−4月−

−新年度の効能−
3月は別れの月です。特に卒業生を担任した年は,十分なことができなかった後悔と一人置いて行かれるようなもやもやを毎回感じなければなりません。卒業式後の教室に入ると,何日かは耳がいたくなるような静けさを感じてしばらく入りたくなくなるものです。そして4月になり,いつもの忙しさを迎え,教材を選び始める頃からようやく,今度こそとまた新たな心の元気が戻ってくるものです。

−3冊−
新年度の準備として3冊の冊子を作りました。1冊目は「時数集計表」です。B4に1ヶ月分の時数集計ができるようにしています。時間割が学期毎に変わりますから学期毎に教科名を変え11枚の冊子にして綴じます。2冊目は「道徳実践記録」です。道徳の毎時間の主題,価値項目,資料名,ねらい,発問,反応,成果,課題などを書く様式で,これ1冊で1年分の集計ができます。3冊目は「指導計画表」です。いわゆる週案です。これを1年分,時間割に合わせて教科名も入れた枠を作り綴じます。ちょっとしたことですが,教科名が入れてあると毎回教科名を手書きせずにすむので教務必携に書くより楽になります。3冊それぞれの表紙にカットを入れて製本し先生方に配りました。こうしておくと教務としても集計が大変楽になります。

−3つの秘訣(1)−
学級開きでは「高学年になる3つの秘訣」という話をしました。まず,「みんなは昔自分が1年生だった頃見上げていたあの高学年になっている」ことを確認させます。次に「高学年に」とは別名「カッコヨク」と言い換えられるのだともっともらしく真面目な顔で説明します。そして「その高学年に(カッコヨク)なるには3つの秘訣がある。その秘訣を今日そっと教えよう。」と続けます。「秘訣その1,落ち着くこと」と板書し,例えばということで廊下に出て,一人ひとりに「落ち着いた歩き方」をさせてみました。目的はとにかく「高学年になったんだ」ということを具体的なイメージで意識させるということでした。

−3つの秘訣(2)−
秘訣その2として「言葉づかい」を挙げました。これも実際に練習してみます。一人ひとりに「先生に何かを借りる」状況を設定し,実際に借りにこさせ,そこで言葉づかいのチェックをしていきました。そして,「言葉は文章で最後まではっきり言うこと」として「先生消しゴム」等の話もしていきました。

−3つの秘訣(3)−
最後に「秘訣その3,かたづけ」と板書しました。これも具体的なイメージを持たせます。ロッカーや体操服の整頓でもいいのですが,まだ初日で,かたづけるものが無いのです。そこで,家庭科室に行き,一人に一つずつ茶碗を机の上に置かせ,「家で夕飯を食べた後,自分の食器をどうしていますか。」と聞きました。何人かはそのままにしてテレビを見に行っているだろうと思っていたところ,予想に反して全員が流しまで持って行っていたり,洗ったりしているとのことでした。「これは失礼。」と謝り,「では,今まで洗っていなかった人は洗うところまでやってみましょう。」とその練習をしました。3つのことはどれもできて当然のことであり,小さなことですが,いままで意識していなかったちょっとしたことを意識的に行動してみるという事実で「高学年」の自覚を促していきたいと思いました。

−百人一首−
始業式の日から百人一首を始めました。上の句を知っていると早く取れるという話をすると,「覚えたい!」という声があがったので,百首を印刷した冊子を作って渡すことにしました。今年はそれ以外に前学年の漢字交じり100短文総復習プリント冊子と算数総復習プリント冊子の2冊を作っています。

−目標−
最近は高学年を担当すると「自覚実行」という自分で勝手に漢字を並べた四字熟語?をよく教室に掲げていました。今年は近隣の4つの学校が来年統合されることでこの学校が最後の年になることと,高学年として小学校最後の締めくくりの時期としての自覚を促すことを意識して「有終完美」としました。この言葉は広辞苑の「有終の美」(最後までやり通し立派な成果をあげること)の説明と共に類語として載っています。

−新出漢字学習法−
毎回,新しいクラスを持つと最初に指導するのが「K.K式新出漢字学習法」です。今回も先週さっそく行いました。「これからみんなは新しい方法で漢字の学習をしていきます。その方法はK.K式漢字学習法といい,世界中でこの学校でしか習うことができません。なぜか。それはこれは先生が今までの経験から改良に改良を重ねて創り出したものだからです。それで先生の名前がついています。」と今年も大げさに説明してしまいました。特に今年の子は乗りがよく,説明の途中何カ所かで「すばらしい〜。」と拍手を送ってくれました。

−価値観−
4月9日,連絡帳に家の方から「勉強楽しく学んでいる様なので嬉しく思います。学校の話をよくしてくれます。」と書いていただきました。子どもの姿に敏感に反応されています。いい時は表に表れますが,この逆の時はなかなか伝えてもらえません。できるだけ良い教育をつくりだしたいと思って努力しますが,力量の限界や,価値観の違いでその努力が評価されない時もあります。親の方の価値観が変わらないと言う前に,まず教師自身の価値観も変わらないものです。何をやっても裏目に出るということもありますが,結局お互い変わらないものならば,家の方の言われることを真摯に受け止めて,こちらが学ぼうという姿勢で接するのが最良の方法だと今は思っています。

−鉄棒−
体育の時間にいつも必ずすることがあります。準備運動の中に馬跳びをいれることと,室内ではマット運動,屋外では鉄棒をすることです。馬跳びは腕に体重をかける感覚を身につけることで,跳び箱運動への伏線になると考えています。室内での体育では毎回最初にマットで前転と後転を行ってから,その日の学習に移ります。これを1年間続けると,いつの間にか静かできれいな前転,後転ができるようになります。グランドで体育をする場合は準備運動の後まず鉄棒の所に集合します。前回り降り,逆上がり,後ろ回り,前回り(前回りができるようになった子は蹴上がり)と挑戦します。できてもできなくてもほんの2,3分だけの練習を繰り返していきます。特に逆上がりのできない子には体育のない日も必ず一度は補助台を使って逆上がりをして,毎日鉄棒に触れるように言っています。これを1年間続けていきます。するとある日急にできる(2002年一筆箋 7/31)ようになることもあります。無理のない範囲でいやにならないように,できなくてもともとぐらいの気持ちで見守っています。

−朝のゲーム−
今,朝の隙間時間を使って行っているゲームは「百人一首」 「ことわざカルタ」 「algo」(ひらめきと論理,頭のよくなるゲーム・・・「算数オリンピック委員会(会長:広中平祐氏)」「東大数学科学生」「数学者ピーター・フランクリン氏」らが共同で発明・開発したゲーム) 「UNO」 等です。夕会の最後は「その日の百人一首」または「ことわざクイズ」に答えて終わりとなります。

−参観日−
今日は参観日でした。新採の頃はよく算数をしていました。それから国語に替わり,最近はよく英会話(英語活動)の授業をしています。今日も英語の授業をしました。最近は英語の歌もPCで1単語ずつの発音から1フレーズの発音,そして歌,カラオケと動くアニメつきでプロジェクターを使ってビジュアルに指導ができます。会話の練習にCDを使うこともありますが,生活場面での短い英会話(good morning  wake-up等)を収録したCDをそのままを使うと,それぞれの会話を別のトラックに入れてない場合,繰り返したい部分を出すのが難しいことがあります。そこでそういうCDはMDに一度ダビングすると便利です。MDデッキでは会話と会話の無録音部分を感知し,勝手にトラックを変えて番号別に録音してくれます。こうすると繰り返したい会話だけを番号で選んですぐに聞けます。また1つずつの会話がトラック別でないCDでは発音と発音の間の待ち時間で間延びしてしまうことがありますが,MDに番号別に録音しておくと,発音が終わると次のトラックにすぐスキップすることができるので,あの変な間延びがなくなり授業にリズムを持たせることができます。後の学級懇談では「高学年になるほど声が大きくなりますね。」と言われ,ほっとしているところです。

−懇談−
参観日の学級懇談では経営方針の説明と共に社会,算数,理科で使った教具の紹介もしました。社会では例の「季節風」の説明を紙吹雪とうちわで実際に日本地図の上でやってみせました。算数では「10倍,100倍,10分の1,100分の1」の学習の最後に使った教具を紹介し,これも実際にやって見せました。理科では「気候」の学習で台風の動きを参考に天気の移り変わりを理解するために使ったパソコンソフトを実際にプロジェクターで映して説明しました。これはクイックタイムプレイヤーにより雲などの動きをとてもスムーズに表すことができます。以前は「懇談」というと「和やかな雰囲気で笑いを入れながら」という意識がありましたが,最近は全くそんな気はありません。今の学級の実態をできるだけ的確に説明し,その実態に対応しようとする具体的な方針をはっきりと分かりやすく示そうと思っています。これは,例えば自分が病院に行って受ける説明はどんなものがいいかを考えればイメージがはっきりしてくると思います。ある年には時間内に全ての説明を終え,家の方の意見もお聞きし,丁度の時間で「では,よろしくお願いします。」と終わることができたことがありました。家の方も早く帰ることができて喜んで下さるだろうと思っていたところ,この後延々と世間話が続き,こちらの方が時間が長かったということもあります。

−組み分け帽子−
昨年作った算数教具「組み分け帽子」をまた作りました。知り合いや,研究会の日に興味を持った方に差し上げたりしてこれで3個目になります。さすがに回数を重ねる度に段々作り方が上手になり,改良も加えるようになります。今回の帽子は部分的に補強を入れ,なかなか丈夫で,カードや指も入れやすくなっています。この日の算数の学習予定欄には「スリザリン」と書いておきました。これだけでも,子どもたちは明日の算数は何をするのだろうかと楽しみにしていました。

−ホイッスル−
今日の体育で使ったホイッスルは昨年旅行に行った時に買ったものです。何も言わずに吹いているだけで,子どもたちは「あれ?」という顔で見ます。ほんの遊び心ですが,いろんなところでちょっとした変化を加えることで子どもたちの気分を少しでも新鮮にできたらと思っています。

−ネイチャー・ラリー−
昨年から,1年生歓迎遠足の道中で行っていたウォークラリーの内容を少し変更しました。今までは予め道中に問題用紙を設置しておき,それを探していましたが,この「事前の準備」をしなくてもいい方法に変えたのです。準備は簡単になりましたが,内容的にはより自然を感じることができ,春にふさわしいラリーになったように思っています。

−段取り−
歓迎遠足地でのゲームも全て児童会執行部が進めていきます。各役員が一人2つずつのゲームを考え2時間をどうにかもたせることになります。先日はゲームの説明を各自下書きし,実際に説明させてみました。一度で合格することはまずありません。内容に問題があれば変更を求めますし,本を丸写ししたような内容では必ず実際の場で意味の通らない部分が出てきます。それを指摘し,説明文に書き込みをさせ,後で新しい用紙に清書させます。またいくら分かりやすい説明になっていたとしても,それだけではまだ集団を動かすことはできません。説明の後,実際にやって見せることが必要です。その時は誰がどのように例を示しながら動いていくのかを芝居の練習のように繰り返し確認していきます。またゲームに必要な小道具の設置,かたづけ等を,それぞれどのプログラムの間にしていくかという段取りも決めていきます。こうして,当日は一切教師が手を出さなくても,出発から帰着まで全て執行部のリードでスムーズに進められていくことをめざします。

−イメージ−
「季節風」の学習をした5年生が,社会のテスト「日本の国土」で,全員が表裏共満点を取ることができました。問題をよく読まずにすぐ解答欄の四角の中に言葉を入れていこうとして間違ってしまうような実態がある中で,ちょっと嬉しい驚きを感じています。季節風の問題の部分では,日本海側と太平洋側からの風による影響をそれぞれ問うものでした。これに正確に答えられたのは,あの紙吹雪の実演が少しは理解を助けるイメージ化に役立ったのかなと思っています。

−キーボードレッスン1−
パソコン操作の学習で,最初にするのはローマ字打ちの練習です。まず「あいうえお」だけを何回も決まった指使いで練習します。次に目をつむって打つ練習をします。これだけにしっかり時間をかけます。しばらくは夕会後,画面を見ながら手元を見ずに「あいうえお」を決まった指使いで打つテストに合格した子から放課となります。

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