■うつ状態・うつ病の診断と症状
 うつ状態やうつ病は医学的には気分(感情)障害という診断に分類されています。
 うつ状態の程度には、軽症のうつ病から重症うつ病まであります。話しかけても全く応答が出来ないような重症な状態を昏迷状態と言います。このようなうつ状態が2週間以上続いている場合に、うつ病と診断します。単に「競馬で負けたから落ち込んだ」という状態ような気分転換で回復するときは、うつ病とは言いません。とは言え、臨床的にうつ状態とうつ病の区別は難しいところです。
 抑うつ気分の程度が軽く、持続時間が短かく症状も十分揃っていないような場合は、うつ状態です。一方、典型的なうつ病では、朝は気分が悪く、夕方になるとその程度が軽くなるというように気分に日内変動があります。ただ、これも重症になると明確ではありません。また、高齢者のうつ病では、不安や焦燥感が強いことが多く、うつ病と診断がつくまでに時間がかかることがよくあります。
 さらにうつ病の症状として最も重要な問題は、繰り返して起こる「自殺念慮や自殺企図」です。実際の自殺企図はうつ病のひどい状態のときよりも、症状がやや回復した時期に起こることが多いとされています。したがって、退院が決まった直後や外来通院中の患者さんが、急によそよそしい態度をとるなどの変化があったときは、要注意です。


 
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