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吸引器

ここではALSとはきっても切り離せない問題、病気が進行したら確実にぶつかる事の1つに呼吸機能の低下、それが現実に訪れてくる。呼吸器を装着すると、絶対に逃れられない現実にあうのがそれが吸引である。
そこで吸引とは何か?痰とは何か?を考えて見たい。
それには自分に合った吸引の仕方と、それに見合うだけの機材を見つけることによって楽な吸引が行なわれる。 看護師さん、ヘルパーさん各自の吸引の格差をなくすことは大事なことですが、それは難しくその部分を吸引器でカバーすることが必要になります。これから下記に多くの吸引器を載せてあります。じっくりとご覧になって、今度のご購入の参考にしてください。

痰とは

  •  痰は、下気道内と肺胞の中の雑菌を無菌にする無色透明な分泌液です。   
  •  痰は小さな気泡を含み白濁していることがあります。   
  •  痰は繊毛によって、咽喉まで運びだされます。   
  •  健康な成人の痰の量は一日200ミリリットル程度です。   
  •  痰は、ほとんど飲み込まれています。   
  •  感染症や呼吸器の手術直後の方は1000リットル程度まで出るそうです。   
  •  気管に50ミリリットルも痰が溜まれば窒息しそうです。   
  •  1回の痰の吸引量は50ミリリットルを超えることはありません。   
  •  自分のタンで自分は感染しません。   
  •  痰を溜め込む方が、特定の細菌が培養されて飲めない不潔液になります。   
  •  本人の口腔中には肺炎球菌などもあり培養されます。

痰吸引とは

      
  •  吸引は咽喉と気管、肺に溜まった痰を自分で出せない場合に吸引器を用いて行う行為です。   
  •  吸引しないでおくと自分の痰で窒息します。   
  •  吸引器を使って液体を吸い出し、空気の通路を確保する行為です。   
  •  人体の発生する動力と、身体が耐えられる力、圧力などの範囲を超えなければ身体を損傷する危険はありません。   
  •  感染しない清潔操作が必要なだけです。   
  •  吸引を医療と呼ばず、医療的ケアと呼びます。日常生活行為と言う人もいます。   
  •  そのときの空気流量は断続しますが20ミリリットル(牛乳瓶1/10の体積を1分で吸い上げる)程度であること。   
  • 唾液は、健康な成人は1日1〜1.5リットル出るそうです。   
  •  粘稠痰は0.1リットルも気管に溜まれば窒息します。


吸引時の認識

ここでは吸引に対しての認識と、技術と、事故とそれに伴う感染症について、私なりに意見を述べたい。上記で書いてあるように痰吸引に関して在宅では、日常生活の一部として義務付けられている。今では家族以外に介護ヘルパーにも吸引が出来るようになり、吸引技術を教えることが必要になってきた。そこで教えることで、もっとも吸引について、注意して置きたい事を述べたい。


痰吸引を行なうには、患者の負担を最小限に抑えないといけない。それには如何に短時間で、すべての痰を吸引が出来るかにかかってくる。それに伴う技術の向上が絶対条件になっていく。吸引技術と吸引者の教育をお座なりにすると、吸引時の事故や感染症の基になる。




吸引時における事故と感染症

 吸引者の未熟な手技により、気道内の粘膜を引きはがすのは術者が無理に吸引圧を上げて吸うことにより、このエネルギーが身体の中で解放されると、粘膜を強い力で吸い付けていますから、無理に引き離そうとすると術者の仕事が加わって粘膜がはがれます。

繊毛粘膜を傷つけることにより、そこから出血する、なぜ出血に拘るかというと、肌に傷をつけたよりも深刻だからです。その傷口が治癒するまでそこから痰の排出(搬送)機能を損なったことになります。
なぜこの様な事故に結び付くかと言うと、一見技術の劣化があるにも拘わらず上質の吸引技術(手技)と錯覚されることです。

ベテランの吸引者は感覚でカテーテルに液が流れている間は目で、指先で、音でわかる状態ですから、流量は少なくて吸着を知ることが出来ると引きはがす前にカテーテルの動作を止めて空気を導入する事によって吸着を回避します。

 吸引の経験をつんだベテランの人は、Fr-8カテーテルを使い圧力-20kPa程度の圧力で砂糖水を吸う要領で吸引ができます。しかしベテランの吸引者でも、如何し様もならないのが吸引器です。

病院のように、吸引圧力が高く、ポンプの動力効率がよく、吸引時間が短くなるけど、在宅用卓上吸引器では、圧力エネルギーを蓄積しないと吸引圧に到達せず、液体の細管(カテーテル)内の速度がおそくなるので、不必要な高吸引圧設定を行うことになる。

 在宅用吸引器が悪いと言って吸引力を高めたら、重く、大きく、危険な吸引器ができあがります。
さらに最悪なことに、このエネルギーは、臓器を収縮させることにより、的確に液体を見つけなくても液体を吸い寄せ吸引できるので、現在危ないとされる吸引事故の殆どを発生に繋がる。

 その危険を避けるために、吸引圧力を弱く設定すると、ポンプの動力効率が悪く、遅い吸引開始と遅い液移動速度になり、医療的には患者に酸素を供給出来ない時間が長くなるなど別の吸引困難が発生します。

感染症について、粘膜に傷をつけて出血したときに、口腔鼻腔からカテ−テルが入れられた場合、口/鼻の細菌を傷口から植え付ける恐れがあります。病院での吸引による出血は、病院の常在菌MRSAなどに感染する危険が非常に大きくなります。
本当に粘稠なのは感染症か血液が混ざり、医師が吸引しなければならない危険な状態です。




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