葉」を語る時,バックにプレゼンソフトで言葉の内容に合ったスライドの映写をします。あまり数が多いと参加者の注意がスライドに移ってしまうので,写真の数は少しにして時々替えます。そして,言葉の後の歌(今年は「君をのせて」)の場面は,約10秒毎に自動でスライドが替わっていく設定にします。前回までは「クレジットタイトル」で下から上にゆっくりと写真が動いていくパターンにしていました。今年は画面切り替えで,スライド製作中に偶然見つけた「スムースフェード」を使うことにしました。これで「すーっと消えて,すーっと次が現れる」感じを表現できます。最後は満開の桜の木が映された状態で終わるようにしています。

−文集1−
学年末の思い出文集を作りました。400字詰め原稿用紙43枚分書いた子もいます。平均枚数は27.3枚でした。「今」の字をそのまま残すために,これを50%に縮小して,B4用紙に原稿用紙4枚分ずつ印刷して袋とじにします。これにそれぞれの子の図工や家庭科の作品の写真も印刷して一緒に綴じます。それぞれに「マイギャラリー」(○○美術館→○○は子どもの名前)というように題名をつけておきます。そして,最後に「学級の歴史」として,毎日日直がその日に印象深かった人の行動について記録してきたものをまとめて載せます。この文集の中に私のことについて書いてくれた部分があります。嬉しいので女子と男子それぞれ一人ずつの文をここに紹介させてもらいます。まず女子の作文から。

−文集2−
文集に載せる「学級の歴史」は1年間教室の周りに掲示してきたものです。詳しくは,このHPの「卒業文集」に書いています。以前はこれを学年末に子どもたちが手分けをしてファックス原稿用紙に書いていましたが,最近は手分けをしてパソコンで打っています。ただ文集全体をパソコンの文字にはせず,必ず本人の字も残すようにしています。今日は昨日に続いて,私について書いてくれた,ありがたい作文(男子)の1部分を紹介させてもらいます。

−文集3−
今年の文集の名前は「夢」と決まりました。文集の中に1年間撮ってきた写真を散りばめます。「学級の歴史」の文章の下にはその内容にかかわるものを,「マイギャラリー」(○○美術館→○○は子どもの名前)には図工の作品(この作品は図工担当の先生の指導によります。)等を載せます。そして最後に教師からの一言。これがあるとないとでは文集としての締まりが違ってくるように思っています。

−手紙1−
私の勤めていた学校は来年度から統合されて,4つの学校が1つになります。それで,教育委員会の都合で26日(土)が修了式,卒業式,閉校式となりました。26日の朝,教室の戸を開けると,その前に子どもたちが揃っていて私に包みを渡してくれました。どうも階段を上がってくるあたりで見張っていたようでした。みんなにこにこしています。そう言えば何日か前から何かこそこそやっていましたが,これを作っていたのだと分かりました。包みを開けてみると,透明のケースの中に私の似顔絵と,ペンとハンドタオル,ストラップ,それに手紙が入っていました。

−手紙2−
以前にも子どもたちから感謝状というのをもらったことがありましたが,久し振りの感動でした。統合で学校がなくなるという感傷もあり,あまりにもヨイショし過ぎの内容なので気がひけるのですが,厚かましくも一部を紹介してしまいます。さらっと読み流して下さい。しかし私にとっては子どもたちが精一杯お礼の気持ちを示そうとしてくれているように感じられて,一生大事にしておきたい宝物です。

−礼状−
この度7年間勤めた町立の学校から市立の学校に転勤することになりました。児童数は約500人程度で,1学年3クラスのようです。1クラス30人前後になります。勤めていた学校の統合ということもあり,今回は保護者の方との送別会が26日にあったので,今日29日にお礼の葉書を出しました。文字の印刷だけでは味気ないので,学校の写真を背景に入れることにしました。今回このために一太郎のヘルプで画像を文書の背景にする方法を探しました。それによると「ファイル」→「文書補助」→「文書の背景」→「画像」→「ファイル選択」→「用紙に合わせる」→「背景を印刷」で,用紙全体に選択した画像が貼り付けられ,そのままを印刷することができます。ただ画質が普通のままでは濃すぎて,上の字が読みにくくなるので,画像処理ソフトで写真の周りをぼかし,コントラストを明るく調整して全体を相当薄くしたものを予め用意してフォルダに入れておきます。一味違った礼状作成のお勧めでした。

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