認知心理学
認知心理学とは
認知心理学は知覚、記憶、学習、言語など人間の認知機能の仕組みを研究する心理学であり、
1950年代後半に誕生した(日本では1970年代後半から普及し始めた)比較的新しい学問である。
人間の認知過程をコンピュータの情報処理過程ととらえる点が特徴。
認知心理学に関連の深い分野
○心理言語学;チョムスキー「生成文法」
○神経心理学、脳科学;fMRI(脳の画像解析)
○情報工学;人工知能
○社会心理学;詳細は社会心理学を参照してください。
記憶
■記憶の過程
1.符号化(記銘)
2.貯蔵
3.検索(想起)
■記憶の種類
○感覚記憶:保持時間はきわめて短い |
(視覚情報;約1秒、聴覚情報;約5秒) |
○短期記憶(作業記憶):容量に限界がある |
1.手続き記憶(潜在記憶)[身体で覚える記憶] |
2.陳述記憶(顕在記憶)[言語化可能な記憶] |
○長期記憶 |
1.エピソード記憶:時間や空間の制約を受ける |
2.意味記憶:時間や空間の制約を受けない・知識 |
○自伝的記憶
個人のアイデンティティや生き方を支える過去の出来事に関わる再構成可能な記憶。
人間は人生の決断や葛藤のときに、過去の似たような出来事に対する自伝的記憶をもとに対応を決定する。
自伝的記憶は多くの場合、過去の出来事がそのままの形で想起されるのではなく、想起時の状況によって内容が変化する。
○フラッシュバルブ記憶
社会的に大きな出来事が起きたときに、個人個人が覚えているそのときの自分についての記憶。
本人ははっきり覚えていると思っていても、フラッシュバルブ記憶の信憑性については疑わしい点がある。
知覚
■アフォーダンス
afford(与える・持つ)という動詞を名詞形にしたもの。生態光学者のギブソンの造語。
生物に特定の行動を促す環境の特性(情報源)。
例:水は飲むことをアフォードする、空気は呼吸することをアフォードする
ユニバーサルデザイン(すべての人にとって利用しやすいもの)においても非常に重要な概念になっている。
■カクテルパーティ効果
パーティ会場のように多数の人が同時に話している状況であっても、自分が注意を向けている会話のみを聞き取ることができる
現象。
このカクテルパーティ効果からも分かるように、人間は多数の情報から必要なものだけを選んで処理するメカニズムを
持っている。
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