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1日目 成田〜カイロ 2日目 ギザ カイロ 3日目 ハルガタ 4日目 ハルガタ 5日目 東方砂漠横断 カルナック神殿 ルクソール神殿 6日目 メディネトハブ 職人の墓 貴族の墓 王家の谷 7日目 モスクワ 8日目 帰宅 |
貴族の墓へ | ||||||||||||||||
次は貴族の墓。こちらは職人の墓より公開している数も多い。 たくさん見て回りたいところだけど、この後の王家の谷もあるので、調べて良さそうな所のみまわった。 ナクトとメンナの墓も良さそうだけど、ちょっと離れているので今回は泣く泣く外すことにした。 貴族の墓はクルナ村の中にある。このクルナ村、実は墓泥棒の村なのだ。貴族の墓の上に家を建て、少しずつ宝を売りながら生活してきたと言う。 まあ、今ではそんなことはしていないのだろうけど、相変わらず墓の上に家があり、墓を倉庫代わりに使っている家もあるらしい。 なので、正確に言えば、クルナ村の中に墓があるのではなく、墓の上にクルナ村ができたのだ。 クルナ村は小さな窓のある四角い家がたくさんあった。あちこちに家畜が飼われていて、のんびりとした風景だ。見慣れぬ日本人客に子供たちが興味津々。一斉に近づいてきた。ものすごくすばしっこく、まとわりついてきてかわいい(^-^) みんな口々にハローハロー!と賑やかだ。 墓の近くにレストランがあった。壁面に賑やかな絵。これはイスラム教徒の義務、メッカ巡礼をしたと言う意味。飛行機と船を乗り継いでメッカへ行ったようだ。嬉しいんだろうなぁ。(^-^)
まずは泣き女で有名なラモーゼの墓へ。ラモーゼはアメンホテプ三世とアメンホテプ四世(アクエンアテン)の時代の宰相だ。アクエンアテンのアマルナ遷都に伴い、墓は未完のまま放棄されている。 墓は全室と埋葬室に分かれている。この前室部分のみ公開されているが、埋葬室に行く廊下の部分も入れないものの覗くことができる。今までの墓とは違い、墓内に立派な閉花式パピルス柱が立ち、さすが宰相と言う感じ。天井が破壊されているお陰(?)で墓の中は明るく、隅々まで見渡すことができる。
このレリーフ、まだ未完で、目の部分のみ彩色されている。でも、未完のままとはいえ、ものすごく美しい。特に髪の毛の部分。編みこまれた鬘が、大変細かく彫られているのだ。 人物の顔もとても高貴で美しい。レリーフとしては、王墓にあるものより繊細ですばらしかった。
絵は数段に分けて描かれる予定だったようだが、上から二段のみ描かれた所で墓が放棄されたようだ。 泣き女は、顔を上段に描かれたラモーゼの棺の方に向け、涙を流している。左の絵の他に髪の毛を振り乱し、胸をはだけて嘆き悲しむ女性の姿も描かれていた。 埋葬室に続く廊下の脇にはアテン神のレリーフもあった。しかし、こちらは、アクエンアテン後の「アテン時代の記録の抹消」を行った人々により削り取られ、非常に保存状態が悪い。通路の壁にラモーゼ本人のレリーフもあったが、こちらも見事に削り取られていた。 まともに残っているレリーフは前述した部分だけだ。あまりの美しさに壊せなかったのかも。
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仕事人間(?)レクミラの墓 | |||||||||||||||||
ラモーゼの次はレクミラの墓だ。この墓は、華やかな壁画があるわけではない。でもとても楽しみだった。というのは、この墓、様々な職業の人々が働く様子が非常に沢山描かれているのだ。
仕事熱心だったのだろうか。墓中に仕事の様子を監督するレクミラの姿が描かれている。 墓は逆Tの字になっている。まず入って左側の部分の壁画が面白い。属国から貢物を持ってくる行列が描かれている。上段からプント・ケフリ・ヌビア・シリアの皆さんだ。中にはキリン・ゾウ・ヒヒなど珍しい動物を貢物として持ってきている絵もある。よく見るとキリンの首にはサルがくっついている。遊び心があるなぁ(^-^) 奥へ進むと絵が5段に分けて描かれている。圧倒的に面白いのは左側の絵。一面当時の職人たちの様子が描かれている。一場面だけ描くのではなく、たとえば鋳造だったら「石を砕く⇒ふいごで火をおこし溶かす⇒型に流しいれる」と作業の手順全てが絵にしてあるのだ。鋳造以外で目に付いたのは「オベリスク職人」「細工師」「パン職人」など。天井が高く、上までビッシリ職人の姿が描かれているので、見つけるのもとても楽しい!
右側の壁には宴会の様子が描かれていた。こちらもただ楽しそうに書くのではなく、脇には客の身づくろいを手伝う召使の様子。う〜ん、面白い。装飾品が多いから召使も大変そうだ。 大きな木に囲まれた池を描いた絵もあった。これはレクミラの家で、船を浮かべられるような立派な池のある家に住んでいたことをアピールしているそうだ。
このレクミラ、ちょっと興味深い話がある。これ程立派な墓なのに、どうやらレクミラはここに埋葬されなかったようなのだ。レクミラの経歴や家系を考えると、もしかしてまだ見つかっていない墓がどこかにあるのでは(もしかして王家の谷かも!)と言われているそうだ。 う〜〜ん、何とか私が生きているうちに発掘されないかなぁ♪ |
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豪華絢爛センネフェルの墓 | |||||||||||||||||
日本との温度差もあって余計きつかったのだとは思うが、行かれる方は水と帽子は必ず持っていったほうがいいと思う。 センネフェルはアメンホテプ二世の時代のテーベ市長で港や穀物倉庫を管理する役職にもついていた高官だ。
センネフェルと娘が墓に運び込まれる副葬品を見ている。マスクや首飾りなど、墓泥棒に盗まれてしまう前にここにあったであろう宝物が描かれている。 脇にはヒエログリフが書かれている。「王が、二国の玉座の主アメン・ラー神と永遠の支配者オシリス神、聖なる地の主アヌビス神に与えし供物。彼らは王のお気に入りの南の町の長センネフェル、声正しき者、のカーのためにこの墓に自由に出入りする。彼が愛した彼の娘、アメン・ラー神の歌い手、ムトトゥイ」と書いてあるそうだ。 ムトトゥイはセンネフェルの腕に手を回し、にっこりと微笑んでいる。安心しきって父親に甘えている様子がとてもかわいらしい。 そして更に奥へ進む。埋葬室に入るとみんな思わず声を上げた。素晴らしい!なんと色鮮やかなんだろう。 まず目に付いたのは天井!中央部分は幾何学模様が描かれている。テントの中にいるような雰囲気を出すために書いてあるそうだ。 脇には一面にブドウの絵。これがすごい。天井はわざとだと思うがデコボコになっていて、そこに描かれたブドウがまるで垂れ下がっているように見えるのだ!ぶどう棚の下を歩いているようだ!
壁画も素晴らしい。玄室内には四本の柱が立ち、その全ての面に美しい絵が描かれている。ロータスや杖を持ち、ゆったりと腰掛けるセンネフェルと妻メリト。 周りの壁面には供物を持って冥界への旅をするセンネフェル夫妻が順を追って描かれている。最後の部分には死者の書が図案化されて描かれているのだ! どれも大変美しいし、保存状態もいい。とても色彩豊かな絵ばかりだ。当時の貴族の華やかな生活が伺われる。
この墓、本当にすごい。いい物を見れた〜と言う感じだ。しかも意外に人が少なく、30分以上私たち家族のみでゆっくり見物することができた。ガイドブックでの扱いはとても小さかったが、これほどの物を見逃すのはとてももったいないと思う。とてもオススメの墓だ。 |
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セブンイレブン並みの店 | |||||||||||||||||
センネフェルの墓を堪能した後、近くにあるラモーゼショップで一休み。とても小さな店で、絵葉書などが少し置いてあるだけの店だ。しかし小さな紙に書かれて貼ってあった呼び込み文句に驚いた!そこには日本語でこう書かれていた。 「セブンイレブン並みの品揃え、ラモーゼショップ」 ぶははは、いや、全然セブンイレブンじゃないから。誰が書いてあげたのだろう。すごいセンス!笑わせてもらいました(^-^)
もちろんOKだ!(^-^) ラモーゼショップのそばにはウセルヘトとカエムヘトの墓がある。これを見ながら待つことに。 ウセルヘトはアメンホテプ二世時代の書記。床屋で髪を切る絵が残る。 カエムヘトは貴族の墓には珍しく夫婦の彫像が中に残っている。しかしここは昔中で生活していた人がいたようで、煤で真っ黒に汚れていた。どちらも残念ながら保存状態は良くなかった。 すぐに見終わってしまい、またラモーゼショップで休憩。すると物売りのおじさんがやってきた。小さな石の置物を買えという。うーーん、どうしよう。 いくらか聞くと二つで20ドル。いやぁ、それは高すぎ!いらないと言うと、「自分で作ったんだ。ぜひ買ってくれ」と言われた。うむむ、おじさんが作ったって言われると、出来がイマイチだから欲しくないともいえない(^-^;) 暇だったので、値切っていくと二つで5ドルまで落ちた。まあ、それなら買ってもいいかも♪交渉成立だ。おじさんも大喜び。ニコニコしながら新聞にくるんでくれた。エジプシャンの笑顔ってとてもいいなぁ(^-^) 値切るのも結構楽しい。 |
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