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1日目 成田〜カイロ 2日目 ギザ カイロ 3日目 ハルガタ 4日目 ハルガタ 5日目 東方砂漠横断 カルナック神殿 ルクソール神殿 6日目 メディネトハブ 職人の墓 貴族の墓 王家の谷 7日目 モスクワ 8日目 帰宅 |
夢にまで見たピラミッドビュー | |||||||||||||||||
昨日は疲れた。ベッドに倒れこむようにして眠り、数秒で寝た気がする。しかし、なんと母はすっごい早く目が覚めてしまった。時差ぼけなのか、あるいはピラミッドの眺めが気になって仕方なかったせいなのか。 送迎に来てくれた長野さんの話によると、最近カイロは雨が降るなど異常気象が続いているそうだ。朝も霧が発生し、こんなに近くにピラミッドがあるメナハウスからでさえ、ピラミッドが見えないこともあるという。そ、それは悲しい。「朝一にピラミッド」。これはこの旅の目玉の一つでもあるのだ。 目が覚めて時計を見るとAM3:55。ひぃぃ。2時間しか寝てないよ〜(T-T)このまま二度寝を試みるべきか。でもダメだった。外が気になってしょうがない。ゴソゴソと起き出し、ベランダへ。
ピラミッドに蠍。まるで狙ったみたいだ(笑)早速カメラを持ち出し、三脚を立てる。バッチリ撮影することができた♪ あまりの美しさに眠気も忘れてベランダの椅子に座り、景色を楽しむ。いいなぁ。この景色を楽しむため、メナハウスのピラミッドビューを取るのにどんなに苦労したことか。オンシーズンでもないのに二ヶ月以上前から満室だったのだ。キャンセル待ちの末に勝ち取った眺めである(^-^) しばらくすると歌うような声が聞こえてきた。イスラム教の祈りの時を告げるアザーンだ。ムード満点!さすがにこの時間に家族を起こすわけには行かないので、ビデオでアザーンの音を記録した。
やがて家族も起きだして来た。子供たちはなんとか疲れも取れたようだ。親は若干疲れを残している。やはり年齢のハンデは大きい(^-^;) みんなでピラミッドの眺めを楽しむ。空は快晴!真っ青な雲ひとつない空にピラミッドが映える。よかった〜! |
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クフ王体力一本勝負 | ||||||||||||||||||
今日の午前中の予定はクフ王のピラミッド内に入ること。そのためには午前・午後、各150名限定のチケットを取らねばならない。 手順はこうだ。
エジプト到着当日に入れる予定ではないなぁ(^^ゞ 7:30から並ぶつもりが、ダラダラしていたら7:40になってしまった。でもこの日は予想より人数が少ない。この時点で大型観光バスが2台、マイクロバスが2台、タクシー4台、私たち同じく気合で走るつもりの人が5人ほど。ちなみにピラミッドエリア入場チケット売り場までは車が入れる。当然走っている人は抜かされるが、駐車場に停めたりする手間があるので自力走行組も若干挽回可能だ。 全員がクフ狙いだとしてギリギリというところ。緊張が高まる。やがて柵がいっせいに取り除かれた。みんなチケット売り場に向かって走り出す。特に地元タクシーの気合入れぶりはすごい。一斉にエンジンをふかし、すごい勢いで走り出した!
80m程の所で「あともう一息、入場券売り場は目の前だ」と思った所で肺まで痛くなってきた。足が先に進まないよ〜(T-T) 父と息子はさすがに男。もう30mほど差をつけられている。一緒に走り出した外人たちはすでにチケット売り場に到達しているではないかぁぁー!!恐るべし外人パワー。 だんだん地面が斜めに見えてきて、「あ〜、まずい、このまま倒れる」と思った所で、道端にいたツーリストポリスの一団から一斉に掛け声。「ヘーイ!マダーム!ヤッラヤッラ!!(行け行け!)ハリアーーップ(笑)」うはぁ、明るい応援ありがとー!倒れるぐらいギリギリなのに、ポリスに向かって笑顔で手を振る私。くくぅ、お調子者の自分が憎い。
すでにかなりの人数が並んでいたが、無事チケットを入手することができた。 しかし大変だった。これがオンシーズンだったら間違いなく取れなかっただろう。思うに、私のような体力のない人は「エリアチケット入場券売り場」までタクシーなどを使った方が良いのではないだろうか。ここが一番の難所だ。しかし、おそらくタクシーも足元を見てくるだろうから、交渉は念入りにする必要がありそうだけど。 エリア付近のグーグルサテライト画像
という訳で、ピラミッド真下でしばし休憩。間近で見るピラミッドは大きい。でも驚いたのは予想外の急勾配だった。クフのピラミッドは長さ約 230m、高さは146m、そして傾斜角度 51度50分だ。この傾斜角度だと真下から見るとそびえ立っている感じだ。隠れて登る人が後をたたないようだが、これは危険だ。途中で足を滑らしたらしたまで一気に転落するだろう。 高さは少し遠くで見たほうが際立つように思う。現在は頂上部が欠落し、137mになっているが、この高さは1889年にエッフェル塔が完成するまで世界で一番高い建築物だったそうだ。4500年間破られなかった記録なのだ。すごいことだと思う。 しばらく休憩して、なんとか息も落ち着いてきた所でピラミッド内部に入ることにする。マムーンの穴の前にいる係員にカメラを預ける。カメラはチケット番号で照会し後で返してもらうのでチケットをなくしてはいけない。 入ってしばらくは後世に掘られた荒削りな洞窟が続く。その後上昇通路が続く。この上昇通路の角度は26度18分。急角度ではないものの、高さが1m程なので中腰に登っていかなければならない。かなり足腰に来る(T-T)
両脇には謎のみぞが等間隔で彫られていて、これは「昔彫像を立てた穴だ」とか「通路をふさぐ石を最後に落とすまでの間、ここに板を渡して石を止めていたのだ」など諸説ある。実際に入ったところ、大回廊は結構傾斜があり、彫像を立てると見た目のバランスが悪いんじゃないかな〜と思った。「板を渡していた」と言う説は、これだけ傾斜があれば油などを引けば比較的簡単に石を滑らせることができそうだし、ありそうだなと感じた。 上昇通路を登りきり、狭い通路をくぐると王の間に出る。ここは10m×5mの広さで高さは6mある。赤花崗岩製。がらんとした四角い箱のような部屋だ。隅に石棺と呼ばれる物が置かれている。 ここ、とても感動した。確かに何もないのだが、石組みが見事。インカの石組みのように全く隙間なく組み合わされている。ピラミッド自体は大きさもまちまちな石灰岩で作られているが、上昇通路から大回廊、そしてこの部屋までの石組みはきっちり大きさをそろえてあり、シンプルで美しい。天井の石にも圧倒された。きちんと同じ形に切られた巨大な石が天井部分を正確に覆っているのだ。変な言い方だが、直角が沢山あってとてもきれいだ。
一息ついて周りの人を見渡すと、ヘッドライトをつけなにやら呪文のようなものをつぶやいている人、隅に座って目を閉じている人など、なかなかの人間模様である。やはりピラミッドパワーを吸収しているのだろうか?!さすが、世界の七不思議の内部だけある。人間も不思議である。 笑う足を励ましながらやっとのことで外に出た。ふぅ、この旅で一番不確定要素の強い、運と体力次第だったミッションを完了でき、充実感でいっぱいである。出口の所で係員にチケットを提示。命の次に大切なカメラを返却してもらわねば。すると・・・。 「あれ、このNo.違うよっ!」と係員。 ひぇぇぇぇぇ〜!?な、な、な、なぜなぜ〜〜?!( ̄□ ̄;)!! 慌てて全部のチケットを出そうとした所で「冗談、冗談(笑)」だって。うは〜、おじさん、ナイスタイミングなジョーク。かなり慌てちゃったじゃないの〜(笑) 入り口からカイロの町並みを眺める。砂漠ギリギリまで町並みが迫り、不思議な光景だ。中の湿度の高い空気から開放され、美味しい空気を思い切り吸い込んだ。 ふと脇を見るとクフ王入場チケット売り場はすでに閉まっていた。やはり狭き門なんだな。朝死ぬ思いでダッシュしたかいがあったというものだ。
ラクダ隊の出勤だ。しかし、何故まとまって入ってくるのだ。全員グルなのか?!と、疑惑の目つきで見てしまう私。疑心暗鬼とはこのことである。 しかし、やはりと言うか、残念なことにと言うか、午後のラクダ乗りでは恐れていたことが起こってしまうのであった。 |
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メナハウスで優雅なひと時♪ | ||||||||||||||||||
ピラミッドエリアから10分程度でメナハウスに到着。やはりこのホテルを選んだのは正解だった。軽い散歩程度でピラミッドに着いちゃうのだ(ダッシュしない時はということだが) メナハウスの敷地は芝生が敷き詰められ、ブーゲンビリアやシチヘンゲ、ペチュニアが咲き乱れていた。砂漠になんと贅沢な。小さな小道がいくつも作られており、中を散歩するだけでも楽しい。どこを歩いていてもピラミッドが見えるのもここならではの贅沢だ。 朝から大仕事をこなしたが、まだ10時前。まだ食べていない朝食をいただくことにした。しかし、食後にダッシュじゃなくてよかった。あんなにきついのに、食後すぐだったら、間違いなく砂漠を汚す大惨事を引き起こしていたと思う。 メナハウスの朝食はビュッフェスタイル。通常ホテルの朝食ビュッフェで見られる料理の中にエジプトらしい料理も交えてあり、選ぶのが楽しい。写真を撮り忘れたが、ここでターメイヤをいただいた。つぶした豆と野菜をまるめてあげた物だ。なかなか美味しかった(^-^) 生のナツメヤシもあった。生ものはなるべく食べないようにするつもりだったが、これはあのアラビアのロレンスの大好物!映画でさんざん見て憧れていたのだ。食べてみると・・・ふむ、柿のような甘み。ちょっとイチヂクのようでもある。とてもやさしい味だった。
今日は午後からガイドと観光するまで予定を入れていない。疲れを取るためにのんびり過ごす計画だ。まず部屋に戻って休憩。ふぅ、思えばきのう日本を発って以来、なんと忙しい日程だったことか。きれいな部屋でくつろいでいると、エジプトにいる実感がわいてきた。 部屋のドアを開けると気持ちいい風が入ってくる。気温は20度位だろうか。少しひんやりする位の風が心地良い。ウトウトしそうになるけど、ここは時差ぼけ解消のために我慢かなぁ。でも昼寝したい位快適だ。 1時間ほど休憩した後、元王宮だったパレスサイドの建物を探検してみることにした。本当ならココに宿泊したいが、我が家のような庶民には高嶺の花。ここより少し安い新館のほうに宿泊した。パレスサイドは重厚でいかにもアラブの王様チックな建物だ。
※メナハウスの写真は他ホテルと共に別ページに説明と共に多数掲載します。
歴史的な説明があった方がより楽しめそうなので、子供たちにも分かるように日本語ガイドを手配した。 ロビー脇にあるコーヒールームでジュースを飲んでいるとガイドのヘルファさんがやってきた。ニコニコと笑顔で挨拶してくれる。アラビア風の名前がなかなか覚えられなかったが、ヘルファさんに「増えるの反対は何ですか?減るですねー!私もヘルと呼んでください(^-^)」と言われて覚えることができた。うまい!彼もそうやって連想しながら日本語を覚えたのかもしれない。 |
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出たー!悪徳ラクダ引き! | ||||||||||||||||||
さて、ヘルファさんと共に再度ピラミッドエリアへ。実は母と子供たちはどうしてもラクダに乗りたかったのだ。しかしラクダ引きはボッタクリな上にトラブルが絶えないらしい。嫌な思いをするとせっかくの旅行が台無しなので、ガイドを依頼して交渉をお願いすることにしたのだ。 まずはピラミッドエリアをぐるりと迂回するように通る道路を抜け、パノラマポイントと呼ばれる6つのピラミッド(クフ・カフラー・メンカフラーと小ピラミッド3つ)が一望できるスポットへ。そこにはおみやげ物屋と共にラクダ引きが沢山いた。 ちょっと高台になっているので、本当にいい眺めだ。 感動しながらピラミッドを眺めているとヘルファさんが遠くを指差して言った。「サッカラのピラミッドが見えてますよ!」 おおおー!あれはぜひ訪れてみたかったものの日程の都合で泣く泣く落とした階段ピラミッドではないか!ラッキー!確かここから30km位あるはず。頭の中の「見たものリスト」にサッカラのピラミッドを加えた(^-^)←ちょっとズルイ
次はいよいよラクダ乗りだ。ヘルファさん交渉してくれる。メンカフラーのピラミッドの途中まで行って5ドル、そばまで行って10ドルとのこと。どうしますか?と聞かれたので10ドルの方を選択した。ヘルファさんから「途中でお金を要求されても絶対渡さないでください。チップ込みの値段ですから」と言われ、安心して乗る。 座ったラクダにまたがり、いよいよ立ち上がる。この瞬間が一番危ないらしい。しっかりつかまるよう念を押されてまず後ろ足から立ち上がった。 ひぃぃぃ〜、覚悟は決めていたものの、すごい傾斜だ。まるで前に突き飛ばされたように前のめりになる。鞍についた取っ手につかまり必死で耐える。前足を立てると水平になり、ほっと一息。馬などよりはるかに目線が高くて爽快だ!ユラユラとラクダに揺られつつメンカフラーのピラミッドへ向かう。うわー!これは楽しい。やっぱりラクダに乗って良かったなぁ。 しかし、やはりと言うかなんと言うか、ほんの50mほど歩いてヘルファさんから離れたとたんバクシーシ攻撃が始まった。「ハッピーか?」と聞かれたので「もちろんハッピー!!」と答えたら「ならバクシーシをくれ」ときた(^-^;) でもここはガイドを立てている心強さ。「ガイドにバクシーシ込みのお金を渡している。チップは渡すなと言われている。」と毅然と突っぱねラクダからの風景を楽しんだ(^-^)
20分ほどでメンカフラーのピラミッド前に着いた。そしたらなぜか急にラクダを座らせた。あれれ??なぜ?しかもすかさずその場にいた物売りがやってきてピラミッドの置物を買ってくれと言う。こいつら絶対グルに違いない。でも、その物売りは、「これから先いろいろな所に行くので、重くなるから石は買えない」ときっぱり断ると納得してくれた。あら、心配してたほどしつこくない。しかもにこやかにこれからどこへ行くの?とか聞いてくる。悪質ではない印象だ(^-^) ホッとしたのもつかの間、今度はラクダ引きが往復ではなく片道だと言い出した。へ?そうなの?じゃあもしかしてガイドさんたちは脇にある道を伝って迎えに来るのかなぁ?なんてちょっと考えてしまった。いや、でもそんなはずはない、往復なはず、などと悩んでいるとなぜかまたラクダを立たせ歩き出した。(悩まず毅然と往復だと主張するべきだった…)
やられたー!まさにガイドブックに載っていた「砂漠の中で帰りの料金を請求する悪徳ラクダ引き」そのままの手口だ。しかしこちらはガイドを通している強みがある。ラクダ引きだってそんなあこぎなことをしたとはばらされたくないに違いない。早速ラクダ引きに抗議! 「さっき夫が間違えて渡したが、それは契約と違う!そのお金を返せーーっ!<(`^´)>」 あーだ、こーだと言っていたが、しばらくして渋々お金を返してきた。 全くもう、自分たちの悪徳商法がガイドブックに掲載され全世界に紹介されていること知らないのか?そうやって結局自分の商売を先細りにさせているのが分からないのか? まあ、渋々でも返してきたからよし。しかし、やはりラクダ引きはかなり悪徳である。これから行かれる人も注意されたい。 ラクダ引きにはやられたが、その嫌な気分を差し引いてもラクダは楽しかった! うむむ、「政府公営ラクダ」とか「株式会社正直ラクダ」とか、観光客がだまされないような組織作りができないのかなぁ。こんな楽しいのに、「ラクダ引きはボッタクリだ」という噂(と言うかおそらく真実)のせいで体験できない人が多いのは本当に惜しい。 ラクダの問題も解決し、元のパノラマポイントへ向かう。次はカフラーとメンカフラーのピラミッドを眺めつつスフィンクスへ向かうことにした。 |
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満身創痍のスフィンクス(T-T) | ||||||||||||||||||
車窓からカフラーとメンカフラーのピラミッドを眺める。クフ王のピラミッドが一番高いが、高い岩盤の上に立っているカフラーのピラミッドが一番大きく見える。このピラミッドは上部に化粧板が残っていて、とても美しい。以前はピラミッド全体がこのような化粧板に覆われ、輝いていたと言うのだからものすごいではないか。その当時、これを見た人たちはどんなに王の偉大さを思い知っただろうか。 次はメンカフラーのピラミッドだ。サラディンの息子が作ったと言われる大きな縦穴が見える。こんな大きな穴をあけられてもビクともしないんだからたいしたものだ。 このピラミッドは日本で調べた時、地味だなあと思ったのだけど、化粧板に使われていた赤花崗岩が下部に残っていて、なかなか興味深い。花崗岩の瓦礫もあたりに散らばっていて、整備されすぎていない姿が面白く感じた。
さて次はスフィンクスだ。実は計画を立て終わって現地情報を収集していた時、4月からスフィンクスの修復を開始すると言う発表があった。3月末のことだ。うわーー!私たちが行くのが4/3。ううう、もうちょっと早ければ・・・。案の定、櫓が立てられている。でもまあ、シートに覆われたりしていないだけましだ。
ここは地下に水脈があり、そのせいで他の遺跡よりも破壊が進んでしまったとのことだ。 両足の間にはトトメス4世の「夢の碑文」と言う石碑が建てられている。夢の中にスフィンクスが現れ「掘り出してくれたら王にしてやる」と言われたというものだ。でもこの碑文のおかげで逆にトトメス4世は正当な継承者じゃなかったのではと言われている。正当な継承者なら掘り出さないでもそのまま王位を継げるからだ。素敵な名前の石碑だけど、裏に人間の権力争いが見えて面白い。
スフィンクスの目の前にはピラミッドコンプレックスの一部、河岸神殿がある。ここの石組みもすごかった。巨石がきっちり組まれ、堂々としたものだ。ここからピラミッドまで参道が通じ、王の遺体がナイルからピラミッドに運ばれたとの説明があった。ピラミッドについては色々説はあるが、やはり王墓だというのが根強い説なんだろうなー。
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