1日目
 成田〜カイロ
 
2日目
 ギザ
 カイロ
 
3日目
 ハルガタ
 
4日目
 ハルガタ
 
5日目
 東方砂漠横断
 カルナック神殿
 ルクソール神殿
 
6日目
 メディネトハブ
 職人の墓
 貴族の墓
 王家の谷
7日目
 モスクワ
 
8日目
 帰宅
 レストランでエジプト料理
貴族の墓を見終わり、時間は一時すぎ。ちょっとお腹もへって来た。そしてものすごく疲れた。
ガイドに「地元料理屋に行くか、レストランに行くか」と聞かれたので、レストランを選択。ここでお腹を壊したら本当に死にかねない(^-^;)
 
レストランはブーゲンビリアが咲き乱れ、半分オープンテラスになっているなかなかオシャレな店だった。
5つほどセットメニューがあり、どれもメインはエジプト料理。その中から4つのセットを選ぶ。なるべく多くの種類を食べる作戦だ。
 
アエイシというエジプト風のパンやソース(見た目はサウザンアイランドドレッシングに似ている。味は・・・うーん微妙。ちょっと薬っぽい)サラダなどが出てきた後、つぼ焼きになった鳥やカバブがテーブルいっぱいに出てきた。
鳥やカバブのつぼ焼きはトマトソースで塩味が効いていてなかなか美味しい。我が家は鳥が人気だった。カバブより香辛料に癖がなくて食べやすかった。あれこれ選んではアエイシにはさんで食べた(^-^)
 
ゆっくり時間をかけて食べていると、ガラベイヤを着て楽器を持ったおじさんがやってきた。陽気なエジプト音楽を奏でてくれる。子供がいるのを見つけて、こちらにやってきて、頭の上に楽器を載せて演奏したり楽しませてくれる。チップを渡したら、さらに振りをつけて演奏してくれた♪こういうのはとても楽しい(^-^)
 
エジプト料理 陽気な流しのおじさん
王家の谷
食事を終え少し休憩した後、王家の谷に向かう。遠くにハトシェプスト女王葬祭殿が見えた。今回の旅ではちょっといろいろ思う所があって外してしまった。遠くから見ても、非常に美しい。 
車の中でどの墓に入るかガイドと相談。18、19、20王朝のそれぞれの墓を見学してはどうかと言われる。それは面白いかもしれない。
18王朝時代の墓は王家の谷でも上の方にある。墓泥棒に見つからないようにわざと険しい所に作ったのだ。しかし、後の王朝になると低い部分に作られたそうだ。どんな所に作っても見つかってしまうので、それなら低い所に作ってその分警備を増強しようと言うことになったらしい。
墓の構造も各王朝によって特徴があるようだし、なかなか面白い選択方法だ。そうしようということになった。
 
王家の谷の駐車場に車を止めチケットを購入する。その後タフタフと呼ばれるかわいい電気自動車で王家の谷まで行く。料金は1ポンド。わずか10分ほどだ。
いよいよ王家の谷の入り口に到着。正面にとがった山がある。この山をピラミッドに見立ててふもとに墓を作ったのではないかと言われている。
 
かわいい電気自動車 王家の谷全景
 
しかし暑い〜〜。汗をかいているのだろうが、どんどん蒸発してしまうので肌は乾燥しまくりだ。ここで墓を作った職人たちは毎日大変だったろうなぁ。夏も作業していたのだろうか。
ラムセス四世の墓
入り口。どの墓もこんな感じ
まずは入り口からすぐの所にある20王朝のラムセス4世の墓に行く。メディネトハブを建築したラムセス三世の息子だ。
墓の中はガイドは禁止なので、入り口そばで説明を受けてから中へ進む。
ここは古代から墓が開かれていて、入り口の所には沢山の落書きがある。コプト教の信者が書いたと思われる、美しい十字架の落書きもあった。
さすがに王墓に落書きするだけあって、とても上手だ。自信がなければこんな所に描けないよね(笑)
 
手の届く範囲だけでなく、天井近くにも落書きがあった。まったく、こんな所にまで…とあきれてしまう。きっと軽い気持ちでやったのだろうけど、場所が場所だけに1000年位ずっと来る人来る人あきれ続けてるのだろうなぁ(^-^;)恥を末代まで残してるぞ。
 
天井までビッシリ
墓は一直線に玄室へつながっている。両脇に美しい壁画が残されている。特に良かったのが一面に描かれたヒエログリフ。
罫線のような青い線が引かれ、そこにキレイに彩色されたヒエログリフが描かれている。
こうやって色がついている物を見ると、ヒエログリフのすごさが際立つ。文字なのだけど、図案化されていて、模様としてもとてもキレイだ。
王のカルトゥーシュも沢山書かれていて、永遠を表す黄土色に塗られている。
何が書いてあるのだろう。ヒエログリフを読める人って羨ましいな〜。
きっと習得するのはものすごく大変なのだろうけど。
 
美しい壁画を眺めながら奥へと進むと玄室に当たる。なんといってもこの玄室、天井の壁画がすごい!
これを見たかったのだ〜!昼の書と夜の書だ!
女神ヌゥトがブリッジ状になって空を形成している。対照に昼と夜が表されていて、夜の方はヌゥトの体に沢山の星が描かれている。アメンラー神が船にのって夜の世界を旅している。朝になるとまたヌゥトの口から太陽が生まれる。このエジプト人の宇宙観が天井一面に描かれているのだ。
この昼の書・夜の書はラムセス六世のものが有名。他にラムセス九世の墓でも見られるらしい。ラムセス四世の墓は入る予定はなかったので詳しく調べていなかった。上記二つより保存状態は劣るが見れて良かった♪
 
玄室部分は色彩も良く残っている。壁には死者の書をモチーフにした絵が一面に描かれていた。
夜の書の部分 玄室入り口の天井
(C)Paul Biesta
玄室の壁
(C)Paul Biesta
目の部分が削られている物が多い
(C)Paul Biesta
感動!ツタンカーメンの墓
ここで娘がちょっと具合悪くなってしまった。この暑さだ、当然かもしれない。ちょっと休憩。しかしこういうときの娘はすごい根性なのだ。ちょっと休んだだけでもう大丈夫という。本当?(^^ゞ
しかし、今日はハードだ。だんだんサバイバル戦の様相を呈し始めたな…。がんばれ娘よ!なんとかこの難局を乗り切るのだ(違)
 
84年ぶりに王家の谷に
新しい墓が見つかった!
娘の様子に気をつけながら、ツタンカーメンの墓へ。ここは入り口に日陰があるので、ここで説明を聞くことにする。入り口看板にカーターが発掘した時の様子を撮った写真がある(撮影し忘れたー!><)封鎖された玄室の前に立つツタンカーメンの立像。棺を覗き込むカーターの写真。どれも子供のころ見て憧れていた物だ。
この現場にいるというだけでも嬉しい。しかもこのとき、この墓の目の前で新しい墓が発見され発掘途中だった。まだほとんど情報がないが、これから発掘され、ニュースが入るたびに身近に感じられるだろうな(^-^) いい時に来たなぁ。
 
看板の前でツタンカーメン暗殺の話になった。誰が犯人だと思う?と聞くと「アイだ」とガイド。なるほど。確かに怪しいよね(笑)
「アテン神の熱心な神官だったアイは、ツタンカーメンがアメン神信仰に宗教を戻したのを許せず、殺害したのだ」と言う。ふむ。それだと、王名表からアイの名前まで削られていることの説明はつく。しかも、権力欲で殺したと言うのよりはるかに好感(?)が持てるかも。でも、王になった後アメン神官とうまくやっていたことの説明がつかないかな…。この説って初めて聞いたのだけど、支持されている説なのだろうか?
 
いよいよ墓の中へ。このときなぜか墓には全く人がいなかった。ツアーだと午前中にここに入る日程が組まれることが多いそうだが、そのためだろうか。
小さな階段を下り、前室へ。ここには全く装飾がない。小さな穴が開いていて、そこから宝物が見つかった副室がみえる。とても小さな部屋だ。こんな所に考古学博物館を占領するほどの宝があったとは。
左側に天の12時間を現すヒヒ
右は再生のためにオシリスと抱擁する王
後ろにはツタンカーメンのカー
右はじに口開けの儀式を行う
アイが描かれている
※1
前室の先には玄室、境目に手すりがあり、玄室を見る。そこには、あのツタンカーメンが眠りについていた。うーーーん、感動。カーターの本に載っていたそのままの景色が目の前に広がっているのだ!
 
誰もいないので、前室に座り込み、じっくり中を覗き込む。部屋が小さくてガッカリしたという話を聞いたことがあるが、そんな風には思わない。まず、壁画の保存状態がすごくいいのだ。下地に塗られた黄土色もほとんど剥がれていない。絵も傷つけられず、封印された時そのままの美しさだ。
そして、写真では分からなかったのだが、この人物像が他の墓と比べてとても大きい。等身大よりはるかに大きく人物が描かれている。余計な装飾がない分、人物の迫力が際立っていた。
 
「そういえばこの角度の写真しか見たことないよね!裏はどうなっているんだろう?」と子供たちが手すり越しに手前の壁を覗き込んでみた。そこには立派なアヌビスが描かれていた。おおーこれはカッコイイ!行かれた方は上の写真の角度からだけではなく、手前の壁も見てみてほしい(^-^)
 シンプルイズベスト?トトメス三世の墓
急階段
次はまた18王朝のトトメス三世の墓だ。このHPでも何度も登場している有名王の墓だ。
公開されている墓の中では、王家の谷の一番奥にある。この辺りまで来ると周りの崖が切り立ち、まさに「谷」 その崖の中腹に墓は作られている。ここまでがんばったのに、やはり墓泥棒に荒らされていて、副葬品は全く残っていなかったらしい。
 
右の写真が墓の入り口。地上から入り口まで18m程あり、非常に急な階段を登っていく。とても冒険っぽい。インディジョーンズ風だ(^-^)
 
上がりきると平らになっていて、そこで休憩することもできる。暑い中墓を見て疲れた人、急階段で息を切らしている人が数組休んでいた。もちろん我が家もゼイゼイ言いながら休憩。もっと体力つけなくちゃ・・・(^-^;)
 
下降通路
墓の中も急な階段が多い。墓は左に曲がる構造になっていて、階段を下りながら最深部の玄室に向かう。
構造的に風が通らないせいか、中が蒸して非常に暑い。墓の番人が話しかけてくるけど、ごめん!ちょっとそれどころじゃないよ〜(^^ゞ
しかし番人も大変な仕事だ。小さな送風機が番人の椅子の付近にあったが、単に熱い風をかき回しているだけ。あまり効果がない。それなのに、バクシーシ目当てとはいえ、来る客来る客ほとんど全員に笑顔で話しかけている。たいしたものだ。
 
さて、ここの墓だが、壁画が非常に個性的だ。今までの墓とは全く違う。線描画なのだ。少し現代のヘタウマ絵のマンガみたい。子供たちがこの絵に大変興味を持ち、ここはぜひ入りたいと言ったのだ。
 
玄室は形も独特だ。四角ではなく楕円形になっていて、ゆるい曲線の上に冥界の書が描かれている。
絵も文字も羽ペンで書いたような線描。シンプルだ。でも、ちゃんと誰を表しているのか、何を示しているのかわかる。沢山の情報を究極まで単純化させた感じ。
中央に立ってみると、まるでパピルスの巻物を壁一面にぐるりと広げたように見える。
 
楕円形の玄室
手前は赤色砂岩の石棺
(C)Paul Biesta
中央は王のミイラ?
髭がちゃんと曲がって死者を表している
※1
 
壁画を良く見るととてもユニークで面白い。冥界の書というのは夜の十二時間の間の太陽神ラーの運航を題材としていて、闇の支配者であるアピドスと言う大蛇を破り復活するまでを描いた物だ。右下の写真はアピドスとラー。ウジャドに守られてアピドスをラーが倒した所だろうか。絵のハイライトではあるけど、これを見て子供が大うけ。「蛇に足がある!これはまさに『蛇足』だ〜〜」あははは!確かに〜〜〜!
左の写真はトト神とホルス神。シンプルながら、特徴を捉えてるなぁ。
 
オシリスとトト神、ホルス神かな
※1
蛇足だ〜〜〜(笑)
※1
 
玄室で唯一カラフルなのが壁画の上部の縁飾りのような物。色合いがエジプトっぽくて、とても丁寧に書いてある。
玄室には2本柱があり、ここには聖なる木から乳を飲むトトメス三世が描かれているが、これまたとってもシンプル。これは説明がないと、木の枝を引っ張ってるように見える(笑)でも、この絵のトトメス三世かわいい!お乳を飲んで嬉しそうだ(^-^)
 
この部分は非常にカラフル
※1
ニコニコしてるよ(笑)
※1
 
こういう墓はここと息子のアメンホテプ二世の墓だけだ。何で、こんな風にしたんだろう。ガイドに聞くと、王が死んでから時間がなかったので、絵はシンプルに、字は早く書けるデモティック(民衆文字)で書かれたと言っていた。この字デモティックなのかな?ヒエラティック(神官文字)のように見える。知識がない私には判別できないけど。
もしかして、レイアウトの巻物っぽさといい、文章を書くときに使ったヒエロティック(?)で書かれている事といい、パピルス文章のように見せる効果を狙ったのではっ!?なんて勝手な想像を膨らませたりして(笑)
 
すごく興味をそそられるけど、理由を書いた資料が見つからなかった。ご存知の方は教えていただけると嬉しいですm(__)m
 タウセレト・セトナクテの墓
美しい壁画
(C)Paul Biesta
トトメス三世の墓はおもしろかった。暑かったけど、じっくり見たので結構時間がかかってしまった。
時間は午後4時。後もう一つタウセレト女王の墓を見ることにした。この墓は19王朝最後の王タウセレトの墓だが、墓の美しさに感動した20王朝セトナクテに横取りされてしまった。
タウセレトのミイラも行方不明とか。気の毒〜〜。
 
墓はこの頃の王墓の典型的な形で、一直線に玄室に行く作り。しかし玄室が二つある。手前がタウセレト、奥が後から横取りしたセトナクテのもの。
壁画はかなり保存状態が悪い。全体的に色が褪せたような感じだ。
でも途中にあった広間の壁画は良かった。大きな鳥が翼を広げている絵が描かれ、王の墓らしい荘厳な雰囲気だった(残念だがここの写真はなし)
 
玄室のアヌビス
(C)Paul Biesta
やや破損している
(C)Paul Biesta
 
玄室は死者の書をモチーフにしてある。きれいなのだが、傷んでいる部分も多い。印象的だったのが玄室の柱に描かれたアヌビス。とても大きく立派で、見ごたえがあった。
 残念な出来事
さて、これで王家の谷の観光は終了。今日一日の充実度はすごい。良くここまでがんばったと家族で称え合った(笑)
足がジンジンしてきついので、一度どこかで休憩したい。ガイドとの契約は5時まで。まだ4時なので、どこか座って休める所に連れて行って欲しいと頼んだ。
車の中で、今日の思い出を語り合う。ホントに充実したいい一日だったねぇ(^-^)
 
しばらくすると、店が数件立ち並んだ所に着いた。おお、ここかな?しかし、車の外に出るとなんと目の前はアラバスター屋ではないか。
アラバスター屋はボッタクリのところが多いと聞いていたし、あまり欲しいとも思わなかった。車の中で何度も行かないかと聞かれたが、きっぱりと断ってきた。なのになぜ??
 
まあ、仕方ない。連れてきたガイドの顔を立てて、安い物を一個かって帰ろうと言うことになり中へ入った。観光客は私たち以外いない。店員3人にベッタリ張り付かれ、あれこれ勧められた。仕方ないので、石板にセンネフェルの壁画が描かれた物の値段を聞いてみた。
するとなんと2万円・・・。呆然とした。おそらく吹っかけているのだろうけど、それにしても高い。特別な物ではない。あちこちの露店で無造作に売られているようなものなのだ。そしてまずなにより、出来が悪い。人物の目の黒目が小さく、白目をむいているみたいだ(^^;
高すぎると言うと、「ではいくらなら買う?」と言うので1000円と答えた。すると「それでは無理。違う値段を言え」と延々攻撃・・・。他の物と思って安そうな灰皿の値段を聞くと5000円。これまた、露店で1ドルで売っていそうな物だ。勘弁して欲しい。
 
遠くのソファでガイドがのんびりジュースを出してもらって飲んでいる。私たちは立っているだけでもきついのに店員が放してくれない。本当にガッカリした。値切る気力ももう残ってなかった。
結局5時ギリギリまで店員に囲まれ、最終的に灰皿を購入。それでも何とか少し値切った。
 
ここまでに会ったエジプト人が、みなとても親切だったので、すっかり警戒心を解いたところだった。でも今思えば、甘かったなーと思う。同様の出来事は様々な本に書いてあった。郷に入れば郷に従え。アラバスター屋に入る前にきっぱり拒否するべきだったのだ。
(なんとこの時、ガックリした母は車の中にカメラを置き忘れてきた!慌てて連絡し戻ってきたのだけど、しばらく写真がないです(^-^;)大騒ぎしてごめんねぇ>家族)
 お土産を買う
もう一刻も早く帰りたかったので、お土産を買いたいから良いスークで降ろしてくれと頼む。連れて行かれたのはとても庶民的なスークで、子供づれでは怖かった。屋台を出している少年と話して、紆余曲折の末ナイル川沿いの道まで送ってもらった。途中危ない所もあったが、少年が「ここは危ないからこちら」と笑顔で案内してくれた。コルニーシュ通りに戻りホッとした。手を振って戻ろうとするので、慌ててチップを渡す。すごく喜んでくれた。ガックリしていた心が少し回復した(^-^)
 
その後コルニーシュ通りの店でお土産を買う。一個いくらではなく、数個まとめてでの値段交渉だ。息子が現地のチェスを買うのを楽しみにしていた。彼はユニークなチェス板をコレクションしているのだ。でも意外とチェス板が高い。店主と交渉、かなり粘ったが思うほど値段が落ちなかった。あきらめて店を出ると若い店員が私たちを待っていた。「あのチェス板は原価が高いんだよ。さっきの値段はいい値段だと思う。」わざわざ教えてくれるために待っていたらしい。結局ここで購入。娘は別の店で、香水瓶をとても安く購入できた。
 
母は、欲しかったラクダの形をした香水瓶を探した。でも意外にもない。店員に聞くと「ゾウならあるよ〜♪」と沢山出してくる。いや、なぜゾウ?(笑)
「ウチにもないんだよ〜」と横のおじさんが言うから何かと思ったら、いつの間にかやってきていた隣の店の店主だった。そこら辺の店の人が一斉に探してくれたようだ。
疲れていたし、あきらめて馬車でホテルに戻ることにした。馬車に座るとナイル川からの風がとても気持ちよかった(^-^) しかし、シェラトンへホテルへお願いしたのに、メリディアンの前で、「着いたよ〜!」 違うでしょーっ!これはメリディアン。シェラトンへ行って! もう油断も隙もないなぁ(^^ゞ 
 
やっと到着しホテル内の売店へラクダの香水瓶探しに行く。昨日行ったお土産やさんに入ると店員が大歓迎してくれた。探していた香水瓶もあった。よかったぁ(^-^)
「明日来ると言って本当に来てくれる人は珍しい。とても嬉しいよ〜(^-^)」と喜んでくれる店員に、何となくホッとして、今日のアラバスター屋の件を愚痴ってしまった。
二万円と言われた話をした。すると今まで笑顔だった店員の顔が固まった。様子を聞いていた横の店員にアラビア語で何か話す。回りの店員も集まってきて息を呑むようにして私の方を見つめた。
「信じられない…。それでいくらで買ったんだ?」
「いや、二万の石板は買わず、○ポンドで灰皿を買った」
するとみんなホッとした顔をして、笑顔が戻った。
「○ポンドで済んだのならよかった〜。ラッキーな方だよ。アラバスター屋はガイドに70%もマージンを渡している所もある。安くできないんだよ。ウチは○%しかホテルにマージンを払ってないから安いんだ」と正直すぎるほど正直(笑)
さらに、元気の出ない私に、「君のことは良く覚えてる。昨日の夜、娘とあんなに楽しそうに買い物してたじゃないか。これはスコットランドから輸入した箱だ。これに入れてあげるからまた昨日のように笑って!」
値引きの時、箱はいらないから安くしてくれと交渉した。それなのに、あちこちからきれいな箱を選び出し、香水瓶を入れてくれた。他の店員も口々に「スマイル!スマイル!」
 
やさしい店員さんに囲まれて母は半べそ。困った人もいれば、こんなに温かい人もいるんだ。いやな思い出は忘れなきゃね(^-^)
 
(※アラバスター屋さんは良心的なところもあると思います。あくまで私たちが遭遇した店が、ボッタクリだったということです)
 ホルスの贈り物?
いろいろな意味で大変だったが、充実していた。エジプト観光も今日で終わり。これからカイロに戻り、モスクワへ行くのだ。
送迎の車に乗りルクソール空港へ。手続きをする。すると窓口の男性、「エコノミーが一杯なので、3人分ホルスクラスにしたよ。空の旅を楽しんでね!」とウィンク。
えええっ?!それってもしかしてビジネスクラス??しかし、3人とは。誰が泣きを見るのか?(笑)
ここで偉い父がエコノミーを買って出た。いやいや、それは気の毒。私がエコノミーへ行くよと母。いや、みんな疲れてるから俺が行くよと父。あらまぁ、そう??私は一回しか遠慮しないよ?(笑)
と言うわけでお気の毒な父以外はビジネスクラスの客となった。立派な椅子に座ると即座にお絞りが配られた。食事もきちんとナプキンの上にサーブされる。あら〜〜、なんかリッチな気分♪(*^_^*)
 
ホルスクラスの座席 軽食だから
内容にたいした差はない
 
カイロもこれで見納めだ
やがてカイロのオレンジの町の明かりが見えてきた。あっという間だ。
ビジネスだけ先に降ろされる。この日のビジネスクラスはわずか6人。空港のバスに乗り込むと、わずか6人だけを乗せて、バスは先に出発した。
そうなのか〜、一度も乗ったことないから知らなかったけど、ありとあらゆる所でエコノミーと差をつけているのね。まあ、宝くじでも当たらない限り、二度と乗ることもあるまい。一瞬でもリッチな気分を味わえてラッキー。エジプト旅行の最後に天空の神ホルスからの贈り物かも♪(^-^)

 
※1の写真のライセンスについて

photo:taken by Hajor
Creative Commons License
この作品は、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの下でライセンスされています。