鞍馬寺と貴船神社はどちらから行くのが楽か、安全か
鞍馬寺ケーブルカーを使わないで、徒歩で行くという前提で、鞍馬側の鞍馬駅(叡山電鉄)からのルートと、貴船神社からのルートを比べました。
標高差を考えれば、貴船側から登った方が少し、楽です。ケーブルカーを使う場合は、(登りにケーブルカーを使えるので)鞍馬側から登った方が楽です。
標高差
下図は、鞍馬駅から貴船神社までの標高と勾配を表す断面図です。鞍馬寺と貴船神社はどちらから行くのが楽かを考える為に鞍馬山の国土地理院 地理院地図の断面図作成ツールで作りました。
貴船神社の標高は300mで、鞍馬駅の標高は240mです。当然、標高の高い貴船神社から低い鞍馬駅へ向かう方が楽です。ただ、標高差は60mですから、体力に自信がある人は、どちらから登っても大差ないでしょう。
ただし冬季は、標高が500m近くあり積雪や凍結の恐れがあるので、冬山経験者以外は、どちらからのコースも、おすすめできません。
勾配による危険性
山では登りより下りの方が危険なので、急な下り坂は避けた方が良いです。
鞍馬駅からのルートの下りは危険
上図を見ると、貴船神社側の勾配が急です。最高地点(標高500m)から貴船神社(標高300m)は、標高差200m、距離550mなので、tanθ=200÷550のθは約20度です。楽かどうか、だけを考えると、ここを登るのはきついですが、ここを下るのは、多少危険です。
この付近は木の根道と呼ばれ、杉の木の根が地面を這っています。
登山に不慣れな人、特に雨天時には、貴船神社へ下る鞍馬駅からのルートは避けた方が良いでしょう。
貴船神社からのルートの下りは安全
由岐神社から本殿金堂にかけての九十九折(つづらおり)は、標高差100m、距離300mなので、tanθ=100÷300のθは約19度です。勾配は急ですが、この勾配は直線的なものです。下の地理院地図を見れば判りますが、道はジグザグになっており、実際の勾配はゆるやかです。また、階段もありますし、道幅も広く距離も短いので心配しなくても大丈夫でしょう。
鞍馬山の国土地理院 地理院地図
登山に不慣れな人でも、鞍馬駅へ下る貴船神社からのルートは安全です。
九十九折付近の登山道の様子は下のストリートビュー360°写真で確認できます。九十九折付近のストリートビュー360°
鞍馬寺 貴船神社 所要時間
- 鞍馬寺側から貴船神社への所要時間
鞍馬駅(叡山電鉄)→10分→由岐神社(九十九折経由)→25分→鞍馬寺本殿金堂→30分→魔王殿→20分→貴船神社。計 85分 - 貴船神社から鞍馬寺側への所要時間
貴船神社→20分→魔王殿→30分→鞍馬寺本殿金堂(九十九折経由)→20分→由岐神社→10分→鞍馬駅(叡山電鉄)。計 80分
貴船神社から登る方が、若干、時間が短くなります。(貴船神社の方が、標高が60m高いため)
精神的に楽なのは鞍馬寺側からのルート
貴船神社からのルートは、最初、針葉樹に覆われ道幅も狭く、20分ぐらいの登りが続きます。
一方、鞍馬側からのルートは、見晴らしもよく、特に紅葉の季節はとても奇麗です。また、降りた所の貴船の方が、食べ物屋さんが多いと思います。ただ、値段は高い。
貴船神社付近のランチでは、貴船ふじやの式部膳が4000円、貴船 右源太の川床懐石料理が10000円です。
鞍馬寺 霊宝殿の紅葉
左の写真は、2008年11月15日に撮影したもの。右の写真は、2008年11月23日に撮影したもの。紅葉の盛りを過ぎています。
貴船の食べ物 貴船ふじやの式部膳と「とち餅」
左の写真は和泉式部が由来の式部膳。この料理は「貴船ふじや」にしかありません。瓢箪形の器の中にあるのが、ワラビ田舎煮 いさだ時雨煮。さらに、あまご唐揚げ、タラの芽など。右は、貴船名物 とち餅。
鞍馬寺と貴船神社はどちらから行くかの結論
コース計画は、以下の項目により変わります。
- 体力。小学生高学年以上なら、体力を考慮する必要はありません。体力がない方は、鞍馬駅近くの山門駅からケーブルカーの利用をおすすめします。
- 天候。降雨後、時間が経っておらず、地面が濡れている状態では、登山経験の全く無い方は鞍馬駅からのルートは危険です。
- 季節。冬季の場合、冬山経験の無い方は、どちらのコースも止めた方が良いでしょう。どうしてもと言うなら、貴船神社側からの方がましでしょう。
- 宿泊する場合。貴船は1人2万円から4万円。鞍馬駅周辺で泊まれる所は1つ。約2万円。
- 日帰りの場合。貴船発 叡電貴船口駅の最終は18:25です。これを逃すと、舗装道路を貴船口駅まで、2km歩く事になります。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。