偶然の出会い

今や、水沢うどんの代名詞にもなっている、三角形の不思議な形の笊。
この形になったのは、何時からなのか、調べてみました。
当代の祖母、大河原シズ(1898〜1982)が見つけて来たのがそもそもの始まりのようです。
母の記憶や資料によると、昭和35年頃、成田山参拝の折に、参道の店先に置かれた三角笊を偶然の出会いで買い求め、使ってみると茹でたて麺の水切りに最適と祖母は大喜びしたそうです。
しかし、営業用に使っていくと傷みも早く数もたくさん必要なため、三角笊を作って下さる方を探すのには苦労が絶えなかったようです。
その後、亀戸天神に程近い荒物屋さんに辿り着く出会いがあり、大分県の竹細工職人さんに、田丸屋用の三角笊を作り続けていただきました。
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使い続ける難しさ

大分県の職人さんには、亡くなるまで三角笊を作っていただきましたが、新たな職人さんを捜す事が必要な事態になりました。
これが意外に難しく、試作していただいても、しっくりこなかったり、量産できないなどの問題も発生し安定供給して下さる方を決める事ができませんでした。
中国に発注したら?とアドバイスされ試作品を使ってみましたが、当店での使用に耐える物ではありませんでした。
現在、皆様のお手元に提供させていただいている笊は、熊本県の竹細工職人さんに作っていただいている物です。国産の竹から産まれて来た匠の技が、三角笊の中に込められています。
上げ底だと言われたお客様、納得して下さいましたでしょうか。












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