月山麓の山菜に出会って

ふきのとう、ゼンマイ、たらの芽、最近は大型スーパーなど食料品店でもよく見かけるようになりました。比較的、調理しやすい物を中心に品揃えされているようなので、ご家庭で食卓の上に並ぶ機会も増えてきたのではないでしょうか。
しかし、ひとくちに山菜といっても種類は膨大で奥深い世界です。中には毒性のある植物にそっくりな山菜までありますから、秋の茸と同様に油断は禁物なのです。
毎年、山菜採りの人が遭難したとか、熊に襲われたと云ったニュースなどを耳にしますと、軽い気持ちで安易に踏み込んではいけない世界だと思ってまいりました。

田丸屋で使っている山菜類は全て山形県の月山周辺で採れた天然物です。
山菜は植物ですから環境によって個性に差が出ます。食べ比べれば一目瞭然なのですが、月山麓の雪深い山中でじっと耐え、春を迎えて徐々に出て来る山菜には特徴があります。
ひとつは滋味深い味の濃さ。もうひとつは柔らかい繊維質。口当たりがよく、甘みをより感じやすいのではないかと思っています。

_V1Z0012.JPG_V1Z0106.JPG_V1Z0048.JPG

山菜料理の代表格は、何といっても「天ぷら」ですね。
魚だって、野菜だって、ほとんどの物が天ぷらに向いているし、実際食べるとおいしい。
しかし、山菜の場合は山菜の持っている「えぐみ」や「渋み」などを油の力でマイルドにして食べやすくする、という別の意味もあり天ぷらは優れた調理法だと感心しています。

山菜の個性をもっと感じたい方には、おひたしや、ごま和えなどの方がお好みかもしれません。
「くわだい」「しどけ」「あいこ」「山独活」「行者にんにく」など、天ぷら以外で食べる山菜も扱っていますので「通」の方にも楽しんでいただけると自負しております。

_V1Z0133.JPG_V1Z0200.JPG

例年、5月初旬から手に入り次第、提供させていただいていますが、自然が相手ですから、その年の状況で入荷の予想がつかず、天気予報を見たり、現地に電話をしたり毎年もどかしい気持ちで待っています。
また、山に入って山菜採りをしている方々も高齢化が進んでいるため、将来的には問題もあると伺っていますが、なんとか天然物を手に入れ皆様に食べていただけるよう努力致します。

_V1Z0218.JPG_V1Z0264.JPG_V1Z0208.JPG

ニュースページで、その年の産地情報などもお知らせしておりますので、合わせてお読みいただければ幸いです。


_V1Z0140.JPG