-謹賀新年- あけましておめでとうございます。 本年もよろしくお願いいたします。 昨年は転勤したての年でもあり,忙しくしていて更新も鈍りましたが,今年は更に鈍るのではないかと予想しております。今年も相も変わらぬ内容のままでいくつもりです。こんなページでよければまた今年もお付き合いのほどよろしくお願いいたします。 -年賀状- 2学期が終わる前に何人かが私の住所を聞いてきてくれました。最近は子どもたちからの年賀状も手書きが減ってきていますが,中にはこんな嬉しい賀状を送ってくれる心優しい子もいます。 -イントロ- あまり見る時間もないので,勘違いかもしれませんが,最近のテレビ番組の中には,時間がくるとすぐに内容が始まっていると思われるものがあります。今までは,まずコマーシャルが入ってその後テーマ音楽と共にオープニング画面が流れるのが当たり前の構成でした。しかし視聴率競争の中で,いかに視聴者の関心を掴むかというマネジメントとして,意図的にイントロ部分をなくしているのではないかと思いました。一気にクライマックス部分から入るというのは,作文を書くときなどにも使用するテクニックです。企業は人の心を惹き付けるための工夫,努力を企業生命をかけて日夜続けています。学校の授業は,まずはその内容が大事ですが,その構成の仕方や事前の準備等に,いかに人の心を惹き付けるかという工夫,努力が日夜行われ,それが広められ進歩していくことは必要だと思います。そしてそこが教師として仕事をするおもしろ味でもあります。 -語り- もう何年も前のことですが,学校に巡回演奏会で,以前NHKの子ども番組に出演されていた女性と共にピアノ伴奏をされる作曲家が来られたことがあります。その作曲家はテレビ番組の「古畑任三郎」のテーマ曲も作曲された方でした。しばらく女性が歌われる伴奏をした後,その作曲家がマイクを持たれ,子どもたちに話された最初の言葉は「こんにちは。君たち小さいねー。あぁ,おじさんが大きいのか。」でした。まるで,あの脚本家の三谷幸喜さんのような雰囲気でした。媚びを感じさせないひょうひょうとした話しぶりでしたが,無駄がなく,一般的でなく,肩に力が入ってなく,それでいて「次に何を言われるのだろう」と思わせるものでした。これは,いつかこの欄で紹介した「ベテランバスガイド」の絶妙な語りと共通するものがありました。 -能率1- 今日,髪を切ってもらっていると,理髪店の主人に「目が赤いですね。寝不足ですか?」と言われました。3学期が始まってこの1週間,夜気がつくと1時になっていました。仕事の能率が悪いのは自分でも嫌になるほどです。 -能率2- 先日,算数の授業を終わろうとすると,「え,もう終わるの。」という声が聞こえてきました。こういう声が聞こえる時が,指導する者にとっては至福の時です。この時は「割合」(5年生)の文章題を扱う内容で,あるモノと手作りプリント2枚を使った授業でした。こういうことがあると,能率が悪く夜中遅くなっても,授業の用意をいろいろするようになります。 -ビデオ- 休日に久し振りにビデオで映画を観ることができました。知人から以前借りてそのままになっていたものです。「感動する。」とは聞いていましたが,忙しさもあってなかなかテレビの前でセットして,というところまでたどりつけませんでした。今回ようやく観ることになっても,用事をしていたりして,ちらちらっと観ていたのですが,途中から本気で観てしまうような内容でした。終わってから2回目を真面目に観ました。構成と役者の魅力に惹き付けられました。いいですね,「いま,会いにゆきます」 -発表1- 発表がなかなかできない子がいます。いつもしていないと,時に挙手するとまわりから「おっ!」という目で見られるような気がして,よけい挙げづらくなってきます。学級開きの日から「発表すること」の意識づけをしたり,体験をさせていかないと,1年間ずっと「発表しないくせ」のままで終わることになります。 -発表2- 発表するしないで学力形成に大した違いはないようにも思えますが,学校で「人前で話す」という経験をしっかり積んでおくことは,その後の人生において必ず役に立つはずです。また,話したり書いたりすることで更に思考は深まるものです。そして,1時間の授業をじっと黙って受けているより,発信していく方が時間も短く感じるはずです。発表しない子の中には,黙っている方が心の平静を保てる場合もあるでしょうが,ほとんどの場合,本当は言いたいことがあるのに気後れしてついじっと受け身になって損をしているように思われます。 -発表3- 発言指導についてはこのHPの「指名なし発言」で国語の時間での1つの方法を提案していますが,それ以外のあらゆる場でも,できるだけ多くの子が発表できるように仕組んでいきます。私はしたことがありませんが,「班競争」を行うことも効果があるでしょう。最初はいやいやでも,経験していくうちに人前で話すことに慣れていくこともあります。ただ,この方法は学級の実態によっては「あの子がいると競争に負ける」というような負の意識を生むこともあります。 -発表4- 発表とか歌声というものが変化していくには,何かのきっかけが必要です。賞賛と励まし,雰囲気作りも大切ですが,時にはある程度のプレッシャーも必要です。時間がかかりますが,やはり全員が発言するまで待つような場を根気強く作っていく地道な取り組みが大切だと思います。また即席に,決まった子が発言するパターンをある程度崩していく方法もあります。 -発表5- 新学期のまだ発表が少ない時期や,もうすぐ参観日があるような時に発表の振りをつけることがあります。例えばこのHPで紹介している「エンドレスゲーム」もその1つです。他にも道徳などでは,まず全員に罫線の入った用紙を配っておいて,「この1時間に自分の考えをどんどん発表していきましょう。でも,中には発表することが苦手な人がいるかもしれません。もし発表できなかった人は後で今配った紙に自分の意見を10行以上書いてもらうことにしますから,安心して下さい。」と,優しいプレッシャー(?)をかけて「意見があるのに発信しようとしない」「まわりの目を気にしてしまう」「人任せにしてしまう」「参加しようとしない」等々の今までの体質に変化を求めていきます。もちろん何をやっても発表しようとしない子もいますから,限度を考えて取り組んでいきます。とにかく1年間,あきらめず毎日いろいろな仕掛けと工夫をして,「人前で話す」経験を1人でも多くさせていけるようにしたいものです。 -字1- 漢字練習の宿題を毎日出します。漢字ドリルにある10短文をその文のまま2回ずつ練習することになっています。漢字だけを練習させないのは,その漢字の使い方を意識させるためです。提出された練習帳は,教室で朝会までに点検します。点検では短文1つずつに丸をします。違っている漢字には欄外に訂正を書きます。訂正がある子は,その文を新たに3回練習することになります。しかし,点検した練習帳を一度に全員に返すと,訂正がある子も中を見ずにそのまま帰り,次の日も訂正をせず次の練習だけをして来るということがあります。そこで,訂正のある子だけ呼んで,その日のうちに直してくるよう直接1人ずつ手渡しします。練習間違いが1つも無い場合は100(点)を書き入れます。そして,「字」の評価も書き入れます。 -字2- 漢字練習は漢字を覚えるのが第一の目的です。その時,字の丁寧さは大した問題ではありません。漢字を覚えればいいのです。しかし,実際にテストをすると,丁寧に練習している子がやはり高得点を取ります。だからといって丁寧でない子に字について直接注意することはほとんどしません。そこまで入り込むとあまりにも堅苦しくなってしまいます。こういう子には後で紹介する間接的な意識づけを少しずつ行っていきます。逆に丁寧に字を書いて練習している子にはそれなりの評価をして,その努力を続けていく元気を与えたいと思います。そこで点検の後,字の丁寧な子には,練習帳の欄外に励ましの言葉を一言書きます。30数人いると「一言」でも大変ですが,できるだけ言葉にも変化をつけていきます。 -字3- 練習帳への一言がどれだけ効果があるかは疑わしいのですが,とにかく頑張っている子には何とか励ましのエールを送りたいと思います。しかし,時間もかかるので,丸をしている時に感じた一言をさっと欄外に書いていきます。私は普通「ていねいです。」と書きますが,それがしばらく続いたり,その日のできによっては「きれいです。」を時々入れます。それに「りっぱです。」「すばらしい。」「見本になります。」「美しい!」「かんぺきです。」「かっこいい字です。」「力強い字です。」等々,その字から感じるままを書いていきます。しかし,ほめられない字の子には何も書かないし,注意もあまりしないので,そのまま続いてしまうことがあります。そこで,そういう子をターゲットにして少しカンフル剤を打つこともします。 2月へ |