−10月−

−提出物3−
朝来てから,学校で宿題を友だちに教えてもらいながらさっと済ませるような習慣がついた子は,家で学習することができにくくなってしまいます。それで,朝来てした宿題は再度二度目を休憩時間にするということにして,朝のインスタント学習に歯止めをかけるようにしています。何年か前ならば,宿題忘れをした子は放課後残ってすることにし,休憩時間はみんなと一緒に教師も遊ぶことができていました。ところが最近の不審者事件以降は毎日学年が揃って一斉下校をすることになり,放課後の個別指導ができにくくなりました。それでどうしても昼休憩等を個別指導に当てることになります。

−報告1−
センターで1時間10分の実践報告に行ってきました。約50名の先生方が研修に来られていました。昼からの報告ということで,途中眠気覚ましに起立してもらい,「秋の七草」を覚えた人から座ってもらったりという失礼なこともしてしまいましたが,とても熱心で好意的な反応をしていただきました。紹介した数点の算数教具も希望者にジャンケンで差し上げることができ,とても楽しいひとときを過ごすことができました。(報告後このHPを偶然お伝えすることになった2人の先生,これからの参考にしますので,是非感想メールを送って下さいね。)

−報告2−
今回の報告もいつもの研究会の発表のように原稿を読むことをせず,日頃の思いを語りかけていきました。1時間10分の長さなので,結局一度も通して発表練習することもなくぶっつけ本番で臨んだ実践報告でしたが,報告から帰った後人づてに,研修に参加した人が「時間を短く感じた」という感想を聞くことができました。今回私を紹介して下さった指導主事の先生からは話の間と構成について評価して頂き,教師生活の中で思い出に残る大切な記念日になりました。

−公開研1−
センターで報告した次の日に自分の学校の公開研究会がありました。6年生は国語の「やまなし」の授業を行いました。3クラスあるので,1組が五月場面での読みの課題作り,2組が十二月場面の読み深め,そして私のクラスの3組は五月と十二月の違いの読み取り,と参観に来られる方のために進度を変えてそれぞれに提案しました。

−公開研2−
教室の横には,五月と十二月の象徴性について学習した日の板書の拡大写真とそれを整理したものを掲示していました。そしてこの日の授業では両方の違いについて考えを出していきました。授業の最初,今までの学習を想起するために全部を音読すると時間がかかり過ぎます。そこで,その代わりに児童全員にそれぞれの場面で覚えている出来事を言ってもらうことで全体を思い出すことにしました。端から一列ずつ立って前の子から覚えている出来事を言っていきます。全部言われて自分の言えることがなくなった子は座りますが,どんな小さなことでもいいことにしておくと大体全員が何か言えます。この日は参観日も兼ねているので,これで全員発言する場面を家の方に見てもらえます。

−公開研3−
それぞれの月の出来事を発表した後,その象徴性を発表していきます。五月は「争い」や「死」にかかわるイメージが出され,十二月は「平和」や「静かさ」にかかわるイメージが出されます。これもそれぞれの月の学習の時に出された意見なので,発表を聞くだけで確認していきます。この後中心発問をしていきます。まず「2つの場面で似ているところ」をききます。すると必ず「何かが落ちてくる」という意見が出てくるはずです。次に「落ちてきたものの違い」について考えていきます。

−公開研4−
それぞれの月に落ちてきたもののイメージの違いを子どもたちに問いました。すると,五月の(かわせみ)と十二月の(やまなし)では「悪いイメージ」に対して「良いイメージ」,「不幸せ」に対して「幸せ」,「恐怖」に対して「うれしさ」,「不安」に対して「やさしさ」,「こわさ」に対して「安心」,「危険」に対して「安全」等の意見が出されました。そして「命を取るもの」に対して「命をあたえるもの」という意見が出されたので,その「命をあたえる」というところをもっと深めていくことにしました。

−公開研5−
そこで出された意見は「五月は魚がクラムボンを食べ,その魚をかわせみが食べるというように生きるために命を取っているが,十二月は(食べる)でなく(食べてもらう)(栄養になる)落ち方をしている。」「種が命を与えている。」「命のリレーをしている。」「命のバトンの役をしている。」等の意見が出されました。私はここまでの反応予想をしていませんでした。そして,公開授業ということも忘れてただただ感心しているばかりでした。そして,次の時間はこの2つの場面を通して作者は何を伝えたかったのか考えようと言っているところでチャイムが鳴ったのですが,数人がその問いに対して「言いたい。言いたい。」と挙手を続けていました。

−公開研6−
授業後の全体会が体育館で行われました。その中で指導主事の先生が「例えば6年生では,命のリレー,命のつながり,という光る言葉が聞かれた。さわやかな笑いがあり,授業終わりのチャイムを惜しむ児童の姿が見られた。」という言葉を講評の中に入れて下さいました。次の日の連絡帳には授業を参観された家の方が感想を書いて下さっていました。しかし,この授業では私自身今でも悔やんでいる反省すべき点があり,また次の日に家庭にお願いした「学校評価アンケート」にも辛辣な評価が見られたのでした。

−公開研7−
学校評価アンケートの評価は,4(とても),3(まあまあ),2(あまり),1(ぜんぜん)の4段階に分かれています。今回のアンケートでは通信や授業の項目で4に二重丸をつけて下さるような方もおられましたが,中には半分近くに2の評価をされた家の方がおられました。まだまだ反省する部分が多いと改めて思い知った公開研でした。

−しゃっくり−
今日,男子が「先生しゃっくりが出ます。」と言ってきました。よしよし,と前に座らせ30秒後には「あれ,出ない。」ということになりました。先日男子1人,先週女子1人のしゃっくりを止めました。本人が不思議そうな表情で席に帰っていく姿を見送ることを楽しんでいます。

−確かめ1−
以前から気になっていたのは,テストの問題で,例えば「2つに○をしなさい。」と書かれているのに1つにしか○をしないような,確かめ不足の子がいるということです。何度も確かめをするように注意していても,いつも何人かがもったいないミスをしていました。

−確かめ2−
○の数などはテスト中に一言言えばミスが少なくなるでしょう。しかし,その場で言われて気が付いているようでは,注意不足ミスの根本的な解消になりません。それに問題に指示されている通りの答え方をすること自体も「試されている」はずですから,そこを指示していては,答えを教えることに匹敵してしまいます。これから先,テスト以外でも様々な場で「確認,再確認」を丁寧にできるような資質を少しでも育てておくことは,「学力づくり」と共に,小学校において大切な仕事だと思います。

−確かめ3−
今まではテスト直しをする時に注意不足の箇所を全体に指摘するぐらいでしたが,この2学期からはテストの採点をする時に誰がどういう場所で注意不足のミスをしているかを記録に残しています。そして個別に指導し,次回のテストだけはできたからといって早めに提出せず,時間内最後まで何度も確認することを求めます。

−確かめ4−
子どもにとってはこの「見直す」ということが苦痛なのですが,「問題を読み返す」「答えを読み返す」ことをしていればミスが防げている箇所を毎回チェックし,指導を続け,逆に満点ではなくても確認不足のミス無し記録を伸ばしている子の評価もしていくことで,一人ひとりに自覚と緊張感を持たせ,「確かめる」ことを習慣にしていきたいと思っています。

−確かめ5−
テストの確かめ不足チェックを毎回することによって,テストを受ける時の姿勢に少し変化が生まれてきているようです。しかし,まだまだ毎回毎回注意不足ミスは続いて現れます。その度にテスト直しの時に一人ひとりに注意をし,ミスの確認をしていくのですが,今日はその子たちを昼休憩に集め,自作の「注意力養成トレーニングシート」なるものに取り組んでもらいました。

−確かめ6−
「注意力養成トレーニングシート」,以前この欄でも紹介したことがあります。「文を正確に読み取る」練習として迷路の下に書いてある指示通りに進んでいくだけのものです。今回は4種類の指示を書いたシートに取り組んでもらいましたが,全問正解できた子は2人だけでした。

−確かめ7−
どんな場合でも「確かめ」はその対象物に対する意識の濃さが反映してきます。例えばテストなどの点は少々勘違いが原因で減点があったとしても大して気にならない子も多くいます。点に対する欲がないので,一応嫌々でも最後までやり終えたテストなど,もう再度見返すような面倒なことをする精神的エネルギーは残っていないのが実態です。

−確かめ8−
点数への欲のない子に,どのようにして「再度確認」の苦労をさせるか。ひょっとしたらそういうところまで手出しをすることに意味はあまりないのかもしれません。しかしこういうことへのこだわりは,例えば「自分の掃除場所の片づき方を最後に再度確認して終えるような習慣」を身につけさせることにもつながるように思います。

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