−5月−

−キーボードレッスン2−
いわゆる「キーボードレッスン」ソフトはたくさんありますが,これは楽しさはあっても「指使い」の習得は難しいように思います。つい速く打とうとして,でたらめな指使いになる可能性があります。どうせ習うなら,基本的な指使いを身につけさせたいものです。指使いの練習は今まで3種類の方法で行ってきています。まず目をつむって「あいうえお」を打ちます。打った後画面を見るのはなかなか楽しいもので,あちこちで笑い声が聞こえてくるはずです。これは各自の練習に使います。それから手の上に軽い布を置いてキーが見えないようにして打ちます。次に画面だけを見ながら。この順は逆のようにも思えますが,初めのうちはつい手元を見てしまうので,それを防いでいます。やってみれば分かりますが,キーを見ずに打とうとすると,打つ指をはっきり決めていないと,正しく打てないものです。「あいうえお」が目をつむっても正しく打てるようになればローマ字打ちの3分の1は習得したことになります。この後は「カ行」「サ行」とテストを行っていきます。ここを丁寧にやっておくことが後々効いてくるように思います。

−平均−
5月の連休最終日に校長先生に誘われて市民ゴルフ大会に行ってきました。前半インスタートで6パー,2ボギー,1ダボの40。後半のアウトで5バーディー,1パー,2ボギー,1ダボの35という自分にとっては劇的な展開で75のスコアができあがりました。今年は今まで3回ゴルフに行き,1月に81,3月に78というスコアだったので,今のところ今年の平均は78ということになっています。2000年と2003年の平均が79点台でした。今年はこのままでやめておこうかな・・・。

−衆−
漢字学習をしていて,ポイントになる点だろうなと思われる所に出合うことがあります。例えば筆順についても,ここで確認しておかないと,この子はひょっとしたら一生違う筆順でこの字を書いていくだろうなと思われることがあります。ほんの数秒のことですが,初めて出合う漢字を適当に書いた瞬間から,死ぬまでその子はその筆順で漢字を書いていくことになるかもしれません。そういう「漢字人生の分岐点」を自分は今目の当たりにしている,と思うことがあります。先日は「衆」の学習をしているとき,それを感じました。

−感謝−
おかげさまで,連休中にこのHPも2万アクセスを迎えることができました。毎日ネットのどこかで開いて見て下さる方々がおられることを本当にありがたく思います。できれば今こうしてこのページを見て下さっているみなさん一人ひとりにお礼を直接伝えたい思いでいっぱいです。またTadasiさん(HP「TADASI'S HOMEPAGE」)からは20000アクセスの祝いメールまでいただきました。お忙しい中ありがとうございました。温かい視線を受けて,これからもささやかですが,うそのない等身大の実践をUPしていきたいと思っています。これからもみなさんよろしくお願いいたします。

−スククエ−
先日大阪の先生からスククエの資料を求めるメールをいただきました。このゲームは準備に時間が相当かかります。まず教師が楽しめないとできないゲームだと思います。このゲームは今までに一度だけ(2001年の12月)岐阜の先生に同じように資料をお送りして実際に行われました。その時の様子をメールで「スクールクエストをやりました。子どもは すっごくたのしみました!」と知らせていただき,お役に立ててとても嬉しかったことを覚えています。実は今日,私のクラスでも最初の「スクールクエストへのご招待」の張り紙を教室の後ろに張ったばかりです。

−準備−
4月の初め,教科書等の忘れ物をする子がいました。連絡帳を見て準備したのかと聞くと,見たと言います。それでも忘れているのです。こういう子は,「連絡帳を見て1教科ずつ確認しながら準備する練習」を学校でさせます。声に出して1教科ずつ机の上に重ねていきます。黙って見ていると一度目はいろいろな問題点が見えてきます。教科書,ノート,ドリル等1冊ずつ表を向けて丁寧に重ねていく指導をし,再度初めからやり直しをさせます。叱るでなく,反省を言わせるでもなく,ただ淡々と忘れ物をする度にこれを繰り返していきます。根気比べです。

−朝−
担任したクラスに問題があるときは,毎日朝の話から緊張緩和を図れるように,題材・内容を本気で考えて行きますが,比較的穏やかなクラスの場合はそこまで緻密な計画は立てません。朝も簡単なゲームと世間話を少しするぐらいで,すぐに授業に入ります。最近はこのパターンで楽をさせてもらっています。しかし,時には話を頑張ろうと今朝は階段を上がりながら以前の「緊張状態」での本腰を入れて話していた雰囲気を思い出していました。朝の話を終わって授業に入ろうとした時,「あー腹イテー。」と男の子が腹を押さえて笑いながら言ってくれました。ムカデの話からどんどん脱線していったのですが,やはり朝は楽しいウォーミングアップが必要だと思いました。

−設定−
例えば1学年2クラス以上の学校で,子どもたちが自由に教師を選べる制度があったとします。そして子どもが選択する基準はただ1つ「分かりやすさ」だったとします。ここでは仮定の話なので,人間関係等その他の要因は無視されると考えます。この状況を自分の心の中で勝手に設定して学校に行きます。チャイムが鳴り,いつものように授業が始まります。目の前の子どもは明日またこの教室に来るとは限りません。「分かりやすさ」だけが判断の基準です。この設定で昨日と全く授業が変わらない人は立派です。仕事に慣れてくると,私のような小人は時々こういう幼稚な設定を心に課せないと,つい易きに流れてしまうおそれを感じます。

−学習予定1−
毎日次の日の学習予定を黒板に書き,子どもはそれを連絡帳に写します。当たり前のことですが,ここに少し自分なりのこだわりを持っています。まず予定を書く黒板は同じ物を2つ用意します。ない場合は自分で黒板スプレーをベニヤに塗って作ったり,古い小黒板をもらってそれに白マジックペンで項目や線を書いて作ります。2つあると,その日の学習予定を消さなくても次の日の予定を書くことができます。次の日の予定が早く書いてあると,子どもは隙間時間に連絡帳を書くことができます。これが帰る前に急いで書くようになると,落ちがあったり字が乱れることになります。学習予定に書く内容も同じ単元名を続けるようなことはしません。

−学習予定2−
学習予定黒板にはその日に学習する内容のキーワードになるものを書くことにしています。だから毎日違う言葉になります。例えば国語では「も」,「しんしん」,社会では「えとろふ」,「大和」,算数では「最大」,「3.14」,理科では「マンガン」(酸素)「1.2m」(気温)等です。その言葉を連絡帳に写す時点からすでに学習の導入になるようなものにしたいと思っています。また時にはよく分からない言葉を写させておいて,次の日の授業でその意味が分かってくるようなこともします。

−学習予定3−
連絡帳はいつ書いてもいいことにしていますが,午前中に2つ目の予定黒板に次の日の予定を書いておくと,ほとんどの子が帰りの会までには隙間時間に写して提出しています。出された連絡帳から字のチェックをします。連絡帳のようなメモ的なものから字が崩れていくことがあるので,字が丁寧でないとその字を書き直すよう赤線を横に引きます。「国語」を「国」と書いていても不合格となります。「中学では字のことまでは言わない。」という話を聞きました。内容と速さの方が問題になってくるからでしょう。とすれば,人の一生の中で「字」について注意してもらえるのは小学校の間だけということになります。この6年間で自分なりの丁寧な書写の習慣をつけたいものです。

−奈良のチカン1−
20,21日と近畿に修学旅行に行ってきました。20日の夜,保護者の家に電話をしました。するとある女の子の家のお母さんが「今日,奈良公園でうちの子がチカンに合ったらしいんですが。」と言われるではありませんか。えっ!?・・・チカン?・・・そんな事件は全く起きていません。すぐにそんな事はなかったと安心してもらいました。しかし,それにしても何でそんな嘘の情報が遠く離れた所におられる家の方に届いたのでしょう???どこでそんな話を,と聞くと,「4年の妹が学校で教頭先生から聞いてきた。」と言われます。えっ!?・・・学校で?・・・教頭先生から???

−奈良のチカン2−
「奈良でチカン・・・???」と思いながら,次の日の朝,学校に連絡してみると,謎が解けました。6年生が旅行に行った日,学校で教頭先生は子どもたちと話していて,次のように言われたのを,4年生のその妹は聞き間違えたらしいのです。「今頃お姉さんたちは奈良公園でシカに合っているよ。」

−スライドショーCD−
金曜日に修学旅行から帰り,次の週の月曜日には旅行中にデジカメで撮った写真をCDに焼き付けて渡しました。このCDにはフリーで配布されているスライドショーソフトも入れ,学校で実際に開いて見る練習をして家に持って帰らせました。このスライドショーソフトはBGM付きで,効果音と共に自動的に写真が様々な形で表示されていきます。また,旅行には2台カメラを持って行き,普通の一眼レフカメラでも写真を撮り,日曜に現像して,月曜日に注文を取りました。やはり大切な思い出を保存するには一眼レフカメラで撮って,印画紙に焼き付けた写真の方がいいですね。デジカメも持って行ったのは写真を後でスキャナで読み込むのが面倒だったことと,デジタルデータにした時の鮮明さが違うことからです。

−くつ下−
修学旅行で風呂に入ると衣服の忘れ物をする子がいます。全ての物に名前を書くように言っていても,書いてない子に限って忘れたり,片方のくつ下を落として帰るような傾向があります。そこで,修学旅行では必ず「くつ下をぬいで風呂に行く」よう指導しています。これだけでも「忘れ物処理」の時間を短くすることができます。

−ガイドさん1−
修学旅行で出会うバスガイドさんにもいろいろな方がおられます。失礼ながら勝手に3つのタイプに分けさせてもらいます。1つ目のタイプはマニュアル通りの笑顔,対応,説明をされる方。そつはないのですが,流暢な説明が右から左へとただ流れていき後に何も残らない感じがします。ほとんどの子は聞いていません。2つ目は,聞く相手に合わせようとして下さる方。いろいろな問いかけをしてどうにか興味関心を引き出そうとされます。3分の2の子は目と耳を向けます。3つ目のタイプは相手を手玉に取る臨機応変型で,当意即妙を絵に描いたような方。聞こうと思わなくてもいつの間にか引き込まれてしまいます。肩の力も抜けていて,まるで世間話をしているかのように自然に流れていきます。これは完全に全員が目で聞きます。

−ガイドさん2ー
人前で話をするという意味ではガイドさんも教師も共通点があります。いろいろなバスガイドさんを見て思うのは,教師が授業を行う時,どのガイドさんのタイプに入るだろうかということです。「これだけのことを教えなければならない」とカリキュラムの進行だけを目安に進めていくタイプ1,「どうにかして考えさせよう」といろいろ手立てを工夫するタイプ2,「人の心理をとらえ,ツボをおさえる」ことを知っている業師のタイプ3。できればタイプ3になりたいものですが,なりたいと思ってなれるようなら,野球をする人はみんなイチロー選手や松井選手のようになっているでしょう。無理なものは無理として,少なくともこれだけはできるということもあります。

−ガイドさん3−
タイプ1のガイドさんの様子を見ながら,もしあのガイドさんがガイドの仕事をしていなかったら,この自分の話を聞くだろうかと思いました。仕事で説明しなければならないから,マニュアル通りに合格できる説明の仕方をしている,といった感じを受けました。人は案外「自分は聞きたくならない話し方をしている」ことに気づかないことがあるのではないでしょうか。授業でもそうです。人の授業の時には余分な部分やおかしい点が分かっても,自分がする時はそれが見えなくなるのは,「授業をしなければならない立場」から指導案を考えてしまうからかもしれません。また研究授業のような時は「後ろから見られる」ことを意識した内容になるから変に堅苦しくなったりします。タイプ1のガイドさんが「自分でも聞きたくなる」ような話し方をしようと努力すればきっと何かが変わってくるように思います。私たちももっと単純に授業を受ける立場から,指導案や説明の仕方,話し方を考えてみれば,少しは授業改善ができるのではないかと旅の空の下で思ったのでした。

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