1日目
 成田〜カイロ
 
2日目
 ギザ
 カイロ
 
3日目
 ハルガタ
 
4日目
 ハルガタ
 
5日目
 東方砂漠横断
 カルナック神殿
 ルクソール神殿
 
6日目
 メディネトハブ
 職人の墓
 貴族の墓
 王家の谷
7日目
 モスクワ
 
8日目
 帰宅

アエロフロートでエジプトへ!

いよいよエジプトとロシア旅行の出発日がやってきた。何ヶ月も前から、入念に下調べをし、情報を集め、資料をまとめた結果が試されるのだ!
普段は朝寝坊の我が家もみんな元気に早起き。期待で全員ハイテンションだ。
荷物チェックリストで重要な手荷物の最終チェック。真夏のエジプト用品と厳寒のロシア用品が詰め込まれたスーツケースはパンパンだ。行き先はどちらもかなり手ごわい。忘れ物があると、現地でかなり大変な思いをしそうだ。
 
愛車デミオ君に荷物を積み込み出発。後部座席はフラットになっているので、まるで荷物倉庫である。荷物にうずもれるように子供たちが座っている。いよいよ成田へ出発だ!
 
この日は日曜だったので、渋滞もなく順調に到着。2時間前にチェックインをすることに。JALがチェックインをしてくれるので、とても親切だ。
なんと言っても今回の旅行はあのアエロフロートなのだ。何があっても不思議ではない。
事前調査でも出てくる出てくる、「ネタなのか?」と思わずにいられない信じられないエピソードがネット上に満載であった。
 


 



軽食時、ピーマン丸ごととキュウリの入った袋を投げられた。それが食事だった。
無事着陸すると拍手が起きる。
アテンダントの幅が通路の幅より広い。
飲み物を頼んだら、怒鳴られた。
一部の旅客機には銃座がついている。
 
 
うぷぷぷ。面白すぎである。でも、どれもかなり前の話みたい。う〜ん、そのころのアエロに乗りたかったなぁ。でもまあ、現在でもかなり異質な航空会社であることは間違いない。
ママは飛行機大好き人間なので、こんな面白い飛行機に乗れるなんて、夢みたいだ。成田〜モスクワ間はボーイング767なので、あんまり面白くないが、モスクワ〜カイロ間はツボレフ154というソ連時代から続く旅客機。ネタ山盛りを期待だ(ツボレフネタは帰りの部分で)
 
ロストバッゲージや荷物の抜き取りが多発しているとのことなので、盗まれても痛くも痒くもないようなもののみ預け、大事なものは全て手荷物にしておいた。
 
今回はターミナル2のサテライトから出発だ。一番はじっこのゲートだ。アエロさん、成田で冷たい扱いを受けているのだろうか。ゲート前で休憩していると窓からアエロフロートの機体が見える。初めて見るキリル文字のロゴが書かれた機体にワクワクだ。
モスクワで飛行機の写真を撮るとやばい事になることもあるらしいので、ここで写真を撮っておく。
 
 
 
 
 
 
やがて搭乗の時間がやってきた。調べたとおり青の合成皮革のシートに濃いオレンジのカバーがついている。アテンダントに挨拶されながら、席に着いた。
おっ、座ってビックリ。意外とシート間が広い♪背の高い夫が何とか足を組める広さだ。これには夫が大喜び。心配していた(楽しみにしていた?)アテンダントも通路の幅より全然細いではないか。しかも一応かすかに笑っているぞ。さらに、日本人通訳も乗っている。なんだ〜、これなら普通の航空会社ではないか。いやいや、でもまあ、喜ぶべきなのよね(笑)
 
ドキドキしながら離陸を待つ。延々と滑走路を徐行し、やがて離陸。エンジンがうなりだしたと思ったら、なんとーー!!すごい横揺れだ〜!ガガガガッ!という音と共に機体が揺れる。な、なぜなの〜?!縦揺れは結構あったけど、横揺れは初めて!!こ、こわいぞー!(T-T)
しかし、何とか離陸した。子供たちも驚いている。「何で横揺れなの?」と後ろから聞いてくるけど、そんなこと聞かれたって全然分からない(笑)母が聞きたいくらいである。きっとANAとかなら「今日は揺れるなぁ」で済むのだろうけど、アエロだとスリル満点である(笑)←失礼すぎ。
 
成田から日本海あたりまで、とても気流が悪く、大揺れに揺れた。やっと揺れが収まると飲み物サービスが始まった。長男がコーラを注文。すると、ペプシロシア版が出てきた!うわー、キリル文字でペプシって書かれてるよ。日本では絶対見られないレアものである。
続いて夕食♪アエロは機内食がおいしいと聞いていたので、とっても楽しみにしていた。ビーフとフィッシュが選べるようだ。ビーフかなと狙った所で「ごめんなさーい。これが最後のビーフなの。」とアテンダント。実は今回、シベリア上空を飛ぶのを楽しみにしていたので、外が見やすい最後部の列をリクエストしていたのだ。しかたあるまい。
出てきたものは下のようなもの。フィッシュは金目鯛のような味でホワイトソースがかかっていた。まあまあの味。サラダの上に乗っていた白身魚のお刺身のようなものがとてもおいしかった!マスかな?でも味も食感もヒラメのよう。サーモンの押し寿司もとてもおいしかった(*^_^*)
 
こちらがビーフ フィッシュ
奥のサラダとお寿司のセットが美味

地図帳で見た世界

 
やがて日本海を抜けロシア領空内へ。う〜〜ん、父や母が子供のころには、こうやってロシア上空を飛ぶ日が来るなんて夢にも思わなかった。ロシア上空通過=撃墜位のイメージだった。
それが今や、旅行のためにシベリアも自由に通行できるのだ。ビバ冷戦終結!って感じである。
 
窓から外を眺めると、ものすごい平原だ。地平線までずっと白い雪がつもり、その中を無数の川が流れていく。護岸工事をしていないから、ウネウネうねって、三日月湖がたくさんある。そっか〜、人間が住む前の土地ってこんな風になっているのね。
見渡す限りの平原には全く道路が見えず、人の気配がしない。白くて美しくて、素晴らしい景色だ。
 
やがて、大河が見えてきた。レナ川だ。昔社会科でソ連の大河といえば「オビ川、エニセイ川、レナ川」と覚えたものだ。これから次々に見える。楽しみだ。
レナ川は他の小さな川とは違い、氷結した水面がキラキラと輝いてとてもきれいだった。上空から見てもその広さがはっきりと分かる。水面に雲の影が映り、大変美しかった。
 
ウネウネの川 レナ川
雲の影が美しい
エニセイ川の支流 オビ川。堂々たる大河

 
長い時間乗っているのだけど、シベリアの珍しくて美しい景色にほとんど寝ることなく楽しんでしまった。まるで10時間の遊覧飛行だ。アエロフロートは音楽や映像のサービスがまったくないという 今時珍しいエアラインだけど、窓の外の景色があれば、十分すぎるほど時間がつぶせた。
 
やがて、白い山脈が見えてきた。ウラル山脈だ。地図で見ると細長くきれいに等高線が引かれていたが、現実にみても、山がきれいに一直線に連なっているのが分かる。雪が積もった山が点々と一直線に並んで光っている様子は、まるで真珠の首飾りだ(*^_^*)
 
真っ白で光っている 延々と繋がる山並み

 
ウラルを越えるとヨーロッパだ。このあたりで軽食が出てきた。サーモンサンドイッチ。このサーモンがおいしかった♪スモークサーモンというより、鮭の刺身に軽く塩を振った程度のやわらかい味付け。通路を挟んだ隣の人が残していたんだけど、代わりに食べてあげたいぐらい美味しかった(^-^)
 
このあたりから、所々に町があるのが見えるようになった。もうすぐモスクワの飛行場シェレメチェボに到着だ。ふぅ、やっぱりちょっと疲れるなぁ。

怪しい空港シェレメチェボ

 
シェレメチェボに到着、着陸態勢に入る。標識や芝生などは全くない、無味乾燥した滑走路と通路だけがある、ものすごく広い空港だ。外はうす曇。いかにも寒々とした景色だった。ロシアでは空港を撮るのはご法度。見つかるとヤバイ。でもここはやっぱりHPに載せたい所だ。ファインダーを覗かずこっそりと撮影。コソコソしているせいで、逆に怪しい(笑)
 
何にもない滑走路 敷地のわりに建物は小さい

 
事前調査をしたとき、このシェレメチェボに関する面白い話も異常に沢山あった。またまたワクワクだ。
ガラスの壁の通路を進むと右側にまるで屋台のような小さなカウンターが出ていた。ここがトランジットカウンターだ。通常のチェックインカウンターを想像してはいけない。白い屋台程度のものだ。その「屋台」の前には大勢の人が右往左往していた。私たちが乗った便はモスクワを経由し最終目的地はパリだった。どうやらフランス人が多いようだ。トランジットカウンターに「PARIS」と書いた紙が張ってある。ふむ、私たちが乗り継ぐカイロ行きはどこで手続きすればいいのかな??
カウンターでは乗継がギリギリの人を探しているようで、大声で何か叫んでいる。でも他の乗客には何の案内もない。みんなどうすれば良いか分からなくて、カウンターを遠巻きに見ている感じだ。15分ほど待ったが何の進展もないので、カウンターにいた女性に「カイロ便はここで手続きできるの?」って聞いてみた。そしたら、「of course」だって。だったら早く案内すれば良いのに(笑)
さっそく一番に手続きしてもらうことができた。様子見だった他の人もぞろぞろ後に続く。他のカウンターでもできるのかな?と思ったら、なぜか横のカウンターではできないと断られていた。それを聞いたフランス人がブチギレていた。ダチョウクラブのような天晴れな切れ方であった。
 
トランジットカウンターの奥の通路はまるで舞台の裏のような怪しさだった。ホントにここで良いのか不安になり、聞いた位だ。そこを通り抜けると係官がいた。どっちへ行けばいいのか聞くと、無言で指を指し方向を示す。すごい無表情だ。いや、無表情というより怒ってるみたいだ。
 
2階から見た免税店エリア
ロシアらしさを堪能しつつ通路を抜けるとやっとシェレメチェボの免税店がある所に出た。全体的にとても暗くて古いのだが、後から作ったことがはっきりとわかる免税店の辺りだけ新しくて明るい。まるで今のロシアそのものだ。興味深いなぁ。
 
おみやげ物屋さんも沢山あるけど、念のため先にカイロ便の出発ゲートを確認しようということになった。先ほどもらったボーディングパスを見る。あれれ?出発ゲートが書いてないよ??
知らない空港で出発ゲートが分からないことほど不安なことはない。質問をしようにも歩いているのはお客さんか、軍服っぽい制服を着た人しかいない。さすがに軍服の人にゲートを聞くのはなぁ。
仕方ないので、その辺りにいた免税店の人にゲートを聞いてみる。そしたら、「ゲート番号の欄が空欄になってるわよ。あっちの方にあるカウンターで聞いて」ってまたもや指差して方向を示す。指差す方向へ結構歩くと案内所のようなものがあった♪
ゲート番号が書いてないんですけど〜と質問するとすぐにPCで調べてくれた。「ゲート6の予定だね。でも出発ゲートはちょくちょく変わるからチェックしてね」とニコッと笑いながら教えてくれた。おおー!シェレメチェボで初めて出会った笑顔だ!いいなぁ笑顔って、と妙なことで感動しつつ、ゲートを確認後、店を探検することにした。

味あり!ロシア

 
空港内の売店ではマトリョーシカやウオッカなど、ロシアらしいお土産が沢山売っていた。一番ウケたのがカラシニコフ型のボトルに入ったウォッカ。うーん、写真に撮りたかったなぁ。立派なかばんに入っていて、50cm以上ありそうなカラシニコフのボトルがむちゃくちゃかっこよかった。二階には小物のおみやげ物やさんが沢山あった。Tシャツもネタ満載。真っ赤なTシャツに大きくCCCPって書いてあったり、マクドナルドのロゴの上にレーニンが描いてあって「マクレーニン」と大書きされてたり。チェ・ゲバラのカッコイイTシャツもあった。
シェレメチェボ2階通路
買いたい物だらけだったが、ここで荷物を増やすわけにはいかない。適当に切り上げて2階のお店で休憩することに。
 
父と母はビール、子供たちはジュースを頼んで一休み。ニコリともしないウェイトレスが机の上にガンッ!って飲み物を置いていった。コースターは脇に立てられている。敷くのは自分でやれということらしい(笑)
ここでのんびりと今後の予定を確認。1時間ほど楽しく雑談していた。飲み物は飲み終わると何も聞かれずさっさと片付けられる。ギリギリまで残していた母のビールも無言で片付けられてしまった。
「どうしよう〜、あと10分ぐらいしたら出た方がいいかなぁ」なんて言ってたら、ウェイトレスが電卓を持ってやってきた。
「$20!」言ったのはそれだけだ。ふむ、もう出ろと言うことだろう(笑) 笑える。ここまでやられては出ざるを得ないので、料金を支払って出た。
 
やがて搭乗時間が近づいてきた。飲み物と軽食を買い、搭乗口付近で待つ。滑走路は広いわりに、空港は狭いので、搭乗口さえ分かれば迷うことはない。ゲートの上に次に搭乗が始まる飛行機の便名が出るので、その前に陣取る。免税店があるエリアには悲しくなっちゃうほどイスがなくて、みんな階段に座り込んだり、隅で横になったりしてるが、搭乗口先には結構な数のイスがある。搭乗手続きが始まったら早めに入ってしまった方が楽だ。
 
矢印部分が問題のルゥだ
ようやくカイロ行きの飛行機が離陸した。今回の旅行はこのモスクワトランジットの情報が少なく、かなり不安だった。でもこれでカイロに無事着きそうだ。ほっと一息。機内食を食べる。
ロシア積み込みの機内食らしく、黒パンがついている♪黒パン食べるの初めて!味は・・・うーん、酸っぱくて固い(笑)ビーフストロガノフ調の物がおいしそう!食べてみると・・・うーん、こ、これは・・・(笑)脇に大きな塊がある。おお〜、塊の肉も入っているのかと思って食べてみると、それはなんと「ルゥ」であった。すごい。ある意味すごい。
 
あと4時間でカイロ。日本を発ってからもうすでに14時間が経過している。早くホテルで休みたい。長い一日だ。

やっと到着。疲れました。

カイロ空港に到着すると頼んでいた送迎の係りの方が笑顔で迎えに来てくれていた。ふぅぅぅ。やっと着いたよ〜。笑顔に肩の力が抜ける気がする。今夜の宿はこだわりのメナハウスオベロイ。ピラミッド直下と言ってもいいほどピラミッドそばにあるホテルだ。空港から一時間ほどかかるが、朝起きてすぐにピラミッドを見たいがためにピラミッドビューの部屋を予約したのだ♪
途中の町を説明してもらいながらギザへ向かう。係員の長野さんが明るく説明してくれるので、疲れ切ってはいるものの楽しい。
やっと着いたよ・・・
「あ、ピラミッドが見えてますよ。わかりますか〜?」との言葉にみんなで窓の外に目を凝らす。イメージするピラミッドがありそうなところを必死で見るけど分からない。「ほら、あそこのビルの脇ですよ!」との声に、じっと見つめると、想像していたよりはるかに大きなピラミッドのシルエットがぼんやり見えた。うわーー!大きい!!やっと来たんだ〜〜♪♪急に実感がわいてきたぞ(^-^)
 
メナハウスにチェックインしてようやく部屋でくつろいだ。太陽を追いかけるように飛んだので、本当に長い一日だった。時刻は出発の翌日の午前二時。長い一日だったなぁ。でも無事つけて良かった〜(^-^)
 
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