甲斐清子    
ドローイングの世界 プロフィール ギャラリー イベント 絵画教室 コラム リンク ホーム
 
最新のコラムへ
2014年
2013年
2012年
2011年
2010年
2009年
2008年
2007年
2006年
2005年
2004年
 
 
コラム
 
 
2012年
 
バックナンバーを読む
 
 
  2012.12.25   師走    ※ 写真をクリックすると大きな画像をご覧いただけます。

 
今年も残すところ1週間となったので年末の締めくくりコラム。
 
12月1日、小平のライブハウス「カフェラグラス」において、高橋一真先生の口笛ライブが開催され、これにゲストで招かれた。バンドのTさんがあいにくスケジュールが入っていて、ギターの助っ人が不在とあって、結局私のソロ弾き語りとなった。会場はステージがフラットで、客席も学校の教室のような細長いスペースなので、はじめは腰掛けて演奏する予定だったが、後ろの方は音しか聞こえないという具合。急遽立ちで弾き語ることになる。与えられた20分で、おしゃべりを入れながら4曲を演奏した。10月に市川の「ミワ」でシャンソンライブを聴いたとき見つけた曲「5月のバラ」が、私のレパートリーに新たに加わり、これも初披露となった。高橋先生の口笛は変わらずすがすがしい音色で聴衆を魅了し、ライブは盛況に終わった。
 
この日はたしか木枯らし1号が吹きまくった寒い日だったと思う。今年は日本列島が寒波に覆われた極寒の冬に突入している。
 
慌しかったデッサン教室や塾は今年も無事全てのスケジュールを終了し、来年は8日からスタート。今年は私の19回個展や龍居道子第4回個展、2つのデッサングループ展などめまぐるしかったが、来年も3月の「第2回田北ゆたか展」を皮切りに、中身の濃い展覧会が控えていますのでご期待下さい。
  「カフェラグラス」高橋一真先生の口笛ライブにて
 
「カフェラグラス」高橋一真先生の口笛ライブにて
 
「カフェラグラス」高橋一真先生の口笛ライブにて
 
 
 
 
  2012.11.16 - 19  宮崎グループ71デッサン講習会  ※ 写真をクリックすると大きな画像をご覧いただけます。

 
宮崎空港宮崎空港
11月16日
風邪がひと月ほど長引いてインフルエンザの予防接種も今年はまだのまま機内では殴られたように熟睡したら少し元気になって宮崎空港に降り立った。「グループ71」の浅井さんが車で出迎えてくれていた。
空港の外に出たとたん、空の高さと美しい雲が目に飛び込んできた。これが宮崎の秋の空だったなあ・・・と感心しながらシャッターを切った。
この日は市内の料理屋で小学時代の同級生、Sさんと食事会。今年6月、父の法事で帰省した折、臨時ミニ同窓会が開かれ、そのとき小学以来の再会を果たしたSさんだが、宮崎に来ることがあれば連絡する約束だったのだ。中学時代までを高千穂で過ごしたグループ71の山下が同行して3人共通の高千穂の思い出話に花が咲いた。
jada 2次会はおなじみのピアノバー「jada」へ。学生時代のフォークバンドの友、吉田君がオーナーの生演奏の店で、この数年宮崎へ帰るたびにお邪魔することになっている。昨年グループ71の創立40周年記念展で私のライブが開かれた時、ギターで参加してくれたデカちゃんが週末ベースを弾いていることもある。お店に入るとママをはじめ皆さんから「キヨコちゃん、おかえり」という声がかかるのが嬉しい。そしてもう一人、学生時代盛んだったフォークブームのさきがけ的存在で私たちの憧れの的だった津村ジュサブロー大先輩が待っていてくれた。変わらぬ若々しい甘い歌声に再会した夜だった。そして私が歌ったのは、今度私のレパートリーに加わることになっている「5月のばら」。生演奏で唄う「5月のばら」は心地よかった。
吐夢乃家珈琲店
11月17日
「吐夢乃家珈琲店」も毎回山下とコーヒーを飲みに行く店。この店は今回新たにリンクページに加えたので、是非参照下さい。1週間ごとに変わる鉢活けの醍醐味が味わえます。今週の主役は「飯桐」という名を持つ赤い実のたわわに生る見事な枝。店にいながらにして、四季を満喫できる癒しの空間。この日も思わず長居をしてしまった。
夜は明日のデッサン会を前に、メンバーとの食事会。ボリュームたっぷりのおいしい和食に舌鼓を打ち、明日のために早めの解散となる。
11月18日
恒例となったグループ71のデッサン講習会はこの日、昼夜2ラウンドの実習による充実した集中講座を実施。ポーズはひねりを加えた坐像と腰掛けの2ポーズを昼と夜にそれぞれがほとんど大判の木炭紙に体当たりで一気呵成に描く。集中力を問われるハードな実習に全員熱心に挑んだ。7年前に他界された太佐先生の教えを皆で引継ぎ今日に至る、私が原点に戻る場所でもある。
実習終了後は西橘通りに繰り出し、つぼやのホルモンで乾杯した。
 
宮崎グループ71デッサン講習会風景   宮崎グループ71デッサン講習会風景   宮崎グループ71デッサン講習会講評   宮崎グループ71デッサン講習会作品
 
宮崎グループ71デッサン講習会作品   宮崎グループ71デッサン講習会作品   宮崎グループ71デッサン講習会作品   宮崎グループ71デッサン講習会作品
 
11月19日
「百姓市」(ひゃくしょういち)で、宮崎の新鮮な野菜をたっぷり買い占め、クールで東京の自宅へ送る。帰京の日はいつも晴天。今回も黒木千代香、山下裕子の見送りで、堀切り峠へ。晩秋の日南海岸は美しい。海は決して同じ顔をしていない。光と色と風がそのたび違う。その感動をシャッターレンズはどれだけ伝えてくれるのだろうか。
 
日南海岸   日南海岸   日南海岸にて
 
遅いランチを青島駅前のうどんやさんで頂いた。さば寿司と釜揚げうどんの美味しさにうなった。店の名前は忘れてしまったが、ここも行きつけになりそうな行列のできる名店だった。
空港で浅井さんが加わり、3人に見送られながら夕方の飛行機で帰途に着いた。翌日は神楽坂のデッサン教室が待っていた。
 
 
 
 
  2012.11.24, 25   紅葉   ※ 写真をクリックすると大きな画像をご覧いただけます。

 
上野の都美術館で開催中の「都展」に、木曜夜クラス所属の岡本守、洋子両氏の作品を観るため最終日の24日午後出かけた(都展についての詳細は教室ニュース参照)。美術館へ通じる公園の銀杏並木は鮮やかに色づき、この3連休がおそらく最後になろうと思われる金色の木々が高く青空に映えていた。
さらに翌25日には、近場でもみじ狩りを、と検索し、千石にある六義園へ初めて足を延ばした。3連休の最後となるこの日は想像通りの人ごみであふれていたが、ご覧の通り見事なもみじを堪能した。さてこの日は都営地下鉄は都営線乗り放題の1日乗車券が500円で発売されていたので、六義園のあと、一度も行ったことがないという同行の谷口を案内し、「オバアちゃんの原宿」でにぎわう巣鴨へ移動。とげぬき地蔵に参拝し、商店街をぶらぶらしながら名物の「塩大福」に舌鼓を打った。
この時期に紅葉を2日も続けて鑑賞した休日というのも私には珍しいことだった。ぶらりと思い立ってみると、都内には多くの庭園や並木道があり、この時期あでやかな晩秋のショーに出会えるのです。
 
上野公園の銀杏
上野公園の銀杏
  六義園
六義園
  六義園
六義園
 
 
 
 
  2012.10.28  市川・ミワシャンソンライブ

 
町田「第5回新芽会デッサン展」(於・町田国際版画美術館)、「第26回甲斐清子デッサン教室展」(於・神田神保町・文房堂ギャラリー)の、2つの大きな展覧会が続けざまだった10月。
それがようやく終わった翌日の28日夕刻から、市川駅近くにある喫茶店「ミワ」へシャンソンライブを聴きに出かけた。今回は主宰者であるシャンソン歌手の井関真人さん率いる男声3人の「男組」ライブだった。3人3様それぞれに個性あふれる唄を聴いた。なかでも井関さんの朗々とした歌声に会場は酔いしれた。
この忙しかった日々から放たれ、大都会の喧騒から離れ、レトロな喫茶店に流れるシャンソンを聴いていると、連日蓄積した疲労がいつの間にか解消されていくような開放感を感じたひと時だった。
 
さて、イベントでは近日中に「新芽会展」「甲斐清子デッサン教室展」と続いた展覧会報告を掲載予定です。しばらくお待ちください。
 
 
 
 
  2012.10.19   季節はずれの桜   ※ 写真をクリックすると大きな画像をご覧いただけます。

 
季節はずれの桜 昨日テレビで江東区の仙台堀川公園の桜並木に、何を間違ったか桜が咲いたと騒いでいた。画面には桜の花が一輪大写しで咲いていた。今年の夏から秋にかけての気温の激変についてゆけず、春が来たと勘違いして咲いたものと思われる、と天気予報士は言っていた。
教室展を明後日に控えてバタバタと落ち着かない今日、たまたまその近くを歩いていて、昨日のニュースを思い出し、仙台堀川公園の中にその桜を探しに入った。昨夜は激しい雨に降られたから、たった1輪の花も散ってしまったかと思った。しかしテレビでは、枯れ葉が落ちてしまった木に花が見られると言っていたから、1本1本見上げながら探して行くと、やはり咲いていた。紛れもない桜だ。しかも数本の桜の木に、数個のつぼみも見つけた。携帯で撮れたのはこの1枚だけだが、秋晴れの空に咲く「場違い」の桜は、やっぱりなんだか居心地よさそうには見えなかった。
「あれ? 私、咲いちゃいましたけど・・・ちょっとさびしいんですけど・・・」とつぶやいていた。
 
 
 
 
  2012.9.29   Kさんの思い出を語る会   ※ 写真をクリックすると大きな画像をご覧いただけます。

 
大会場には350名もの人が集った。祭壇には一昨年のKTMライブの時に笑顔でグラスを掲げているKさんの写真が飾られていた。仕事関係者をはじめ、幅広い交流のあったKさんを偲ぶ人たちであふれていた。また、高校、大学時代のフォークソングの仲間の姿も多く見かけた(会の最後に彼らによって「遠い世界に」が演奏された)。
主宰者の挨拶の後、献杯が終わり歓談タイムに入ると同時に、KTMの演奏が始まった。
会場の大型スクリーンは祭壇の両側に設置された。バンドベースマンK氏の編集による彼の画像が、スクリーンに映し出され、昨年6月のノアノアライブの時の「PUFF」の同時録音が流れた。ほとんどソロに近い彼の唄声が会場に流れ、私たちはそれに寄り沿うように演奏していく。2曲目は彼が次のライブで是非唄いたいと強く望んでいた、西岡たかしの「風が何かを」を生で演奏した。まだ未完成だったものをこの2ヶ月でなんとかかたちにして彼に贈りたかったのだ。3曲目はやはり昨年のライブで主旋律を唄った「TODAY」を、動く画像と音で流した。スクリーンは正に今演奏していると思えるような彼のリアルな姿と唄声をありありと映し出した。私たちはその映像を見上げながら、その音を聴きながら、実は彼と一緒になって演奏していた。
大きな拍手が会場に起きた。スクリーンの中で動く彼の姿と声を、リアルに感じてもらいたいという私たちの願いは、彼を偲ぶ多くの人々に届き、必ずその耳と瞼に刻まれたに違いない。
8月5日の事故から2ヶ月近く、KTMは、ずっと彼のことを想い、彼の唄に寄り添って過ごしてきた。この日のためにどうすれば彼が一番喜んでくれるかを最優先して話し合ってきた。その集結がこのステージだった。演奏の間、切なさ、寂しさのとなりで、KTMはなぜか喜びに満ちてもいた。なぜなら彼がそこにいたと感じたから。
 
Kさんの思い出を語る会   Kさんの思い出を語る会   KTM集合写真
KTM集合写真
 
 
 
 
  2012.9.23   風立ちぬ   ※ 写真をクリックすると大きな画像をご覧いただけます。

 
風立ちぬ 今朝おきて洗面所で蛇口をひねった水の冷たさに驚いた。秋が来たのだ。
長かった今年の夏に、果たして終わりは来るのかと疑うほどうんざりの猛暑の連続だった。「暑さ寒さも彼岸まで」と昔の人はよく言ったものだが、それにしてもこれでもかと手を緩めぬ残暑の猛攻に耐えられる体力には誰もが限界を感じていただろう。日本人が猛暑に耐え得る体力は3ヶ月が限度らしいからもうそろそろくたばる寸前だったのだ。
天高い空も、いわし雲も、鈴虫の声も、な~んにもなかった9月、でもお彼岸を過ぎてやっと私のところにも秋が来た。
29日、Kさんの死を悼む会が近づき、私はその日のバンド演奏で着るワンピースを買った。
 
 
 
 
  2012.8.24   特別な夏・友との別れ    ※ 写真をクリックすると大きな画像をご覧いただけます。

  それは8月5日早朝、槍ヶ岳から北穂高など8峰を4日間かけて縦走し、下山の途に着いて間もなく、グループの先頭にいた我がバンド「KTM」の リーダーKさんは、足をすべらせ約100メートルを滑落、ほとんど即死の状態で長野県警のヘリに遺体は収容されたという。それは一瞬の出来事だった。
知らせは5日夜、バンド仲間のTさんからメールと電話で入った。新宿のユニクロでバーゲンを漁っていた私は自分の耳と眼を疑った。体が震え、 立っていられず思わず店内でしゃがみこんでしまった。
その後Tさんから次々と入る情報に、それが夢ではないこと、動かぬ現実であることを思い知らされたのだ。
Kさんの遺体は実家の長野で荼毘に付され、家族葬を終えて吉祥寺の自宅へ帰った。思えばその2週間前の7月21日、バンドメンバーの別のライブが 銀座で開催され、珍しく全員が揃うことになり、Kさんは夫人を同伴していた。ライブが終わり新橋近くの沖縄料理店で皆でにぎやかに飲んだのが最後と なった。
 
菊池渓谷大観峰 そんな中、私は12日から九州へ帰省した。今年は谷口も同行した。田舎で旧盆を過ごし、小学校の同窓会も開かれ高千穂を遊んだ後、 かねてより招かれていた教室のUさんの実家がある熊本県玉名郡を訪問。これには共通の友人、山下も宮崎より加わり、U邸を基点として熊本城、菊池渓谷、 大観峰など、熊本の大自然を満喫した。
 
しかし、ことあるごとにKさんの死が頭をよぎり、彼を偲びながらの旅となった。
 
私たち「KTM」は9月末に開催される「Kさんを偲ぶ会」での演奏を夫人より依頼された。「KTM」のレパートリーでKさんが主旋律を唄う曲は数曲あるが、 その中で昨年6月のノアノアでのライブで録った「Puff」と「Today」は彼の声が前面に出ていることで、この2曲を会場に流し、私たちはそれに寄り添う かたちで演奏する。そしてもう1曲は、彼の大好きだった西岡たかしの「風がなにかを」を、残された4人で演奏してKさんに捧げることになる。
思いもかけない特別な夏がまだ終わらない。
 
 
 
 
  2012.7.17   花は花は花は・・・遅かった   ※ 写真をクリックすると大きな画像をご覧いただけます。

 
蓮の花を油彩で描いて欲しいという注文を受けたのが7月14日。
締め切りは今年いっぱいとのことだが、蓮の花の季節はたった今でしかないではないか!!多分遅すぎるとはうすうす感じていたものの、思い立ち翌々日の7月16日、しかも午後の炎天下、猛暑の中を汗だくで上野不忍池に出かけた。不安は的中、時すでに遅し。不忍池は一面蓮の葉で覆われ、緑一色。その中にかろうじてポツンと2~3のしぼみかけの花があるのみ。しかも梅雨明け寸前の真夏日にスケッチどころの沙汰ではない。カメラに納めた写真がこれ。実物を見て描くことが写生の真の姿勢と疑わないが、なんとか期待に応える一枚を描きたいものです。
そして翌日7月17日に梅雨は明けた。地獄の真夏が始まった。
 
蓮   蓮   蓮
 
 
 
 
  2012.6.22      ※ 写真をクリックすると大きな画像をご覧いただけます。

 
父の7回忌法事のため22日~27日の6日間帰郷した。22日の朝、豪雨の中飛行機は無事熊本へ飛んだが、九州はこの日だけ晴れていた。熊本に着陸寸前の上空から、噴煙する阿蘇中岳のシーンを観た。これまで数え切れないほど熊本へ降り立ったが、座るシートの幸運もあってか、この日は有明海の方から旋回したせいもあってのことか、上空から見下ろす阿蘇の雄姿に感動し慌ててシャッターを切った(写真)。父の弟である名古屋の叔父と熊本空港で落ち合い、日田から出迎えてくれた姉夫婦の車に便乗して帰郷。23日の法事も無事終えたが、連日の大雨で27日まで太陽を拝むことは1度もなかった。
 
そんな中、25日には町内に住む小学校の同窓生が集まりクラス会を開いてくれた。中には小学校以来の再会という同級生が宮崎からはるばる来てくれたりして、なんだか感動的な同窓会となった(写真)。皆さん、お世話になりました。
 
27日も相変わらず朝から降り続く雨のなか帰京の途に着いた。
  阿蘇
 
同窓会
 
 
 
 
  2012.6.10  日本橋は山王まつり   ※ 写真をクリックすると大きな画像をご覧いただけます。

 
シャガール展シャガール展 木曜日クラスのSさんから日本橋高島屋で開催中の「シャガール展」の招待状を頂いていた。
龍居道子個展の展示作業は夕方5時半からだし、この日しか時間の余裕もなかったので早めに高島屋へ出かけた。今回はさまざまな「愛」をテーマに、個人蔵も多く、比較的小さめの作品がならんでいた。
数年前に上野だかで観た時の感動性に較べると、正直いって今回はパターン化したものが多く感じられ、私個人には少々退屈観が強い印象だったことは否めません。中でもサーカスシリーズ版画集は作品点数の多さだけに形式化されたイメージの連続で思わず素通りしたくなる。シャガールファンには大変ひんしゅくを買う発言だが、そんなこともあって早々に場外へ出てしまった。
 
山王まつりの神輿山王まつりの神輿
エスカレーターで8Fからデパートの売り場を見下ろしながら降下していくうちに、地上からなにやら大きな拍手や歓声が聞こえてくる。聞くと江戸3大祭の一つ、山王まつりの神輿の列だという。その神輿の集団が高島屋の玄関前に集まり、1つ1つの神輿がにぎやかなお囃子をバックに玄関口までなだれ込むという、日本人なら血も騒ぐ迫力満点の勇壮な場面に遭遇したのは嬉しかった。
 
 
2012.6.9  横須賀は今日は雨だった   ※ 写真をクリックすると大きな画像をご覧いただけます。

 
横須賀美術館 国吉康雄展から八景島まで
この日関東地方は梅雨入りした。朝から1日中降り続ける中、横須賀美術館に国吉康雄展を観にでかけた。
デッサン教室のスターティングメンバーだったKさんのお招きで、教室の馴染みの二人も一緒に小さな旅。まずは雨にけぶる東京湾を、絶え間なく大小の船が行き交う様を眺めながら、美術館内のレストランでおいしいランチをゆったりといただいた。
 
国吉康雄展国吉康雄展 国吉康雄展は、過去に観たことがある。私の個人的印象では、茶と黒と緑の独特の色使いで、どこか孤独でもの憂い女などを描いた、日本人では稀有な雰囲気を備えた画家だ。今回の展覧会のテーマも「アメリカ美術を変えた、日本人」と謳ってある。アンバーと黒の乾いたマチエールの美しさは、やはり実物を前に感じ取るしかない。また、花瓶の中の花や、人物などのリトグラフにも感銘を覚え、たくさんの刺激をもらった。
 
さて、横須賀まで来てこのまま帰るのはもったいないというはなしになり、4人で八景島のシーパラダイスまで足を伸ばした。無知な私は、八景島には水族館だけがあるのだと思い込んでいたら、実は大規模な海のレジャーランドなのですね。この日は横須賀から電車を乗り継ぎ、時間的にはかなり押していたので、メインとなる水族館のみに的を絞った。
巨大ジンベイザメから始まる膨大な種類の海の生物に、私たちは童心に返り歓声を上げた。自ら色を発光するイソギンチャク、ミニミニクラゲ、世界一大きなカニ、深海に生息する摩訶不思議な形の魚など・・・奥深い海のなぞの世界を垣間見ることが出来た(生き物たちの正式な名称は全て忘れています。スミマセン)。
よく食べ、よく学び、よく遊び、よく歩いた1日だった。
 
ジンベイザメ   ペンギン   サメ
イソギンチャク   いわしの大群
 
 
 
 
  2012.6.1   四葉のクローバー   ※ 写真をクリックすると大きな画像をご覧いただけます。

 
四葉のクローバー 電車に乗るのにいつも通る散歩道は広々としていて、初夏のこの時期は歩いていても気持ちいい。歩道の右側にそう高くない石垣があって、そこに雑草が群生している。ある日一人のご婦人が、その石垣の上をじーっと見つめている。何ものかを必死で探しているらしい様子に思わず声をかけてしまった。珍しい虫でも見ているのかなあと思った。単刀直入に「何をしてらっしゃるのですか?」するとその手にはクローバーが2本握られている。聞くとバスを待っている間によくこの辺で見つけるのらしい。「今年になってこれで4本目です。せっかく声をかけていただいたのでおすそ分けです。」と言って1本を私に下さった。私は生まれてこの方一度も四葉のクローバーを見つけたことがない。見つけようとしたことはあったが見つけられない。なにかコツでもあるのだろうか?頂いた1本を大事に持って駅のベンチで携帯に撮り、手帳に挟んだ。なんだかその日は1日嬉しい気分に満たされていた。

さて目前に迫った「第4回龍居道子個展」(6月11日~6月17日)は、銀座ギャラリー向日葵に於いて開催されます。(イベント参照)皆様のお出かけをお待ちしています。
 
 
 
 
  2012.5.5   東京スカイツリーと大田黒公園   ※ 写真をクリックすると大きな画像をご覧いただけます。

 
こどもの日のこの日、タワーホール船堀のギャラリーで開催中の牧本隆木炭画展(前述掲載コラム参照)に出かけてくる教室や町田の生徒さんと折りよく落ち合った。この日はゴールデンウィークの長いお休みの日々の中で唯一晴天に恵まれた日だった。実は103メートルのタワー展望台から、完成した東京スカイツリーを撮影したかったというのもあった。ごらんの通りその全貌が望める。スカイツリーもいよいよオープンの日が迫っているが、果たして我々が実際に昇れる日はいつのことだろう・・・?よく観光バスツアーのコースに組み込まれての入場は手堅いとは聞くが、とんでもない。その日の空をみて思い立って出かけなければならない。せっかく350メートルまで昇っても360度真っ白の雲の中では昇る意味がないではないか、と思いながらその姿を眺めていた。
船堀で軽いランチを済ませて、今日は荻窪の「ギャラリー茶房KADO」に常設している宮崎学園時代の先輩・Eさんの写真展を見に出かけた。現場は荻窪からかなり住宅地に入り込んだところにあり、地図を見ながら行くも迷うばかりで行き着かず、ついには店のマスターが自転車で途中まで迎えてくれるという顛末。
  スカイツリー
 
大田黒公園
けっこう歩き疲れての珈琲がおいしかった。たまたま近くに「大田黒公園」があるというので、その広大な庭園に立ち寄り、新緑に染まりながらの森林浴が嬉しかった。
さてゴールデンウィークが終われば、また慌しい毎日が待ち構えている。体調を整えて新しい日々に向かいます。
 
 
 
 
  2012.5.2  牧本隆 木炭画展 5月2日~5月7日(タワーホール船堀1Fホール2)
※ 写真をクリックすると大きな画像をご覧いただけます。

 
つつじつつじ 大型ゴールデンウィークは天候不順が続いているが、今年は冬からいきなり初夏になったような気温の変化についてゆけない。
桜の後はつつじが満開の時を迎えている。
写真は自宅近くの駅周辺で、そぼ降る雨に映える鮮やかなつつじ。
 
さて、以前からコラムでも紹介してきた木炭画を描き続ける「牧本隆 木炭画展」は、上記の通り船堀のタワーホールで開催され、初日の今日雨の中を出かけた。
50号~100号大の水彩紙に木炭のみで風景画を中心に描くモノクロームの大画面は、ギャラリーであるタワーホールの大会場に緊張感をたたえながらしっくりなじんでいる。天井の高さも壁の広さも、大画面を鑑賞するには、この距離と空間が必至なのだ。
今回のスケッチの主な場所は江戸川の支流「坂川」あたりの河川だそうで、四季折々の樹木や草花の色や空気の佇まいが木炭ならではの独特のマチエールで迫ってくる。光も白い花も雪も、極力抑えたネリゴムと消しゴムのみで表現されていて、吹き渡ってくる風や温度までを感じさせる。スケッチの現場に一度出かけてみたくなる衝動にかられる。そしてもう一つの彼のテーマは、ご本人の母上で、台所に立つ後姿や布団の中で昼寝をする日常の瞬間を木炭でクロッキー調にとらえた一連も観る者の眼をとらえる。
 
牧本隆 木炭画展 会場風景1   牧本隆 木炭画展 会場風景2   牧本隆 文月・国府台 80F 紙に木炭
会場風景1   会場風景2   文月・国府台 80F 紙に木炭
牧本隆 神無月・すすき 80F 紙に木炭   牧本隆 葉月 100F 紙に木炭   牧本隆 啓蟄 50F 紙に木炭
神無月・すすき 80F 紙に木炭   葉月 100F 紙に木炭   啓蟄 50F 紙に木炭
 
 
 
 
 
  2012.4.29  「小さなシャンソンの店の片隅で」の源流

 
シャンソン歌手・井関真人さんのライブ「語りべとシャンソンの夕べ」を聴きに市川の「ミワ」へでかけた。
新宿5丁目にデッサン教室があり、まだ3丁目の酒場「石の花」があったころ、それもずいぶん昔の話だが、井関さんのシャンソンライブをよく聴きに行った。そこで初めて聴いたのが彼の作曲によるオリジナル「小さなシャンソンの店の片隅で」(作詩・船生林之助)だった。シャンソンの流れるひなびた店の片隅の景色が、その朗々とした声と共に、古い映画の一シーンのようにまぶたの裏に広がるすばらしい曲だ。その後、KTMというアマチュアバンドを組んだ私は、この曲をなんとしても唄いたくて井関さんにお許しを願う手紙を書いたのだった。すると井関さんは快く「是非唄って宣伝してください!」という激励の手紙に添えて彼の直筆による譜面が送られてきたのだ。
あれから長い年月が経ち、2月のコラムにも書いたとおりの偶然も重なり、このたび井関さんと再会の運びとなった。
ライブの中で彼の声で唄われた「小さなシャンソンの店の片隅で」に、この曲に特別の思い入れを持つ私は、言葉にできない感動で胸を熱くした市川ライブの夜だった。
それにしても井関さんのオヤジギャグの連発は相変わらず健在でした。
 
 
 
 
  2012.4.20   水玉に侵された   ※ 写真をクリックすると大きな画像をご覧いただけます。

 
北浦和の埼玉県立近代美術館で開催中の「草間弥生・永遠の永遠の永遠」を観た。
「愛はとこしえ」「わが永遠の魂」「新作レポート」「幸福の彫刻たち」と、4部により構成された草間作品の空間世界を体感。5月20日まで。

またこの日の夜は川口リリア音楽ホールにおいて開催された女性合唱団「グリューン」によるコンサート(木曜昼クラスの田辺弥生属する)を聴きに木曜メンバーと出かけたのがもう一つのイベント。
コンサート開催時間には間があったので川口駅前のそごうを散策し、バーゲンのモノクロの薄手のスカーフを買った。すると同行した玉井さんが「それ水玉ですね。草間弥生を観たからですか?」と言われた。
そういえば今日は美術館の玄関から水玉模様に侵されていたのだった!!!
  雪は降る
 
雪は降る
 
 
 
 
  2012.4.10   第19回個展が終了しました   ※ 写真をクリックすると大きな画像をご覧いただけます。

 
桜 実に4年ぶりだった第19回個展(イベント参照)は、モノクロームの世界をテーマに充実の1週間(3月25日~31日)を終えることが出来ました。
1週間の個展期間だと、必ず半ばに少しゆったりとした日があるものですが、今回は訪問客が途絶えることなく続き、約400名の鑑賞者を迎えました。
木炭デッサンのみでデビューした1981年の第1回展から31年が経ち、今回再びモノクロームの原点に戻ったような厳しさも加え、今後の展開への手ごたえをつかんだ貴重な展覧会となりました。
個展の期間中には桜の便りもなかったのに、4月に入るとさすがに花見のおさそいが飛び込んできます。4月3日には暴風雨のため教室を休講したりと、相変わらず不安定な春ですが、桜はご覧のようにそろそろ満開の時を迎えています(4月7日自宅近くで撮影)。
さて私の個展終了後6月に控えているのは「第4回龍居道子個展」(6月11日~17日 於・銀座ギャラリー向日葵)です。この準備がにわかに慌しくなった4月です。
 
 
 
 
 
  2012.3.4   今年も花粉が・・・

 
今年は例年よりスギ花粉の飛散量が大幅に少ないという情報は正しかった。2月になっても自覚症状が皆無、3月になってもまだ平気だった。しかし本日3月4日までのことだった。それは突然始まった。デッサン塾を終えて自宅に帰り食事を済ませた頃、喉の奥がかきむしられるほどのイガイガ感、それに十数回の続けざまのくしゃみ、加えて止まらない鼻水。花粉症3大症状がやってきた。やはり奇跡は起きなかった。まあ、30年を超える花粉キャリアであるわけで、今年も決して抵抗せず観念して、しばらくの間ティッシュペーパー、マスク、点鼻薬、目薬、飲み薬とのお付き合いがゴールデンウィークあたりまで続くことになる。
そんな中、今月25日から始まる4年ぶりの第19回個展がひたひたと迫っている。案内状も完成し、あとは作品装丁のための最終選定作業をまだぐずぐず続けている。いつもの事ながら未練たらしく往生際の悪いことといったらない。もっとも展示作業当日の朝まで描くヒトですから・・・・・。
 
 
 
 
  2012.1.27  久しぶりの外回り(?)   ※ 写真をクリックすると大きな画像をご覧いただけます。

 
麻生区デッサン会展麻生区デッサン会展 朝から遠出。長年の友人、矢野静明さんの個展を観に座間まで行った。久しぶりの再会、同行したT・Mも同郷のためしばし話が弾んだ。その足で彼女と新百合ヶ丘まで戻り、麻生区民センターで開催中の「麻生区デッサン会展」に移動。私が時々デッサン指導に出かけているデッサングループである。
 
ここから一人になり、一挙に京橋へ、鈴木隼人展へ。彼は子供の頃からジューキに取り付かれ、ジューキをテーマに描く作家だが本人不在のまま次へ。
 
銀座へ移動し、松屋で買い物をして最後の目的地、新橋の小さなライブハウス「月夜の仔猫」へ。友人のI・Yさんがウクレレで出演するライブに招待されていた。招待であるのには彼の魂胆があった。飛び入りで私に歌わせたかったらしい、と言ってもギターもないわけで結局この日出演していた方のマーチンを拝借して「檸檬」と「小さなシャンソンの店の片隅で」の2曲を弾き語りで唄った。
 
ライブハウス「月夜の仔猫」にてライブハウス「月夜の仔猫」にて すると店の人がびっくりして「小さなシャンソン・・・」の作曲者であるシャンソン歌手の井関真人氏はこの店で定期ライブをしているという。私は昔、新宿3丁目の酒場「石の花」で井関さんのライブを聴きこの曲に惚れこみ、井関さんに譜面をおねだりして唄わせて頂くことを快諾されたのだった。東京広しといえど、このような嬉しい偶然の再会があるのだ。人生捨てたもんじゃない。井関さんにメッセージを書き残したら先日なつかしいおハガキを頂いた。再会が楽しみである。
最後にこんなおまけがついためまぐるしい1日だった。
 
 
 
 
  2012.1.24   雪は降る   ※ 写真をクリックすると大きな画像をご覧いただけます。

 
この冬の2度目の雪が24日夜から激しく降り出した。
我が家のベランダから思わずシャッターを切った。降り出しからまたたく間に一面真っ白になり、これは大雪になるかもと半分楽しみにしていたが深夜には小雪となりやはり翌朝には青空が広がり雪は止んでいた。積雪の量はかなりのもので、今年の冬は本来の寒さも戻ってきて、冬らしい冬といえるだろう。しかし震災で今だに避難の身にある人たちや、大雪に見舞われた北国の暮らしの過酷さ想像するとあらためて身の引き締まる思いがする。

暮れから新年に掛けては、恒例の里帰りを断念した。3月25日からの個展の制作のためだった。4年ぶりの19回目を数える。今回はモノクロームの世界をテーマに人物デッサン、ヌードクロッキー、静物などのドローイングを手がけている。遅々として歩みののろい制作の冬だ。
  雪は降る
 
雪は降る
 
 
 
 
  2012.1.20   極寒の新年会

 
防寒コートに毛糸の帽子、マフラーに手袋といった厳冬装備の面々が、嬉しそうに何をやっているのかというと、ごらんの通りこれは「のみ会」です。
この日は折りしも大寒の入り前日(1月20日)、朝から初雪に見舞われ、小田急線は新宿から町田までノロノロ運転で25分も遅れたが、国際版画美術館アトリエでの「新芽会デッサン描き初め」は充実した実習を終了し、一行は恒例の新年会会場へやってきた。
所はそばの旨さでも定評のある町田市某居酒屋チェーン店。予約時間の午後5時、店内に入るや否や、店長とおぼしき一人の男あらわれ出で腰低く、
「お客様、大変申し訳ございません。あいにく当店個室のエアコンが昨日から故障しておりまして、現在全力挙げて修理しておりますが、あと2時間ほどお待ちいただくわけにはまいりませんでしょうか?」
一同騒然とするも、女幹事ひるまず
「2時間もこんな真冬の空の下でどこで時間さつぶすダ!少々寒ぐども時間通りやるダ(ほんとは標準語デス)!」
ときっぱり言い放つと、全員
「ンだ、ンだ(ほんとは標準語デス)!」
かくして定刻通り新年会は暖房のきかない個室において始まった。
はじめはよかった・・・。「だいじょぶだいじょぶ、これくらいなら飲めばやってられるって」とはじめは思えた。しかし私たちは知った、それが大いなる思い込みであり、甘い判断だったことを。1時間も経つうち、足元に冷気が忍び寄り、大きなガラス窓の向こうからは底冷えのする寒さが背中を凍らせる。「やっぱり寒いわ」と、その割には簡単に観念した全員が冬装束に身を包み、それでもご覧のとおり楽しい新年会となった。
「こんな新年会、もう絶対忘れられないね」
「ンだ、ンだ(ほんとは標準語デス)」
「ここが真冬の屋台だと思えばね!」
ちなみに店からお詫びにと差し入れられた料理は「温かいそば」、「あわびの刺身」、、たしかあと1品あったけど忘れました。
 
※ 写真をクリックすると大きな画像をご覧いただけます
極寒の新年会   極寒の新年会   極寒の新年会
 
 
 
(C) Copyright 2004 KIYOKO KAI. All rights reserved.
 
お問い合わせはこちらへ