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2004年12月11日(土)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20041211~.htm#Day11

 いつもよりちょっと早めに起床して、週末恒例の映画鑑賞へ。今回もまた本日初日の作品、アメリカ屈指の名作曲家コール・ポーターと彼の妻リンダとの絆を描いた、一風変わったミュージカル・タッチの映画五線譜のラブレター De-Lovely』(20世紀フォックス・配給)。感想は「実物のコール・ポーターより演じたケヴィン・クラインのほうが遥かに巧かったのはご愛敬。」からどうぞ。エンドロールに合わせてコール・ポーターの歌声が流れるんですが……まあ、しょうがないよね。
 早起きしたぶん早く終了するので、もう一本観るつもりでいたのですが、あいだに入れた打ち合わせが予想よりちょっと長引いてしまったので見送り。故に、今年100本目の映画鑑賞は数日後となりました。とうとう……
 スケジュール的な兼ね合いからなし崩しで本日初日のある映画を100本目にしてしまうつもりでしたが、次は平日に観るつもりだったので、もうちょっと融通が利くこともあり、記念すべき一本は随分前から楽しみにしていた作品を持ってくることにします。くす。

 にしても、本日打ち合わせの件によって、年末はちょっと忙しくなります。予想はついてたんだから、今週中に掃除とか年賀状の準備とか少しずつ片づけておけば良かったなー。


2004年12月12日(日)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20041211~.htm#Day12

 だいぶ前から今日は行きつけの蕎麦屋に行くぞ、と決めていたのに、肝心の昼頃に雨が降って身動きならず。本日は両親も所用で出払っていて、車に乗せてもらうことも出来ないのです。
 朝、目が醒めて、まず聞こえてきた雨音に「嘘だろー」と思って、すぐさまインターネット某所の天気予報を確認すると――表示は曇り。降水確率は40%……そりゃ確かにほぼ降ると言って間違いない確率ではあるけど、などと眉を顰めつつ、こんどは新聞の朝刊で本日の予報を見ると――40%なんてもんじゃない、時間帯ごとの予報マークが、東京はほとんど雨で埋め尽くされていた。この新聞の予報、あんまり当たらないという感覚があったのに、それよりも的中率が悪い某所の予報って、いったい……
 外出するのも億劫なので、一日仕事をしているようにはとても見えない仕事にかまけてました。

 合間合間に、またしてもちょっと溜まり気味だった漫画を少しずつ減らしています。で、今は結城心一『電撃ももえサイズ』を読んでいるのですが、これの05話最終ページ柱にある新連載予告、「死神風紀委員長中学1年生エスパーBHプラ板縦ロールヘリコプターボーリングトビウオとその妹ロボ絶滅ナルト学び舎パワードスーツラミカスパイの大作戦友情ウニマタ○ゴ裏設定青大将放射ダクトヤニタコプレ三つあみメガネ文庫悪魔の坊クラゲ無頼カマボコ板夏のお嬢さんスレイヴ大○魔竜ブルマ宇宙怪獣大きなお友達消しゴムケーキ解説羊の顔建前盗撮鈍く光ったマグナム弾天プラ番長鼻行類チョコ零式CCPG電撃ももえサイズ」になってるんですが、このうち“鈍く光ったマグナム弾”は06話で斬られて初めて存在を肩代わりすることになっているのでまだ入らないはず。従ってここの次回予告は「死神風紀委員長中学1年生エスパーBHプラ板縦ロールヘリコプターボーリングトビウオとその妹ロボ絶滅ナルト学び舎パワードスーツラミカスパイの大作戦友情ウニマタ○ゴ裏設定青大将放射ダクトヤニタコプレ三つあみメガネ文庫悪魔の坊クラゲ無頼カマボコ板夏のお嬢さんスレイヴ大○魔竜ブルマ宇宙怪獣大きなお友達消しゴムケーキ解説羊の顔建前盗撮天プラ番長鼻行類チョコ零式CCPG電撃ももえサイズ」が正しいはずだと思うのですが
 …………………………やるんじゃなかった。

 本日のお買い物
1,『幽 第2号』(Media Factory) [bk1]
 届いたのは昨日なのですが、更新するあとまで存在に気づかなかったので。日本初の怪談専門誌第二号。こういう企画では最強と言っていい布陣の連載に、漫画の新連載まで追加されてヴォリュームアップしてます。年の瀬はあんまり読書に精を出すことは出来ないようなのですが、本書をちまちま舐めるように味わっているだけでけっこう濃密な時間が過ごせそうです。しかし……結局やじきたのお二人はどこにもお出かけできなかったのね。

新選組!』完結。良いお点前でした。近藤以外のその後を執着的に描かない一方で、近藤の周辺の人々の姿を点描して纏める。ラストシーンも潔い。母が言っていましたが、大河ドラマというより娯楽ものとしていい纏め方であったと思います。改めて中盤を敬遠していたのが悔やまれてきました。来年発売予定の総集編DVDを買ってしまいそうな勢いで。
 そういや最後の最後で、私が一時期観なくなっていた大きな原因のひとりが姿を現したようですが、ちょうどそのとき猫に餌を要求されたのをいいことにテレビの前から離れることに成功しました。でも、録画してあるんだよなあ……どうしようかなあ……


2004年12月13日(月)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20041211~.htm#Day13

 きのう一日でひととおり確認は終わったので次の作業へ。むう、バランスが微妙だにゃあ……

 昨日とは打って変わって一日青天でしたが、昨日に続き億劫だったので職場に行く以外買い物もお出かけもなし。一部はamazonで、先日配分を間違ってしまった注文に混ぜて頼んで手を抜いてみたり……甚だ怠慢な。
 まあ、そのぶん明日あたりまたなかなか帰ってこない可能性があるからなあ。なんでって? ……言わずもがなです。

 本日の『ほんとにあった怖い話』はなかなかのレベルでした、再現ドラマも心霊写真も、むろん子供達のリアクションも。二本目、寝返りを打ったら、というあのパターンで終わらせるのは反則だと思いますが、鶴田法男演出の悪癖である過剰さもそこだけだったので、鼻につく以前に切ったのはいい判断かも知れず。内容的にはパターン通りでも、堅実に作れば充分に観られる仕上がりになるのだといういい見本。しかし霊能力者の皆さん、楽しいのは解りますがあんまり子供を脅かしすぎないように。

 予告ではおくびにも出さなかったのでてっきりやらないものかと早合点していたらちゃんとやってくれたよ『新選組!』コントin『SMAP×SMAP』。但し本物は香取のみで、あとは山本=歳三および藤原=総司にほのかに顔立ちの似ている人が横についているだけでしたが、ちゃんと脚本も三谷幸喜が書いていたようで、本編の味をうまく活かした三谷作品らしいコントになってました。ほぼ満足、ですがやっぱしオリジナルキャストにもうちょっと参加して欲しかったのう。先日の『Sma Station-4』でもスタジオに勢揃いは出来なかったぐらいなので(しかも肝心の山本耕史が中継参加だった)、集めるのは困難だったのだろう、と承知のうえで。

 ……波田陽区って七割方ただのなまくらだと思うのだが。そんなに面白いか? ギター侍そのものは一種のテンプレートなので、流行語大賞に連なったのは解るんだけど、本人には大したセンスを感じません。


2004年12月14日(火)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20041211~.htm#Day14

 作業の傍ら『幽 Vol.2』をちまちまと読んでます。巻頭の岡本綺堂特集は、見覚えのある地名や景色が随所に現れることもあってなんとなしに心ときめくことしばしば――なんですが、それにしても坂めぐりの項は見覚えのある景色が多すぎるだろ、などと思っていたら、直後の綺堂怪談入門必読書ガイドに、探訪に最適なハンドブックのひとつとして『タモリのTOKYO坂道美学入門』が掲げられていて大いに納得する。こんなところにまで手を伸ばしているあたり、さすが東編集長。

 本日のお買い物
1,中島みゆき『夜会VOL.13 24時着0時発』(YAMAHA MUSIC COMMUNICATIONS) [amazon]
2,『古畑任三郎 すべて閣下の仕業』(フジテレビ映像企画部、Pony Canyon/1と2、DVD) [amazon]
3,世徒ゆうき『ストリンジェンド』(MUJIN COMICS/ティーアイネット成年コミック) [amazon]
4,フィリップ・マーゴリン/井坂 満[訳]『女神の天秤』(講談社文庫/講談社) [bk1amazon]
5,牧野 修『蠅の女』(光文社文庫/光文社) [bk1amazon]
6,山田風太郎『忍法聖千姫 山田風太郎忍法帖短篇全集9』(ちくま文庫/筑摩書房) [bk1amazon]

 1は昨年末に上演された夜会の映像ソフト化です。しばらく前の『海嘯』のように、無意味に映画的な演出を足して壊してなきゃいいけどー、と心配していたのですが、いま前半三十分ほどを見た限りでは、舞台での上演の模様をほぼそのまま収録していて印象は良好。5.1ch音声も同時に収めていて、これで観ていると臨場感も素晴らしい。『海嘯』における「チャプターがない」という謎の仕様も解消してます。あとは……三代目魚武濱田成夫の台詞が聴き取りづらいのだけ何とかしてくれていれば完璧だったのですが、……やっぱし、ガイドがなかったら解らない台詞多すぎ。2は今年正月に放映された、久々の古畑最新作のDVD化。映像特典は三谷幸喜出ずっぱりのようです。
 3以下は昨日amazonで注文したもの。3は……なんとなく読んでみたかったので。成年コミックとしては異例の売り上げを記録した本で、奥付は20刷になってます。
 4は『暗闇の囚人』を読んで以来、名前を見たらとりあえず買うことにしているリーガル・サスペンス作家の最新作。5は文庫書き下ろしのアクション・ホラー、6は千姫に幻惑される男達の悲喜劇を綴った表題作ほか全七篇に初収録のエッセイを加えた最新配本。

 映画を観に行こうかと思ってましたが、作業絡みで連絡がありそうだったので取りやめ、大人しく『夜会VOL.13』を鑑賞したりBGVにしたりしつつこれを書いてます。カバー用の紙も切っておかないとだわ。……そういや、掃除はいつしよう。


2004年12月15日(水)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20041211~.htm#Day15

 引き続き『幽 Vol.2』読書中。小説パートを通過しました。連載陣はさておき、気になっていたのは初登場・山白朝子『長い旅のはじまり』。
 清澄な佇まいと情感のある物語は非常にいいと思うのですけど、一方で寒村の情景描写が不自然で違和感があります。全体像から文章を考えるのではなく、おっかけて付け加えられるような説明が多いので、流れがぎくしゃくしている。アイディアは悪くないと思うのですけれど、その処理の手順がこなれていないように思いました。わざと、と考えるにはちょっとなあ。雰囲気はあるので次があれば是非とも読みたい書き手ですが、文章が課題かも。
 その直後からは小説・実話怪談ともちょっと異なる怪談読み物パート。まずは加門七海氏が“視える”人と対談するシリーズ、2回目にして大本命の稲川淳二氏登場。末尾で加門氏が感嘆するほど語り倒された対談だったようですが、ほとんどカットされたらしいのが残念。しかしその断片だけでも確実に言えることは、他社から刊行されている語りを文章に起こした氏の著書は書き方を間違えている、ということ。擬音を絞り改行を減らしたほうがずっと稲川氏の怪談はムードが再現されます。最後には珍しく、障害のあるご子息のことにも言及されていて、あまり存在しなかった深い切り口のインタビューとして貴重な記事だと思われます。稲川ファンは、今更、などと思わずに読むべし。

『24時着0時発』を堪能したのち、『古畑任三郎 すべて閣下の仕業』をコメンタリー音声で鑑賞。出演者はまったく登場せず、三谷幸喜氏を筆頭に裏方だけで行うコメンタリーというのは日本では珍しいんじゃないでしょうか。いったいどこで箍が外れたのかすっかり暴露合戦になっていて、予想以上に面白い。街の風景などはプエルトリコで撮影したのだがスケジュールの都合で出演者は浅野和之氏のみ同行したとかで従って一見向こうで撮影したかに見えるシーンもカット割りの細工でそう錯覚させているだけだったとかで、出色は被害者役の及川光博が悪戯書きにポスターを貼るシーン、落書きのある壁はプエルトリコで撮影、及川氏の顔がアップになるところは東京で、という具合になっているのだとか。脚本自体はかなり前に完成していたのに出演者らの都合がつかず延期が重なり、脚本は練りこめたのに実際の撮影は二週間程度で、放送のある正月の直前まで作業が残っていた、とか、まあ尽きもせずに話が出る出る。
 ほか、特典として収録された『今泉慎太郎 大空の事件簿』に、更に実際には放送されなかった三谷氏自身によるオープニング(『対SMAP』篇の冒頭に収録されているのと同じパターンです。あれより遥かに長いけど)にまでコメンタリーがついていて、いずれも裏話大盤振る舞い。購入された方は是非ともコメンタリーも聴いてください――あ、無論、本編を見たあとでね。

 本日発売の週刊少年サンデーにて、『モンキーターン』最終回。先週の予告を見て、漠然と「こんな終わり方だろ」と想像していたのに極めて近い形でした。まあ、そうするしかないだろなー、と。続けようと思えば幾らでも続けられる話だけに、これ以外の締め方は思いつきません。でも、最後に見せ場があったとはいえ、やっぱし青島は勿体なかったんじゃ、という気が。

 本日のお買い物
1,北条 司『CITY HUNTER 《COMPLETE EDITION》 VOLUME:24』 [bk1amazon]
2, 同 『 同 VOLUME:25』(1と2、TOKUMA COMICS/徳間書店) [bk1amazon]
3,藤田和日郎『うしおととら(4)』(小学館文庫/小学館) [bk1amazon]
4,笠井 潔『ヴァンパイヤー戦争(6) 秘境アフリカの女王』(講談社文庫/講談社) [bk1amazon]

 説明する必要、あんまありませんよね。


2004年12月16日(木)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20041211~.htm#Day16

 そろそろゴールデン・グローブ賞候補作発表時期だったというのをすっきり忘れてました。13日時点で発表があったので、気にしている方はとーにご存知でしょうが、あくまで自分用メモとして毎度の如く記録しておきます。なお、題名へのリンクは私が鑑賞済のものは感想に、それ以外は国内の公式サイトにのみリンクしてあります。海外のを入れるとややこっしくなるし。

第62回ゴールデン・グローブ賞候補作一覧(映画作品のみ)

ドラマ作品部門
アヴィエイター』(松竹×日本ヘラルド・配給)
『Closer』(Sony Pictures・配給)
ネバーランド』(東芝エンタテインメント・配給)
『Kinsey』
『Million Dollar Baby』

ミュージカル・コメディ作品部門
エターナル・サンシャイン』(GAGA-HUMAX・配給)
Mr.インクレディブル』(ブエナビスタ・配給)
オペラ座の怪人』(GAGA-HUMAX・配給)
レイ』(UIP Japan・配給)
『Sideways』

ドラマ部門主演男優賞
ハビエル・バルデム『The Sea Inside』(東宝東和・配給)
ドン・チードル『Hotel Rwanda』
ジョニー・デップ『ネバーランド
レオナルド・ディカプリオ『アヴィエイター
リーアム・ニーソン『Kinsey』

ミュージカル・コメディ部門主演男優賞
ジム・キャリー『エターナル・サンシャイン
ジェイミー・フォックス『レイ
ポール・ジアマッティ『Sideways』
ケヴィン・クライン『五線譜のラブレター De-Lovely』(20世紀フォックス・配給)
ケヴィン・スペイシー『ビヨンドtheシー』(GAGA-HUMAX・配給)

ドラマ部門主演女優賞
スカーレット・ヨハンセン『A Love Song For Bobby Long』
ニコール・キッドマン『Birth』
イメルダ・スタウントン『Vera Drake』
ヒラリー・スワンク『Million Dollar Baby』
ユマ・サーマン『キル・ビルVol.2』(GAGA-HUMAX・配給)

ミュージカル・コメディ部門主演女優賞
アネット・ベニング『Being Julia』
アシュレイ・ジャッド『五線譜のラブレター De-Lovely
エイミー・ロッサム『オペラ座の怪人
ケイト・ウィンスレット『エターナル・サンシャイン
レニー・ゼルウィガー『ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12か月』(UIP Japan・配給)

助演男優賞
デヴィッド・キャラダイン『キル・ビルVol.2
トーマス・ヘイデン・チャーチ『Sideways』
ジェイミー・フォックス『コラテラル』(UIP Japan・配給)
モーガン・フリーマン『Million Dollar Baby』
クライヴ・オーウェン『Closer』

助演女優賞
ケイト・ブランシェット『アヴィエイター
ローラ・リニー『Kinsey』
ヴァージニア・マドセン『Sideways』
ナタリー・ポートマン『Closer』
メリル・ストリープ『アメリカン・クライシス』(UIP Japan・配給)

監督賞
クリント・イーストウッド『Million Dollar Baby』
マーク・フォスター『ネバーランド
マイク・ニコルズ『Closer』
アレクサンダー・ペイン『Sideways』
マーティン・スコセッシ『アヴィエイター

脚本賞
アヴィエイター』ジョン・ローガン
『Closer』パトリック・マーバー
エターナル・サンシャイン』チャーリー・カウフマン
ネバーランド』デヴィッド・マギー
『Sideways』アレクサンダー・ペイン&ジム・テイラー

作曲賞
アヴィエイター』ハワード・ショア
ネバーランド』ヤン・A.P.カチュマレク
『Million Dollar Baby』クリント・イーストウッド
『Sideways』ロルフ・ケント
『Spanglish』ハンス・ジマー

オリジナル主題歌賞
“Accidentally In Love”『シュレック2』(UIP Japan・配給)
“Believe”『ポーラー・エクスプレス』(Warner Bros.・配給)
“Learn To Be Lonely”『オペラ座の怪人
“Million Voices”『Hotel Rwanda』
“Old Habits Die Hard”『Alfie』

外国語映画賞
フランス『コーラス』(日本ヘラルド・配給)
中国『LOVERS』(Warner Bros.・配給)
ブラジル『モーターサイクル・ダイヤリーズ』(日本ヘラルド・配給)
スペイン『The Sea Inside』
フランス『ロング・エンゲージメント』(Warner Bros.・配給)

セシル・B・デミル特別賞
ロビン・ウィリアムズ

 ぜーはーぜーはー。一部不正確な部分もありますがご容赦ください。気づいたら遠慮なく知らせていただけると幸い。
 とにかく気になるのがアレクサンダー・ペイン監督の『Sideways』。実はこれ以前に発表された各地の批評家協会などの作品賞・監督賞などをむやみやたらに獲得しており、現時点でアカデミー賞最有力の表現がいちばん近い作品のよう……なのに未だ日本での配給が決まっていない。なんでやー。
 マーティン・スコセッシ監督『アヴィエイター』はなんか賞レースになると毎回絡んでくるけど絡んでくるだけ、という印象が強いので今回もあんまり気にならなかったり――というか、決して下手ではないのだけどどうしてもディカプリオに好感が持てないのが最大の理由なんですが。個人的に注目しているのは主演・助演双方に名前の挙がったジェイミー・フォックス(『コラテラル』は確かに名演でした)の結果と、クリント・イーストウッドが幾つ取れるのか。ほんとに作曲賞を獲得したら凄いぞ。

 そういえば、最近の日本の配給会社はなんだかコメディに冷たい。確かにアメリカと日本の笑いのツボは異なるので、あちらでヒットしたから即日本でも、という結果に繋がりにくいのは事実なのですけど、そこを広告などでフォローするのがお仕事でしょうに、そういう基本から放棄しているとしか思えなかったり。
 たとえば、昨年あたまぐらいにベン・スティラーとジェニファー・アニストンの共演でアメリカでは大ヒットとなった『Along Came Polly』という作品があります。ベン・スティラーの作品をけっこう評価していて、かつジェニファー・アニストンのどこか親しみやすい表情も好きな私は日本での公開を楽しみにしていたのですが、いつのまにやらビデオ・DVDに直行していた。しかも題名は『ポリーMy Love』……ドラマのパクリ作品のように見せかけている。お陰で話題にもならないどころか、どうも映画業界でもその存在が認知されていないようで、最近各作品のプログラムでキャスト・スタッフのプロフィールに登場する際は原題のまま掲載されている(通常、ビデオ直行であっても邦題で言及されるのが普通)。これではヒットするとかしないとかいう以前の問題だろう。他にも、アメリカでは続編が作られるほどのヒットとなった『バーバーショップ』という作品も、その続編共々映像ソフトに直行しており、日本ではたぶん出演者の多くを占めるミュージシャンたちのファン以外にはあまり知られていないのではなかろうか。
 やはりベン・スティラーが出演してヒットとなった『ドッヂボール』はどうやらアメリカと同じ20世紀フォックスが日本でも配給してくれるようで、同様の憂き目は見ずに済みそうだが、たとえばジュード・ロウが主演した往年の名作のリメイク『Alfie』でさえもまだ配給が決まったという話を聞かず、今後もこのジャンルについては冬の時代が続きそうである、日本では。感動とか泣きとかばっかり訴えてると目利きの観客は離れていくだけだし、話題作だけ観るような客だっていずれ飽きます。笑いもまた潤滑剤。

 映画の話ばっかりで大変恐縮ですが。
 上のゴールデン・グローブ賞で外国語映画部門の候補作になっている『ロング・エンゲージメント』の原作はセバスチアン・ジャプリゾ『長い日曜日』という作品。これは東京創元社の海外セレクションの一冊として四六判で刊行されていたのですが、長らく絶版状態になってました。ゆえに、密かに文庫化しろ〜文庫化しろ〜と悪想念を送りつづけていたところ……本当に文庫化してくれる模様
 ありがとう東京創元社。出たらすぐ読むわ。でも日本版公式サイトはもう存在してるぞ、アドレスだけだけど。

 こんなんばっかりではなんとなく申し訳ないので、書き忘れた日常のことなど簡単に。
 と言っても今週はずっと、懸案をいったん放り出して新しい作業の仕込みと土台作りに励んでました。『DQ8』さえも封印して。ああ、はやく城に戻りたいっ。
 同時に昨日から、ぼちぼちと始めないと、と思い立って部屋の片づけを始める。まずはベッド脇に出来た謎の山から不要な冊子や包装紙の類を分別しつつ削っていく。……山はだいぶ凹んだのに、出たゴミは大したことがない。いったいどういう積み重ね方をしていたんだ?
 が、本日は本業がなかなか終わらず、その余波で日中にひと段落させるつもりだった作業も物足りない状態になっているので、片づけも止め今日行くつもりだった今年100本目の映画も取りやめて、黙々と……ゴールデン・グローブ賞候補作のチェックにかまけてしまった。あああなんて無意味な。そうしているあいだに構想が頭のなかでひととおり纏まったので結果的には良かったのだけど。さて、これをアップしたらとっとと文章にせねば。


2004年12月17日(金)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20041211~.htm#Day17

 昨日の日記をアップしてから初めて『アビエイター』(こっちが日本の正式表記)の公式サイトを観て――脱力。最多ノミネートはあなたではなく、7部門の『Sideways』です。自分のとこだけ数えて悦に入るのは止めましょう。
 ……って昨晩のうちにメモしておいたら、今日のあいだに訂正したようです。“最多”の文字が消えていました。

『幽 Vol.2』はこの二日でだいぶ進みました。木原・中山両氏の連載企画から実話怪談連載、漫画に実話怪談企画ものまで一気にクリア。
 木原氏の『怪談ハンター』と『「幽」の怪談2004』の一部は先日のトークライブで聞き覚えのあるエピソードが多く、あのとき如何にネタ不足だったかが偲ばれます。『やじきた怪談旅日記』は前にも書いたように北野誠氏のスケジュールが取れなかったため、中山氏との馴れ初めや「山の牧場」の周辺事情などについて語る番外編の格好となっておりますが、これはこれで面白い。
 何だかんだ言っていちばん楽しみなのが実話怪談パートなのですが、にしてもどうして実話怪談は聴き手の個性がこうも明確に出てしまうのでしょう。福澤徹三氏のは怪異との距離感が独特ですし、平山夢明氏のものは相変わらずえげつない。今回初登場の安曇潤平氏は内容的にはわりとオーソドックスながら、要点に改行を挟む(インターネット出身だからか?)独特な文体と山中での出来事に絞った構成で、独自の雰囲気が出来上がってます。今回掲載された実話怪談のなかでいちばん印象的だったのは、ほとんど『世にも奇妙な物語』のような世界を形成した「ガスパン」(平山氏)でした。

 昨晩までに懸案がどうやらひと段落したので、本日は身の回りで取り急ぎ片づけねばならない用件を処理していく。まずは――散髪。最近お会いしたことのある方ならお解りでしょうが中途半端な長さでいい加減鬱陶しく、本当なら先月頭ぐらいまでに切りたかったのがこんなにずれこんでしまいました。切ってスッキリ、はしたものの、また延々来るのをサボりそうなので短めにしてもらったら折からの寒波で襟足から吹きこむ風が冷たいったら。なんともはやタイミングの悪い。
 帰宅後、日記のこの上の節までをアップしたあと、またしても映画鑑賞。そう、今年100本目です。ほっといて明日、週末恒例の鑑賞作品を100本目にしてみても良かったのですが、折角ですから楽しみにしていたものを観ようと、敢えて金曜夜に有楽町マリオンへ。座席指定券を確保するついでに、入手し忘れていた前売り券をわさわさと購入する。そうしてまた自分の首を絞めてみたりあははは。
 そんなわけで、遂に到達しました、年間100本目となる劇場での鑑賞作品は、藤沢周平原作・山田洋次監督脚本による第二作隠し剣 鬼の爪』(松竹・配給)。感想は後日、この辺に。どうしても前作と比べていちいち劣る部分を指摘したくなりますが、基本的に傑出した日本映画であることはまったく変わってませんでした。大満足。特に収穫だったのが、ヒロインとなる女中・きえを演じた松たか子。まさか彼女に「萌える」とは私も思ってませんでしたがなも。今になってみると理由は明々白々なんですが、まあ、いいじゃないの。詳しいことはゆっくりと書きます――いやもう、本当に良かった。100本目とかどうでもよくなるくらいに。

 本日の『3年B組金八先生』。かなり過激なキーワードが並んでましたが、行き過ぎた展開にはならず、あくまでクラスの成長を描いたエピソードでした。今回は全般に安定していて、気楽に見られるのが嬉しい。ただ――先生方、他聞を憚るような話題をのぼせるときは、少しは廻りに配慮しましょうって。今回、立ち聞きパターンが特に多すぎます。
 今年の放送は今回で終了、次は来年七日の二時間スペシャルまでお預けの模様。本格的に年の瀬ですなあ。


2004年12月18日(土)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20041211~.htm#Day18

 朝、起きたあともしばし悩んだ挙句、昼間の映画鑑賞は取りやめにした。昨晩でどうにか年内100本鑑賞は達成できたし、感想はゆっくり、しかし今日中に書きたいし、どのみちアレがある関係で夜にも一本観るんだしー……といった諸々を考えた結果、昼間は家で大人しくしておこう、と。本当のところ、今日公開の作品にも楽しみにしていたものは多くて(実際、きのう前売りを確保したのはぜんぶ今日公開のものだったりする)、観られるときに観ておかないと年末大変そうなんですけど――まあ、今日公開されたものはたぶん正月ぐらいまで上映するものがほとんどでしょうから、なんとかなるでしょ。ね。
 そういうわけで、毎週映画を観ている時間いっぱいぐらいかけてのんびりと隠し剣 鬼の爪』(松竹・配給))の感想を脱稿。「実はメイドさん萌え映画だったらしい」からどうぞ。……仕方ないじゃないかそう認識してしまったんだから。
 お昼も、ここしばらくタイミングを逸し続けてお邪魔できなかった行きつけの蕎麦屋へ。が、すっきり忘れていたのだが、ここは土曜日のお昼時がいちばん混雑する。うまい具合に隙間の時間帯に潜り込めたのでさほど鬱陶しい思いはしませんでしたが――いや、したか。別に煙草を吸うなとは言わないが、狭い店内で見ず知らずの人間が相席していたら多少は気を遣ってくれないと。

 本日のお買い物
1,『五線譜のラブレター De-Lovely オリジナル・サウンドトラック』(Sony Music Japan International Inc./CD) [amazon]
 ……どうも気に入った映画はサントラまで買ってしまいがちです。amazonにて注文した1は、今年のグラミー賞候補にもなっているもの。映画自体がそうなのですから、サントラともなると尚更コール・ポーターの名曲選のような趣を呈しております。今日はゆっくり聴いている暇がなかったんですけど、年末はこれを延々回し続けようかと思ってます。

 で、このあとは時間潰しと称して映画を一本観たあと、新宿にてたぶん今年最後の新耳袋トークライブを鑑賞してきます。今年最後の徹夜イベント――かどうかは解らない。


2004年12月19日(日)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20041211~.htm#Day19

 昨晩のその後。
 まず新宿――ではなく、渋谷へと移動。いちおう新宿で、時間帯の巧く噛み合うレイトショー作品を探してみたのですが、今回は時間的に折り合うものが皆無だったので、いったん渋谷へ足を伸ばすことにしたのです。劇場はシネマライズ、作品はビリー・ボブ・ソーントンが史上最低の聖者に扮したブラック・コメディ風味のクリスマス物語バッドサンタ』(WISE POLICY・配給)。感想は後日、この辺に。プログラムで述懐しているとおり、アメリカ独特の罵詈雑言や下品な台詞が一種の味わいとなっており、字幕ではそれが充分に伝わりきらない感があったのが残念ですが、クリスマス・ストーリー嫌いなら逆に好きになりそうなおかしみがあります。本編の演技でゴールデン・グローブ賞にノミネートされたビリー・ボブ・ソーントンは、納得の嵌り役でした――というよりきっと一部ながら地ですよ、これ。
 それから、記念すべき40回目にして今年最後となる新耳袋トークライブ。今回は故あって、いつもの某氏に加えて、作家のK氏とその担当編集さん(名前を出していいか確認を取るのを忘れていたのでいちおう伏せます)とご一緒することに。もともと怪談がお好きだそうで『新耳袋』もきちんと全巻読破しており、休憩時間や帰り道にもかなりお話が出来たこともあり非常に楽しいひとときでありました。
 肝心のライブの内容は――またしても“山の牧場”出来。今月発売となった雑誌『映画秘宝 FEB.2005』の「俺たちに映画を語らせろ!」という企画のなかで、にて木原・中山両氏がいわゆるJホラーの原点に位置する存在として取材を受け、その模様が掲載されているのですが、実はこの映画秘宝の方々、何故か雑誌企画の一環として今年の夏、よせばいいのに“山の牧場”に赴いたうえ、その行程を一部撮影していたというのです。それをとっかかりに、簡単なおさらいと画面上から解る変化や今なお異様な周辺の状況を再検証する、というのが前半。
 もともと『ブレアウィッチ・プロジェクト』みたいなものがやりたかったとかで、映像の序盤は発生するトラブルを(これが何故か連続するのだ、本当に)半端に凝ったアングルで撮影して遊んでみたり、いちいち出来事を論評する余裕があったのに、当初カンカン照りだった気候が目的地に近づくにつれて土砂降りになり、間近な四阿には近所にあるはずのないスーパーの袋数種をぶらさげた自転車を置いた謎の屈強な外人がいて途中から編集氏たちを自転車で執拗に追いかけてくる。目的地に向かう道程はやはりやたらと細く頻繁に使用されたとは思えぬ荒れた道で、戻ろうと切り返しをすればレンタカーの左半分をぶつけてライトを壊してしまう。そしてようやく目的地に辿りついてみれば、そこにはレンタカーのセダン車でさえ通るのが精一杯であったような場所にも拘わらず四トントラックが何台も置かれた謎の施設がある。やがて現れたナンバープレートのないワゴン車に乗った男に会うなり怒られて、取材者たちはほうぼうの体でその場をあとにするのだが、一般道に出た途端にそれまでの雨が嘘のように晴れ渡っていた――
 以上のような映像の内容を踏まえた上で、それに留まらぬ変事の数々や、映像から解る“山の牧場”の変化と、しかし相も変わらぬ異様さを検証することとなった。途中語られる“祟り”を思わせるような出来事の幾つかは――冒頭で轢いてしまった猫の怨みというありがちな解釈のほうが通りがいいやん、と思ったが、笑いを随所に交えつつも関係者が本気で怖がっているのが察せられて、なかなか興味深い一幕でありました。このくだりはたぶんまた何らかの形で纏められることでしょう。
 続いて前回のアンケート(常連が多いため日に日に提出率が悪くなっているそうな。かく言う私も昨晩はとうとう出しませんでした)でリクエストが多かったという、とある心霊ビデオの再発表。映像そのものの異様さが際立っているうえに、誰もが知っているあのホラーさながらの伝播する類の怪談がくっついているので破壊力大。私がお連れした編集さんは本気で厭がってました――長年通っていても滅多にない強烈さだったので、なんとなく申し訳なく思ったり。
 二度目の休憩を挟んだあと、最後は著者ふたりのみで新たに取材したエピソードの披露。白眉は中山氏の連作でしょう。展開そのものは三本中一本を除いてほぼありがちな怪異のバリエーションと言えるのですが、すべて“新選組”が鍵になっているというのが凄い。ちょうど先日大河ドラマが終了したばかりで、ときどきこういうタイムリーなものが絶妙な時期に取材・発表されてしまうのも実話怪談の面白さだったりします。
 とまあ、あとで考えると“山の牧場”と再利用映像で誤魔化された趣はありますが、『新耳袋』の読者であればすぐに馴染める内容のうえに粒ぞろいでもあったので、お連れした二方には楽しんでいただけたようで何より。今年最後を飾るという意味でも相応しい密度のイベントでした。どーでもいいが木原さん、よりにもよって『マッハ!!!!!!!!』と『ハッスル!』を間違えないでください。

 本日のお買い物
1,羅川真里茂『いつでもお天気気分(3)』 [bk1amazon]
2, 同 『しゃにむにGO(19)』(1と2、花とゆめコミックス/白泉社) [bk1amazon]
3,犬上すくね『ういうい・Days(2)』(BAMBOO COMICS/竹書房) [bk1amazon]
4,金田達也/藤田和日郎・原案協力『あやかし堂のホウライ(1)』 [bk1amazon]
5,安西信行『MAR(8)』 [bk1amazon]
6,藤崎聖人『ワイルドライフ(10)』 [bk1amazon]
7,松江名 俊『史上最強の弟子ケンイチ(13)』 [bk1amazon]
8,藤田和日郎『からくりサーカス(34)』(4〜8、少年サンデーコミックス) [bk1amazon]
9,尹 仁完・梁 慶一『新暗行御史(10)』(SUNDAY GX COMICS) [bk1amazon]
10,齋藤 純『龍の荒野』(文芸ポストNOVELS/4〜10、小学館) [bk1amazon]
11,あざの耕平『BLACK BLOOD BROTHERS 2 ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ 特区鳴動―』(富士見ファンタジア文庫/富士見書房) [bk1amazon]
12,鯨 統一郎『すべての美人は名探偵である』(カッパ・ノベルス/光文社) [bk1amazon]
13,フジテレビ トリビア普及委員会・編『トリビアの泉〜素晴らしきムダ知識〜 へぇの本IX』 [bk1amazon]
14, 同 『 同 X』(13と14、講談社) [bk1amazon]
15,佐々木俊介『模像殺人事件』(創元クライム・クラブ) [bk1amazon]
16,米澤穂信『春期限定いちごタルト事件』(創元推理文庫) [bk1amazon]
17,『ミステリーズ! Vol.08 DECEMBER 2004』(15〜17、東京創元社) [bk1amazon]
18,『映画秘宝 FEB.2005』(洋泉社)

 たすけて〜。これだけ買っても萩尾望都氏とか田中啓文氏の新刊を取り漏らしてるんだよ〜なんでだよ〜! とりあえず解説は駆け足で。
 1は七年振りぐらいに登場した最新刊……いったい何年高校生やってんねん、というツッコミすらアホらしく思えてきます。3は相変わらずこっ恥ずかしさが横溢するシリーズ。好きだなあ。4は8の藤田氏が原案に協力しただけあって、絵柄といい世界観といいどこか『うしおととら』を思わせる新人の連載作品。二ヶ月連続刊行の9は、物語が佳境に差し掛かったことを窺わせる急展開。
 11は『銀輪の覇者』が好評を博した著者が三年間に亘って連載した作品に加筆・訂正を施した最新刊。12は著者の旧作に登場したふたりの美人探偵がアリバイ崩しに挑むというもの。13と14は同時発売――ですが、いま調べてみたら私、8巻を買い損ねてた……
 15は実は本日ではなく、きのう出かけたあとに届いたもの。東京創元社のサイン本通販で注文したものです。『繭の夏』以来九年振りの最新作である本書は、横溝正史的な山中の邸で巻き起こる謎の事件を描いた本格もの。16はミステリ・フロンティア出張版、平凡を願う高校生探偵の活躍を描く連作短篇集。
 で18は、昨晩の素晴らしい活躍ぶりに敬意を表して購入。“山の牧場”突入編は前号の話だったようですが、木原・中山両氏の唆しでまたヤバいところに赴くような伏線も張ってあるので、しばらく購入し続けるかも。映画情報誌としては癖があって私にはちょっと馴染まないんですけどね。

 本日夜も新耳袋絡みです。『特命リサーチ200X』久々の特番である「ウワサの真相解明ファイル」という番組で、先日木原氏が発見した“くだん”が紹介されるとのことで、わざわざ録画予約までして観たのですが……
 ……覚悟はしてましたが、なんちゅう扱いだ。思いっ切り取って付けた、しかもパチモンくさい描き方。もともとアレは人面犬と言って発見されたものではなく、かつて興行で“くだん”の剥製として使用されていたものをたまたま木原氏が入手したもので、中に針金が入っていようと、形がいかに怪しかろうと、研究上の価値は少なくないのです。“くだん”の剥製入手の経緯を再現したVTRの木原氏がけっこー実物に似ていたのと、ロケ場所がどうも『呪怨』ビデオ版に登場した刑事の家だったのが妙に可笑しかった。
 番組全体としては、多くの噂を簡潔に検証していて悪くないのですが、あちこち踏み込みが浅く解決になっていないと感じられるものがあるのが難点。特に“死のネックレス”を巡る検証は、そもそも噂のほうの筋書きで女子高生が彼氏から貰ったとあって、つまりネックレスの価格自体はかなり安かった可能性も考えられるのに、正規の流通ルートで放射性物質を含んだ宝石が出回ることはまずありえない、という事実だけで噂を否定してしまっているのはどうか。無論、あんな風にウランなんて放射性物質そのものを入手し加工して安く販売する、という手間自体が馬鹿げている、という考え方もありますが、それでもこういう可能性まで潰して初めて証明とせねば。マリー・アントワネットが処刑前夜のうちに白髪になった、というエピソードについても、マリーの伝説そのものが「髪が一夜で真っ白になることはあり得ない」「その噂を最もよく知っていた年代の子供時代に『ベルサイユのばら』がヒットした」という事情で概ね説明はついていると思いますが、なぜ髪が一夜で真っ白になる、という伝説が生まれたのか検証することをすっきり忘れているのが変。乱歩に『白髪鬼』という翻案作品があるぐらいなのですから、結構古くから言われていることは確かで、そちらのほうがよっぽど謎と言えるでしょうに。


2004年12月20日(月)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20041211~.htm#Day20

 なぜだか一日ばたばたしておりました。何とかバッドサンタ』(WISE POLICY・配給)の感想は脱稿。「絶対に女好きだけは、地。」からどうぞ。

 本日のお買い物
1,『藤子・F・不二雄☆ワンダーランド ぼくドラえもん 21 2005.1.5』(小学館)
 のみ。今回の特集は、色んな人のドラえもん絡みの夢を叶えるというもの。実物のドラえもんって、確かに必要以上に頭デカいでしょうねー。
 あと『DVD&ビデオでーた』を購入、新作のチェックをしていて、とんでもないことに気づく。
スウィングガールズ』三種類 2005/03/11発売
ソウ』 2005/03/11発売
誰も知らない』 2005/03/11発売
 ……泣くぞ。


宣伝とかお薦めとか告知とか。

宣伝
2004/12/01発売『CLANNAD アンソロジー・ノベル2』(JIVE CHARACTER NOVELS/JIVE) [bk1amazon]
本体価格950円 ISBN 4-86176-044-5
短篇「Homeward Bound」を寄稿しました。

告知
2005/01/11アメリカ盤発売予定 Pat Metheny Group『The Way Up』(NONESUCH RECORDS/CD)
68分1トラック、初の組曲形式によるニューアルバム!


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