■うつ状態・うつ病とは
 いままで述べてきましたような「こころの病気」は、医学的には、うつ状態あるいはうつ病と呼ばれ、最も多く認められます。このようなうつ状態・うつ病にはいくつかの種類がありますが、なかでも頻度が高くかつ社会的にも問題となる病気の一つとして、「職場不適応症」というのがあります。
 これは、職場の不適応によって生じる軽症のうつ状態であり、企業内の人間関係や仕事の重圧などのストレスが主な原因となって発症します。
 多くの場合、しばらく休職することでその症状が回復しますが、この病気になりやすいとされる性格傾向としては、うつ病同様に、会社人間で几帳面、融通性に乏しい人が多いとされています。男性では配置転換や昇進が、女性では人間関係の悪化がきっかけになることが多い。また、職場でのストレスを感じるという勤労者の割合は、最近では身体的に不安を持っている人よりも多いとも言われています。

 ところで、うつ病は30歳代と50歳代に多くみられるという特徴があり、さらに男女別では、国際的なデータによれば2:1で女性が多いという報告もあります。とくに、更年期を迎え、子育てを終えた女性にはさまざまな喪失体験が存在します。頭痛、腰痛、動悸、のぼせ感、多汗など多彩な愁訴でいろいろな医療施設を受診される方が少なくありません。このような方は「仮面うつ病」と呼ばれ、うつ病としては比較的軽症ですが、回復するまでにかなりの時間がかかるという特徴があります。


 
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