人材派遣会社・職業紹介会社を新規に設立する
事業スタートに差がつきます。
一番最初にやること
人材派遣会社や職業紹介会社を新規に始めようとするときに、一番最初にやることは、
会社設立の準備ではありません。
経営計画の作成でもありません。
オフィスの物件探しでもありません。
一番最初にやること、それは、
人材派遣会社の場合には「派遣元責任者講習」の受講予約をすることです。
職業紹介会社の場合には「職業紹介責任者講習」の受講予約をすることです。
人材派遣業を行うためには、厚生労働省の許可が必要です。
(参照「人材派遣業を始める前に」)
職業紹介業を行うためには、厚生労働省の許可が必要です。
(参照「職業紹介業を始める前に」)
この人材派遣業・職業紹介業の許可申請にあたり、「派遣元責任者講習」「職業紹介責任者講習」の予約待ちのために、計画通りにコトが運ばないケースがあります。
事業スタートが遅くなることは、あなたにとっていいことではありません。
確かに、しなければならない大事なことは他にもたくさんあります。
それを優先させたいとお考えになるかもしれません。
しかし、「今」やることは、「予約申込み」だけ、です。
「受講」ではありません。
大した労力ではないはずです。
実際に「受講」するのは先のことです。
最盛期に比べれば「派遣元責任者講習」「職業紹介責任者講習」の受講者数は少なくなりましたので、受講が数ヵ月待ちということもないとは思います。
ただ大都市圏以外では開催頻度がそんなに多くはありません。
いずれにしても「予約申込み」から「受講」の間に、設立に関するその他の準備を進めればよいでしょう。
講習が早く受講できたとしても、1回の受講で
「派遣元責任者講習」については3年間有効です。
「職業紹介責任者講習」については5年間有効です。
その他の手続きに要する時間を十分カバーできます。
期限切れの心配もまずないでしょう。
人材派遣会社を設立するならば、会社設立よりも、何よりも先に、「派遣元責任者講習」の受講予約をしましょう。
(参照:「派遣元責任者」について「人材派遣業を始める前に」)
(参照:「派遣元責任者講習」について「人材派遣業の許可申請」)
職業紹介会社の設立の場合には「職業紹介責任者講習」の受講予約です。
(参照:「職業紹介責任者」について「職業紹介業を始める前に」)
(参照:「職業紹介責任者講習」について「職業紹介業の許可申請」)
派遣元責任者講習
「派遣元責任者講習」は、一般社団法人 日本人材派遣協会 が中心となり、複数の団体により開催される講習会です。
職業紹介責任者講習
「職業紹介責任者講習」は、公益社団法人 全国民営職業紹介事業協会 などが中心となり、複数の団体により開催される講習会です。
それぞれの講習は、
・個人名義で受講できます。
人材派遣会社、職業紹介会社に所属している・していない、に関わらず受講できます。
・受講するための資格等はありません。
受講すること自体はだれでも可能です。
ただし、
人材派遣会社の派遣元責任者になるためには、一定の基準があります。
(参照「人材派遣業の許可基準」)
職業紹介会社の職業紹介責任者になるためには、一定の基準があります。
(参照「職業紹介業の許可基準」)
・1回の受講だけで修了し、有効期限があります。
「派遣元責任者講習」については3年間。
「職業紹介責任者講習」については5年間。
試験などはありません。
< 派遣元責任者講習・職業紹介責任者講習の概要 >
開催場所 | 全国主要都市 |
開催ペース | 東京などで、月2~3回、他の地域で、2~3ヵ月に1回 |
時間 | 10:00~17:00(主催団体・地域等により異なります) |
受講費用 | 1万円前後くらい。(主催団体により異なります) |
希望する日時・地域の講習を主催する団体へ連絡してください。 |
・派遣元責任者講習・職業紹介責任者講習の開催スケジュール・申し込み
資本金
人材派遣会社を設立する場合、資本金は、2千万円(以上)必要です。
職業紹介会社を設立する場合、資本金は、5百万円(以上)必要です。
資本金と財産基準
人材派遣業を行うためには、厚生労働省の許可が必要です。
職業紹介業を行うためには、厚生労働省の許可が必要です。
(参照「人材派遣業を始める前に」)
(参照「職業紹介業を始める前に」)
許可を受けるためには、いくつかの許可基準があり、そのなかに財産基準としていくつかの条件があります。
(参照「人材派遣業の許可基準」)
(参照「職業紹介業の許可基準」)
新規に設立された会社(決算を迎えていない会社)の場合は、その財産基準のうち1つの条件が関係します。
その条件の1つとは
人材派遣の場合
〔資産の総額〕から〔負債の総額〕を控除した額が2千万円以上であること
職業紹介の場合
〔資産の総額〕から〔負債の総額〕を控除した額が5百万円以上であること
これは、それぞれ1事業所あたり必要な金額です。
支店など複数の事業所を設ける場合には、金額×事業所数ということになります。
人材派遣業と、職業紹介業を、1つの事業所のみで行う場合(兼業で行う場合)は、2千万円で大丈夫です。
決算を迎えていない会社は、設立時の貸借対照表で、財産基準を判定することになります。
設立時の貸借対照表には、〔負債〕がありませんので、資本金の額が、そのまま資産の総額になります。
つまり、資産の総額が2千万円(5百万円)以上必要ということは
資本金の額が2千万円(5百万円)以上なければならないことになります。
会社法施行後は、最低資本金制度の廃止により、資本金1円以上いくらであっても会社を設立できることになりました。
しかし、最低資本金1千万円の規制がなくなっても
人材派遣業を行うために、会社を新規設立する場合には、資本金は2千万円以上
職業紹介業を行うために、会社を新規設立する場合には、資本金は5百万円以上
必要になるのです。
ご注意ください。
すでに資本金2千万円(5百万円)以下で設立してしまった場合
すでに資本金2千万円(5百万円)以下で設立してしまっていても、決算を迎えていなければ増資をして資本金を2千万円(5百万円)にすることで、財産基準は満たされることになります。
派遣業許可の更新、紹介業許可の更新
許可の更新については、決算書(貸借対照表)において財産基準を満たしていれば、更新時点の資本金の金額は、いくらであっても構いません。
(参照「人材派遣業の許可基準」)
(参照「職業紹介業の許可基準」)
以上、「一番最初にやること」「資本金」の2つが、主な注意点です。
会社設立にあたっては「会社設立時の資本金と消費税」も参照してください。
人材派遣会社、職業紹介会社の設立に関する手続き
人材派遣会社・職業紹介会社設立に関する手続きについて、一般的な流れを簡単にご紹介します。
1.会社設立登記
2.各官公署届出
3.派遣業許可、紹介業許可申請
設立登記が完了したら、「官公署届出」と、「派遣業許可・紹介業許可申請」は、同時進行できます。
ただし、派遣業許可・紹介業許可申請時点で従業員を雇用している場合には、労災保険、雇用保険、社会保険に加入していることが必要になりますので、許可申請より先に労働・社会保険の届け出をすることになります。
1.会社の設立登記
会社名、場所、事業目的、決算期などを決める |
(決算期は、3月や12月にこだわることはありません ) |
↓
会社の印鑑をつくる (代表者印、銀行印、社印、ゴム印など) |
↓
定款を作成する | → 公証人役場で認証を受ける |
(株主総会の招集は「決算期末の翌日から3ヵ月以内」がおススメ ) |
↓
資本金の払い込み | → 金融機関 |
(募集設立の場合は、銀行の払込金保管証明が必要) |
↓
取締役会を開催する・取締役会議事録を作成する |
↓
会社設立登記をする | → 登記所(法務局)に申請する |
これで、会社が設立されます。
2.各官公署手続き
会社設立の登記完了後、下記官公署にそれぞれの手続きをすることになります。
税務署 へ |
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都道府県税事務所 へ |
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市役所など(東京23区以外)へ |
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労働基準監督署 へ |
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公共職業安定所(ハローワーク)へ |
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年金事務所 へ |
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3.派遣業許可、紹介業許可申請
会社設立の登記完了後、都道府県労働局に許可申請をすることになります。
都道府県労働局 需給調整事業部 へ |
(労働局によって「需給調整課」「需給調整室」などの組織名の場合があります) 人材派遣業、職業紹介業の許可をするのは、厚生労働大臣ですが、手続きの窓口は都道府県労働局です。 |
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人材派遣業の許可申請、職業紹介業の許可申請の代行を承ります。
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人材派遣会社、職業紹介会社の労務顧問を承ります。
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