「…と、わりぃ、俺トイレ」
伊集院の心配そうな顔が目に入ったが、それさえ嫌悪を催す。
「はー」
顔を洗って、一息つく。
あーびっくりした。
会うと思ってもなかったから、心構えがなかった。
吐き気がした。
まさか まだ自分が反応するとは思わなかったヨ☆
「はぁ〜すっきり、すっきり」
間抜けな声がして龍弥が個室から出てきた。
「あれ? 竜じゃないか」
そう言って、俺の隣で手を洗う。
「龍弥…」
「なんだい?」
「俺は お前が好きだーーー!!! 」
「ぎゃーーー☆◎◇?!!」
ガバッと抱きついた。
龍弥はジタバタと暴れている。
「ななななにごとだい!!? 竜も僕の美貌にノックダウン★!?」
「………コラ、何やってんだ」
パコッと頭を叩かれる。
「由希」
「トイレは 大小の便をする ところ であって、遊ぶところではない。」
真剣な顔で説教されてしまった。
「そ、そうだね、すまない、由希」
龍弥も真剣に返さなくて いいから。
「あ」
「なんだい?」
「竜也?」
「 俺、 手ぇ洗ってねぇ 」 Σ (  ̄ □  ̄ )
「 ええーー!!? ききキタナイ!!! 」
「 えんがちょ 」 ← 由希
「なーんちゃって、」
「 う っ そ ぴ ょ 〜 ん 」
「 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 」
「 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 」
「 すまねえ 、 本当に愛してるのは 由希なんだ ・・・」
「 アホ。」
「ったく、純情な青年をからかうなよ」
「いーじゃん」
あー、馬鹿やって スッキリ した。 まさに トイレの醍醐味ってやつ?
← スッキリ
トイレを出ると、伊集院が待っていた。
俺が目を背けると、伊集院は近寄る足を止めた。
「竜くん? いったい何が・・・」
「アンタには関係ない」
俺は目線も合わせず そう言った。
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