−3月−

−マジック−
最近は国語でもやたらと「調べ,まとめ,発信」する学習が増えてきています。例えば「自分の考えを発信しよう」という学習では,何を,誰に,どのような方法で伝えるかを一人一人が決めて取り組みます。ある年には全員が分担して「地雷」について調べ,HPで自分たちの考えを発信したこともありました。今年は「模造紙にまとめて全校に伝える」という方法に決めた子がいました。課題を決め,調べ,下書きもすんで,最後に模造紙にマジックで書く段階にきます。こういうとき,いつも指導することがあります。マジックの使い方です。先の断面が長方形になっているマジックは,いつも同じ向きで字を書いていくと縦の線は太く横の線は細くなり,1つのレタリングのように綺麗に見えます。慣れている者には当たり前ですが,あまり使ったことのない子どもはこの特性を無視して絵筆のように書いていくことがあります。実際に子どもの手を持ってマジックの先を意識して書く練習を少しするだけで随分字の形が変わってくるものです。

−鳥小屋−
国語の時間,時々ねらいから外れてつい聞いてしまう問いがあります。ほんのささいな問いですが,案外よく読んでいないと間違うことがあって,子どもたちも謎を解くような感覚で楽しみます。例えば光村図書の5年生教材にある「大造じいさんとガン」で,「大造じいさんの鳥小屋の大きさはどれくらい?」と聞くと,あまり読んでいない子は自分勝手な想像でこれくらいと答えることがあります。しかしそれでは絶対に間違いなのです。小さなことですが,こういう問いに正しく答えられる子は,思考の根拠となる基本的で確実な読み取りができているものです。

−メッセージ−
卒業文集へ先生方から一言ずつメッセージをいただきます。スペースが大きすぎてもご迷惑をかけるし,編集のことも考えて,いつもB4のファックス原稿用紙を4分の1に切って蛍光ペンで枠を書いたものを渡します。これを冬休みに入る前か,1月の最初の出勤日に渡して「1月中に」とお願いすることにしています。今年は全員手書きの原稿をいただきました。やはり温かみがあります。今年使用頻度が高かったキーワードはやはり「オンリーワン」「花」でした。私のメッセージにも使いました。

−学校の絵3−
いつの間にか児童会で取り組むことになった「学校の絵」も下書きがすみ,色塗りに入りました。「児童会」ですから,全員の参加を保障していかなければなりません。カリキュラムにないものなので,授業時間を使うわけにいきません。そこで放課後少しずつ児童を呼んで絵の下書きや色塗りをさせていきます。今ほぼ半分までできてきました。今年の夏までにということらしいのですが,こんなことに半年もかかわっていく気はないので,この3月中には済ませたいと思っています。

−学校の絵4−
ようやく畳1枚の大きさの学校の絵ができあがりました。最後に透明なシートに印刷した校歌を絵の右上にくるように裏から貼り付けた透明のアクリル板を絵の上に置いて,その上に額縁を置き,裏からねじ釘でとめました。よしできあがり,と表にしてみると何と小さなおがくずが絵とアクリル板の間の目立つ所に!ねじ釘用に穴をドリルであけた時の木くずが入り込んだのでしょう。裏を向けて作業をしていたので分かりませんでした。またねじ釘を何本か外し,隙間から掃除機で吸ってみましたがとれません。針金を差し込むと傷が付き始めてこれもだめ。結局隙間から紙を差し込んで取ればいいことに気がつき,どうにか一件落着。これでようやく普通の年度末の作業に入れます。

−挨拶−
児童会行事や対外的な行事の中で会長や委員長等が挨拶をする機会が年間に何度かあります。行事の度に前もって当事者には原稿を書かせ,スムーズに話せるよう練習を繰り返します。しかし時には原稿なしでもすらすらアドリブで言える子がたまにいることもあります。できれば役についた子にはこういう力量もつけたいものです。そこで,行事の前に準備なしで挨拶を急にさせてみることもあります。「今すぐにここで言ってみてごらん。もし,どうにか言えたら原稿を書いて覚えるようなことをしなくてすむよ。」と難しいけど,その方が結局楽だという意欲付けを行いながら挑戦させます。挨拶の基本的な構成要素を挙げて,その流れに合わせた言葉を考えさせます。何度かこれを繰り返しておくと,行事の度に挨拶原稿作成,推敲,練習,記憶の労をとらなくてもすむようになることもあります。

−メール−
久しぶりにこのHPにメールをいただきました!鎌倉の大船ママさん,ありがとうございます。大船ママさんのご了解を得て,ここで紹介させていただけることになりました。いただいたメールの一文に「まともな先生の愉快なHP」とありました。今や学校は「まとも」という言葉で表現されるような世の中になっているのでしょうか!?この大船ママさんはとてもすてきな
というHPのスタッフをしておられます。「子育て」についての様々な情報はもちろん,鎌倉の観光ガイド(「鎌倉観光のおすすめコース,おいしい店などのご質問に地元のお母さんたちがお答えできます。」とのことです。)等もあります。是非訪ねてみて下さい。

−親2−
以前エイズの授業を参観日に行ったことがありました。子どもたちは「共生」について真剣に考え,お互いの意見をよく出し合い,自分の問題として深く考えることができたと思える授業になりました。その後の懇談でも,授業中の子どもたちの発言について感心する声が出され,親自身が授業を受けていてあれだけ言えただろうかという話になっていました。そんなときあるお母さんが,「子どもたちはみんな意見を言えるまで待ってもらって,言いたい時自由に立って発言している。劇などでも自分がなりたい役になっている。昔は意見を言いたくても,手を挙げてあてられないと言えなかったし,劇の役でも先生に決められていた・・・」と言われ始めました。私はてっきり今の学級をプラスに評価して下さっているのかと思っていたら,どうも「子どもが思うようにできる」状況でいいのか?という批判をされているということが段々分かってきました。昔のように,我慢するとか悔しさに耐える教育を,というお考えのようでした。そのお母さんはそれまでにも,夏休みの宿題で始めさせた日本史の年表作りに「子どもが本気になって模造紙を何枚も買わせて長く長く書いているので困る」という不満を出されていました。以前の「睡眠時間」と共に,この時も価値観の違いを再び思い知ることになったのでした。

−家庭の話−
時々子どもが「先生,昨日お母さんとお父さんがねぇ・・・」というようなことを言ってくることがあります。そういう時はすかさず「ちょっと待った。その続きはいい話?悪い話?」と聞くようにしています。もし「いい話ではない」ようだったら,「そういうことは外で言っちゃあダメダメ。」とストップさせるようにしています。

−マラソン1−
よくされていることなのかもしれませんが,「子どもにフルマラソンを走らせる方法」があります。私は最近知りました。正確に言えば,「42.195kmを走るタイムを計る」のです。当然実際にそんなことはできないので,グランドを10周ほど走ったタイムをもとにして,「もしそのまま走ったとしたらタイム」を計算で求めます。先日実際にグランドで走り,計算方法を教え,筆算で自分のフルマラソンのタイムを何時間何分何秒まで求めさせました。子どもが走る時は,実況中継を行います。「今,ここアテネにおいて○○小学校の児童が日本の期待を背負って世界と競います。アテネの空は青い。○○君のほっぺは赤い。がんばれニッポン・・・」全員の計測が終わった後,「先生も計りなさい。」ということで,私も走らされました。途中で給水のポーズ,沿道の観客に手を振るポーズ,そして最後のラストスパートではお約束,「サングラスを投げる」ポーズ(実際は途中から暑くなって,上着を投げました。)でクラスで一番遅いタイムを出してしまいました。

−マラソン2(1)−
最近何かと話題になっている小出監督のエピソードをジャーナリストの講演で聞いたことがありました。あるマラソン大会に新人選手を走らせることになった監督は,給水地点が場所的に転倒しやすい所なので,その選手によく注意しておいたそうです。しかし,案の定その選手はその給水地点で本当に転倒してしまいます。あれだけ注意をしていたのだから,監督はその選手の不注意を責めるだろうと予想されました。

−マラソン2(2)−
注意していた場所で転倒してしまった選手に対して,小出監督は注意不足を責めるどころか,謝ったそうです。そのスポーツジャーナリストは監督に「なぜ謝るんですか。あれだけ注意しておいたのだから,転んだのは選手のせいでしょう。」と聞きました。すると監督は「いや,あの選手にとっては初めてのコースなんだ。私には指導する責任がある。私が注意する点を言っても,それが相手に本当に伝わらなければそれはコミュニケーションにならない。相手に伝わって初めてコミュニケーションになるんだ。10回言って分からなければ20回言うべきだったんだ。」と言われたという話でした。

−スクールクエスト−
「スクールクエスト」を卒業前のお祝いとして久し振りに行いました。以前は自分にも物珍しさがあって一緒に面白がっていましたが,最近は何となく本当に子どもたちは楽しむだろうかと遠慮もあってしばらく倉庫に眠らせていました。しかし,実際今回やってみると,子どもたちはとても楽しんでくれました。学校中を走り回って人々の話を探しながら謎を解く,自分の体と頭を使うRPGです。新年度には早々と新しい学級で更にパワーアップした内容で行おうと準備をしているところです。

−春休み−
休みを取って息子とボーリングに行きました。久し振りでしたが,172点を出すことができ,ちょっと親父としての面目を保つことができました。今までの最高は213点ですが,もうそんな点は2度と出せないと思います。その後,息子が中学に行ったら野球部に入ると言うので,バッティングセンターに行きました。これまで野球などしていなかったので,親としてはエラーをして人に迷惑をかけてはいけないからと,剣道部を勧めるのですが聞いてくれません。家に帰ってキャッチボールをした後,合板を1枚道端に立てかけてそれに投げて練習することにさせました。子育てはハラハラの連続です。

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